コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 帰宅部オーバーワーク!【まさかの番外編!!】
- 日時: 2016/07/29 21:54
- 名前: ガッキー (ID: 4IM7Z4vJ)
初投稿です。初心者ですが、よろしくお願いします。夜のテンションでバーッと書いているので、誤字があるかも分かりません。一応、チェックは入れてはいますが、見付けた際はご指摘いただけると嬉しいです。
ルールも、『参照』の意味も分からないですが、感想もしくはKAKIKOのルールを教えて下さる心優しい方がいらっしゃるのなら、どうか教えていただけると私が喜びます。部屋で小躍りします。
最後までお付き合い下さいな♪
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- Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.13 )
- 日時: 2015/09/03 23:02
- 名前: ガッキー (ID: J1W6A8bP)
1秒、2秒、3秒ーー1分、2分、3分ーーどれ位の時間が経過しただろうか。
「「・・・・・・」」
古泉と生徒会長。双方に共通して言えるのは、どちらも驚きに目を見開いている、という事だ。まるで、犬が「にゃー」と鳴いた時の反応のように。信じられないとでも言いたげな瞳。
最初に唇を動かしたのは、生徒会長だった。
「・・・へ」
「へ?」
「変態よぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「ハァァァァァァァ!?」
(どこからどう見ても生徒会長が悪い・・・のかは生徒会長が何をやってたのか信じたくないから分からないが、俺に非は無いじゃねぇかよ!訴えたらーー)
どうやって生徒会長を宥めようか考えている途中、古泉は気付いた。
ブレザーを抱き締めて、床にへたり込んでいる生徒会長。
窓の外から生徒会室を覗く古泉。
端から見たら、生徒会長に良からぬ事をしようとしているただの変態だった。
訴えたら逆転裁判される。
「お、落ち着けよ。な?話せば分かる」
分からないのは、生徒会長が古泉のブレザーをくんかくんかしていた理由位だろうか。
「分かる訳ないじゃない!」
「そんなの話してみなきゃ分からないだろうが!」
「だから、分かる訳ないって言ってるの!この分からず屋!」
「ハァ?意味分かんねえよ!」
さて、どちらがどう『分かっていて』、どう『分かってない』のか分からなくなってきた頃。生徒会室のドアが勢いよく開いた。
「会長、どうかしましたか!?」
血相を変えて生徒会副会長が飛び込んで来た。キョロキョロと部屋中を見渡して、古泉と生徒会長に気が付いた。ゆっくりと、古泉の方を向いて副会長が口を開く。
「・・・この変態がァ!!」「ですよね!!」
古泉を指差して怒鳴る副会長。大体予想出来ていた古泉としては、そんな返ししか出来なかった。
(どうする!?もう完全に誤解されちまってる!)
ここから和解に持っていくのは至難の技ーーというか無理だ。
ならば。
帰ろう。帰宅部らしく、部活動を全うしようじゃないか。
「ーーあ、生徒会長」
「何よ!」
「パンツ見えてんぞ」
「きゃあああああああああああああ!?」
案の定、生徒会長はへたり込んだ姿勢のままスカートを押さえた。
まぁ、パンツ見えてるのは嘘なんだけどな。
副会長が地味に生徒会長を(身体のパーツで言えば下半身の部分を中心的に)見ていたのは・・・男なら仕様がない。許してやろう。
「早くあの変態を捕まえて!」と、生徒会長が甲高い声で言った。
「で、ですが会長」
「無駄話は良いから早く行きなさい!時間は無いわ。何せ、相手は帰宅のプロよ」
「いや、その・・・」
「何!?」
「古泉の奴、いつの間にか消えました」
- Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.14 )
- 日時: 2015/09/03 23:08
- 名前: ガッキー (ID: J1W6A8bP)
「前野さん、こちらです」
細身の割にはガッシリとした右手が、前野の小さな手を包み込んで離さない。手汗とか大丈夫だろうか。前野的にはそこが一番心配だった。
「下駄箱は監視が厳しいようですね、外に行きましょう。スペアの靴はありますよね?」
それは、あるけど・・・。何せ、入部した最初に用意しろと古泉に言われた物だ。何時も鞄に入れている。え、弁当はどこに入れてるのか、ですって?
