完結小説図書館
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~ 100~
*84*
しりとりシリーズ 『夜空』の『その後』
どうしてこうなった? 僕はそう思いながら溜息を吐く、目の前には宇宙人三体がいるからである。
「えーと、君達の名前を知りたいなぁ?」
僕がそう言うと三人の内、真ん中に居るフィーチャと存在が言う。
「私の名前はフィーチャ、彼らは右がユニバス、左がギャラクシアと言います」
「成程ね、んで、『宇宙神ノヴァ様』って何なの? 二十何代とかも言っていたけど、何代も変わって良いものなの?」
「えぇ、『宇宙神ノヴァ様』は何代でも良いのです、重要なのは『宇宙の真理と宇宙の法則を乱さない』事です」
「……『宇宙の真理と宇宙の法則を乱さない』事? それってつまり……『宇宙の真理と宇宙の法則』を手に入れる事、と言う事かな?」
するとユニバスが言う。
「そうだな」
「えっ? 何それ怖い」
「怖くないよ、ノヴァ様は最強なんだ、力で捩じ伏せるんだから」
「えぇ……」
自分は困惑しながら勉強机の椅子に座る。
「ふぅん、でもどうやって『宇宙神ノヴァ様』の候補を探すんだい?」
「簡単だよ、全宇宙からの存在を集めて抽選をするんだ、んでもってたまたま選ばれたのがこの地球の君、という訳だ」
そう言ってギャラクシアが言う、抽選って……普通天皇みたいに一族が代を継ぐ、というのでは無いのか? と考えてしまう。
「まぁ、地球人的に言えば、っていう話ですがね」
「へぇ……でも僕はその候補達と戦って権利を手に入れるんだろ?」
「はいそうですね、なので移動しましょうか?」
「移動? 何処に?」
「そんなのは簡単です、『宇宙神ノヴァ様』の候補達が戦うフィールドです──」
フィーチャがそう言うと僕と三体の存在はその部屋から消えた──
「さて、移動しました」
「移動しましたって……僕は宇宙の研究者になりたいのであって『宇宙神ノヴァ様』にななりたくないんだけどなぁ」
僕はそう呟いて目の前の存在を見る、まるで人間みたいな姿だが、瞳、歯の形が違うので地球人以外の宇宙人、と考える。
「初めまして、候補者よ、私の名前はビブル、と申します」
「あぁ、はぁ……」
完全に逃げ場は無いなぁ、とりあえず、この状況を打破するには『負け』なければ……そう思いながら候補者同士の戦いは始まった。
候補者同士で戦って最後に残った者が『宇宙神ノヴァ様』になれるだそうで、自分はなれるのかなぁ? と思いながらいや、なっちゃダメだろ、とツッコミを入れる。
そして試合が始まった、自分は仕方なく相手にワンパンを仕掛ける、すると相手はそのまま倒れ、気絶した。
「えぇ……宇宙人だからもう少し手ごたえがある、と思ったのに……自分は弱いんだぜ?地球人の中でも……」
自分はそう呟いた瞬間、ユニバスが言う。
「おぉっ! 流石『宇宙神ノヴァ様』になるお方だ! もう優勝なされた! おめでとう御座います! 二十一代目!」
「えっ? たった一回戦っただけでこれなの?」
「はい、そうです、二十代目『宇宙神ノヴァ様』は体力がなく、二人しか選ぶ事が出来ませんでした、実際は八人なのですがね」
「成程、それ程迄衰弱していたんですね」
自分がそう言うと三体は静かに頷いた……っていうかこれで自分は二十一代目『宇宙神ノヴァ』、と言う事に……? って、何なってんだよ自分!? 僕は宇宙の研究者になりたかったのに……自分はハァ、と溜息を吐いて、仕方なく『宇宙神ノヴァ様』になる事になった、今くよくよしても何も始まらない、行ってから始まるのだ、一度全部体験して、それから『宇宙神ノヴァ様』を辞めれば良いのだ、自分はそう思いながら仕方なく二十一代目『宇宙神ノヴァ様』になる事になった──
地球時間で数ヵ月後、自分は二十一代目『宇宙神ノヴァ様』の仕事に対し、少し楽しんでいた、色々知らない知識もあるのだ、それを受けられる事のこの快感! これは『宇宙神ノヴァ様』になって最高だ、と思い始めていた。
自分は今頑張って宇宙の真理と宇宙の法則を習っている、早く二つを習得して前『宇宙神ノヴァ様』の記憶を頭の中に叩き込まなくては……自分はそう思いながら自分は必死に宇宙の真理と宇宙の法則の内容をノートに書き込んで行く──案外『宇宙神ノヴァ様』もいいな、と自分は思い始めていた──
NEXT しりとりシリーズ 『乱璃』の『その後』