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しりとりシリーズ 『ルール、シルブプレ』の『その後』
「それではこのゲームのルール説明をさせて頂きます、このゲームは一般のゲームと一緒で、経験値を手に入れて、レベルアップする、というゲームです、更にこのゲームはVR技術の様にリアルな体験を感じる事が出来ます、このゲームシステムもまた、一般のゲームと同じですね──それでは私が体験版をプレイしますので、私がプレイしている映像を御覧頂き、このゲームを体験するかを決めて下さい、それでは開始します──」
白衣の司会者がそう言って、個室の様な場所に移動し、頭にヘルメットの様な物を装着する、すると近くのスクリーンから白衣の司会者の見ている画面が現れる──その映像を見て、観客は大いに盛り上がった、まるで本物を見ている様な感覚に酔いしれてしまった観客も居た──ふぅ、と溜息を吐いて白衣の司会者がヘルメットの様な物を外す、次にマイクを持って、観客に語り掛ける。
「皆さん、私のプレイを見てどう思いましたか? 実際に『プレイしたい』と思いましたよね?」
白衣の司会者がそう言うと、観客は右手を上げて『プレイしたい』! と叫ぶ、白衣の司会者はニコッと笑って言う。
「えぇ、『プレイしたい』ですよね……それでは観客の皆様、プレイしましょう? といってもまだβ型なので、あまりプレイ範囲は広くないのでご勘弁を」
白衣の司会者はそう言って、布を剥がす、するとそこには何十台もののゲームをプレイする個室の様な機体があった、観客は走ってその個室の様な場所に入った──
「成功しましたね、次世代のゲームが……!」
「どうだかな? まだβな訳だし、まだまだ分からんよ」
そう言って後輩と上司は酒を飲みながら会話する、そんな上司に対し、後輩は念を押す。
「大丈夫ですって! 絶対成功しますって!」
後輩はそう言った後、ビールを注文する、上司はチューハイだ。
「ふぅん? 今時の若者は分からんね、おじさんには理解しがたい」
「それを言うなら、今時の若者は今時のおじさんを理解しがたいです」
「おっ、一本取られちゃったかな?」
「取ってもないですけどね」
二人はそんな会話をしながらゲームのストーリーの今後を考える──そして数ヶ月が経った、体験版のβ型は製品版へと完成し、ゲームセンターに置いてもらう事にした、1プレイ100円で、ゲームのパスを買わないと楽しめない仕組みだが、ゲームの面白さが功を奏し、大行列が出来る程のゲームとなった。
ゲームが売れて後輩と上司はとても喜んだ、上司の方は売れると思っていなかったので、とても喜んでいた──このゲームはセカンドシーズン、サードシーズンとシーズンを重ねて、色々な人達から楽しまれるゲームとなった──
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