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しりとりシリーズ 『猶予』の『その後』
「ふぅ……」
自分はそう呟いて額の汗を拭う、そんな自分に対しプリマヴェーラは魔法を使用して物を運んでいく、自分はプリマヴェーラを見て『魔法は良いなぁ』と思う、するとプリマヴェーラが自分の顔を覗きながら言う。
「どうしたの?」
「ん? あぁ、魔法は良いなぁって……」
「成程、一般人は魔法が使えないもんね、使うには幼少期から魔法の特訓をしないといけないしね」
「そうだよ、だから自分は幼少期から魔法を特訓していたらなぁってさ」
「うーん、今からでも遅くは無いけど、遅いかもしれないねぇ」
「そうか……」
自分がそう言った瞬間、背後から大きな音がする、この音は扉が開く音だった、この扉が使われるのは……ボスだ。
「よぉ、お前等ぁ? 元気にしてるかぁ?」
「私は元気にしていないよ、とりあえず、『扉を開けたんだから、後は開けるだけ』だよね?」
「はぁっ?」
ボスがそう言った瞬間、開けた扉を他の仲間達が開けて、開けた扉の下に袋に入れた土を積んで、扉を閉める事を出来なくさせる。
「なっ!? 隙を突きやがってぇ!」
「甘かったね、『隙をつく事は魔法使いの基本』だから!」
そう言ってプリマヴェーラは杖の先から巨大な光の玉を吐き出す、その光の玉をボスは直撃してしまう。
「ぐぁぁぁぁぁぁ! な、何故だぁ!? 何で小さい体なのにこんなに強い攻撃がぁ!?」
ボスがそう言うとプリマヴェーラは鼻で笑う。
「『凝縮』さえすればどうかな? どんな攻撃も『凝縮』さえすれば強いんだよ?」
プリマヴェーラはそう言うと、ボスはその場で倒れ、気絶する。
「さぁ、脱出しようよ、君!」
「あ、あぁ……」
自分の持っている、土が入った袋をその場に置いて自分は扉へと駆け出した──
「有難う、プリマヴェーラ、土がある事と、袋を魔法で作ってくれて、完全にボスにとっては奇策になったんじゃ無いだろうか? 俺達はこれから自由に過ごすから、お前も頑張れよ?」
自分が箱庭から脱出してプリマヴェーラに感謝する、すると他の仲間も『おう! 頑張れよ!』とか、『俺の結婚相手になってくれ!』とか聞こえる、お前らの言葉なんか聞かないと思うけどな、と思う。
「うん、人を助けるのが私の幸福だからね、それじゃあ、またね!」
そう言ってプリマヴェーラは杖に乗って、空を飛んでいく、そして自分は足元のブビュルを見る。
「お前はどうする? このまま俺達につくか、一人で自由に過ごすか?」
自分がそう言うとブビュルは言う。
「……一人で過ごす、やりたい事もあるから……」
「そうか、早くこの館から離れよう、もしかしてボスが起きて復活するかもしれない、だからこの館から離れよう、皆も急ごうぜ!」
「おう!」
「そうだな!」
自分はそう言うと、皆も唸り声を上げる、俺達は急いでこの館から離れた、これから自分は自由である、さぁ、これから何をしようか? それは自分にしか分からない──
他の皆も何をするのか分からない、だけどシュガーだけは不安だなぁ、と思う、だって性犯罪者になるかもしれないし……シュガーの事は放って置いて、さぁ、何処か遠くへ行こうか、そう思いながら自分は前に進む──
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