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- 時の魔術師(コメください
- 日時: 2009/11/15 14:52
- 名前: 白魔女 (ID: NqI69cgO)
こんにちは。白魔女です。元・魔女です。
これで四作目になります。ようやくなれてきているつもりですが、まだまだ未熟者ですので、みなさまの感想を聞きたいです。誤字・脱字も多いので……(汗
グロは、少ないと思います。でも、時たまでるかも……知れません。
これを読んでくれた人が、楽しい思いをしてくれたら……それが私の願いです。
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- Re: 時の魔術師(コメください ( No.79 )
- 日時: 2009/12/22 16:16
- 名前: 白魔女 (ID: I4tk7xLE)
——8話——夜明け
「ん……」
モゾッと、私は布団の中で寝返りを打った。
気がつけば、もう朝だった。
もう一回寝ようかなー、と思いながら、ふとケントのことを思い出す。
ケントは、病室から出た私を笑顔で迎えた。
「よお……結構早いんだな」
笑顔と言っても、目は泣き腫らしたように赤い。いや、泣き腫らしていたのだろう。
「まあ……魔術師ですから」
「ははっ、そうだよな……」
笑うケントを見て、私は声を絞り出すようにと言った。
「なんで……なんで笑ってられるの……!」
「え……」
「なんで笑ってられるの!私はケントの大好きなお母さんを、殺したんだよ!!」
ずっとたまっていた罪悪感を、ケントに怒鳴りつけた。
「なんで、なんで……殺したんだよ……私がいなかったら、もう少しお母さんといられたのにっ……!」
私は今まで人を食べる事にこれほど罪悪感を感じたことはなかった。だけど、ケントの気持ちを考えれば、ずっと悲しいはずだ。なのに……。
ケントのほうが、悲しいはずなのに、私はケントの前で泣いていた。
「いっそ……いっそ私のことを責めてくれれば気持ちは楽だったのにっ。なんで、私に「ありがとう」なんて言うのさっ。なんで、感謝なんてするのさぁっ!!」
そのまましゃがみこんで、大声で泣く。
ケントのほうが、悲しいはずなのにっ。
なんで私、こんなに悲しいんだろう——っ!!
ケントは私の頭をやさしく撫でる。
「さっき言ったじゃないか。「お前は俺達のためにやるんだ」って」
「だって、だって……。ケントが大好きなお母さんを、私っ……」
「それは、なんでかなんてわからないさ。でも、すべて理屈でどうこうしたら、「人」なんてモノ、説明できないだろ?そういうものさ……」
「……」
わからない。ケントが何を言ってるのか、私には理解できない。
それを察したように、ケントは続けた。
「これがわかるようになったなら……、お前から見える世界は、少し変って見えるだろうよ——」
ケントはそのまま、私が泣きやむまでずっと隣にいてくれた。
- Re: 時の魔術師(コメください ( No.80 )
- 日時: 2009/12/22 17:37
- 名前: 白魔女 (ID: I4tk7xLE)
グダグダだったが、何とか“時の狭間”に行き、自分達の時代の扉を開いた。
薄暗い地下室を出ると、ちょうど夜明けだった。
「ケント、これからどうするの?」
高校生に戻ったケントは、出会ったときより大人びて見える。
しかし、ケントはもう一人なのだ。お父さんもお母さんも亡くなって、もう一人ぼっち。これからどうするのか、私は心配だった。
「ん……どうもしないけど。もう高校生だから一人暮らしも出来るし。バイトして金貯めてできれば大学いって、できれば就職——ってか、しなくちゃならねぇんだよな、ははっ」
つまり、普通の人生を歩むってことか。
「でも、俺は何があったって幸せになるぜ、絶対。それが母ちゃんののぞみならなおさらさ。んで、幸せになって、長生きする。それから母ちゃんのところいくさ」
「うん……」
ケントは強いね……と、ケントには聞こえないくらいの小さな声で言った。
「お前こそ、大丈夫なのかよ。色々と後始末あるんだろ?母ちゃんの病気を早まらせたヤツのこととか……」
「ああ、あれは大丈夫。あんなのよくあることだし。あんたはコッチのことは心配しなくていいんだよーだ」
冗談めかして言うが、ハッキリ言えば、コッチ、つまり魔術関係のことにはもう首を突っ込んでほしくなかった。
と、いうのも、一回魔術師に出会った者は、その後も魔術関係の事件に巻き込まれることが多いのだ。特にケントは代償を払わずに魔女と出会ったのだから、悪い魔術師に捕まるんじゃないかと思ってしまう。そうなったらすべて、私のせいだ。
