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ポケモンストーリー ダイヤモンド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 123ページ)
関連タグ: ポケモン ダイヤモンド バトル 冒険 恋愛要素 
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*5*

「第4話219番道路、小さな思い出」
 シンオウ地方の冒険の始まり。201番道路を一人の少女が笑顔で走っていた。アイコである。シンジ湖でのちょっとした騒動がきっかけで、ナナカマド博士からトレーナーとしての才能を見込まれて、シンオウ図鑑の完成を頼まれたのである。
 旅に出ることをママに伝え、ある届け物を持ってからマサゴタウンへと走っていた。
 「それ!」
 アイコはモンスターボールを手に取って元気よく投げた。
 「ヒコーっ!」
 ボールはパカっと開き中からヒコザルが出てきた。
 「さあおいで、ヒコちゃん!」
 アイコはひざを地につけてしゃがみ両手を開いて優しい顔でヒコザルに声をかけた。ヒコザルは元気よく駆け寄ってアイコの胸に飛び込んだ。
 「きゃーっ、うふふ!」
 アイコはしっかりとヒコザルを抱きとめると嬉しそうな顔でくるっと回った。ポケモンと一緒の幸せなひととき、そうしている内にマサゴタウンに着いたアイコは、ヒコザルを抱いてある場所に向かって歩いていた。そこは、マサゴタウンの南側を通った先にある219番道路であった。
 「着いたよ」
 そう言ってアイコが指を指すと、そこにはあたり一面に広がる海だった。海から流れる潮風がアイコの髪をないでいた。アイコは海を見ながらヒコザルに話しかけた。
 「どう、大きな海でしょ。君にとっては初めて見る海だよ」
 アイコが言うとヒコザルは興味津津な顔で海を、その先の向こうを眺めていた。そんな中でアイコがシンオウ地方のことを話しだした。
 「このシンオウ地方にはね、様々なポケモンがいるの。この旅で色んなポケモンに出会えたらいいね。そうすれば、私の見る世界も変わるかもしれないし、なんてね、君には難しかったかな、ヒコちゃん」
 アイコは話終わると、海に近づいてごらんと言ってヒコザルを放して砂地に座り込んだ。ヒコザルはてくてく歩いて海の方を見た。海は風に沿って波が動き、砂地の色を変えていく。ほのおタイプのヒコザルは、少し怖いのか、水に濡れないように動いていた。だが、アイコと一緒にいたいのかすぐに彼女の方へと戻っていった。
 「お帰り、少し怖かったかな」
 戻ってきたヒコザルをアイコは優しく抱き寄せてやってそっとヒコザルの額にキスをしてあげるのだった・・・。

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