ダーク・ファンタジー小説
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- ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】
- 日時: 2013/12/01 11:19
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
- 参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=39522763
はるです。シリアスダークに書くのは二度目ですね…
そんなこんなで今回はミステリー。更新不定期です。
〜CAST〜
【久楽々 洋介】 〈kurara yousuke〉
Age 27
occpation 小説家
height 182㎝
weight 65kg
taste 読書、料理
【来栖 李亞霧】〈kurusu riamu〉
Age 16
occpation 高校生
height 158㎝
weight 42㎏
taste 運動
オリキャラ募集中!応募はこちらから→>>8
応募状況
李亞霧の友人・クラスメート 10人募集!(現在)
洋介の友人・ライバル 3人募集!(現在)
警察関係者 15人募集!(現在)
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.72 )
- 日時: 2014/01/05 12:05
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
「遅いですよせんせ」
怒ったような若々しい声が聞こえる。代々木だ。
洋介は、たった今大きなホテルに到着したところだった。
ホテルの前には高級そうなリムジン、ベンツが並んでいる。車の運転免許を持っていない洋介としては羨ましい限りだ。
さて、目の前に居る代々木に軽く挨拶をすると、洋介はあらためて自分の恰好を確認した。
暗い赤色のネクタイに、飾りのついたネクタイピン。新調した黒いスーツは、多分そのネクタイを際立たせてくれているだろう。
代々木の方は、とちらりと目をやる。
灰色のスーツに緑色のネクタイ。光沢があるそれは、なかなかセンスが良く見えた。
目の前の、20代前半くらいに見える彼だが、実はもう40歳だ。それなのに、いつ見ても彼は若い。
いやもう、若く見えるとかそういうレベルじゃないのだ。肌年齢は16歳だとかほざくような奴なのだ。
頭の回転も速く、老化現象とは一ミリも結びつかない彼は、5,6年くらい前に奥さんに逃げられた。…別に、代々木が不真面目だということではない。段々年老いていく自分とは違い、いつまでも若い夫に敗北感を感じた、とか。彼も色々大変だ。
「代々木くん、それで本当に40代か」
「いやですね、せんせも若く見えるじゃないですか」
だから君のはそんなレベルじゃないんだよ、とぼやく。
しかしそれは聞こえなかったようで、彼は緑色のネクタイを洋介に自慢し始めた。
「これ、娘が選んでくれたんですよ。今時の小学生ってセンスいいんですねえ」
彼には10歳になる娘が居る。下手したら、いや下手しなくても兄妹に見えてしまうような関係だが。シングルファーザーのようだが、それでもうまくいっているようだ。
まあ、彼の家族自慢は放っておくとして、洋介はさっさとホテルの中に足を踏み入れる。
驚愕した。
自慢じゃないが、洋介だって直木賞作家だ。高級ホテルくらい入ったことはある。
それでも、それでもここは、ちょっと場違いすぎるんじゃなかろうか。
「……あれ、せんせ、何してるんですか」
「いや、うん。ロビーがキラキラしてるなあと思って」
大理石の床、輝く黄金のシャンデリア。
眩しい、と言うかなんというか。
洋介は顔を伏せながら、呆れた代々木につれられて、パーティ会場まで歩いて行った。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.73 )
- 日時: 2014/01/10 19:23
- 名前: 沙由 (ID: nQ72gOzB)
はじめまして、沙由と申します。