さ、さて。状況を整理しようか(汗)
ベネディクトの尊い犠牲(死んでないよ!)により、3階からの脱出に成功した前野と青山。一時期空中でブラブラしていたりもしたが、袖の中にあったワイヤーの巻取り口を破壊して着地し、事無きを得る。
そして、中庭から1階の特別教室に窓から入り、下駄箱で靴に履き替えて古泉を探そうとしたのだが・・・。
唯一、靴に履き替える為に必ず足を止めなければならない場所。そんな所に生徒会の連中が見張りを置かない訳が無く。
前野と青山は、たった今、スペアの靴を履いて塀から外に出る事に決めたのだった。
「このまま帰りたい・・・」
帰宅部なら帰宅させろよ!疲弊により心が若干やさぐれ始めた前野はそんな事を思ってしまう。
「駄目ですよ。古泉先輩の安否が分からないのですから」
眼鏡のレンズを光らせながら青山が。
(これから古泉先輩と合流しなければいけないんだよね・・・)
はっきり言って面倒だ。高校生なんだから自分で蒔いた種は自分で何とかしなさい!と言いたくなる。
「そもそも、古泉先輩ってどこにいるんですか」
「大体の見当は付いています」
「へぇー?」
「まあ、古泉先輩の事です。困った時はあそこに隠れていると思います」
天才の青山が言うのだから、そうなのだろう。そうである筈だ。そうであってほしい。
青山は前野の手を引き、周囲に注意を割きながら歩く。
「古泉先輩に電話したら?」
それが一番速そうだが、
「いや、駄目です」
青山は却下した。
「何でですか?」
「会話を盗聴されるかも知れません」
「生徒会ってそんな事出来るんですかねぇ!?」
「何しろ、生徒会長が・・・」
生徒会長が?前野は続きを促したが、青山は堅く口を噤んでそれ以上話さなかった。
生徒会長が・・・何だろうか。前野は生徒会長に関する事を考えてみたが、生憎、悪い噂も浮いた噂も聞いた事が無かった。品行方正
、眉目秀麗、才色兼備、公明正大ーー四字熟語を当てはめれば良い言葉しか出てこないような人だった筈。
全く、古泉はどうして生徒会長を怒らせ、全員身柄を拘束。何て事にさせたのだろうか。
「着きました、ここです」
思考している内に、どうやら目的地に着いたらしい。
体育倉庫。
一般的にはそう呼ばれる場所だった。
「なに、どさくさに紛れてヤラしい事でもする気ですか?」
勿論冗談。学校一のジェントルメンと名高い青山がそんな事をする訳無いのは分かり切っているのだが、心が若干やさぐれている前野は青山をからかってみたくなったのだ。
「し、しませんよ!」
ジェントルメンは、声を上擦らせ、顔を真っ赤にして眼鏡をクイクイ動かしながら即座に否定。
いつも冷静な青山の、貴重な表情が見れただけでも、前野の心は少し和んだ。
閑話休題。
「じゃ、じゃあ開けます」
緊張感丸出しの顔をした青山が体育倉庫のドアに手を掛ける。それにつられて、前野にも緊張が走る。
果たして、古泉は無事なのだろうか。一番最悪なのは、捕まっている事よりも、古泉が一人で帰宅している事。
緊張により前野は、そんな想像もしてしまう。
ガラガラガラガラ。ドアは一気に開けられた。
「古泉先輩!無事で、す・・・・・・か」
青山の言葉が、途中から勢いを無くす。
それもその筈。前野も似た様な状況だった。
「な、何故!?僕の計算は完璧だった筈!!」
「それ言う人って大体大した事無いですよね」
前野の力無いツッコミも、青山には届かなかった。
「古泉先輩!何故、体育倉庫に居ないのですか!?」
- Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.15 )
- 日時: 2015/09/07 00:13
- 名前: ガッキー (ID: J1W6A8bP)
信じられない。青山は文字通り頭を抱えながら呟いた。
自分の計算は完璧だった筈。古泉の行動パターンから古泉の性格、何より過去に存在したデータを元に算出した答えだったのだ。間違う訳がない。のに。
前野は、またもや(しかし、今回は望んでいない)青山の新しい一面に出会い、言葉を無くしている。
「大丈夫、ですか?」
おすおず、前野が青山に問う。その問いに、青山は「・・・まだです」と、返した。いや、返しにもなっていないのか。キャッチボールをしていたらいきなりボールを地面に放られたようなモノだ。
しかし、理由も無しにそんな事をする程青山は酷くない。青山は学校一のジェントルメンだ。女性に優しく、自分には厳しい。
『何か理由があるのだ』
と、諦めるよりも僅かな希望にーー願望に青山は賭けた。
電灯なんか付いていない、光の進入源は前野が立っている入り口からしかない薄暗い体育倉庫内。青山は感覚を研ぎ澄ませて辺りを手で探る。
(僕の、計算にすらなっていない『予想』に賭けるなら、古泉先輩は何かメッセージを残している筈!)
必死に探る。弄る。
まだ、然程時間は経っていない。しかし、前野と青山の二人には何時間にも感じられた重たく長い時間と沈黙。青山は遂に見付けた。
ソレは、サッカー等で使うコーンの下に書いてあった。
『うぶかちくれかかろす』
「・・・何ですか、コレ」
前野が青山の後ろからソレを覗き込んだ。
「うぶかちくれかかろす・・・?」
初心勝ち暮れカカロス?前野は脳内でソレっぽい感じに変換するが・・・全く意味が分からない。
「・・・・・・」
青山は顎に手を当て、思案顔。
「分かりました」と。
先程の沈黙よりも遙かに早く、青山は口を開いた。
「分かりましたって、もしかしてコレが!?」
前野が『うぶかちくれかかろす』を指差す。
信じられない。いや、前野とは頭の出来が違う青山の事だから、不可能ではないのだろう。
しかし、それでも、驚かないか?と言われれば話は別。
「簡単ですよ、IQさえあれば」
「・・・・・・」
そのIQが無いから困ってんだよ。
- Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.16 )
- 日時: 2015/09/10 01:00
- 名前: ガッキー (ID: VXkkD50w)
本編とは何ら関係ありませんゴメンなさい!
