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しりとりシリーズの『その後』
作者: 彩都  (総ページ数: 108ページ)
関連タグ: しりとり 短編集 長編 ミステリ 推理 多ジャンル 
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 しりとりシリーズ 『乱璃』の『その後』

 私は一人ぼっちなのか……夫も死んで自分は完全に天涯孤独だ、国にも離れて自分を助けてくれる国なんかあるのだろうか? まず今のセカイは『大戦争時代』だ、だから私を助けてくれる国なんかあるのだろうか? それは私には分からないが、とりあえず前に進まなければ意味が無い。
 ロージェはそう思いながら荒野を歩く、そしてロージェは一つの国を見つけて、永住するのだが、今はまだロージェは知らない──

「あぁ! もう! あのクソ姉貴ぃ! 男装迄して国民を動かせるなんて……何て極悪非道なんだ! 自分は時期尚早と申したのに! あの姉は自由行動が酷過ぎる! 全くあの姉はぁ……!!」
 青年は自室で紅茶を飲みながら、イライラを抑えようとする、今飲んでいる紅茶は、『ハーブティー』だ、ハーブティーには鎮静作用がある、少しでも落ち着けたら幸いだが……あの姉の事だ、また激昂してしまうかもしれない……そう思いながら青年は溜息を吐く。
「……はぁ、少しでも勝利出来る作戦を考えないと……あぁ、先が思いやられるぜ、はぁ」
 青年はそう呟いて、ベッドの腕にダイブする、そしてゴロゴロ寝転がった後、『ぐぅ』と寝息を立てる──作戦を考えるのは明日の朝で良いだろう、そう思いながら──

「……はぁ、これ位で良いかな? 今の兵力じゃあ周りの国から一気に攻め立てられ、すぐに負けてしまうからな……これで勝てなかったらこの国の兵力に驚くわ」
 青年はそう言って、深い溜息を出す、するとベッドの上で寝転がる姉貴が言う。
「ほう? つまりまた自由に私が兵を動かして良いと?」
「誰がそれを言った? ていうか姉貴が動かすと兵力が一気に下がるんだけどぉ!? 姉貴の指揮は下手糞なんだよ! だからもう兵を動かすな!」
「厭です、だって兵を動かすのは楽しいんだもぉん!」
 姉貴がそう言うと青年は静かに溜息を吐く。
「コイツもうダメだ……とりあえず、この姉から全権力──主に指揮の権利──を剥奪しないとな、あぁ、今日から大変だな、明日も大変か」
 青年はそう呟いて、大きな溜息をした、何回溜息をしたのだろう? それが分からない位、しているだろう──

 それから数日は姉貴の指揮から青年の指揮に変わり、青年が作った作戦を兵は採用し、行った、すると色々な場所で勝利報告が来、青年はとても安心した。
「ふぅ、やっぱりこの国は自分が動かさないといけないんだなぁ……姉貴よりも自分で動かした方が安心するなぁ、って逆に自分が作った作戦を姉貴に渡せば良いんじゃ……いや、それをして、その作戦を捨てられたらどうしよ? だからあんまり指揮させたくないんだけどなぁ……あぁ、面倒だなぁ」
 青年はそう呟きながら溜息を吐く、あぁ、また溜息を吐いてしまった、そう思い、深呼吸に変える。
「お、王! 国王様ぁ!」
 急に青年の部屋のドアを開ける兵士が現れた、『な、何だ?』と青年が呟くと兵士は大声で言った。
「この国の兵士がやりました! 戦争に勝利しました!」
「何だと!?」
 青年は戦争勝利の言葉を聞いて、とても驚いた、まさか勝利するとは……結構使えるな、あの作戦……そう思いながらその場で倒れ、喜んだ、まるで小学生の男児の様に──

 何とか戦争に勝利する事が出来て、自分は喜んだ、あの姉貴でさえ喜んでいた、これで少しは楽になるかなぁ? と青年は思いながら何れ起きるであろう戦争の作戦を考えていた──青年の苦悩はまだまだ続きそうだ──

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