ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

時の魔術師(コメください
日時: 2009/11/15 14:52
名前: 白魔女 (ID: NqI69cgO)

 
 こんにちは。白魔女です。元・魔女です。
 これで四作目になります。ようやくなれてきているつもりですが、まだまだ未熟者ですので、みなさまの感想を聞きたいです。誤字・脱字も多いので……(汗
 
 グロは、少ないと思います。でも、時たまでるかも……知れません。

 これを読んでくれた人が、楽しい思いをしてくれたら……それが私の願いです。



 

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20



Re: 時の魔術師(コメください ( No.69 )
日時: 2009/12/11 20:34
名前: 白魔女 (ID: HmBv7EUE)

「ソラ」

 ハッと、現実に引き戻された。目が赤いをしているがもう泣いてはいないケントが、母との最後の会話を終え、病室から出てきた。

「もう……いいよ」

「うん」

 そして、そのまま病室に入ろうとする私をケントが止めた。

「あのさ、ソラ」

「何?」

 やっぱやめて、と言われたらどうしよう。そんな事を考えていたら、ケントは真逆のことを言った。

「ありがとな」

「えっ……」

 私は戸惑った。なぜ、これから母親を食べようとす
る私に感謝などするのだろう。

「お前とた時間は、長かったようで短かったが、お前の事はわかっているつもりだ。

お前だって、好きで食べるんじゃないって事くらい、
顔を見ればわかる。

そりゃあ、俺だって嫌だけど、ソラは俺達のために、やってくれてるんだろ。

だから、やるとき、なんて言うか……俺の事は、気にしないでいいから。

俺はお前を信じるから」

 わっ、とまた涙が出そうになる。

 それを見られないために、ケントの髪をくしゃくしゃっとした。

「ガキが。何言ってんのさ」

 そしてそのまま病室に入る。

 私は——私は魔女なのに。

 ケントは信じると言ってくれた。

 魔女なんて、信じないほうがいいよ——。

 私は心の中で呟いた。

Re: 時の魔術師(コメください ( No.70 )
日時: 2009/12/11 20:38
名前: 白魔女 (ID: HmBv7EUE)

なんか昨日投稿した文が半分消えてて、
今、修正しました—。

文字数オーバーらしかったです。

夜に投稿したときは、大丈夫だったんだけどなぁ。

迷惑かけてたならスイマセン……。



……で……。
この後どうするかだ……。

Re: 時の魔術師(コメください ( No.71 )
日時: 2009/12/11 22:10
名前: 白魔女 (ID: HmBv7EUE)

「ソラちゃん……」

 病室のベッドでで、ミサコさんが力なくニコッと笑った。

「すいません。こういう形になってしまって……」

「ううん。これでよかったのよ。ハッピーエンドだわ。でも、私がここでソラちゃんに食べられ——って言うとおかしいけど、私がいなくなったら、お父さんや病院の人たちも……」

「大丈夫です。処理はすべて私がやります。ミサコさんは、何も心配しなくていいですから」

 みんなの記憶を少しいじれば、ミサコさんは普通に病で亡くなったことになるだろう。まあ、すべては魔力が戻ってからの話だ。

「ケント、大丈夫かしら。私がいなくなって、お父さんもいなくなって、あの子、一人で食っていけるかしら」

 さすが母親だ。自分のことより子供の事を気にかける。これぞ母親の鑑。

「ミサコさん……もう、心配しなくていいんですよ。きっとケントなら、上手くいく。ミサコさん、死ぬまでそんな心配しないでください。こっちがやりにくいです」

「そう……そうよね。私ったら、またくせで……。もう、すべて終わったのよね……」

 ミサコさんが、どこか遠くの場所を見つめるように、目を細めた。見えないはずの、これから自分が行くであろう場所を見ているのだろうか。

「さぁ、ソラちゃん。どこから食べるのかしら。頭からパクッと?それとも足から徐々に?」

「へ、変な想像しないでください。私が食べるのは、魂——心臓です。心臓を体に取り込み、魔力や栄養分にするのです。

その時に、その方の走馬灯が見えます。走馬灯——つまりその人の人生を見て、その人生がつまらなければつまらないほど、つまらない味になります。楽しい人生だったら甘くて、色々悪事を働いてきていたら、辛くなります。そして、悲しい人生なら、しょっぱい味になり、それが私の舌を刺激し、おいしい・まずいになるのです」

「へぇ、面白そうね。私はどんな味なのかしらね」

 いかにも楽しそうにいうミサコさんだが、死が怖くない人なんて、いないのだ。

「……で、どうやって心臓を取り出すの?」

 やっぱり、魔術で心臓を抜き取るとか——を想像しているミサコさんに、申し訳なさそうに、私は言った。

「直接取り出します」

「あ、あら……直接って……」

「魔女、魔術師と言えども、バンバンほいほいと魔術を使うわけではありません。ましてや、人の体の中に魔術を使うことは無礼に達します。まぁ、支払いの場合だけですけどね。

私と同じような仕事をしている魔術師も、みんな同じ方法を取るでしょう。
法律で、定められていますから」

「そ、そーお?」

 まだ心配そうなミサコさん。

「大丈夫ですって。魔術を使ってはいけないのは、取るときだけ。神経は遮断させますし、開く時も、ちゃんと……」

「うん、うん。わかったわ。私はソラちゃんを信じるから」

 また、信じるといわれてしまう私。慣れてないんだよなぁ。その言葉。

「では、契約書にサインを」

「あらあら。用心深いのね」

 クスクスとミサコさんは笑いながらも、私から受け取った紙に、ペンで名前を書き込む。

「では……いいですね?やりますよ。口は、しゃべれるようにしときますから。最期に何か言う事があったらどうぞご遠慮なく」

「ありがとうね……ソラちゃん」

 また、ミサコさんはニコッと笑った。
 
 この方は、これから死んでしまうというのに、なぜ笑ってられるのだろう——。

Re: 時の魔術師(コメください ( No.72 )
日時: 2009/12/12 12:20
名前: 白魔女 (ID: fwxz9PQ9)

 その人の命を食らう——つまり、心臓を抜き取る。
 

 それは、私にとって時の魔術の次に、神経を使う作業だ。
 

 心の臓。心臓は、人にとって一番大切な場所。聖域。


 そこに手を差し入れる時——この時が一番、私は魔術師なのだと思う。


 こんな行動している私は、やはり人間にはなってはならない存在なのだと——。

Re: 時の魔術師(コメください ( No.73 )
日時: 2009/12/12 16:57
名前: 藍羽 (ID: Zc2CczYF)

こんにちは。
心臓食べるんですねー。
とても魔術師っぽいですね!
ミサコさん、何で笑っていられるんでしょうか?
続き、頑張ってください!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20



この掲示板は過去ログ化されています。