シリアス板でミステリーが大変珍しくて、タイトルに釣られました
実際キャラ立ってるしミステリしてるし面白かったです。トリックとか動機とか考えるのって難しいのでよくやるなぁーって思いました。
が、このキャラならもっと不可解な話(現実離れした話)やってほしいなぁなんて、トリック考えるのって難しいですよね。軽いリクエスト暗いに思ってくださいなー。
おまけ
キャラ募集を見かけたので。
リク板のスレが沈んでて見つからなかったのでこちらに。
警察官
名前『佐東敏夫』
年齢『24』
性別『男』
容姿『スポーツマン刈りの黒髪。程よく焼けた肌。180cmという身長。至って平凡。しかしながら服飾のセンスが悪く、いつも変な柄物のバンダナをしている』
性格『誠実さの塊。真面目。さわやか系。でもなぜかいじられてばっかりいる。ヘタレではない。キレると怖い多分。』
備考『来栖ちゃんの通学路中にある交番のお巡りさん。彼女募集中。大学時代はマラソンをやっていた。』
サンプルボイス 『そこ、信号守って、こらそこの女子高生! だっさーいとかバンダナの下はげとか笑わない!!』『砂糖と塩じゃないです先輩! 佐東敏夫です。ちゃんと呼んでくださいよっ! ……キレてもいいですか?』『えっ? 昇進なんてする気ないですよ。自分は一生巡査です。ここでこの町を眺めてるのが自分の幸せなんです。なんて、昇進試験なんてずっと先の話ですけどね』
確認票
犯人になるかもしれません。「はい」
被害者になるかもしれません。「はい」
キャラ…崩壊しますよ?「はい」
出番が少ないときもあります。良いですか?「はい」
恋愛やら友人関係が勝手に築かれます。「はい」
本当に…良いですか?『はい』
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.74 )
- 日時: 2014/01/11 15:02
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
沙由さん
コメント&オリキャラありがとうございます!
トリックとか動機とかかなり不安定で心配だったので嬉しいです。
現実離れですか…今はまだありませんが、ポイズン編が終わったらばんばん大きい規模の話が出てきますから!…多分((
オリキャラ様は多分次の章での登場になると思います。ありがとうございました!
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.75 )
- 日時: 2014/01/11 15:28
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
SIDE R
「……来栖さん」
ふわり、と声をかけられた。靴を履き替えていた李亞霧はその声の主を捜して振り向く。
後ろに立っていたのは、黒いセミロングを微かに揺らすクラスメートの翠月凪だった。
「翠月さん?…おはよう」
「おはようございます」
表面上は普通に会話しているが、李亞霧は内心首をかしげていた。…同じクラスではあるが、彼女と話したことはほとんどない。クラス委員の瞳と話しているところをみかける事は何度かあったが、果て、私に何の用事だろう。李亞霧は凪の次の言葉を待つ。
「………あの、教室行かないんですか?」
「…あ。え、ええ。行くわ」
いつも使っているとはいえ、気取った言葉を使うと唇の裏がむずむずする。特に、あまり気を使うことがなかったあの男性との会話に慣れてしまった今では、その傾向が顕著だ。
「あ、あの。翠月さん?私に何か用じゃないの?」
「…え?…いえ、特に用はありませんが」
「そう…」
不思議なものだ。何故彼女は突然私に話しかけてきたのだろう。
「……大切な人がいなくなるのは、つらいことです」
「え?何か言った?」
「いえ!行きましょう」
そうして、二人が教室に向かおうとした、その時だった。
「あ———ッ!見つけましたよ、お姉さま!」
赤いリボンをひるがえしながら、見事な黒い髪をばっちりツインテールにした小柄な少女が、李亞霧の方へと突進してきた。ものすごい勢いで彼女に飛びつこうとし、寸前で李亞霧が脇に寄る。
