ダーク・ファンタジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

(自由参加小説)異世界ぐらしはじめます(祝!閲覧1000!)
日時: 2016/11/01 22:50
名前: ミヤビ (ID: WVvT30No)

(紹介前に総合掲示板の雑談掲示板に「異世界ぐらしはじめます 雑談所」を設けました!お気軽にお聞き下さいませ♪Twitterにて基本活動しておりますので急ぎでしたらTwitterまで!)

はじめましてミヤビと言います。

異世界ぐらしでは中世チックなフィールドを好きなように駆け回り。
共闘するもよし自分で国をつくるもよし。
自分ならこうすると言ったことを書いちゃって下さい。

これはリレー小説形式で。
参加型の小説です。全てが正規ですべてが外伝であるこの世界にようこそ!

では下記に簡単な説明を乗せておこう。

また、【あくまで楽しむことを前提に】書いて下さい。
マナーを守り規則正しいもう一人の自分を小説で動かしましょう!

【異世界ぐらしはじめます】設定資料

世界観設定

【属性】

〔英雄〕基本人類のクラス、技術スキル高 基本値低
〔人外〕魔物相当のクラス、特殊スキル高 致命的な弱点有
〔自然〕精霊とかのクラス、保持スキル多 異常体勢低

【能力、職業】

能力

先天性、後天性のオリジナルスキル。

ストックは2まで。
強力な能力であればデメリットも付属させる。


能力(時を3秒止める)デメリット(次発動まで3時間チャージ)


職業(有利→不利)

〔英雄〕騎士→弓兵→魔術師→
〔人外〕死兵→呪士→死霊使→〔自然〕巨神→獣人→エルフ→

職業はオリジナルスキルの関係上でオリジナルの職業の作成可


能力(竜属性の召喚)職業(竜騎士『騎士』)

【武器】

武器や技術は中世17世紀ちょっと先程度、よくて蒸気機関までが好ましい。
(無論新型でボルトアクションのライフルから有線電気機材は可、
ただ量産する技術、発展途上の技術に留める)

【世界観】

世界が1度、人類文明が滅び再び現文明まで築き上げて17世紀。
過去の遺跡・遺産から可能な限り再現可能なものを生産しまた1から作り上げた物を使って
レンガ造りの建物や紙の作成。現歴史までなかった生命に宿る超能力『魔導力』によって可動する
乗り物や工具を作り。世界各地には『神殿』や『城都市』といった文化が確立されていった。

世界にはいくつかの大陸と無数の島があり、
上陸してすぐ山道を登ってはハルピュイアやマンドラゴラと遭遇する島もあれば
果てしない雪の平原で巨大な生物や奇妙な知的生命体に襲われる所も、

この世界で生き残ることは出来るか・・・


(参加者の視点)
あなたは普通の現実世界では人気ゲーム「ワールドレコード」をプレイしていたゲーマーで、
特殊ソフト(3DCG作成ソフト等)を使えば、自分好みの見た目をつくれたりする狩猟を目的にした
一大娯楽として確立されたゲームで早7年。
発信元の大企業『ノア』現社長『イズミ』はユーザーの期待に応えるべく。新技術の投入によって現ワールドレコードは
全く新しいゲームに生まれ変わると宣言。

同時刻、新デバイス『スフィア』と呼ばれる掌サイズのマウスの形のした機械(子機)を発売。
これと連動することで新感覚の体験ができるとのこと。

それを使うと一瞬白い閃光に包まれたと思ったら。
なんと自身が作成したキャラクターになっていた。

だが世界観は全くの別物。
土地勘無し、お金なし。ログアウト画面無し。
あるのは以前のステータスとスキル、アイテムのみ。

一応地理は現実世界の配備で問題なし

スタート地点は自由。
国を創るも奪うも自由。
この世界に入ったプレーヤーはここの住人となって元の世界に帰る方法を模索あるいは
世界征服を目論むことも自由。

* * * *

御用の方は下記まで御連絡下さい
(質問・感想お気軽に)

https://twitter.com/miyabi_virossa(ミヤビアドレス)

https://twitter.com/yawashigure(柔時雨)

Re: 異世界ぐらしはじめます( アレン視点 ) ( No.13 )
日時: 2016/09/19 11:40
名前: 柔時雨 (ID: d3Qv8qHc)

タドミール・テルミヌス最上階・大広間。

「おはようございます、主様。」
「おう。体の方はどうだ?」
「少し疲れを感じますが……それ以上は特に問題ありません。」
「そっか……よかった。でも、まだあんまり無理はするなよ、シルヴィア。」
「はい、ありがとうございます。」

玉座に座っていた俺の前まで歩いて来たシルヴィアが、その場で跪く。

「申し訳ありませんでした。服が破けていた時は驚きましたが……主様が助けてくださったのですね。」
「俺がしたのは傷口から毒を吸い出す応急処置だ。ちゃんと手当をしたのは村のお医者さんだよ。」

あの後……俺は急いで村の人達が集まっている建物へ駆け込み、事の一部始終を話した。
同時にシルヴィアを医者に診せた後も、村の人達といろいろ話し込んでしまい
殆ど寝ていなかったりする。

