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*6*
「第5話ポケモンの捕まえ方」
219番道路で小さな思い出を作ったアイコは202番道路をヒコザルと一緒に歩いていた。楽しい旅のひととき、そこへあるトレーナーが声をかける。
「やあ、アイコ。もうここまで来たんだ」
「あら、コウキくん」
声の主はナナカマド博士の助手をしている、コウキと言う少年だった。
「それで、旅のことはもうお母さんに話した?」
アイコはしっかり話したことをコウキに伝えた。それを聞いて安心したコウキは、彼女にポケモンの捕まえ方を説明した。
「ポケモンの捕まえ方?」
「そう、トレーナーにとってポケモンを捕まえることは基本中の基本なんだ。手持ちも増えるし、バトルでも活躍してくれるからね。いいとこづくしだよ。今から捕まえ方を教えるから見ててね」
そう言ってコウキは草むらの中に入っていった。しばらく歩いていると、
「ビッパ!」
草むらからまるねずみポケモンのビッパが現れた。
「出たな、よし、行けナエトル!」
コウキは手持ちのボールを投げて、わかばポケモンのナエトルを繰り出した。
「あ〜うあう」
「ナエトル、はっぱカッターだ!」
コウキの指示でナエトルははっぱカッターを飛ばしてビッパを攻撃した。攻撃を受けたビッパはある程度のダメージを受けた。
「よし、早速モンスターボールを投げるぜ」
コウキはモンスターボールを手に取ると、それをビッパに目掛けて投げ飛ばした。ボールは見事ビッパに命中し、ビッパはボールの中に入っていった。ボールはしばし動いたあと、カチッと音が鳴って動きが止まった。ゲット成功である。
「よし、ざっとこんな感じだね」
ボールを手に取るとコウキはポケモンゲットのこつをアイコに教えた。大事なことはポケモンの体力を減らすことであり、体力があるポケモンは捕まりにくいこと。まひやねむりなど、状態異常にすると、さらに捕まえやすくなることを説明したあと、アイコにモンスターボールを5個渡して先へ進んでいった。
「よーし、ポケモンをゲットするよ。君に友達を作ってあげたいしね」
アイコはコウキに言われた通りにポケモンを捕まえるべく草むらの中を散策した。しばらくガサゴソ歩いていると、
「きゃっ!」
「ムックルーっ!」
草むらからむくどりポケモンのムックルが現れた。
「出てきたね。行くよヒコちゃん!」
「ヒコ!」
ムックルが登場すると、アイコはヒコザルを戦闘に出した。ヒコザルはひっかく攻撃に出たが、ムックルはでんこうせっかでヒコザルのひっかくをかわして反撃した。
「ヒコちゃん、ひのこよ!」
アイコの指示で、今度はひのこを飛ばしてムックルを攻撃した。ひのこを受けたムックルはダメージを受けた。今が捕まえるチャンスである。アイコはすぐにコウキからもらったモンスターボールを取り出した。アイコはムックル目掛けてボールを投げた。ボールは見事ムックルに命中。ゲット成功である。
「やったーっ、ゲット成功だよーっ!」
始めてのポケモンゲットに、アイコはぴょんぴょん跳んで喜んだ。ムックルの入ったボールを優しく手に持って胸に当てた。
「よーし、出ておいで!」
アイコは早速入っているか確認しようとボールを投げた。
「ムックルーっ!」
投げたボールから、ムックルが元気よく出てきた。登場すると羽ばたかせてアイコの廻りを旋回してアイコの手のひらに降り立った。
「これからよろしくね、ムーちゃん!」
「ムックルーっ!」
アイコがよろしくと言うとムックルは羽を広げて元気よく頷いてみせた。アイコは地にしゃがむとムックルを地面におろしてヒコザルに紹介させた。
「君の新しい友達だよ。ムーちゃん、仲良くしてあげてね」
アイコはムックルを紹介すると新しい仲間が増えたことに胸がときめくような思いがした。ヒコザルがよろしくと手を差し出すとムックルはこちらこそな、と手ならぬ翼を出したのだった。
こうして二匹目のポケモンを仲間に加えたアイコはヒコザルとムックルの二匹と一緒に202番道路を歩いて行った・・・。