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時の魔術師(コメください
日時: 2009/11/15 14:52
名前: 白魔女 (ID: NqI69cgO)

 
 こんにちは。白魔女です。元・魔女です。
 これで四作目になります。ようやくなれてきているつもりですが、まだまだ未熟者ですので、みなさまの感想を聞きたいです。誤字・脱字も多いので……(汗
 
 グロは、少ないと思います。でも、時たまでるかも……知れません。

 これを読んでくれた人が、楽しい思いをしてくれたら……それが私の願いです。



 

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Re: 時の魔術師(コメください ( No.39 )
日時: 2009/12/02 20:45
名前: 白魔女 (ID: IX0Xljmj)

 
 次の日は、普通にケントは学校に行き、いったん家に帰ってから、病院に行く事にした。

「はぁぁ、やっぱ緊張するなぁ。母ちゃんにあうなんて」

 病院に行く途中、ずっとケントはぼやいていた。

「まぁ、あえばそれで終わりなんだから、緊張なんか
しなくていいじゃん」

「って言ったって……八年間、ずっと俺はあってない
んだぜ?はあ、母ちゃんにまたあうなんて……」

「嬉しくないの?」

「そりゃ、嬉しいさ!当たり前だよ!!でも、なんか、
こう、複雑だな……」

「ハッキリしない奴だね。男ならもっとシャキッとせ
い!」

 バンっ、と背中を叩く。ケントは「うわっ」と小さ
な悲鳴をあげ、自信のなさそうに曲げていた背中をま
っすぐにさせる。

「やめろよっ」

「ははっ、まぁ、いいじゃん。お母さんも、元気のな
いケントなんてみたくないはずさ」

「……」

 ケントは、「お母さん」と、「元気」という言葉を聞いてまた背中を丸めた。

「母ちゃん……明日、死んじゃうんだよな……。あのさ、一応聞くけど、絶対に明日、逝っちゃうんだよね。その、今日とかにならないよね?……って言うか、このまま死なないって可能性は……」

「ないっ。絶対ない。言っとくけど、助けようとは思わないことね」

 容赦なく、私はその言葉をケントに突きつける。

「時を戻らせるのは、ただでさえすごく危険な事なの。ましてや人の命を助けるとか、そんな事は言語道断。他の事はまだいいわ。でも、これだけは変えては……」

「わかったから、もういいよっ!!」

 ケントは怒鳴るように、私の言葉を遮った。

「そんなこと考えてねーよ!もしかしたらって思っただけだ!いちいち言うなよ。確かに母ちゃんが生きてれば、とは思うけど、俺だって、俺だって……」

 立ち止まってうつむくケント。一瞬だけ見えたその傷ついた表情に、私はハッとした。

「ゴメン……」

「別に」

 そしてケントは行ってしまった。その後ろを慌てて着いていく。

 ケントが怒った事は明らかだった。私もあそこまで言わなければよかったかもしれない。でも、もし少しでもケントがそう考えていたなら、止めるのが私の役目だ。それはケント自身のためでもある。

 嫌われてもいい。それで助かるなら。

 魔女はどうせ、嫌われ者ですから……。

Re: 時の魔術師(コメください ( No.40 )
日時: 2009/12/03 20:03
名前: 藍羽 (ID: mM51WarG)

こんにちわ。

魔女は嫌われ者?!
藍羽は魔女、大好きですよっ!!
お母さんは明日逝っちゃうんですねー・・・
続き頑張って下さい。

Re: 時の魔術師(コメください ( No.41 )
日時: 2009/12/04 19:36
名前: 白魔女 (ID: IX0Xljmj)

藍羽さん、コメントありがとうございますっ。
私も魔女、大っ好きですよ!!ww

Re: 時の魔術師(コメください ( No.42 )
日時: 2009/12/04 20:27
名前: 白魔女 (ID: IX0Xljmj)

 