「お医者さんが『まず大丈夫だろうが、万が一のこともある』……なんて言うから
 気が気じゃなかったけど……本当に……助かってくれて良かった。」
「主様……」
「それと……悪いな、シルヴィア……仕方無かったとはいえ、その……結果的に胸を……
 何だったら、俺の頬にきっついビンタを1発かましてくれて構わないぞ?」
「いえ、そんな!主様は私を助けてくださるのに必死で……下心など無かったのでしょう?」
「もちろん!それは断言できる。」
「でしたら、私は感謝こそすれ、主様を叱責するようなことは致しません。
 むしろ……主様にご迷惑と心配をかけた私の方こそ、叱責されるべきなのです。」
「いや……あれは油断してた俺にも責任があるからな……今回の事は不問とする!
 お互い無事に生き残れたんだ……それで良いじゃねえか。」
「主様……ありがとうございます!」
「ほら、いつまでも跪いてねえで……今はまだ俺とシルヴィアしか居ねえんだ。
 もっと楽にしていいんだぜ?」
「では……失礼して……」

シルヴィアはそう言って笑顔で立ち上がり、すぐに玉座の傍まで駆け寄って来た。

「あっ……そういえば……」
「どうされました?主様。」
「いや、盗賊の大将が去り際に何かくれたんだけど……」

俺は【 ストック 】を開き、見覚えの無い水色の綺麗なプリズム結晶体を取り出す。

「何だこれ?」
「これは……『 転送石 』です、主様!」
「転送石?」
「はい。私も噂でしか知りませんでしたが……実在するとは……」
「具体的な使い方は?」
「何かゲートのような所の傍に、その石を設置するだけで大丈夫です。すると、そのゲートが青白く光り
 いつでも好きな時に異世界に行くことが可能になるそうなのです。」
「マジで!?」

異世界っていうのは、他のサーバーのことだろうか?
ということは、このヴァイナー以外の世界に好きな時に遊びに行けるってことか……

「大昔、この地で起こった大戦では、その石を使ってゲートを開き、異界の者やモンスターを召喚して
 自軍の戦力として戦わせていたという記録も残されています。」
「なるほど、そういう使い方もできるのか………ん?そういや……」
「主様?」

俺は立ち上がり、大広間を出て、そのまま城の地下へと歩を進める。

「やっぱり……」

牢屋や酒蔵の一角に、黒曜石で作られたゲートのようなオブジェが設置されており
すぐ傍に、何かを置くための台座も作られている。

「これは……!こんな物が……」
「おそらく昔、此処から異界のモンスターを呼び寄せて、そこの牢屋に入れたりして飼育してたんだろう。」
「なるほど。この牢屋は罪人を入れる為だけではなかったということですね……。」
「とにかく!今日は行かないけど、起動だけしておくか。」

俺が台座に転送石を置いた瞬間、目の前のゲートが青白い光を放った。
長い間使用されていなかったみたいだけど、今もまだ全然現役で使えるみたいだ。

「これで異世界にも行けるようになったのか……楽しみだな。」
「はい!あの……異世界に行かれる際は是非、私も御一緒させてくださいね。」
「あぁ、もちろん。異世界でも俺を助けてくれ、シルヴィア。」
「うふふ。承知致しました……我が主様。」

この日、異世界( 他のサーバー )にも行けるようになった。
まぁ……他のプレイヤーと1つの世界で遊べている以上、こういう可能性も
頭のどこかにはあったんだけど……

いずれにせよ、これで今後のゲームプレイがより楽しいものになるということだけは
間違い無さそうだった。

Re: 異世界ぐらしはじめます(レックス視点)act3 ( No.14 )
日時: 2016/09/19 19:01
名前: ka☆zu ◆RfyqxjRpsY (ID: UruhQZnK)

act3 オーパーツを探せ


レックス「自分語り、再開するよ」


ボルトと出会った僕は、彼を仲間にして二人でパーティを組んだんだ。
彼がプレイヤーかどうかもわからないけれど、とても心強い。
僕のトンファーやボウガンと、彼のスパナ。
僕の使えない属性攻撃で、物理攻撃じゃ倒せない敵もバッタバッタとなぎ倒してくれる。
それに彼はゾンビだけあって、タフだ。
スキルを使うたび守りが薄くなる僕を守ってくれる事も多い。
長所で短所を埋めあって、順調に道を進んでいた。



街で買い物をするついでに、人々に話を聞いて情報を集めた。
すると、こんな情報が入ってきた。
「西の鉱山に、オーパーツがある?」
オーパーツとは、読んで字の如く古代の遺産。
この世界では、設定上滅びた世界のモノの事を言うらしい。
銃とか、大砲なんかが当てはまるのかな。
そんな古代文明の利器に、武器職人のボルトは俄然興味が出たらしく、
「面白そうじゃねえカ!行ってみようゼレックス!」
と僕に言う。
僕もちょっと興味があったから、
「オッケー」
と即答した。