祝!参照100突破!
これからも、終わるまで頑張りたいと思います。終わっても、また違う作品でお会い出来たらなぁ・・・。
都合上、どうしても投稿が不定期的になってしまうのですが・・・、なるべく早く投稿出来るようにしたいと思ってます!思ってますとも!
これを投稿した次の日か次の次の日位には投稿出来るとおもいますので!
ではまた(^з^)-☆
- Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.17 )
- 日時: 2015/09/11 00:35
- 名前: ガッキー (ID: VXkkD50w)
「『うぶかちくれかかろす』。果たして、この言葉にどんな意味が隠されているのか。僕が解説致します」
眼鏡のブリッジを中指で持ち上げ、青山はどこぞの名探偵風にそう言った。
結局、IQが足りなかった前野にはさっぱり意味が分からず、青山に泣きついたのは内緒だ。
「まず、この文章は後ろから読みます」
「後ろから?」
という事は。
『すろかかれくちかぶう』
だろうか。
『擦ろ描かれ口株雨』
・・・駄目だ。漢字にしても分からない。
前野が何度頭を捻って答えを絞り出そうとも、分からないモノは分からないのだ。
そんな前野に助け船どころか答えまで教えてかれるのが、ジェントルメン事、青山 考地だ。
「そのまま後ろから読んでも駄目です」
「はい?他に読み方何て・・・」
「ありますよ」
前野の言葉を遮ってまで、青山は言い切った。
「『うぶかちくれかかろす』を、まずはローマ字表記にして下さい」
ローマ字表記?言われてみれば、そういうやり方もあるのか。推理小説何かじゃ使い古された手法だ。
古泉はあまり本を読まないので、無意識に考えが安直になっていたのだろうか?まぁ、無意識にこんなややこしいやり方でメッセージを残すのだから、古泉の性格は相当捻くれていると言えるだろう。
ええと、ええっと、と平均並な前野の脳内で、『うぶかちくれかかろす』がローマ字変換される。
『UBUKATIKUREKAKAROSU』だろうか。
「はい、最後のUは多分消すのだと思います」
Uを消す?
『UBUKATIKUREKAKAROS』
「????」
コレを後ろから読む?無理でしょ。前野は早々に諦めた。
「頭の中でやるのは無理だから、答え教えて下さいよ」
自分の頭の限界を知った微かなイライラと、答えへの単純な好奇心で、前野はうずうずしていた。
そして、レディを焦らす何て事、ジェントルメンがする筈も無く。
「後ろから読むと『SORAKAKERUKITAKUBU』になります」
『空翔ける帰宅部』?
段々と脳内がクリアになっていく。モヤモヤとイライラが消えた合図だ。
前野は無意識に口を開いていた。
「また名前がダサい!!」
「そこは置いておきましょう。それよりも、重要なのは、古泉先輩が何故このメッセージを僕と前野さんに残したのか?と言う所です」
「え?うーん。・・・何か、『空翔ける帰宅部』を使った事をするんじゃないですか?」
当てずっぽう。もうこれ以上頭を使いたくない前野は、適当に頭に浮かんだ事をそのまま青山に言った。
しかし。
さぁ、早く答えを!とワクワクしていた前野を裏切るかのように、青山は微笑んだ。
「正解です」
しかも、パチンッと指を鳴らしながら。これで、「ザッツライト!」とか言っていたら完璧だったのに。と、前野はどうでも良い事を考えていた。
「へ?」
理解が追い付いたのは、それから2秒後。その頃には、青山が『青山 考地のよく分かるニュース』と銘打っても構わない位の分かり易い説明が始まっていた。
「帰宅部以外には、解読出来たとしても意味が分からない『空翔ける帰宅部』。意味が分かるのは、帰宅部の古泉先輩とベネディクト先輩と、前野さんと僕です」
ふむふむ、と相槌を打つ。青山は一呼吸挟んでから続けた。
「その内『空翔ける帰宅部』を使えるのが古泉先輩と僕ーーつまりは、僕が『空翔ける帰宅部』を使って何かをする・・・差し詰め、こんな所でしょうか」
やっぱり、天才は天才か。前野は素直に感嘆する。人間、開き過ぎた差には嫉妬や劣等感を抱く事は無いと誰かが言っていたものだが・・・今の状況は、正にそれなのだろう。
『空翔ける帰宅部』ねぇ。
一つだけ、前野の中に蟠っている事をここに記すなら。
前野が、『空翔ける帰宅部』という単語に全く心当たりが無いという事だ。
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