ダーク・ファンタジー小説
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- (自由参加小説)異世界ぐらしはじめます(祝!閲覧1000!)
- 日時: 2016/11/01 22:50
- 名前: ミヤビ (ID: WVvT30No)
(紹介前に総合掲示板の雑談掲示板に「異世界ぐらしはじめます 雑談所」を設けました!お気軽にお聞き下さいませ♪Twitterにて基本活動しておりますので急ぎでしたらTwitterまで!)
はじめましてミヤビと言います。
異世界ぐらしでは中世チックなフィールドを好きなように駆け回り。
共闘するもよし自分で国をつくるもよし。
自分ならこうすると言ったことを書いちゃって下さい。
これはリレー小説形式で。
参加型の小説です。全てが正規ですべてが外伝であるこの世界にようこそ!
では下記に簡単な説明を乗せておこう。
また、【あくまで楽しむことを前提に】書いて下さい。
マナーを守り規則正しいもう一人の自分を小説で動かしましょう!
【異世界ぐらしはじめます】設定資料
世界観設定
【属性】
〔英雄〕基本人類のクラス、技術スキル高 基本値低
〔人外〕魔物相当のクラス、特殊スキル高 致命的な弱点有
〔自然〕精霊とかのクラス、保持スキル多 異常体勢低
【能力、職業】
能力
先天性、後天性のオリジナルスキル。
ストックは2まで。
強力な能力であればデメリットも付属させる。
例
能力(時を3秒止める)デメリット(次発動まで3時間チャージ)
職業(有利→不利)
〔英雄〕騎士→弓兵→魔術師→
〔人外〕死兵→呪士→死霊使→〔自然〕巨神→獣人→エルフ→
職業はオリジナルスキルの関係上でオリジナルの職業の作成可
例
能力(竜属性の召喚)職業(竜騎士『騎士』)
【武器】
武器や技術は中世17世紀ちょっと先程度、よくて蒸気機関までが好ましい。
(無論新型でボルトアクションのライフルから有線電気機材は可、
ただ量産する技術、発展途上の技術に留める)
【世界観】
世界が1度、人類文明が滅び再び現文明まで築き上げて17世紀。
過去の遺跡・遺産から可能な限り再現可能なものを生産しまた1から作り上げた物を使って
レンガ造りの建物や紙の作成。現歴史までなかった生命に宿る超能力『魔導力』によって可動する
乗り物や工具を作り。世界各地には『神殿』や『城都市』といった文化が確立されていった。
世界にはいくつかの大陸と無数の島があり、
上陸してすぐ山道を登ってはハルピュイアやマンドラゴラと遭遇する島もあれば
果てしない雪の平原で巨大な生物や奇妙な知的生命体に襲われる所も、
この世界で生き残ることは出来るか・・・
(参加者の視点)
あなたは普通の現実世界では人気ゲーム「ワールドレコード」をプレイしていたゲーマーで、
特殊ソフト(3DCG作成ソフト等)を使えば、自分好みの見た目をつくれたりする狩猟を目的にした
一大娯楽として確立されたゲームで早7年。
発信元の大企業『ノア』現社長『イズミ』はユーザーの期待に応えるべく。新技術の投入によって現ワールドレコードは
全く新しいゲームに生まれ変わると宣言。
同時刻、新デバイス『スフィア』と呼ばれる掌サイズのマウスの形のした機械(子機)を発売。
これと連動することで新感覚の体験ができるとのこと。
それを使うと一瞬白い閃光に包まれたと思ったら。
なんと自身が作成したキャラクターになっていた。
だが世界観は全くの別物。
土地勘無し、お金なし。ログアウト画面無し。
あるのは以前のステータスとスキル、アイテムのみ。
一応地理は現実世界の配備で問題なし
スタート地点は自由。
国を創るも奪うも自由。
この世界に入ったプレーヤーはここの住人となって元の世界に帰る方法を模索あるいは
世界征服を目論むことも自由。
* * * *
御用の方は下記まで御連絡下さい
(質問・感想お気軽に)
https://twitter.com/miyabi_virossa(ミヤビアドレス)
https://twitter.com/yawashigure(柔時雨)
- Re: 異世界ぐらしはじめます( アレン視点 ) ( No.33 )
- 日時: 2016/10/15 01:25
- 名前: 柔時雨 (ID: d3Qv8qHc)
数時間後
俺達はもう、我が家と呼んでも過言ではない拠点へと戻って来た。
「此処が……アレンさんの拠点?」
「おいおい……悪魔の王でも住んでんじゃねえのカ?」
「まぁ、そういうのを意識してないって言ったら、嘘になるな。」
