完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~ 110~ 120~
*15*
「第13話発電所の危機、vsマーズ」
クロガネシティからコトブキシティへ戻ったアイコは、そこで謎の集団のギンガ団に襲われていたナナカマド博士をコウキと共に救出。そのあと、ソノオタウンへと歩んでいった・・・。
「うわ〜、綺麗。ここがソノオタウンか」
アイコはソノオタウンに目を見張っていた。ソノオタウンは街中が花畑に溢れている綺麗な街で穏やかな空気が流れている。アイコは花畑に入ると、くるりと回って太陽の光を浴びて両手を広げた。
「はあ〜、気持ちいい。少し眠くなっちゃったかな・・・」
温かい太陽と涼しい風がアイコの眠気を誘った。アイコは花畑で座ると仰向けになってすやすやと寝息を立てた。
しばらくして、アイコは何かを感じた。自分の上に何かがいる。気になって落ち着かない。アイコは目を開いてみた。
「よ、アイコ」
「きゃあ、ソウスケくん?!」
アイコは顔を赤くして驚いた。彼女に被さるようにソウスケが体を屈めていたからだ。
「悪い悪い、眠り姫を起こしちゃったかな?」
「ソウスケくん、どうしてここに?」
「どうして、て可愛い恋人が寝ているのを見たら気になるだろ」
アイコは顔を真っ赤にして太ももをもじもじした。ソウスケとアイコ、この二人は恋人同士なのだ。二人は幼い時から仲良しで今でも親しい間柄なのだが、いけいけのソウスケに振り回されることが多かったが、それでもアイコはソウスケが好きなのだ。
「寝ているアイコ、すげえ可愛かったぜ。な、アイコ」
「な、なあに?」
ソウスケの言葉にアイコは少し不安そうな顔をした。そして彼は彼女の耳元でこう言う。
「キス、してもいい・・?」
「え・・、う、うん、いいよ・・・」
アイコが言うとソウスケは頬を赤くして彼女に顔を近づけた。アイコは瞳を閉じてソウスケを待っている。彼は、アイコの唇にそっと口づけをした。花畑での甘いひと時、この時間が止まっていてくれたらと思わずにはいられない。だがその時、何か騒がしい音や雑音が聞こえてきた。二人は咄嗟に体を起こした。
「な、何があったのかな?」
「取り敢えず行ってみようぜ」
アイコとソウスケはすぐにその現場へと走っていった。そこは電気を作る発電所だった。いろんな人たちが何があったかざわついている。アイコ達は、彼らが発電所が何者かに占領されていると言う話を聞いた。
「アイコ、発電所が怪しい奴らに乗っ取られたみたいだぜ」
「怪しい奴ら・・・もしかして!」
この時、アイコは思い起こしたクロガネシティ、コトブキシティで現れたあのギンガ団では・・・。
「よし、アイコ、その怪しい奴らを懲らしめに行こうぜ!」
ソウスケが早速行動を始めようとした。
「待ってソウスケくん、相手はギンガ団かもしれない。ここは準備してから・・・」
「それじゃ時間がかかっちまう、考えるより走れだぜ!」
ソウスケは慎重なアイコの話を聞かずアイコの手を引いて発電所へ走っていった。アイコは慌てるしかなかった。そして、発電所に来るとそこには文字通りギンガ団がいた。
「ソウスケくん、本当に行くの?」
「もちろん、アイコ、バトルの用意をしておけ」
ソウスケはボールを手に取ると、ポッチャマを繰り出した。アイコもモウカザルを出してギンガ団に立ち向かった。二人の前に下っ端たちはいともたやすく蹴散らされ、アイコとソウスケは発電所に入った。奥へと進んでいくと、そこには他の下っ端とは違う人物がいた。
赤い髪にクールな顔立ち。いかにも幹部のような感じをしている女性だった。
「あんたが、こいつらのボスか?」
ソウスケが言うとその人物は静かに口を開いた。
「その通り、と言いたいところだけど私はその幹部、ギンガ団のマーズよ。今よりも素晴らしい世界を作ろうとしているのにそれをわかってくれない人がいる。あなた達もそうでしょ?」
「何が、目的なの?」
「さあて、まあいいわ。ここまで来たんだもの。相手をしてあげるわ。あなた達が勝てたら、すぐにここを去るわ。私に勝てたらだけど」
マーズは椅子から上がると、ボールを二つ投げてズバットとブニャットを繰り出してきた。
「私はこう見えても優しい方よ。仲良しカップルでかかってきなさい」
「そこまで言うなら、行くぜアイコ!」
「うん、ソウスケくん!」
アイコとソウスケは息を合わせて、モウカザルとポッチャマをバトルに出した。モウカザルはブニャットに、ポッチャマはズバットに向かっていった。ズバットがエアカッターを飛ばしてくると、ポッチャマはバブルこうせんで相殺させた。ズバットがおどろかすで怯ませようとするがモウカザルがマッハパンチでこれを退ける。
「ありがとよ、アイコ!」
「どういたしまして、さあ、一気に決めるよ!」
アイコの言葉にモウカザルは強く頷いた。ブニャットのひっかく攻撃を軽々と交わしてマッハパンチでこれを倒した。そしてポッチャマもソウスケの指示でバブルこうせんを使い、ズバットを見事に倒した。
「な、ふん、少しはやるようね。さすがは仲良しカップルと言ったとこかしら。仕方ないわね。ここはおとなしく退いてあげる。けど、次はそうはいかない」
二人の結束の前に敗れたマーズは捨て台詞をはいて、下っ端たちと発電所を去っていった・・・。
「やったなアイコ!」
「ソウスケくんも、さすが!」
発電所の事件を解決したあと、アイコとソウスケは誰にも気づかれないよう出た後、元気よくハイタッチをした。二人の連携の勝利。アイコとソウスケは誇らしく、同時に嬉しく感じていた。だが、すぐに別行動になるが、二人はギンガ団の幹部に勝利した喜びを噛み締めて次のステップへと歩んで行くのだった・・・。