ダーク・ファンタジー小説
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- ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】
- 日時: 2013/12/01 11:19
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
- 参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=39522763
はるです。シリアスダークに書くのは二度目ですね…
そんなこんなで今回はミステリー。更新不定期です。
〜CAST〜
【久楽々 洋介】 〈kurara yousuke〉
Age 27
occpation 小説家
height 182㎝
weight 65kg
taste 読書、料理
【来栖 李亞霧】〈kurusu riamu〉
Age 16
occpation 高校生
height 158㎝
weight 42㎏
taste 運動
オリキャラ募集中!応募はこちらから→>>8
応募状況
李亞霧の友人・クラスメート 10人募集!(現在)
洋介の友人・ライバル 3人募集!(現在)
警察関係者 15人募集!(現在)
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.51 )
- 日時: 2013/11/17 10:05
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
さて、捜査開始だ。学校の屋上なんてずいぶん久しぶりで、洋介は胸が高鳴るのを感じた。
「わー、高いなあ」
少し嬉しそうに填梅が声をあげる。「なんとかと煙は…」と柳太がぼそりと呟いた。とりあえず口をふさいでおく。
そんな男性陣を置いといて、李亞霧と瞳は自分たちで勝手に捜査を開始している。李亞霧は瞳と一緒に屋上のフェンスに近付いて、それを乗り越えた。
屋上のフェンスを、乗り越えた。
一瞬の沈黙。
そして、重なる叫び声。
「うわああああああ————ッッ!!!!????」
反応がはやかったのは、意外にも柳太だった。滑るように屋上を横切り、今さっき李亞霧が飛び降りたフェンスを覗きこむ。
次は填梅。さすがに警察官らしく、柳太の後ろまで走った時に、
柳太が「がっ」と唸って、後ろに倒れた。
填梅も巻き込まれる。
傍でぼんやりとしていた瞳は、それに気づいているのかいないのか。
最終的に腰が抜けてへたりこんでいた洋介はあわてて柳太の傍へ駆け寄る。
「大丈夫か、ってか李亞霧くんは!?」
柳太は涙目であごを押さえながら、左手でフェンスの向こう側を指差した。
そこには、李亞霧が立っていた。
…落ち着けば、簡単なこと。フェンスの外側はすぐ絶壁になっているわけじゃなくて、一メートルほどのはばの足場があるのだ。これは、きっと転落防止のためだろう。まあ、今回は転落して死亡した少女がいるわけだが。
「…沙有はここから…」
真剣な瞳で李亞霧は足元を見つめる。洋介も、おそるおそるフェンスの向こう側へと足を突っ込んだ。
風が吹き抜ける。怖い。
隣で平然とする彼女がうらやましい。
さて、それはともかく捜査だ。足元を見るのは正直嫌であったが、洋介はあえてそれを考えない。
「…ん。これは…」
足場のうちのあたりに何か付着している。赤い…血液ではないが…これは多分、上履きなどの裏についているゴムのけずれたもの…つまりゴムくずだろう。そういえば、李亞霧のはいている上履きの底も赤い。
とすると、これは新島沙有のものだろうか。なんにせよ、証拠であることに変わりはない。
と。
思っていたら。
世界が反転した。
下に足場がなかった。
簡単に言うと、捜査に夢中になりすぎて落下した。
瞳の「あ」という声が聞こえて、李亞霧の「え」という声が聞こえて、次の瞬間「あああああ———っっ!!!!????」という声が聞こえた。
わあ、デジャヴュ。
洋介は、ぼんやりとそんなことを考えた。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.52 )
- 日時: 2013/11/03 10:25
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v=MLrPZ6WJS_E&list=RD02MLrPZ6WJS_E
参照五百ありがとうございます!
さて、主人公が落下するところでいきなりとぅーびーこんてぃにゅーになったわけですが、ま、それは置いといて、と。
ミステリ作家のリアルトリック テーマソング→「ニビョウカン」
で決定!
とかいって、参照貼り付けたんですが、初めて貼り付けるのでたぶん貼れてないです。ごめんなさい。気になる方は検索どうぞ。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.53 )
- 日時: 2013/11/04 19:53
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
…こ、こは、どこだ…?
洋介は、自分のいる場所を確認する。ふかふかで柔らかい何か、たぶんベッドか布団。違和感のある首筋、えーとあとは…足だ。足がジンジンしびれている。
ココまで考えて、洋介は自分が目を閉じていたことに気が付き、そして自分が屋上から落ちたことを思い出した。
「!?」
あわてて跳ね起きると、隣で李亞霧がきょとんとした顔で見つめていた。
「あ…右足の捻挫だけらしいですよ。」
何を言っているのだろうか、と考えて、それは自分へのムンテラ(病状説明)だと気づき、納得する。
「…って。なんで捻挫だけなんだ!?」
「知りませんよ!下に植え込みがあってよかったですねくらいしか言えませんよ…もう…はあ…」
うえ、こみ、とな。
「あったの?」
「ありましたよ、ツツジが。」
ツツジ、ねえ。と、洋介は首をかしげた。ツツジくらいで人間は生きている事が出来るのだろうか。あそこは確か、ビルの三階相当の高さだったはず。中学生棟はもう一つ分高かったかもしれないが。
「ビル三階くらいなら、ツツジのおかげで骨折程度で済みますよ。まあ、捻挫は珍しいみたいですけど。」
「…ふーん」
「それより、このせいで学校側から捜査禁止命令が出ましたよ。どうするんですか!」
怒った様子の李亞霧。
「あ、そういえば、学校は?」
「自宅謹慎です。サボりましたし。…まあ、警察を内部に入れたってのもあるんですけどね…屋上は完全に封鎖ですよ、ううう」
頭をたれる李亞霧。
「んー。待て。ちょっと待て!その、ツツジ、って…前からあったのか?」
「はい、ありましたよ。えっと、沙有が園芸委員だったので覚えてるんですけど、既に育っているものを植えていたみたいです。」
…違和感。なんだろう、この感覚。
「…あ。で、電話!?すいません先生、ちょっと失礼します。」
李亞霧があわてて病室を出ていく。
洋介は、この違和感の正体を確かめるべく、頭の中を整理した。
李亞霧の証言…
現場証拠…
おかしいものは、ないだろうか?
