コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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帰宅部オーバーワーク!【まさかの番外編!!】
日時: 2016/07/29 21:54
名前: ガッキー (ID: 4IM7Z4vJ)

初投稿です。初心者ですが、よろしくお願いします。夜のテンションでバーッと書いているので、誤字があるかも分かりません。一応、チェックは入れてはいますが、見付けた際はご指摘いただけると嬉しいです。
ルールも、『参照』の意味も分からないですが、感想もしくはKAKIKOのルールを教えて下さる心優しい方がいらっしゃるのなら、どうか教えていただけると私が喜びます。部屋で小躍りします。
最後までお付き合い下さいな♪

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Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.38 )
日時: 2015/12/04 00:03
名前: ガッキー (ID: 0rBrxZqP)

ベネディクトの部屋らしき扉のプレートには、そう書かれてあった。
「小学生かよ」
「それ言っちゃ駄目です。多分小さな頃からの思い出を大事にーー」
「ベネディクト先輩、着きましたよ」
前野の台詞を打ち消して青山が扉をノックした。話が進む毎に青山の性格が変わっているような気がする。
「返事、ありませんね」
無言、そして無音。やはり寝ているのだろうか。
(うーん、ここはマリアさんが来るまで待った方がーー)
「お邪魔するぜぇぇぇぇえええ!!」
「古泉先ぱぁぁぁぁい!?」
あろう事か扉を蹴って強引に開けて中に突撃する古泉(破天荒)。前野の思惑何て知ったこっちゃ無いらしい。
扉が開かれた事により開かれる視界。
日が落ち始め、オレンジに照らされるベネディクトの部屋。そんな日常的な光景さえも幻想的に見えるのは、家具が全て洋風で揃えられているからだろう。カーペットも、名前は知らないけど何と無く洋風で、カーテンも何と無く洋風だ。
つまり、素人目に見ても洋風だと分かる位洋風だった。
そしてそんな事よりも前野達の目を惹いたのが、部屋の三分の一程を占める天蓋付きの大きなベッド。
その真ん中に、ベネディクトが枕を抱き締めながら横向きで寝ている。ドアを蹴った時の音はかなりのモノだった筈だが、ベネディクトは構わず寝ていた。
ベッドの上で枕を抱いて横向きで寝ている。それだけ見れば天使のようだ。
まぁ、実際には(堕落した天使略して)堕天使なのだが。もしくは(惰眠を貪る天使略して)惰天使なのだが。
そんな堕天使(もしくは惰天使)にズカズカと歩み寄る古泉。ベネディクトと同じく、コイツもコイツで遠慮が無い。
「おいベネディクト、起きろ。来たぞー」
「むにゃむにゃ」
「今時そんな寝言を言うヤツがいるか!早く起きやがれ!」
バシッ!バシッ!とベネディクトが抱き締めていた枕を剥ぎ取って、その枕でベネディクトを叩く古泉。
「古泉先輩、止めておいた方が」
「あ?何でだよ」
「もしこの現場をマリアさんに見られたら、」
ピクッと腕の動きを止める古泉。前野から見た古泉の横顔には、汗がダラダラと流れていた。やはり、いくら破天荒でも無遠慮でも、先程のアレは堪えたらしい。
急いで枕をベネディクトが寝ているベッドの上に置いて、何事も無かったかのように取り繕うとする。
だが。

「もう、遅いよ」

Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.39 )
日時: 2015/12/09 00:11
名前: ガッキー (ID: 10J78vWC)