「山野さん!?B組は今日、一時間目体育よね、今此処にいちゃだめでしょ!?」
「私、お姉さまのために今日は見学します!どうせバスケットボールなんですよ、私が入ったチームが圧勝しちゃうのつまんないですから!」
「ああ、そういえばバスケ部だったのね、…って、そうじゃない。あのね山野さん。いくら従姉とはいえ、学校でお姉さまはやめてね」
「いえ!従姉とかそういうことは一切合財関係無いのです!私、山野鈴波はお姉さまと永久に」
目をハートにしながら李亞霧に迫る鈴波からするっと距離を取り、李亞霧は凪に会釈してから猛スピードで駆けだした。
廊下は走ってはいけないのではないだろうか。唖然とする凪。
それをよそに、鈴波は李亞霧の走り去った後ろ姿に向かって、びしっと人差し指を向けた。
「今度の出版社パーティ、私も行きますからねッ!?婚約を取りつけて見せますから!」
凪の方へ向けて上品な微笑みを浮かべ、「ごきげんよう」と笑ってから鈴波はすたすたと歩き出した。
しばらく呆然としていた凪は、しばらくしてクスリと笑う。
——いいお友達ですね。
李亞霧からしたら、そうでもないのだが。
- Re: ミステリ作家のリアルトリック【オリキャラ求ム】 ( No.76 )
- 日時: 2014/01/12 17:51
- 名前: はる (ID: JK5a7QPr)
SIDE R
「……逃げ切れた?」
階段を駆け上り、李亞霧はそっと後ろを振り向く。
そこに鈴波の姿は無かった。
「困ったものね…」
幼いころから仲の良かった李亞霧と鈴波。従姉同士でありながらも、少し生まれるのが遅かった鈴波は李亞霧を「お姉ちゃん」と呼び慕っていた。
それが、いつから「お姉さま」に変わったのか…頭痛がしてきた李亞霧は、額を押さえた。
「来栖」
「新田くん?どうしたの?」
またもや声をかけられ、李亞霧は振りかえることなく返事をした。
苦笑しながら楽太は彼女の前にまわりこむ。
「10月に青花祭があるから、その意見を聞きに来たんだ。本当は教室で聞こうと思ったんだけど、丁度来栖がいたから」
お金持ちの学校とはいえ、文化祭はある。ただ、『ほんのちょっとだけ』規模が大きくはなるが。
「次の時間、話し合いするから。その前に少し意見集めて来いって木下さんが」
「へえ。学級委員も大変ね…一年はなんだっけ、合唱とクラス展示?」
「おしい。合唱じゃなくて舞台発表。樹くんとかにも意見聞いたんだけどね、『演劇』がいいんじゃないかって」
「でも一か月でしょ、時間足りないんじゃないかな」
「いや、そこは調整して——」
同じクラスの男子の名前を出しながら、楽太は李亞霧と楽しげに話しながら歩いていく。
「でも新田君、歌うまいでしょ?合唱も良いと思う」
「ありがとう。だけど、うーん…折角良い素材が揃ってるから、って樹くんに演劇部が賛成して…」
「ああ晴日さん達か…ちょっと強引に決められちゃうのかしら。うちのクラス、演劇部がいるものね」
「皆の意見も聞きたいんだけどね。それに、演劇なら台本も…」
ふ、と李亞霧の頭の中に、一人の男性の姿が思い浮かんだ。
確か彼が執筆した小説は、青少年が読んでもわかりやすかったはずだ。
特に、「私の声」なんか…
「来栖?どうかした?」
「…あ、ご、ごめん。大丈夫」
李亞霧は軽く首を振った。ショートカットの髪が左右に動く。
「そろそろ教室へ行きましょう、予鈴なっちゃう」
「あ、そうだね…」
まだ訝しげな顔をしていた楽太だったが、腕時計を確認すると急ぎ足で自分の教室へと向かった。李亞霧もそれに続く。
——あと一週間もすれば、夏休みだ。親のパーティに出ないといけないから、ちょっとだけ憂鬱だったけど。
今は違う。
父親が経営する出版社のパーティだ。勿論、売れっ子作家の彼も来るはず。…来ないとしても、それは仕方がない。
それに、今回は木下旅館代表と一緒に瞳も来るのだ。大人ばかりのパーティとは違って同年代が居るのも、少しだけ楽しみの理由になっている。
『はーやくこーいーこーいーなーつやーすみー』
調子っぱずれのボーイソプラノが、ふと蘇った。
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