で、話題の鉱山。
今はもう廃坑だけれど、かつては金や銀がザクザク採れたんだとか。
今でもその残りがたまに取れるらしいから、素材集めもかねてだ。
街の人に貰った鉱山の地図を見直す。
その何処にも書かれていない、秘密の地下室がオーパーツの眠る場所だとか。
「つまり、この地図で白紙になっている部分に対応する壁を壊していけば良いのかな?」
「あまり壊し過ぎると崩れるから、程々にしたいがナ」
ボルトはその辺の事を知ってるみたいだ。
探索の指揮は、彼にとってもらおう。



道中鉱石を拾ったり壁から剥がしたりしながら、僕達は下へ下へと降りていた。
「ン?何ダ?」
ボルトが何かに気づいたらしい。
おもむろにスパナを掲げると、電気を帯びさせてから、一気に振り下ろす。
すると周りの磁場が歪んだようで、壁に何か浮き上がってくる。
それはドアノブのような模様になり、ヒビが入って勝手に崩れた。
僕達がその中へ入ると、岩盤が元に戻ってしまった。
「抜け出せなくなったね・・・」
「先に進むしか、ねえって事カ」
その先は下り階段になっていて、僕達はひたすら下りて行ったんだ。



階段を下り終えた先に、広間があった。
「随分と降りてきたね」
「今地下どの位なのカ、わかんねえナ・・・」
そんな事を話しながら広間に入ると、三つ、古びた宝箱が置いてあった。
一つからは、金色に輝いて、赤いオーラを放つドクロのような物が出てきた。
「そいつぁ、聖骸じゃねえカ!?」
ボルトが大きな声を上げる。
「聖骸?」
「オーパーツの一つダ!武器に合成すれバ、相当強力な効果や能力が付与される伝説のアイテムなんだゼ!」
それはかなり強力だ。貰っておくとしますか。



別の宝箱からは、何か箱のような物が4つ出てきた。
と、細部をよく見てみると、それは小型のモーターだった。
「モーター・・・?」
「知ってんのカ?」
「うん。僕が元いた世界では、色々な機械を動かす動力だったんだ」
「まじカ!それなら、ちょいと研究すれば新たな発明に使えそうだナ!」
ボルトはモーターに、かなり興味が出たみたいだ。
丁寧に包装して、袋に入れていた。



「さテ、もう一つは何ダ・・・?」
最後の宝箱を開けようとすると、
「!?この音は!?」
地響きが起こり、目の前にモンスターが現れる。
そいつは獅子型で、全身が真っ赤に燃えている。
「奴ハ・・・ブラストレオン!」
「見るからに強そうだけど・・・」
「奴の危険度は、Sランクダ!」
本来なら逃げねばならないが、退路は既に塞がっている。
「生き残りたきゃ・・・戦うしかないか!」
「幸い奴は鈍イ!攻撃を当てたらすぐに離れる戦法を繰り返すゾ!攻撃を一発でも食らったら死ぬと思エ!」
「わかった!」
僕は後ろに下がると、左腕にボウガンを装着した。



「喰らいやがレェ!」
ボルトがスパナを構えて、電流を流す。
「ドロップサンダー!」
スパナの口を閉め、モンスターに叩きつける。
その衝撃と電撃の後に、ぶつかった場所に雷が落ちた。
しかしモンスターは倒れない。
反対に咆哮を上げ、ボルトにタテガミの余波が当たる。
「くっ!痛えナ!」
それだけでボルトは、大ダメージを受けたみたいだ。
「大丈夫!?」
「へっ!炎はちと苦手でナ!問題ねエ!」



僕はボルトに薬草とボウガンを渡し、位置を逆転させた。
「おい何ダ!?俺は前線でいけるゼ!?」
「君はそれで戦って。君の苦手な属性の敵への接近戦は、僕が引き受ける!」
僕はトンファーを構えて接近した。
「双角乱撃!」
トンファーの乱射を食らわせて、怯ませた所で一歩下がる。
「パワードアロー!」
ボルトが全力で引き絞った矢を放ち援護してくれる。
「スキル、疾風!」
僕はスキルを連発し、スピードを上げまくる。
そもそも当たれば終わりなら、防御をどれだけ下げても問題ない!



連打している内にモンスターも弱ってきたが、決めの一撃とばかりに爪を大きく振り上げた。
僕はその時ふと思い立って、片腕はトンファーを構え、もう片方は逆手に持って広げ、棒立ちの姿勢になった。
「何やってんダ!早く避けロ!」
モンスターは構えた方のトンファーに、強烈な一撃を食らわせた。
その反動で僕は足を軸に回転させて、逆の手のトンファーをその勢いで叩き込んだ。
「流転の、構え」



モンスターはその痛みで、動けなくなっている。
「今ダ!」
ボウガンを僕に戻し、スパナを構えたボルトが飛び出してきた。
彼はスパナに電流を溜めて突き出し、僕はスキルを腕に使い、強化した突きを入れる。
「エレキパイカー!」
「烈風鋼鉄拳!」
風と電気の合体攻撃に、炎の獅子は耐えきれず、消滅した。



モンスターが消えた後には、赤く光る石が沢山落ちていた。
それに触れると、ほんのりと暖かかった。
「そいつぁ炎熱石だナ。刺激を与えると燃えるように熱くなるゼ」
それを聞いて、僕は閃いた。