「「「・・・・・・・・・」」」
拘束されたように、その場で硬直する三人。三人思い思いに思考を張り巡らせているのかと思いきや、皆考えている事は同じだった。
(((ヤバい・・・!)))
青山も思わず砕けた日本語を使ってしまう位ヤバかった。ダラダラと汗が流れているのに、身体はーー主に背筋は凍り切っていた。
「何で黙ってるの?」
「い、いや、はははー・・・」
古泉が後退る。しかし、すぐに壁に背中が付いてしまった。
「何で怯えてるの?ーーワタシ怒ってないよ?」
「いや、コレには訳が・・・・・・え?」
拍子抜けしたように、間抜けな声を出す古泉。前野も青山も、似たような声を発していた。
「怒ってないよ。ベネディクト君を起こそうとしたんでしょ?」
「あ、ああ」
古泉が肯定。しかし、相変わらず汗が止まらない。怪しさMAXだ。コレが相棒だったら、右◯さんに「もう一つお伺いしたい事があるのですが」と言われるだろう。その後に「可笑しいですね、その時間に貴方は」みたいに続くのだ。
「なら仕方無いよ〜。クッキーここに置いておくね?」
「あ、ありがとうございます」
皆、マリアの動向に注意が言っているのか、誰もクッキーの方を見ない。
油断していたら、殺られる。皆そう思っていた。
しかし、どんな状況であれ礼儀は尽くさないといけないと思った青山が恐る恐る頭を下げた。次の瞬間、下げた頭の旋毛(つむじ)に、どこから取り出したのか勢い良く包丁が刺さるーー事は勿論無く。
「じゃあね〜」
笑顔で手を振り、ベネディクトの部屋から拍子抜けする程あっさりと退出するマリア。
扉が閉まるのを確認してから、
「「「・・・・・・ぶはぁ」」」
緊張の糸が切れたのか、三人共崩れ落ちるようにカーペットに膝を付いた。
「殺されるかと思ったぜ・・・」
「私もです・・・」
「実際、殺されても可笑しくありませんでしたよ」
「確かにな・・・・・・・・・あー。冗談、だよな?」
古泉が青山にそう確認したのは、青山の声のトーンが冗談の時のソレとはかけ離れていたからだ。
まるで、真実をありのままに話しているような。
「いいえ。クッキーを見て下さい」
「・・・・・・・・・笑えねェぞ、コレは」
クッキーを見てから、震え上がった。冷静沈着でお馴染みの青山でさえ、眼鏡のフレームを上げる手がプルプルと震えているのだ。古泉と前野の震え等、推して知るべし。

マリアが笑顔で置いていったクッキーは、一つ残らず粉々になっていた。まるで、故意に何かで潰したように。

「・・・・・・帰るか」
「・・・・・・良いのですか?折角ここまで来たのですが」
「・・・・・・考地も分かってんだろ」
「・・・・・・えぇ、はい」
このまま居座ったら、ヤバい。語彙の富裕貧困関係無く、ヤバいと直感で思ってしまう程ヤバかった。
ならば帰ろう。既に帰宅しているベネディクト以外の三人、仲良く帰ろう。帰宅本能の赴くままに帰ろうではないか。
しかし。
普通に玄関から出て行ったら、必ず怪しまれる。殺される。
なら?
「帰宅部らしく帰ろうぜ」
「え、えぇー?私もうアレは嫌なんですけど」
「バーカ。お前の意見は聞いてねぇから」
「ひどい!」
「前野さん。この場から脱出するにはアレしかありません」
青山が前野を優しく諭す。そんな優しい声色で説得される以前に、嫌々文句を言う以前に。前野にもアレしかない事は分かってはいるのだが。
アレを日常的にやっていたら、お淑やかな女子には一生成れないような気がして恐ろしい。
「帰宅部の代名詞と言われるアレを、やろうぜ」
「初耳なんですけど。誰がそんな事言ってるんですか?」
「オレ」
「寂しい人だった!」
「んじゃあ行くぜ!」
「了解です」「・・・・・・はーい」
三人は(帰宅部なら持っていて当然の)替えの靴を鞄から取り出し、青山は普通に。古泉は前野を小脇に抱えて。
窓から飛び降りた。

Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.40 )
日時: 2015/12/09 21:54
名前: ガッキー (ID: HijqWNdI)

またベネディクトの出番が少ない事に気が付きました・・・。何でしょうねコレ。呪いですかね。
よし、次回は少し趣向を変えて、ベネディクトの一人称小説にしたいと思います!コレならベネディクト喋りっぱなしですよ!良かったねベネディクト!!
では、また近い内にお会い出来る事を切に祈りまして。

Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.41 )
日時: 2015/12/11 23:07
名前: ガッキー (ID: YohzdPX5)