一つ一つ、当てはまるパズル。最後のピースまで、あと少し。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.54 )
- 日時: 2013/11/05 18:48
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
「はあ。すいません先生、ちょっと新田君から屋上の事で…」
戻ってきた李亞霧が呟く。あと少し、あと少しともがく洋介には、少しでもいいからてがかりが必要だった。
さっそく問いかけてみると、すぐに答えが返ってくる。
「花柄のハンカチが見つかったそうです。誰のものでしょうね。」
「花柄ねえ」
意外とどうでもよかった。
ブツブツとつぶやく洋介にかまわず李亞霧は話し続ける。
「あと、新田君に頼んでたんですけど、お弁当箱。あれ、ちゃんとあったらしいですよ。良かったですよね。新田君優等生だから忘れ物をしたって言うとすぐ入れてもらえたらしいです。あのあと私達はすぐに出されて。木下さんは名残惜しそうでしたけど、とりあえず警察のお二人はおしりをたたかれるように…」
BGMにしては気を惹く言葉が多く出てくる。
「うちの学校清掃員さんが入ってるので、普通は清掃員さんがお弁当箱とか忘れものとして職員室に届けてくれるんですが、あの事件のあと…ああ、沙有の事です。あのあとから誰ひとりとしてはいっちゃいけないって事になって、」
「李亞霧くん!」
いきなり大声を出した洋介に、李亞霧は肩を縮めた。
恐る恐る、といった感じで李亞霧は洋介に問いかける。
「うるさかったですか?」
「新島さんが死んだのはいつ?」
「…えっと、7月初めです。でもそれがな」
「今日何日?」
「7月の二十二日です!だからそれが!」
李亞霧も目に入らない様子で洋介は呟き始める。
目の前のモノを見ていない、しかしその眼に映る…真実。
足の痛みもどこ吹く風、彼はいきなり立ち上がった。
「つながった!」
しかし、李亞霧は冷静に
「先生、ベッドの上に立たないでください」
というのだった。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.55 )
- 日時: 2013/11/10 09:49
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
「えーと、よし。裏付けがいるな。…李亞霧くん、「沙有ちゃん」の性格を教えてくれ。」
「またですか。…えーと、沙有は大人しくて、いじめられていたからか少し友達、…私に執着しているような…木下さんとはまあまあ仲が良かったのかな、よくわからないけど、木下さんと私が話していると、沙有は必ず笑いながら話に混ざってきました。いい関係、なのかなあ。」
洋介は頷き、そのままベッドから飛び降りる。
「え、先生」
「…ちょっと、電話してくる」
あわてて追いかけようとする李亞霧を手で制し、洋介は病院の外へ出た。
…一応敷地内だ。散歩をする患者も何人かいる。
流石に病院服で外に出るのもまずいので、洋介は草かげに座り込んで携帯電話を取り出した。
「あー先輩。大丈夫でしたか、そのあと」
「…ああ。まあ。…俺、どうしようかな」
「そりゃ、休まないと…って先輩っ!?俺に今相談したんスか!?」
「…え?あ…まあ、そうなるか」
「嘘だ!あの先輩が!先輩が…俺に弱気な所見せるとかあり得ねえ!」
「それ以上言ったら首飛ばすぞ」
「物理的に?精神的に?」
「両方」
「怖ェ!超絶怖ェ!……って、やっぱりいつもの先輩っすね。」
「まあな」
「で、どうしたんすか。」
「…俺、ナゾトキして、いいのかなあ」
「…先輩頭打ちましたよね。今すぐ精神科医に見てもらってください」
「だ——っ!人が真面目に相談してるっつーのに!」
「真面目なんスか、それで…ま、いいや。良いんじゃないすか。」
「なんでそう言い切れるんだ?それがいいとは限らないだろ?」
「真実を知らないより辛いことはないっすよ。……そんな幸せ、幸せじゃねぇ……真実を知って、いくら苦しくても、それを受け止められるのが、人間ってもんでしょ?」
「……ああ、そうだな。悪かった。ついては明日の午後四時、病室でナゾトキを行う。集まれ。」
「はあ!?明日の午後四時から俺捜査会議なんすけど!」
「じゃあ五時」
「…もういいすよ。わかりました、填梅と一緒に行きます。」
「ああ。じゃあな。」
洋介は返事を待たずに電話をきった。
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