「主様……本日はもう夜ですし、お話しは……」
「解ってるよ。シルヴィア、2人を部屋に案内してやってくれるか?」
「承知致しております。レックス殿、ボルト殿。私に付いて来てください。」
「わかりました。」
「それじゃあ、世話になるゼ。」
シルヴィアが2人を部屋に案内して行くのを見届けた後、俺は馬達を厩に繋いで……そのまま大広間へと
歩を進めた。
タドミール・テルミヌス1階・客室。
「それでは、本日はこちらの部屋でお休みください。」
「おぉぉぉ……凄くふかふかのベッド……本当に此処を使っても良いの!?」
「もちろんです。明日の朝、またお迎えに参りますが……それ以外で何か御用の際は
私達は最上階の大広間に居りますので、御足労ですがそちらまで来て頂くことになることを
あらかじめ御了承ください。」
「わかった。ありがとう、シルヴィアさん。」
「アレンさんと、マウトにもよろしく言っておいてくレ。」
「はい。では、ゆっくりと御寛ぎください。」
タドミール・テルミヌス最上階・大広間。
「うィ〜ッす、お疲れェ。」
「おう、マウト。大丈夫か?レックス達をかばって串刺しになってたみてえだけど……」
「ハッ!あんなもんでヘバってちゃァ、ゾンビとしてやっていけねェっての!」
「そうだった……お前はそういう奴だったな。」
「お疲れ様です、主様。マウトもこちらでしたか。」
「シルヴィアも御苦労様。2人はちゃんと寝室に?」
「はい。御案内して参りました。」
「そんじゃ、オレは地下で休んでるから……起きてこなかったら、死後硬直で動かなくなってると
思っておいてくれ。」
「ん?もう戻るのか?」
「おう。俺が此処に居たのは、シルヴィアが来るまでアレンが退屈してちゃいけねェと思ってのことさ。
逆もまた然り……普段、大好きで大好きでたまらねェ主様がこの部屋に来るまでの間
1人でボーッとしてるシルヴィアの話し相手を何度させられた……」
マウトの言葉を遮るように、シルヴィアがマウトの額を的確に射抜いた。
「さっさと地下に戻って、お酒と宝物の番でもしていなさい!!今度、妙な事を口走ったならば
縫合の際に、その口も一緒に縫い合わせますよ!!」
「そうムキになるなって!そんじゃ、アレン。後の事は任せた。」
そう言いながらマウトは力が入らないのであろう……腕を中途半端な位置まで上げた状態で手を振り
大広間から出て行った。
「まったく、マウトは……」
「アイツなりに場を和ませようとしてくれてるんだろ。実際、一緒に居ると楽しいしな。」
「まぁ……それに関しては否定致しません。」
「ふふっ、あっ……それより、あの2人の事だけど…………」
「主様……先程も申し上げましたよ?気になるのは解りますが、その話は明日にいたしましょう。
今は休んで疲れを癒す時なのですから。」
「……そうだな。じゃあ、シルヴィア……いつまでも弓を構えてないで、もう少し傍に来いよ。
頭撫でてやるから。」
「あっ……はい!ありがとうございます。」
翌朝。
玉座に座る俺の前に、シルヴィアの案内でレックスとボルトが大広間に連れて来られた。
「その顔だと、ゆっくり休めたみてえだな。」
「おかげ様でね。アレンさん達にはお世話になって……」
「良いって、気にすんな。お前達はこのサーバーのプレイヤーじゃねえんだし、不便な点もあるだろう。」
「え?……あれ?サーバー……?もしかして……アレンさんって、プレイヤーですか?」
「おう。いかにも俺はワールドレコードのプレイヤーだ。隠すつもりは無いから
訊かれたらいつも答えられるようにしている。」
「そうだったんですか!!」
「それにしても……他のサーバー……いや、『 異世界 』は進んでるんだなぁ。
スパナに電気を流して攻撃したり、銃と剣が合体した装備を使うし……」
「ん?銃と剣?僕達、そんな武器持ってないですけど。」
「あぁ、いや……すまん。銃剣を持ってるのは前に知り合った奴でね。」
「ほう……俺は人よりも、そっちの武器の方が興味あるナ。」
「アレンさん。その人と連絡とれませんか?」
「どうだろう……一応、フレンド登録はしてあるけど……メッセージって送れるのか?」
俺はとりあえず【 ウィンド 】を開き、フレンド登録してあるライラプス宛てにメッセージを送信してみる。
「さてと……どう送ったもんかな……えっと……
『 新たに知り合ったプレイヤーと御仲間さんが、お前の武器に興味を持ったみてえだぞ 』……と。
そんで、これを送信すれば……多分、届くだろう。」
「ありがとうございます、アレンさん。」
「どういたしまして。それで?これからお前等はどうするんだ?さっそく彼等に会いに行くか?
