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戦場のジュリエット
日時: 2010/02/28 23:46
名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: OS.29i1w)

どもども、はじめまして。あるいはこんにちはっ!!
香織かおりと申します。
このサイトでは現在、コメディで「ライトスター」を連載しております。
この小説は、去年の10月に書いていたものを復興させたものです。
前のものより、物語の展開の仕方が違います。


[>★→ENTER←★<]

@†★も く じ
>>0000 とっぷ
>>0001 きゃすと
>>0061 凛子キャラ絵
>>0065 桜イメソン
>>0095 純也イメソン
>>0096 凛子イメソン



@†★お 客 様
架凛様 蒼刃様 nanasi様 舞尋様
瀬多 哉様 やとちん様 樹乃様

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Re: 戦場のジュリエット ( No.7 )
日時: 2010/01/06 20:40
名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: mwHMOji8)

( 第6話 )

私、黙って家に帰って黙って家をでてきたの」
「なんでだぃ?」

凛子の発言に、純也が問う。


「だって今日はなんか、戦争が開戦したらしいじゃないの。
こんなときに活動写真なんてみにいったら、叱られるに決まってるわ」

あ……色々あって忘れてた、今日の朝……。


   戦 争 が 開 戦 し た ん だ。

「まぁそりゃあ……な。でも大丈夫さ。
日本は強い、絶対勝ってくれるさ」

純也が凛子をなぐさめるようにして、そういった。



結局、純也と凛子がイチャイチャしてたのを目にしただけで
何も進展しなかった……。

「はあ……」

私は重いため息をつく。

もうだめ……もういやだ……。
失恋したのはわかってるけど、やっぱり辛いよ。

Re: 戦場のジュリエット ( No.8 )
日時: 2010/01/06 20:40
名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: mwHMOji8)

( 第7話 )

1942年、春。


最近、皆「戦争だ」とか「お国の為」とかいってるような気がする。

街にでかけたら「贅沢は敵だ」という、変な看板があった。

せっかく気に入っていた、制服のスカートがダサいもんぺになってしまった。
それでも、ほしがりません、勝つまでは。

今はお国のために、兵隊さんが頑張ってくれているもの。
こんなことで、へこたれていちゃだめっ!!

それに日本は今、勝ってるんだ、強いんだよね、日本って。


「ぐっどもーにんぐ、さくらちん」

後ろから聞き覚えのある声、みなくてもわかる。
親友の里子だ。

「……里子、英語なんか喋っちゃダメだってっ!」
「なんでだめなのよぉー」
「……先生の昨日の話聞かなかった? 英語は敵の国の言葉だもの、怒られるわよ」

「おーけー!!」

「あ、また英語……」

「てかなんで英語がだめなのよ、いいじゃないのねぇ……」

そのときだった、背後で今度はどすの効いた低い声が響いた。

「おいお前!! 英語は敵の国の言葉だ! 日本人なら日本語を使えっ!!」

……あ、やば。警察……じゃない。

「あ、ご、ご、ごめんなさいっ!!」

Re: 戦場のジュリエット ( No.9 )
日時: 2010/01/06 20:41
名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: mwHMOji8)

( 第8話 )

「全く……非常時だぞ、非常時っ!!」

そういって、男はその場をあとにした。

そのときだ。


「ばんざーい!! ばんざーい!!」

近くの駅のプラットホームから、そんな声が聞こえてくる。

もう確認しなくてもわかる。

今日もまた誰かが、徴兵されてしまうのだ。

元々、家の近くに駅があるので、こういう声はもう聞き慣れてしまった。



お国の為、天皇陛下のため、男たちは散ってゆく……。

でもそんなことしたって意味無いよ。

早く……終わってよ、戦争なんて。

人を殺さないでっ! 人を殺すのは犯罪じゃない……。

なのに、どうしてそれが許されるの?
ねぇ、どうして? どうしてどうしてどうしてよ!!

Re: 戦場のジュリエット ( No.10 )
日時: 2010/01/06 20:42
名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: mwHMOji8)

( 第9話 )

暗い気持ちで家に帰った。

……だが、家の様子がおかしい。

居間で、家族全員が俯いて座っていた。

私はおそるおそる、話しかけてみる。



「どうした……の?」


私は、父の緑介が眺めている紙をみて、目を疑った。


 だってそれが、召 集 令 状 だ っ た ん だ も ん。


「嘘っ!! お父さん……」

「心配するな、桜。父さんは国のためにやってくるよ」

「……いやいやっ!! そんなの絶対いやよっ!!」

「こら桜、大きな声でそんなこというな。……しょうがないだろ、非常時だから」

また非常時と言う言葉……もうなんなの……。

すごく、心が痛いよ……。

Re: 戦場のジュリエット ( No.11 )
日時: 2010/01/06 20:42
名前: 香織 ◆love33RPPg (ID: mwHMOji8)

( 第10話 )

父が徴兵されて、約1週間が経った。

ついに、兄にも召集令状が来てしまったのだ……。



「おめでとうございます、千崎大和さん」

そういわれ、兄は赤紙……召集令状を渡された。
母は目を丸くさせ、必死に叫んだ。

「なんでですかっ!? うちの大和はまだ19ですよ?」
「……徴兵年齢が、満20歳から19歳に取り下げられたのです」

「そっそんな……」

母は今にも泣き出しそうな声でそういった。
でもなけない、人前じゃ。

「よ、よかったじゃない、こ、これでお国のためにつくせるわね……大和」
「あぁ……そ、そうだな」

配達人はそれを聞くと、しずかに扉を開けて出て行った。


それと同時に、母の泣き声が静かに聞こえてきた。


「なっ、なんで……うちの息子まで……」


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