 険悪なムードで着いた病院では、さらに最悪な事が起きていた。

 ケントに連れられて行った病室の前では、うなだれるようにケントのお父さんがベンチで座り込んでいた。

「父ちゃん……?どうしたんだよ……?」

 まさか、という風にケントが話しかける。

「ケント……あぁ、ケント!!母さんが、母さんがあぁっ!!」

 そのまま、お父さんはケントに抱きついき、顔を服
に擦り付けて大泣きする。何があったかは、もう明白
だった。

「母ちゃん……死んだのか……?」

 その状態のまま、お父さんはうなずいた。

「嘘だろ……嘘だろ……」

 そして、凄まじい形相で私に振り返り、にらめつけ
た。

「明日じゃなかったのかよ!!約束が違う!!なんで、なんで……!!」

 他の人から見れば、ケントは誰もいないところに怒鳴りつけている事になるが、誰も、何も言わなかった。ケントが狂ったとでも思ったのだろうか。

「どうしてっ!?明日だろ!!なんで、また、母ちゃん……」

 そして涙を流し、私にすがりつく。私はうろたえるばかりだった。

「そんな……私、何も知らないよ……っ!!」

 その言葉に嘘はなかった。私も何がなんだかさっぱりわからない。確かに明日のはずだった。なのに、なぜ……?

 これで二回母親をなくしたことになるケントは、ただただお父さんと泣いた。頭ではもう何も考えられないのだろう。

 そんな光景を見ながら、私は頭をフル回転した。なぜ、どうしてこんなことが起こったのか?時は同じようにすすむから、時を何回戻ったって、おかしなことをしない限りは同じ出来事が起こる。病気がいきなり早まったりはしないはずなのだ。

 誰かが意図的にこうしたと……?なら、私達と同じように時を戻ってきた者と言うことになる。と言うことは、同業者……!?私と同じ仕事の者は、いないはずだ。仕事をやるには、魔法界の委員会に契約をしなくてはならない。しかし、委員会では仕事をやる人数を決めていて、特別である時の魔術師は、一人と限られている。

 仕事ではなくて時の魔術を使う場合にも、色々と契約があるから、現代に戻って調べれば、誰がこの時間に時を戻ったかは、わかるはずだ。しかし、時を戻って、出来事を変えてしまう事は大きな罪だ。私がその事を委員会に報告すればその者は刑に処されるだろう……。

 それは、現代に戻ってからでいい。今は、今この時
をどうするか考えるのが先決だ。

「ケントっ、行くよ……っ!!」

 ケントのか細い手をむんずとつかみ、引っ張る。

「い、行くって、ど、どこへ……?」

 泣きはらした目で、私を見る。

「もちろん、もう一回やりなおすんだよっ。もう一回時を戻って、今度こそ、お母さんにあわせる!」

「えぇ、でも……」

 ケントは戸惑っていた。まだ、心が動揺しているのだろうか。時は戻れる、急ぐ必要なない、と自分を落
ち着かせ、ケントに説明する。

「本当はね、一日に魔術を使える回数は限られていて、その一回を今回、この時代に戻ったときに使ったの。だから、また戻るとなると、私の魔力がなくなるし、軽い罪になるわ」

「じゃあ、なおさら……」

 ひっく、ひっくと、ケントは駄々をこねる子供のように、泣きじゃくる。

「本当はいけないことよ。でも、でもね、契約した相手を裏切るような事、私はしたくないの。この仕事は名誉ある仕事で、そのぶん注目されがちだけど、……え、あ、魔法界でだよ?で、私は曲がった事が嫌いなの!ケントがこのままお母さんに会えないまま、支払いになるなんて、私はいや!少しの代償があっても、依頼人との契約は守る。それが私のモットーなの!!」

「お前……ごめん、ありがとう」

「うん……」

 さっきのいざこざがなくなったきがして、私はすっきりした。

 ケントは、愛おしそうに父親の頭をなで、私にうなずいた。

「行こう」

「うん。もう一回時を戻ろう」

Re: 時の魔術師(コメください ( No.43 )
日時: 2009/12/04 20:36
名前: 藍羽 (ID: DXj3gHSB)

もう一回戻るんですね!!!
でも魔力がなくなっちゃうんですかー・・・
どうなるんですかね。
頑張って下さい。


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