「成る程ナ。それで炎属性の技も使える様にしたいのカ」
「うん。やってみてくれる?」
「任せとケ!スキル、工房」
ボルトの目の前に、溶接台が現れる。
僕は両方のトンファーを渡した。
ボルトはトンファーの先を焼き切って外し、中に炎熱石を仕込んで取り付け直した。
それを構えて振ってみると、先が発熱して熱くなった。
襲いかかってきた魔物に、それで突きを食らわせる。
「灼熱鋼鉄拳!」
熱さに悶える魔物は、すぐに消滅した。
「これ凄い強いね!ありがとう!」
「お安い御用だゼ!」



「そう言えばこれは・・・?」
残る一つの宝箱を開けてみると、水色の結晶が出てきた。
「これは転送石だゼ!異世界への扉を開けてくれるアイテムなんダ!」
要は、エリア解放みたいなものか。
「それはかなり使えるアイテムだね。」
「でもなァ・・・それを使うには、拠点が必要って噂を聞いていル。それがないと、扉の置き場が要るナ」
「じゃあ次は、それを探さないとね」
「おウ!」
僕達は、次の目標を探すために先へ進んだ。
そしたら、丁度その先の扉を通って、鉱山から脱出できたんだ。
さあ、次は拠点を探さないとね。




プレイヤー「レックス」
レベル18
武器スキルランク3(トンファー)
種族「英雄」
クラス「弓兵」
職業「義賊(オリジナル)」
オリジナルスキル「拡縮(物の大きさを自在に変えられる)」「疾風(風の力を借りて防御力と引き換えに、スピードを上げる)」
武器「トンファー」「ボウガン」


仲間1「ボルト」
レベル23
武器スキルランク4(バトルスパナ)
種族「人外」
クラス「死兵、アンデッド」
職業「武器職人(オリジナル)」
オリジナルスキル「工房(目の前に、その時に必要な物の作業台を出現させる)」「???」
武器「バトルスパナ」
本人の属性「電気」
弱点「毒と炎に弱い」

Re: 異世界ぐらしはじめます(ライラプス視点) ( No.15 )
日時: 2016/09/20 00:04
名前: ミヤビ (ID: WVvT30No)

『そうか・・・ふつうにいたのかプレーヤー。出会うのもうちょっと先かと思ってた。』

鉱山に不法滞在する族をどうにかする代わりに鋼材を分けて貰うミッションの最中、
その族の大男はプレーヤーであることがわかった。

『まあここで会ったが運の尽きだ、おとなしくやられることを勧めておくぜ。』

『楽にログアウトできるとか?』

大男は少し目を瞑り笑みを浮かべ、右足をジリリと足音を立て力を籠め。

ダン!

突進、巨大な斧でライラプスに斬りかかる。
正面にスキル「遮断」を右斜めに傾けて展開し、銃剣で左上から右下へ振り下ろし斬撃をいなすような素振りをして巨大な斧を地面に咬ませる。
スキルを解除し銃剣の横腹で顔面を殴りつける。

『今はこんな気分だな、軽いフライパンで巨木を叩いたくらい手ごたえねえなってことか。』

そのまま大男の後ろへステップするように屈みながらダッシュし、
咬まされていた巨大な斧を引き抜く勢いで右へ振り抜く。

『ええいちょこまかと!』

『このまま・・!』

一瞬、何かに吹き飛ばされた、いや腹に大きな力が加わり後方数m先の壁まで吹き飛ばされるライラプス。

『ふいい、まさかおめえに使うハメになるとはなあ。』

一応念のために腹にスキルを展開していたおかげでなんとか直撃は耐えれたが、
背中は効いたな、まさか初のダメージが壁とはな。

今は土煙で視界が塞がっている。この隙にリロードさせて頂こうか。

『・・・・おい、生きてんだろ。?手ごたえが無かったからなあ。』

手ごたえ?つまりこいつ触れていたのか?
あれはオーラではなかったのか。

『ど、どうしたものかな。』

『ライラプス。ライラプス。』

『うわびっくりした!』

『しぃぃ・・・』

どうやら飛ばされた先は入口柵の隣の壁だったようだ。
サニーに少し驚いたが小声で話していたためまだ気付かれてはいないみたいだ。

『あ、そうだあれ(スキル)解析できる?』

耳元でそれを聞きライラプスは笑みを浮かべる。

* * * *

大男は念のためにその場で待機していた、相手は銃で攻撃してこなかった所を見て弾切れと判断したからだ。

『それにその土煙では狙えんだろう。それにこのスキルを使わせてしまった以上、
お前にはおれに攻撃できん。』

コッコッコッ

ジャリッ

穴の開いた壁からライラプスがゆっくり歩いて行き、距離6mの所で相対する。

『じゃあここで賭けをしないか?』

『賭けだあ?どうせお前のスキルは何か体を硬化させるか何かだろう?
そんなんじゃあ俺は倒せんよ。』

その言葉を聞いたライラプスはさらにニヤリと笑い

『じゃあ俺が勝ったら、知っていること全部教えて貰うぜ。』

『良いだろう、俺が勝ったらお前は下っ端になって貰う。
折角のプレーヤー同士会えたんだ、たっぷり働いて貰うぜ。』

静まる空間、静寂の中1mmも動かせない両者と周りの族たち。
空気を感じない崩れた不安定な瓦礫だけが振り子のように動き、
2階の崩れた破片が・・・

カキイイン!