この地を物見遊山感覚で巡るのは、ちょっと止めておいた方が良いぜ。
最近、あっちこっち物騒だからな……昨日みたいに、いきなり戦に巻き込まれても
すぐ助けに行ってやれるかどうか……」
「どうすル?レックス。」
「う〜ん……その人に会いに行ったり、自分達の居た世界に戻ろうにも
こっちの世界で手段を探さないといけないだろうし……危険かもしれないんだろうけど
しばらくこの地で…………」
「異世界に行く方法ならございますよ。」
「………え?」
「本当なのカ?シルヴィアさん。」
「このようなことで嘘など申しませんよ。ね?主様。」
「あぁ。付いて来い、案内しよう。」
俺とシルヴィアはレックスとボルトを案内して、拠点の地下へと階段を下りて行った。
- Re: 異世界ぐらしはじめます( アレン視点 ) ( No.34 )
- 日時: 2020/05/12 14:15
- 名前: 柔時雨 (ID: lU2b9h8R)
「ん?よォ!話はもう、終わったのかい?」
「マウト……大広間に来ねえから、死後硬直で動けなくなってんのかと思ったぞ。」
「今日は大丈夫だった。ただ……真面目な話をする場の空気が苦手でねェ。」
「そっか。まぁ、それは置いておくとして……レックス、ほれ。」
俺はレックスを手招きして、拠点の地下で静かに起動しているゲートを見せた。
「え?これ!転送石じゃないですか!!」
「何だ、知ってたのか。」
「だって、僕達もこれを使ってこの世界に来ましたから。」
「そちらの世界にも同じ鉱石があるのですか。そういう部分で異世界同士が
繋がっているのかもしれませんね……」
「っていうか、コレ……使えんのか?オレ、アレンとシルヴィアがコレを使って何処かに行くトコ
見た事ねェんだけど?」
「うるせえな。こっちでいろいろやってて、中々異世界に行く暇がねえんだよ。
大丈夫!ちゃんと使えるって生きた見本が目の前に居るじゃねえか。」
「ですが、マウトの言う通り、私達はこれを使用したことがありません。
以前此処を訪れた方々は、おそらく無事に元居た場所に戻れたようですが……
目的地に必ず出るとは限りません。」
シルヴィアがゲート横の石板に浮かび上がった『 カラドリウス 』という文字を見て言った。
「以前シルヴィアがそいつ等に言ったんだけどな、仮にお前達の世界に出たとしても
元居た場所とまったく違う場所に出るかもしれねえし……もしかしたら
お前達2人が別々の場所に出てしまう可能性も充分に考えられるんだ。
俺達もこれを試したことが無いばかりに、『 絶対大丈夫 』って
自信と確証を持って断言できることがねえんだよ。」
「ライラプス殿とサニー殿は今頃どうしているのでしょうか……」
「たぶん大丈夫だと思うよ。こっちに来た時は一緒に同じ場所に出たし……ね、ボルト。」
「あア……戦勝のド真ん中とは思ってなかったけどナ……」
「けどよォ、行きは大丈夫でも、帰りはどうなるか解ったもんじゃねェぞ?
最悪の事態も考えておくんだなァ……ギャハハハハハ!!」
「笑い事で済ませることができる範囲だと良いな。」
本当に……このゲートの先は未知数だからなぁ……
「そうですね。一応、注意はしておきます。それでどうにかなれば良いんですが……」
「まあ、考えていても仕方ないし、なるようになるだロ。」
「そうだね。後の事は出た先で考えようか。」
レックスとボルトがそう言いながらゲートに入ろうとする。
「あっ……ちょっと待ってくれ。シルヴィア。」
「はい。既に用意致して居ります。」
シルヴィアはそう言いながら、レックスに金貨が入った小包みを手渡した。
「え?これは……?」
「あれ?そっちの世界ではこのコインが使われてねえのか?