「ケント。これ」
私はポケットから紙切れを取り出した。
「何これ?」
「メアド。これから魔術関係でなんかあったときは、ちゃんと連絡するのよ」
「メアドって……魔女もメールやるのか」
「なに。何か不満でも?」
「いや……なんか、魔法のランプ的なものもらえたら嬉しかったなぁって」
これだからド素人は……。
「ま、いいや。ありがたくもらうぜ用がなくてもメールするかもしれないから」
へへっとケントは笑うが、私は無視した。
陽が高くなってゆく。もうそろそろ人が出てくるだろう。こんな変な格好をした女の子と高校生がいたら、確実に怪しませる。
「じゃあ……ね。これからも頑張って」
「おう。お互い頑張ろうぜ。あと……」
ケントは何か言いかけた。
「俺は最初、魔女なんて嫌だなーって思ってたけど、今は違うぜ。魔女はイイ奴だってわかったし、魔女のこと好きになったよ」
「え、やだぁ、愛の告白ぅ〜?」
「ち、違わいっ!」
ケントはどこかへ去ってしまった。ほっと、胸をなでおろす。また泣くところを見られたら、私のプライドが傷つくからだ。
「じゃーなー!」
遠くでケントの声がした。ビクッとする。まだいたのか。
「あ、うん。じゃあねーっ!」
これじゃあ別れ際の友達だ。いや、友達なのかなー、と私は思いながら、朝日にかけてくケントを見送った。そしてケントが完全に見えなくなると、箒にまたがり、朝の空へ昇っていった。
- Re: 時の魔術師(コメください ( No.81 )
- 日時: 2009/12/22 22:58
- 名前: 白魔女 (ID: I4tk7xLE)
風は好きだが特に、夜明けの風はひんやりしていて気持ちがよい。
清々しい気持ちで飛んでいたが、まだ不安があった。
ケントには、後始末は大丈夫だと言っていたが、そんなこと全くなかった。あんなことよくある、ってのも嘘だ。あんなことがしょっちゅうあったら仕事なんかできゃしない。
病気を早まらせるのも、また時の魔術の一つだ。だが、ミサコさんの病気を早まらして得になるヤツなどいない。つまり、誰かを困らせようとしたってこと。そして、病気が早まって一番困ったのはこの私。
そいつの狙いは私——。
誰かに狙われてるなんて、今まで考えもしなかった。怖くはあるが、心配なのはケントだ。私と関わったためにケントが襲われたら……。
まあ、すべて魔法界の委員会に報告してから考えよう。何かあったら、あの暇な騎士団が、ケントを守ってくれる。
あぁ、でも怒られるかな。委員会の人に……。
久々に行く魔法界に思いをはせて、また、面倒だと思いながら家に着いた。
そして私は今布団の中にいる。
魔法界のことはいいとして、やはりケントが心配だった。
一人でやってけるかしら……なんて、お母さんでも何でもないのに考えていた。孤独のつらさは、誰よりわかっているつもりだったからだ。
孤独……。
孤独と聞くと、私は怖くなる。自分は孤独だ、と思ってしまうからだ。私って一人ぼっちなんだな、一人、一人……。孤独という恐怖はどんどん広がり、闇となり、簡単に私を飲み込んでしまう。
——嫌だっ!一人は嫌だぁっ——!!
誰か——!叫んでしまいそうになったその時だ。
ピーンポーン
機械音が家に響いた。
「ソーラー?モエだよー!サキもいるよ!早く来ないと、サキが起こっちゃうよー!!」
聞き慣れた元気な声がした。さっきまでの恐怖はどこへやら、私は「待ってよーっ!」と叫んだ。
——大丈夫。私は一人じゃない。大切な友達がいる。
- Re: 時の魔術師(コメください ( No.82 )
- 日時: 2009/12/22 21:50
- 名前: くまごろう (ID: mWBabtxN)
こん♪
祟呪死が終わりました。
ってか、久々にきたんだけど、
なんかすっげぇすすんでて
なんか書き方がめっちゃ進歩してる。
ただでさえ
上手だったのに…
はぁ〜、
自分が情けない…
これからも
がんばってね☆
- Re: 時の魔術師(コメください ( No.83 )
- 日時: 2009/12/22 23:36
- 名前: 白魔女 (ID: I4tk7xLE)
そ、そうかなぁ。ありがとう、メッチャ嬉しい!
くまごろうのも、上手いし、話面白いし、うち好きだよ〜。
だから、まぁ、なんていうか、情けなくなんかないさ……!(キラキラ…w
祟呪死、二期もガンバッてねー、楽しみにしてるから!
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