えーっと、・・・もう大丈夫なのかな。
あ、うん・・・・・・うん、分かった。
みんなこんにちは!帰宅部のベネディクトだよ!もしかしたらおはようもしくはこんばんはかも知れないけど、そこはこんにちはの気分で読んでね。
さて、こうして一人称にしてもらった訳だし、ボクの事に付いてーーお姉ちゃんとボクの関係に付いて話そうかな。


お姉ちゃんとボクの関係は至って健全。生き別れた訳でも無く、血が繋がっていない訳でも無い。ただの姉弟だ。
それなら、お姉ちゃんがあんな性格になる訳無い。
みんなが言うのも分かる。『ごもっとも』ってヤツだね!そういえば初めて使ったよ。『ごもっとも』。
あんな性格になった責任はボクにある。
お姉ちゃんの勘違いとボクの説明不足によって起こった出来事。
あれは、お姉ちゃんが中学校に上がる頃ーー


「ねぇ、ベネディクト君。ワタシってウザいかな」
「・・・・・・?」
土曜日のお昼頃。休日にも関わらず働いている両親は家に居ない為、ボクとお姉ちゃん二人きりの昼食中。お姉ちゃんが徐(おもむろ)に切り出した。
可笑しいな。ついさっき迄は『日本育ちのフランス人あるある』について議論を交わしていたというのに。
因(ちな)みに、一位は『日本育ちのフランス人に頑張って話しかけようとした周りの方が何故か片言になる』だ。
「どういう事?何かあったの?」
ボクは問う。当たり前だよ。いつも明るいお姉ちゃんが、暗い顔してシリアスな雰囲気出して言ってきたのだから。何かあったのか疑うのが自然だ。
「友達から言われたんだよね。『私の弟が最近反抗期だ』って。もしかしたら、ベネディクト君も反抗期なんじゃないかって」
何だ・・・そんな事か。
お姉ちゃんはどうやら、友達のーー言ってしまえば世間話の類いのーー暇潰しにしかならない、ほんの少し暗めな話を真剣に受け止めてしまったらしい。
「そんな事無いよ」
「本当・・・?」
不安気にお姉ちゃんがボクに問う。どれだけ真剣に受け止めていたんだろう。
「本当だよ」
「ワタシの事好き?」
再度問う。それに対するボクの応えも決まっている。
「好きだよ。大好き」
「本当?」
決まっている。
「うん、大好きだよ」
「・・・だよね!」


こんな感じ。お姉ちゃんのボクに対するスキンシップが増えたのはこの後からだ。
嫌じゃないよ?お姉ちゃんの事を好きな気持ちが嘘な訳じゃない。
けれどもそれは、あくまで家族としての好きだ。異性としてじゃない。そこを履き違えたのか、お姉ちゃんはボクの事を好きになった。まるでラブコメのように。何か空想上の物語のように。
異性としてボクの事を好いてしまった。
この責任はボクにある。
だからボクは今更「あんまりくっ付くのやめない?」とか言わない。そうしたらお姉ちゃんが傷付くからだ。
何があったとしても、ボクはお姉ちゃんの全てを受け止めよう。
この責任は、ボクにある。


「ベネディクト君〜?夜御飯だよ!」
階下から、お姉ちゃんが呼ぶ声が聞こえる。
よし、それじゃあみんなまたね。
ボクは「今行くよ!」と言ってから、(ほんの少しだけ重たい)お姉ちゃんの愛を受け止めに、自分の部屋から出たのでした。
めでたし、めでたし。








次回は、古泉クンと青山クンの過去が明かされるみたいだよ!
まあ、ボクはもう知ってるんだけどね!

Re: 帰宅部オーバーワーク! ( No.42 )
日時: 2015/12/11 23:14
名前: ガッキー (ID: YohzdPX5)

あっ、描写し忘れていましたが、当初の設定通りベネディクトとマリアはフランス語で話しています。本当にすいませんでした。あと、ちょくちょく呼び方変わってましたね。誰とは言いませんが。と言うか言えませんが。
それでは、また次回。


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