前に来た奴の所は同じ物が使われてるって言ってたから、そっちも同じ物かと思ってたんだけど……
悪い、すぐに用意し直すから。」
「いや、そうじゃなくって!!ちゃんと使えるけど……どうして金貨を?しかもこんなに……」
「既にあっちの世界での生活をちゃんと確立しているみたいだったけど
何かと……ほら、必要経費とかあるだろうと思ってな。
俺は武器開発ってのを知らないけど、そういうのって予算とかいろいろ大変だろ?
まぁ、必要無いってんなら、路銀の足しにでもしてくれ。」
「いや、でも……この金額は……」
「路銀にしては、多い気がするんだガ……」
「レックス、ボルト。そんなに気にしねェでも良いって!ちょっとこっちに来てみな。」
マウトは2人を手招きして呼び寄せ、すぐ近くに放置してあった『 先日の収穫 』を見せる。
「何、このお宝!?」
「これ……どうしたんダ!?」
「いやァ、この間、トレジャーハンティングしたら大当たりでよォ!!そこにあった物
全部持ち帰って来てやった。」
「他にも、クエストを受けた後に貰える報酬などもこちらに纏めて保管してあるのです。」
「その小包みに入れた分は、またクエストで稼げば良いんだしさ。だから
それは遠慮しないで取っておいてくれ。」
「皆さん……ありがとうございます!大切に使わせていただきます!」
「ははっ、律義な奴だな……ん?」
俺とレックスの間に、以前のライラプスの時と同じメッセージウィンドがいきなり表示された。
内容は相手の名前が違うだけで以前と同じ……『 レックスをフレンド登録しますか? 』というものだ。
「……まぁ、此処で会ったのも何かの縁だ。」
「そうですね。では……」
俺とレックスはそれぞれ、目の前に現れていたメッセージウィンドに触れた。
同時に、以前とまったく同じメッセージが現れて登録完了。
俺のフレンド覧に刻まれたライラプスの名前の下に、新たに『 レックス 』の名前が表示された。
「皆さん、本当にお世話になりました。」
「良いって……むしろ、物騒なことに巻き込んで悪かったな。」
「これに懲りずに、気が向いた時にでもまた遊びにいらしてください。御二人も歓迎いたしますので。」
「いずれオレ達が邪魔しに行くかもしれねェんだ。勝手にくたばるんじゃねェぞ、ギャハハハハハハ!!」
「……僕もボルトがバラバラになった時のために、縫合の術を教えてもらっておいたほうがいいかな?」
「あいつを見た後で俺を見るんじゃなイ。そうならないように気をつけるからサ……」
「そう?……それじゃあ、皆さん。またいずれ。」
「良い経験ができタ。ありがとうヨ!」
2人はそう言ってゲートに入り、青白い光と共に消えていった。
「………あっ!主様、石板に新たな表記が浮かび上がりましたよ。」
「そうか。意外とすぐなんだな。」
「これがねェ……上の方の連中には会ったことねェが、いずれ行ってみてェもんだな。」
「そうだな。そのうち……皆であいつ等の世界に遊びに行こう。」
「はい。その時が楽しみですね。」
ゲートの横の石板には(おそらく)ライラプス達の世界であろう『 カラドリウス 』の表記の下に
新たにレックス達の世界であろう『 フォレスティア 』と表記されていた。
- 異世界ぐらしはじめます 参加希望 ( No.35 )
- 日時: 2016/10/16 08:44
- 名前: Kusanagi238 (ID: gF4d7gY7)
参加してもいいですか?