落ちて鳴り響いた瞬間ライラプスが大男の左足へ狙撃、巨大な斧で左わき腹まで振り切り弾を切り払う。
すかさずダッシュ。3m時点で右肩を狙い撃ち、人間の限界反応を無視したように高速で右上に振り切る。

そしてライラプスは銃剣を左手に持ち替え背負っていたライフルをスイングさせるように右脇から銃を前に出し大男の左寄りの腹に突き出す。

『馬鹿め!』

巨大な斧で先ほどと同じ速度で切りかかり・・・

キイイン・・・!

ライフル20cmのところでいきなり巨大な斧は停止し、突き出したライフルが火を噴き腹を貫通させる。

『ゴフ・・・!なぜ・・・途中何かが邪魔を・・・。』

『スキルの謎解きは宿題で取っときな。自動迎撃のスキル持ちさんよ。』

壁まで吹き飛ばされた件、あれは蹴り飛ばされたのだ。
おそらく反射神経クラスかそれ以上の反応速度で脅威を迎撃するスキル。
無意識下で行うのであろう矢や背後からの奇襲といったものを対処するスキルだろう。

『すげえなお前、一回で見破ったのかよ。』

『まあ普通は分からんわな。』

俺だってカンニングして分かったレベルだ。
だからスキルで銃身の周りと進行方向に展開して防ぐほか無かったからな。

『あんたにもう1つスキルがあったらって思うとゾッとしていたよ。』

『残念だな、俺はこれ一筋さ。器用じゃねえのさ。』

潔良いんだかどうだか・・・しかし勝ったのだ、情報を吐いて・・?
周りが騒がしいと思ったら慌てて退却していく族たち。

『まあ逃がさんがな。』

唯一開いていた穴の開いた壁から逃げようとした所をスキルで防ぎ出れなくする。

『ハハ、これがお前のスキルか!タネさえ分かりゃあなんえコタあネエなあ!』

一応重傷患者なのに笑えるとかどんだけタフなんだよ。

『まあ止血でもしてな、俺こいつらお縄するから。』

・・・・

そして即席のスキルで作った檻に閉じ込め、話を進める。
スキルで閉じているので声はあまり届かないので騒がれても問題ない。

『結構便利な能力持ってんだな。』

『我ながら装填の時間稼ぎの能力程度だったのが色々世話になってるよ。
話を戻すと約束だからこの世界のこと教えてくんね?』

止血を終えた大男は胡坐をかき。

『とりあえずおr』

『あ、名前はいい。考えるのも面倒だ。』

『メタい話をするな!・・俺はグリル、まあここにきて3か月ってところだ。』

意外に新参寄りか。

『俺は昼にログインして5日そこらなんだが、何時にログインした?』

話をまとめるに大体11時後半くらいでログインし、その時におなじような風景を見たそうだ。
出現場所も大体ライラプスと近い場所に出現。

情報としてはワープ装置のようなものがあるそうで。
開拓をして特定のアイテムを使用すれば限られてはいるがある程度好きな所に行けるようになるそうだ。

『スタ○ゲイトか。』

『お前何歳だよ。』

懐かしい映画が入ってしまったがつまりこれは当初予想していた陣取り合戦のようなものになっているみたいだ。

『つまりあれか、プレーヤーが領主や国王になって自分だけの国を創ろうって事か。
まあ面倒に思うやつはその下で働くってところか。』

『まあそれでワープ装置が邪魔だと思う奴はそのアイテムを隠したり保管して使えなくする。
自国の近くにそんなホイホイ敵が出るようなモン起動させとく訳ねえからな。』

つまり開拓や交流、国交をするならゲートは必須。
だが緊迫した状態、戦争に突入する直前「一触即発」ならゲートは起動停止させる。

『現在ゲートの破壊方法はない。そしてゲートは移動できない。
最後にゲートは行ったことのある所は意図して行けるらしいがそれまではランダムだと言う事を聞く。』

『聞く?』

『使った事ねえんだ確証はない。キーである特殊な石も持ってないしな。』

まあゲートはおろか拠点も目ぼしいの古城だしな。
しかももうかなり遠いから戻るのもかったるいや。

『俺が知っているのはそれだけだ。』

『そうか・・・ありがとな。』

ニコニコしながらグリルの体に縄を巻き付け。

『・・・何してんだおめえ?』

『だってさ、ここへは君たちの拿捕で来たからね♪』

『いやまて後生だ突き出しは勘弁してくれ!
リアルタイムで牢屋はキツイ!』

『悪・縛・牢の三文字に背きはしません』

その後族を全員捕縛し素材も発掘し。
ショーンにはとりあえず傷害事件はなかったため穏便に済ませるよう計らって依頼を終わらせた。

【ドワーフ工房】

『で?族どもはどうだって?』

『とりあえず3日簡易の牢屋で反省、その後は数人ずつ適当に清掃させて反省の色が見えたものから釈放。
その路線で族も納得してくれましたよ。』

へえ〜?と聞き流すように作業をしながら道具を駆使して2丁目の銃剣を製造、
そしてついでにライフルにも刺突用の刃を取りつけ、
銃身の下のハンドガードと呼ばれる手を添える所に刃を展開するボタンを取り付ける。
簡易的な槍になる。

