ダーク・ファンタジー小説
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- ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】
- 日時: 2013/12/01 11:19
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
- 参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=39522763
はるです。シリアスダークに書くのは二度目ですね…
そんなこんなで今回はミステリー。更新不定期です。
〜CAST〜
【久楽々 洋介】 〈kurara yousuke〉
Age 27
occpation 小説家
height 182㎝
weight 65kg
taste 読書、料理
【来栖 李亞霧】〈kurusu riamu〉
Age 16
occpation 高校生
height 158㎝
weight 42㎏
taste 運動
オリキャラ募集中!応募はこちらから→>>8
応募状況
李亞霧の友人・クラスメート 10人募集!(現在)
洋介の友人・ライバル 3人募集!(現在)
警察関係者 15人募集!(現在)
- Re: ミステリ作家のリアルトリック ( No.6 )
- 日時: 2013/08/25 12:15
- 名前: はる (ID: m3gfL0Am)
「…と、言うわけだ。わかったか李亞霧くん。」
洋介が腰をあげて、ズボンについた汚れを払おうとする。…ずいぶんべたべたになってしまったみたいだ。洋介は顔をしかめて落ちていたペットボトルを拾い上げ、自販機の横のゴミ箱に入れる。
立ちあがって気がついたのだが、この少女…李亞霧はセーラー服を着ている。…高一くらいだな。洋介は何も言わずうつむいている李亞霧をどう扱おうか決めかねていた。
これが、二十歳くらいの女性だったら?
決まっている。近所の交番に押し込むだけだ。
ではこれが、小学生くらいの女の子だったら?
決まっている。二度とこんなことしないように教えて、家に帰すだけだ。
ではこれが…高校生だったら?
子供というには大きすぎる。大人というには小さすぎる。
夜の闇に純白のセーラー服がよく映えていて、…それは彼女達高校生特有の不安定な精神を現すかのようだった。
「…その子、死んだのか。」
とりあえず話しかけてみる。よく考えると、さっき「殺された」と言っていたのに、こう聞くのもおかしなものだ。
コク、と李亞霧は頷いて、洋介に向き直る。
「屋上から突き落とされたの。」
少し引っかかりを覚えて、李亞霧に問いかける。
「自分からじゃなくて?」
「沙有がなんでとび下りるのよ。…突き落とされたんだって。警察はそういってた。…遺書、というかね…遺言があったの。」
「ゆ、い、ご、ん?」
李亞霧は、少し元気を取り戻したようで、先を続けた。
「このまま私が帰ってこなかったら、…それは久楽々洋介に殺された。だから、りあちゃんは洋介を殺して。…そう書いてた。」
それを聞いて、洋介は頭を抱えた。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック ( No.7 )
- 日時: 2013/08/26 19:53
- 名前: はる (ID: YZ3O7Ne1)
ぐちゃぐちゃに絡まった頭の中で、なぜか一つの言葉がチカチカと点滅を始める。あまりにもまぶしいそれに、洋介は我慢が出来なくなった。
せめてそれを少しでも弱めようと渋々口を開く。
「…そ、それは」
「殺人示酸って言いたいんでしょ。」
洋介の言葉をさえぎって、李亞霧が言葉を発する。それを言おうとしていた洋介はあわてて黙りこんだ。
「わかってるわよ、それくらい。…沙有が、私を使って殺人をしようと考えてたって言えないこともない。…でも、それでもっ!」
語気を強め、しゃがみこんでいた李亞霧は立ち上がる。そのまま右手の人差し指を洋介に向けた。まっすぐで長い指だった。
「それでも私は、沙有を殺した奴を許さない!もしあなたがそうじゃないとしたら、それなら!」
彼女の意志の強そうな大きな瞳が一瞬迷いの色を見せる。しかし、その色はすぐに消え去った。
「…決めた。犯人は、私が…来栖李亞霧が捕まえる!」
短く肩の少し上でカットされた黒髪が風にたなびく。洋介の背筋に冷たい震えのようなものが走り、…それが武者ぶるいだなんて彼は気がついただろうか。
「…で…ら。…それ…ら、これは…ちの…んだいですか…」
そんな緊張感も、近づいてくる声によって消え去られた。
後に残ったのは、…さらに大きな緊張感。
「!」
目だけ動かしてそちらを確認する。李亞霧もそれに続いた。
—あれ。…右目が…動いてない?
「なあ、その右目…」
「しっ。隠れて。」
其の事を問いかける前に電柱の陰に引き寄せられた。なんで俺まで、と洋介は不機嫌な事を隠せない。
「…あら、先生はスキャンダルがお好きなの?」
嫌味を利かせてそういう李亞霧に、洋介は不思議そうに首をかしげて見せた。
「だから、こんなところに直木賞作家(イケメン)と女子高生がいたらどんなふうに誤解されるか考えてみなさいよ」
呆れたように呟く李亞霧。…その瞳が鋭くなる。
声は、電柱の近くまで来てとまった。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック ( No.8 )
- 日時: 2013/09/28 18:00
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
大変中途半端なシーンでオリキャラ募集をさせていただこうと思います。テンプレ↓
————————————————————————————————
名前『』
年齢『』(基本10〜40。警察関係者は24〜40。友人はは10〜25(留年・とび級は無し)。洋介の友人はすべての範囲で)
性別『』
容姿『』※髪色は黒、それ以外の場合は必ず「染めている」に分類されます。(外国人・ハーフの金髪や赤毛はあり。純日本人の先天性赤毛などはなし。目の色は自由)
性格『』
備考『』(キャラの過去や友人関係やetc.)
