ダーク・ファンタジー小説

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殺人病棟
日時: 2016/03/07 18:06
名前: 死蘭 (ID: zflF3NFd)

こんにちは。死蘭です。
このお話は少しグロい表現を使いますが、そこは気にせずに読んでいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。

Re: 殺人病棟 ( No.71 )
日時: 2017/03/28 20:25
名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)

「はぁ、また雨」
窓から見える灰色の空を見て、私は重い溜め息をつく。
雨の日は憂鬱だ。決まって悪いことが起こる。悪いことが起こるといってもそれは確信があるのではなく、予感だけなのだが…それでも雨の日は嫌な予感がするのだ。
(?あれ?)
ふと、私の所に生臭いにおいが漂ってくる。いつも嗅ぐこのにおいには覚えがあった。
(おかしいな、ちゃんと血拭いたはずなのに…)
私は辺りをきょろきょろと見回す。しかし、どこにもこれといって死体は見当たらない。
「とりあえず、掃除用具取ってこよう…」
私はそう言ってトイレ近くの掃除用具入れへと向かった。到着すると早速用具入れからモップを取り出そうと手を伸ばそうとした。そしてようやく気づく。
(あれ?血?)
私の両手には乾いた血がべっとりと付着している。これではまるで私が人を殺したみたいじゃないか…そう思うほど、私の手は血まみれで赤黒く染まっていた。
(とりあえず…手を洗わないとなぁ…)
そう思うと同時に私はまた溜め息をつく。
最近、こういうことがよく起こる。手についた血を
洗わなかったり、死体を処理し忘れたり…そういったミスをおかしていることがここ最近多々ある。
そういうミスだけならまだいいが、ここ数日は皆にまで迷惑をかけることが相次いだ。この間は手を血まみれにしたままリストを触り、死人(しびと)に迷惑をかけ、その前はレイの仕事場を血で汚し、彼女を困らせた…という風に最近の私は皆に迷惑をかけすぎていて、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「あ、手洗い」
私はこれ以上迷惑をかけまいと、急いでトイレ内に設置されている手洗い場で手を洗う。
暫くして手を洗い終え、ハンカチで手を拭くと私は外に出ようと歩き出す。
憂鬱な気分を払いのけるためには外に出て気分転換するのが一番なのだ。
そう考えながら、私は足音を響かせながら病院の裏口へと足を進めた。

Re: 殺人病棟 ( No.72 )
日時: 2017/03/31 06:45
名前: 北大路さくら ◆ACiNmI6Dxs (ID: CmU3lREQ)


まあまあおもしろいですね

殺人病棟ー死者を弔う者ー ( No.73 )
日時: 2017/04/07 19:05
名前: 死蘭 (ID: DdBicf6e)

北大路さくらさん、こんにちは。
コメントしていただきありがとうございます。
まぁまぁであっても少しでも面白く思ってくれたのなら嬉しい限りです。
またのコメントお待ちしています。今度はどこがまぁまぁなのか詳しく書いてくださると有り難いです!

殺人病棟ー死者を弔う者ー ( No.74 )
日時: 2017/04/19 17:29
名前: 死蘭 (ID: Lnsp.uM2)

殺人病棟に住まう者は必ず役職を務めなければならない。それがここの掟、ルールなのである。
役職は全部で九つ。

一、開催者

二、情報屋

三、操り屋

四、代理人

五、審判員

六、実験屋

七、掃除屋

八、案内屋

九、記録屋

役職にはそれぞれ役割があり、今回の主人公、柳 咲(やなぎ さき)は掃除屋という役職を担う人物である。

掃除屋ーーー
殺人病棟で行われる「バトルロイヤル」後に死体を処理、管理するのが役目。
また、役職につく者はその役職特有の能力を持っているが、掃除屋だけは能力を保持していない。

ここでは極めて稀な存在なのだ。

殺人病棟ー死者を弔う者ー ( No.75 )
日時: 2017/04/25 19:56
名前: 死蘭 (ID: enDlMgfn)

病院の裏口を出るとそこには中庭がある。大きくて立派な木が大きな木陰をつくり、緑色の芝生が伸び伸びとしているそこは私のお気に入りの場所なのだ。
気分転換がてらやって来た私はとある人物が大きな木の下で本を読んでいるのを見つけた。
「あ、レイ。来てたんだ」
私は歩きながら目の前にいる少女、鹿山レイに話しかける。彼女は私の友人の一人で唯一本音を言える存在だ。親友といっても過言ではない。
「あぁ咲。うん、ここ落ち着くから」
レイが柔らかく微笑む。小さい頃から見てきた笑顔は昔から変わってない。
「レイ、仕事は順調?」
「んー…まぁまぁ。そっちは?」
「えーと……じゅ、順調だよ」
私はレイから目をそらし、気まずげに答えた。
「……ふーん」
レイは私に疑いの視線を向け、
「それにしては最近、ミスが多いらしいじゃないの。死人が言ってたよ。最近咲が調子悪いって」
と言って本をパタンと閉じた。
私は本当のことを言われ、苦笑いを浮かべる。前言撤回、十年くらいの付き合いにもなるレイに対しても本音はあまり言えていない。
暫くの間、私とレイの間に沈黙が流れた。
「……そ、その本何?随分古い表紙だね!」
沈黙に耐えきれなくなった私はレイの膝の上に置かれている本を指差しながら、レイに聞く。
レイはそんな私を見て、呆れたように溜め息をつき、それから笑った。
「な、何?なんで笑うの?」
私はレイに理由を尋ねたが、彼女はそんな私をスルーし、微笑んでから本について話始めた。
「この本はね…とある双子のお話が書かれてるの」


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