『刃はスイング式だから突き刺しても収納しない機構で安心だな。』

退屈だったのか疲れかサニーはぐっすりお眠の様子だ。
戦力の増強、弾薬の補充、食料事情以外は充実させ宿へとサニーをおぶって戻る。

『今日は疲れたな。サニーもお疲れ。』

夜の蟲の鳴き声が鳴り響き少し涼し気が体の疲れを癒してくれている時、
ライラプスの周りにピリッピリリっと稲妻が走り出しだんだん強くなる。

『なんだこれは!サニー起きろ!』

『ん〜なんでsなんですこれええ!!?』

慌てている間に稲妻に包まれ、轟音と共に視界を白く染めた。

Re: 異世界ぐらしはじめます( アレン視点 ) ( No.16 )
日時: 2016/09/21 00:01
名前: 柔時雨 (ID: d3Qv8qHc)

No.05 〜 異世界からの戦士来訪 〜

タドミール・テルミヌス最上階・大広間。

「……戦?」

玉座に座り、近隣の村で買い出しのついでに情報も仕入れて来たシルヴィアの話に耳を傾ける。

「戦というよりは、人間とモンスターが……先日のテロス荒野での戦闘のようなものです。
 かなり長期に亘って戦いを繰り広げているため、人間側がかなり消耗しているそうで……」
「ふむ……場所は?」

シルヴィアが机の上に地図を広げたので、立ち上がってその傍へと歩み寄る。

「私達の拠点から南西の方角へ行った所にある『 フィーネ荒野 』です。
 馬の足なら2時間で移動可能ですが……いかがなさいますか?」
「そうだな……どこの連中が戦ってんのかは知らないけど、放っておくのもな……
 2時間で行けるってんなら、行って加勢してやろうじゃねえか。」
「御意です!では、すぐに馬の支度をしてきますね。」

俺達は先日、盗賊退治をした村から『 お礼 』として受け取った
立派な黒馬( 俺の愛馬 )と白馬( シルヴィアの愛馬 )に跨り、フィーネ荒野を目指した。


* * * * *


フィーネ荒野。

シルヴィアが陣営の厩に愛馬達を繋ぎに行っている間、俺は周囲を見渡していた。
どこかの軍隊が陣を展開しているわけではなく、元々あった廃墟に流れ着いた
傭兵や行き場の無い義勇兵が集まり、いつの間にか陣営として発展したような感じだ。

そして、そこに居る戦士達の大半が既に負傷している。

「……思った以上に事態は深刻みてえだな。」
「しかし、彼等も立派な戦士でしょう?確かに長期戦による疲弊はあるでしょうが
 並みのモンスター相手に後れを取るでしょうか?」

厩での作業を終え、傍に歩み寄って来たシルヴィアが率直な意見を述べる。

「確かに……並みじゃないモンスターが居るのか……それとも、もっと根本的な問題でもあるのか……?」
「いずれにせよ、此処に居る戦士達のためにも、短期決戦が望ましいでしょうね。」
「まぁ……敵の出方次第だろうけどな。」

ちょうどその時、陣営から少し離れた場所で戦士達の雄叫びが聞こえてきた。

「始まったか……行くぜ、シルヴィア!」
「はい!」

互いにそれぞれ武器を構えて戦場に駆け付けると、そこでは多くの戦士達が武器を手に
スケルトンやゾンビといったアンデッドモンスターと戦っていた。

「今度の敵はアンデッドか……なるほど、戦士達が疲弊してた理由がわかったな。」
「あれらは頭部を破壊するか、日の光や炎で的確に弱点を付かなければ倒す事ができません。
 すでに死体であるため痛覚を失っているので、他の部位を攻撃しても平気で動き続ける……
 本当に厄介な相手です。」
「とりあえず、的確に頭部への攻撃を続けて数を減らすぞ!」
「お待ちください、主様。ここは私にお任せください。」
「え?」
「いきます……『 オフサルマパティ・ ストラトス 』!!」

シルヴィアが技名を言い終えた直後、青白く不気味に光り輝き、蜃気楼のように揺らめく15体の幻影兵が
姿を現した。

「おぉ!幻影兵か!!」
「はい。戦力としても囮としても利用できる、時間経過以外では決して倒れない幻の兵士です。
 今はまだ15体しか呼び出せませんが……それでも、考える力の無いアンデッド相手でしたら
 これで充分かと。頭部さえ破壊すれば、すぐまた他のアンデッドを攻撃できます。」
「ちなみに、幻影兵の活動時間は?」
「最大3時間といったところでしょうか。」

シルヴィアの返答を聞いた俺は、微笑みながら頭を撫でてあげた。

「流石、シルヴィア!俺のデキるパートナーだ!!」
「はうぅ……主様……お役に立つことができて私、凄く嬉しいです!」
「それじゃあシルヴィア、幻影兵達に指示を。」
「はい!……幻影兵達よ!可能な限り多くのアンデッドモンスターの頭部を破壊するのだ!……行けっ!!」