サンプルボイス『』『』『』『』『』『』(数自由・最低三つ)
確認票
犯人になるかもしれません。「」
被害者になるかもしれません。「」
キャラ…崩壊しますよ?「」
出番が少ないときもあります。良いですか?「」
恋愛やら友人関係が勝手に築かれます。「」
本当に…良いですか?『』
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応募状況
李亞霧の友人・クラスメート 10人募集!(現在)
警察関係者 15人募集!(現在)
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.9 )
- 日時: 2013/08/28 20:17
- 名前: はる (ID: checJY8/)
「…すから!ですからこれは、貴方達の問題でしょう!」
甲高いヒステリックな女性の声。それも、中年あたりの。
思わず耳をふさぎたくなる洋介の隣で、李亞霧が固まる。
顔色がぐっと青ざめ、気分が悪そうに唇をかみしめる李亞霧。心配になった洋介が「大丈夫か」と聞く。
軽くうなずいて、洋介を彼女は睨みつけた。「喋るな」と言いたいのだろう。
—心配してやったのに…
洋介はいささか不満である。
「いえ、違いますよ。これはどう考えても、わ、た、し、た、ち!の問題です。わ、た、し、た、ち!の。」
低い男声が、女性の声にこたえる。こちらはやけに愉快そうで、声は加工でもされているのかうっすらエコーがかかっていた。
李亞霧はというと、固まっているのは変わらないが、表情は少し和らいだようだ。
洋介はその会話に耳をすませる。
「そんな!あなたの問題じゃない!」
「いえ、それではあなたには責任がな、い、と?」
「それは、…卑怯な奴…!何が必要なの!何が!」
「いやいや、なあんにも必要じゃありませんよ。なあんにもね。」
…つまり。洋介は会話の言葉をまとめて、結論を頭の中で反芻する。
—女性…仮にAとしておく…Aは、男性、仮にB…Bと何か犯罪めいたことをしでかしてしまったんだろう。それか、Bがやるのを黙認したか。…そして、それを使いBはそれを黙っておく代りにAに何かをさせようとしている…金目的でないことは、「なにも必要ではない」といったことで解る。…どうやら彼らはかなりややこしい関係のようだ。
「…何をさせる気なの?」
「ここでは人目が気になることですしねえ。どこかでゆっくり話しましょう。」
二人が立ち去った後、…急に李亞霧が座り込んだ。
いや、座ったと言うよりは尻もちをついたと言う方が正しいだろう。とにかく彼女はぺたんとアスファルトに座り込んでしまったのだ。
「お、おい。大丈夫か?」
洋介が背中をさすろうかとすると、大きく強い瞳で思い切り睨まれた。
「水!」
「…は?」
「水、持ってきて!」
その両方の瞳と目を合わせて、彼は一つのことを確信した。
彼女は、右目が見えていない。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.10 )
- 日時: 2013/08/31 16:38
- 名前: はる (ID: BvmlmLmy)
「……ありがとう……」
一気にペットボトルの水を半分ほど飲みほして李亞霧が呟いた。
右目の事はとりあえず置いておいて、洋介は心配そうに李亞霧の様子をうかがった。
地面に座り込んではいるものの、ずいぶん元気そうである。これなら大丈夫だろうと洋介は安堵のため息をついた。
「…はああ—…なんか今日は疲れたなあー…」
洋介も同感だ。色々と体験できないようなことが体験できたので、ミステリ作家としてはいいことなのかもしれない。洋介は、これもネタに使えるかな、などと少々不純な事を考えた。
「あの、すいませんでした。」
李亞霧が素直に頭を下げる。
謝ってもらうようなことをされているのだが、実際にそうされると洋介のような人間は落ち着かない。
「えー…と、右目はどうしたの?」
と、苦し紛れに間抜けな質問。
「…あなたの言う通り、私の右目は見えていません。…それが何か?」
聞き返されても困る。
なぜかいきなり敬語になった李亞霧に洋介はしどろもどろだ。
「…失礼しました。また、お詫びさせていただきます。」
あの少女がここまで丁寧な言葉を使うとは!イメージが違いすぎるだろ、と突っ込む。
「あ。お詫びとかいいから。とにかく、今後はこんなことしたらだめだからな。ちゃんと警察の人に言うんだぞ。」
「はい!」
もう一度頭を下げて、彼女の白いセーラー服がすっかり見えなくなったころ、…ある物に気づいた。
「定期入れ…ってこれは、」
李亞霧のものだ。まあ、これをどうしようというわけでは…
ストップ。
洋介は自分の楽観的思考に待ったをかけた。
—この定期入れの中には、俺とさゆちゃんの写真が入っている。仕事が忙しくてテレビは見ていないし、新聞は取ってないけど…高校生一人死んでいて、ニュースにならないはずがない!そして俺は名前も顔もテレビに公表している直木賞作家だ。…うん、まずい。確実に容疑者になってしまう。
では、持ち帰ったらどうなるか?洋介のシミュレートが始まる。
—李亞霧くんは…そう鈍いわけでもなさそうだし、定期入れが無くなったことにはすぐ気付くだろう。駐車場に取りに来て、そこになかったら警察に行って、…おかしいと気づくだろうな。
別に金目のものが入っているわけではない。
こんなものネコババしても、意味がないのだ。
—俺が持って行ったと思って…駄目だ。…どうする?…………そうだ!
「届けに行こう!」
…これが、彼の苦労の日々の幕開けとなることを洋介はまだ知らない。
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