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しりとりシリーズ 『メモ』の『その後』 蘭万屋録 CASE 3 殺人事件と万屋 中編
「……ん? もう朝か?」
自分はそう言って、ベッドから起き上がる、そして顔面を少し叩いて、強制的に目を覚ます、これで目が覚めた筈だ、そう考えて、自分はベッドに座って、体を柔軟させて寝転がって腹筋を開始する、少しでも体を動かさないと体が鈍ってしまう、そう考えて毎朝柔軟体操をしているのだ、と言っても、体に何か変化はあるか? と言われれば無いのだが……そして自分は柔軟を終わらせて、部屋を出た、すると出会い頭に幼女とぶつかってしまい、幼女が倒れてしまった、自分は幼女に手を差し伸べて謝る。
「君、大丈夫かい?」
自分がそう言うと、幼女は少しの間を置いて、自分の手を使い、起き上がって頭を下げる。
「此方こそすみませんでした……って、おじさんだぁれ?」
「おっ、おじさん!?」
まさか幼女に、というか、小さい子にそんな言葉を使われる時が来るとは、そもそも考えた事がなかった、まだ『お兄さん』と呼ばれる年だとは思っていたが……もう『おじさん』って言われる見た目なんだなぁ、と実感する自分、すると幼女は不思議そうに自分を見つめる。
「?」
「あ、あぁ、大丈夫だよ、おじさんはこの家のメイドさんが死んだから、此処を見に来た探偵だよ?」
まぁ、探偵では無いが、と心の中で呟く自分、すると幼女は嬉々とした目で自分の事を見つめてくる。
「えっ! 探偵さんなの!? だったら『シャーロック・ホームズ』と戦った事があるの!? で、どっちが勝ったの!?」
「…………」
えっ? シャーロック・ホームズ? あの小説で有名なシャーロック・ホームズか? おいおい、それは空想や妄想の世界の人物だ、現実には存在しない、それを言おうとしたが、こんなに綺麗な幼女の瞳を汚すのは良くないと思い、自分は幼女に対し言葉を、発した。
「え、えーと……お兄さんはまだホームズとは戦った事が無いなぁ、だって有名人だしね? お兄さんみたいな無名な探偵とは戦ってくれないよ」
さり気なく、『お兄さん』と入れてみたが、ちゃんと『お兄さん』と言い換えてくれるだろうか? そう思いながら幼女の言葉を待つ。
「ふーん…じゃあおじさんはまだまだ無名でそもそも推理をあまりした事が無いんだね?」
お、おじさん!? さり気なく作戦も失敗したが、言い方がもっと他にあるだろう、と思う……そう思っていると昨日自分を誘拐したメイドが現れて、頭を下げる。
「蘭様、お早う御座います、早い起床ですね」
「えっ? あぁ、お早う御座います、えっと名前は……?」
自分がそう言うと、メイドは簡単に答える。
「私ですか? 私の名前は浅井(あざい)です、以後お見知り置きを」
と言っても、今日中に終わる可能性があるのになぁ、と思う自分、すると浅井さんは自分の目の前にいる幼女に対し、手を差し伸べて説明する。
「お嬢様は、ご主人様の一人娘で御座います、名前は梨花様です」
「へぇ、梨花、ねぇ……それじゃあお兄さんはホームズと対決出来るレベル迄レベルアップしてくるね、それじゃあ!」
自分はそう言って走って、とある場所に迄進む、そして幼女こと梨花ちゃんは自分に対し、『ホームズに勝ってねぇ!』と叫ぶ、そんな二人に対し、浅井は『ホームズ……? 何の事かしら?』と考える──
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