シルヴィアの命令に忠実に従う15体の幻影兵達が戦場に突入し、落ちていた武器を拾い上げると
すぐさまアンデッドモンスター達と戦闘を開始した。

「それじゃあ、俺達も戦場に行くぞ!」
「承知致しました!」

俺が突撃槍でゾンビやスケルトンを薙ぎ払い、突き刺したりしてダウンさせると
すかさずシルヴィアがモンスター達の頭部を的確に射抜いていく。

「くっ……!申し訳ありません、主様。
 スケルトンは射抜いた衝撃で頭蓋骨を壊すことができるのですが、ゾンビは腐肉が邪魔をして……
 うまく致命傷を与えられないようです。」
「そうか。わかった!じゃあ、シルヴィアは徹底してスケルトンだけを狙ってくれ!
 ゾンビの相手は俺が引き受ける!!」
「よろしくお願いします!」

俺とシルヴィア、そして幻影兵と他の戦士達がアンデッドモンスター相手に奮戦していた時である。

戦場の中央……まだ、スケルトンやゾンビに被害を与えられていない場所に
黄金に輝く1本の光の柱が現れた。

「何だ、ありゃ!?」
「解りません……もしや、このアンデッド達を統率する者が現れたのでは?」
「こいつ等を操るような奴が、あんな神々しく現れるか?」
「………確かに。下手をすれば自軍のアンデッド達を巻き込むことになりかねませんね。」
「とにかく行ってみよう!中央の味方に何か遭ったのかもしれねえ!!」
「はい!!」

Re: 異世界ぐらしはじめます( アレン視点 ) ( No.17 )
日時: 2016/09/21 03:21
名前: 柔時雨 (ID: d3Qv8qHc)

俺達が中央に駆け付けると、黒髪で茶色の外套を纏った男性が見慣れない武器を振りまわし
青い毛並みの生き物をかばっている。

「くそっ!!ちょっと戦いが終わって一息吐こうかって思ってたのに、何でこんな場所に!?」
「『 ライラプス 』、あぶないの。」
「え……?あっ……これ死んだわ。」

男性の眼前で斧を振り上げ、隙だらけだったスケルトンの顔面に突撃槍を深々と突き刺す。
頭蓋骨が壊れたと同時にバラバラとなって地面の上に落ちたスケルトンが、黒い霧となって消滅した。

「お前等!!大丈夫か!?」
「あぁ……すまん、誰かは知らないけど助かった!!」
「主様に感謝の意を示すのは結構ですが、現状を見なさい!
 お喋りをするのは周囲のアンデッドを倒した後です!」
「まぁ、お前はその子を守って疲れてるだろ?ここは俺とシルヴィアに任せろ。」

俺は男女を庇うように前に立ち、突撃槍を地面に突き刺す。

「……『 エグリマティアス・ナハトムズィーク 』!!」

地面に突き刺した突撃槍が発する赤黒いオーラが地中を伝い、俺達を中心に直径3mの正円形を描くように
地面の中から勢いよく噴出した。

接近していたスケルトンやゾンビがこのオーラの壁に触れた瞬間、衝撃波による連続ダメージを受けながら
消滅していく。

「シルヴィア、頼む!!」
「はい!……『 ラーテゥンヴァッルン・ドゥンケルハイト 』!!」

オーラの壁に守られた状態でシルヴィアが1本の闇の矢を作り出し、そのまま真上に向かって放った。
ある程度の高さまで上がった矢は上空で爆散し、闇の礫となって雨のように周囲のモンスター達に降り注ぐ。

「……もう、そろそろ大丈夫だろう。」

俺が突撃槍を地面から引き抜いたと当時に周囲の赤黒い壁が消え、周囲のモンスター達は黒い霧となって
消滅している最中だった。

「さてと、モンスター共は一掃したし……お前等の事を訊こうかな。」
「待った!先にあんた等のことを教えてくれないか?俺達、いきなり此処に出てしまって
 何が何だか……」
「……よく解んねえけど……俺の名はアレン。属性は【 英雄 】、クラスは【 暗黒騎士 】として
 ワールドレコードをプレイしている。」
「プレイって……じゃあ、あんたもプレイヤーなのか?」
「ん?そうだが……ひょっとして、お前も?」
「あぁ。俺はライラプス。あんたと同じプレイヤーさ。属性は【 英雄 】、クラスは【 銃士 】。
 こっちは一緒に行動をしている『 サニー 』だ。」
「あっちはサニーなの!」

ライラプスと名乗る男性の紹介で、直立二足歩行した属性【 人外 】種と思われる
男……女の子?が、元気良く挨拶をした。

「なぁ、アレン。この大陸の名前とかって知ってるか?」
「貴様!!たった今、主様と知り合ったばかりで馴れ馴れしいぞ!!
 先程も言いましたが、主様に感謝するのは構いません。えぇ、それはもう存分にすると良いです。
 ……ですが!超えてはならぬラインというものを考え、弁えてから物を発言なさい!!」

シルヴィアはそう言いながら5本の矢をつがえ、ライラプスのボディに狙いを定める。

「落ち着け、シルヴィア!!俺は全然気にしてねえから!!
 ……そういや、まだお前だけ自己紹介してねえぞ。ほら、挨拶は大事だぜ。」
「主様がそう仰るのでしたら……私は主様のパートナー兼側近を務めるシルヴィアと申します。
 属性は【 自然 】、クラスは【 ダークエルフ 】です。」
「おう!よろしくな。シルヴィーさん。」
「………貴方はどうやら人の名前も満足に覚えられない程、頭が悪いようですね。
 喜びなさい!私自ら貴方の頭に風穴を開け、酸素の巡りを良くして差し上げましょう!!」

シルヴィアは再び弓に5本の矢をつがえ、ライラプスの額に狙いを定める。

「だから、やめろって!!シルヴィア!!」
「すんません!!ちょっと親しみを込めて愛称で呼んでみようと……」
「貴方とはたった今、出会ったばかりでしょう!!」

そんなやり取りを見ていたサニーがトテトテとライラプスに歩み寄り、外套の袖を摘んで引っ張る。

「ライラプス。何か嫌な臭いするの。」
「え?俺が!?」
「違うの!そうじゃなくって!えっと……とにかく、嫌な臭いなの!」
「……おそらく、あれのせいでしょう。」

シルヴィアが指をさした先、スケルトン達の後方で1匹のドラゴンの腐乱死体が地中から這い出てきていた。

「へぇ……ドラゴンゾンビか。」
「はい。あの死体を操る術者が見当たらないことから察するに、あのドラゴンゾンビは
 何らかの形で討伐されたドラゴンの死体に悪霊が憑依したものと思われます。」
「そっか。」

俺は突撃槍を構え、ドラゴンゾンビの方を見つめる。

「え?アレン……まさか、あれと戦うのか?」
「当り前だろ。放置してたら他の連中に被害が出る。
 誰かがやらなきゃいけねえことなら……俺がやっても問題無いだろ?」
「そりゃそうだけど……シルヴィアさん。サニーのやつ、非武装なんで一緒に居てやってくれませんか?」
「え……それは構いませんが……」
「何だ?お前も戦うのか?」
「あんた1人であんなデカい相手に敵うワケないだろ。成り行きとはいえ、此処に居るんだ……手伝うよ。」
「ははっ……そうかい。まぁ、死なない程度によろしく頼む。
 ……あんなゲテモノに命を奪われたくねえだろ?」

俺とライラプスはそれぞれの武器を構え、ドラゴンゾンビに向かって駆け出した。

「気をつけろよ、ライラプス!相手は腐っているがモンスターの王・ドラゴンだぞ!!」
「大丈夫!俺は既にドラゴンを討伐してる男だ!!……ワイバーン種だけど。」

そう言ったライラプスは手にしていた変わった形の剣……例えるならマスケット銃と剣が合体したような
早い話、『 銃口の付いた剣 』を振り下ろしてドラゴンゾンビの体を切りつけた後
そのままデカい体に銃口を向けて射撃することで、ドラゴンゾンビに追加ダメージを与えた。

「……短銃剣は扱いが難しく、殆ど運用されなかったって聞くぜ。」
「俺はこれで充分やれてるんだよ。見てみな、弾だってちゃんと薬莢なんだ。
 まぁ……まだ銃弾を作る技術が追いついてなくて、弾は殆ど無いんだけど……」
「弾が無くて銃が使えなくなっても剣で戦えるんだ、問題無いだろ。
 銃に頼ってばっかりじゃ、いざって時に距離感が狂うぜ。」
「肝に銘じておくよ。」

そんな話をしている前で、ドラゴンゾンビが持ち上げていた前足を振り下ろしてきたので
俺とライラプスは地面を転がり、これを回避する。

「確かに体を斬った……銃弾もブチ込んだ……それなのに
 あんまりダメージを与えれてないような……」
「まぁ……こいつ等には痛覚が無いからな。的確に光魔法や炎魔法で攻撃しねえと倒せないぞ?」
「ん?でも、あんた等……さっきから、光の魔法も炎の魔法も使ってないよな?
 それでどうやってスケルトン達を倒してたんだ?」
「そりゃ……頭部を突撃槍で突き刺して粉砕したり、矢で射抜いて粉砕したり……」
「力技か!!え?シルヴィアさん、魔法使えないの?」
「……そういや、拠点の橋の下にちゃんと溶岩流してくれていたな……シルヴィア!!」
「はい!!」

俺の呼びかけに、後方に居たシルヴィアがすぐに返事をする。

「お前、炎属性の魔法……使えるんじゃないのか?」
「……使ってよろしいのですか?範囲が広く無差別なので、味方に被害が出てはと思い
 使用を控えていたのですが………」
「そうだったのか。じゃあ今は大丈夫、前方にはドラゴンゾンビと他のアンデッド共しか居ないから
 遠慮せずにやってくれ!!」
「わかりました!発動には少し時間が掛かりますので、その間……」
「おう!死ぬ気でお前のことを守ってやる。」
「ありがとうございます、主様。では……!」

そう言ったシルヴィアの足元に赤い魔法陣が浮かび上がる。

「よしっ!もう少しだけ手伝ってくれ、ライラプス!」
「了解!サニー、絶対にシルヴィアさんの傍から離れるんじゃないぞ!」
「はいなの!」


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。