- Re: 異世界ぐらしはじめます(ナギ視点) ( No.36 )
- 日時: 2016/10/16 18:42
- 名前: Kusanagi238 (ID: gF4d7gY7)
オンラインゲーム「ワールドレコード」自分の好きなようにキャラクターを作り、狩りを楽しむ人気ゲーム。そこで2年前まで活動していた、青年「赤村凪《あかむらなぎ》」キャラクター名「ナギ」は新ディバイス『スフィア』の発売と同時に復帰することにした。なので発売の3日前からワールドレコードをやっていた。
『久々だなこの世界。』
緑と青のガラスで作られた鎧。名前は《緑水》本来なら防御力は皆無だが、《魔導力》を、制御するレアパーツを組み込んでいるため破壊不能のオブジェクト一歩手前の防御力、耐久値を持っている。腰に付けられた白の剣を取りだす。オーダーメイドの剣で攻撃力は当時最強だった。今はTOP10に入るか、入らないかというところだと思う。
『装備はこれで大丈夫だな。にしてもここ何処だ?全部岩。どこでゲームやめてんだよ当時の俺は』
探索しようと、岩を上ると警告音が鳴り響いた。
《event VS deathdragon》
『え?』
上空から黒いドラゴンが現れた。おそらく巣に入ってしまったのだろう。
『やばっ』
グオオオオオオ!と叫びながらドラゴンが突っ込んでくる。剣で受けると簡単に折れてしまった。刃の部分は地面に落ち、欠片になった。
『嘘だろおい!』
剣のステータスを見ると、《状態:腐食.錆》になっていた。この2年でいろいろ変わったのだと俺は実感した。
『勝てるわけねえだろが!』
俺は、最終手段の《緊急ワープ》を使用した。画面が真っ白になる。数分後俺はどこかの村に来ていた。
『ようこそタリムの村へ』
NPCの女性が話しかけてきた。よくあるやつだ。今使用した《緊急ワープ》はレベルをかなり下げることで安全地帯までワープさせるスキルだ。使うと1週間使用できなくなるという色々ぶっ壊れたスキルで、取得できるのは英雄の魔術師と騎士の両方を極めた者のみという、デメリットが半端ないスキルだ。
『はぁ、、レベル27って。19も下がってる。また上げるか』
地図を確認すると、タリムの村というのは最北端に或る事が分かった。そして先ほど居た岩石地帯は最西端だった。つまり通常なら何日もかかる移動をすぐに終わらせたのだ。やはりあのスキルは性能が異常だ。
『此処の周りにダンジョン在るから行ってみるか。ってもう夜か。また明日に行くか』
俺はログアウトして、その日のゲームを終了にした。
3日後
『やっと買えたな』
俺は、昨日一日潰して店の前に並び、一番で《スフィア》の購入に成功した。俺は早速接続し、ゲームを起動した。
『此処ゲームの中か。すごい再現度だな。って重い!いったん外すか』
装備を外すため、メニューを開く。
『あれ?』
メニューにはログアウトの項目がなく、空欄になっていた。
『嘘だろ。。』
こうして俺は、この世界で生きることになった。
- Re: 異世界ぐらしはじめます(ナギ視点) ( No.37 )
- 日時: 2016/10/17 22:48
- 名前: Kusanagi238 (ID: gF4d7gY7)
2日後
『、、、これでいいか』
俺は、この《ワールドレコード》に閉じ込められ、2日経っていた。いや正確には「俺たち」なのだが。ここ2日で一人もプレイヤーに会っていない。それもそうか。何せこの村《火山の中にあるのだから》。
って!納得できるかあああ!
この世界に来て、ログアウトが無いことに気が付いた直後、地震が起き、気付いたら火山の中に村が転移していた。イベントの類かもしれないが全く分からない。村長の家に行ってみたが、村長は熱中症で死んでいた。まあ村長の遺品の転移石が墓代わりに設置されたのが収穫なのだが。
『さて、、まずはこの火山から出るか。この新装備も試したいしな』
俺の今の格好は、白い鎧《道化の鎧》に黒のブーツ《道化の靴》。腰には特殊な銃とこの村で一番よい槍が付いている。え?《緑水》?あれは売った。《魔道力制御装置》が付いていたからか、まさかの10000金貨で売れた。この世界には銅貨、銀貨、金貨とあり、1000金貨でほとんどの物が買える。10000あればこの村を買い占められるだろう。つまり10000金貨とはそういうことなのだ。その10000金貨のうち6000使いこの装備を新調した。この鎧とブーツはセット効果で《超跳躍力発動》が可能になる。ただし一回使うと装備が壊れ、一生《道化の鎧》と《道化の靴》を装備できない呪いが付いてしまうが仕方がない。
『さーて行きますか!』
俺は足に全エネルギー(魔導力)を集め、跳躍した。その高さは通常よりも遥かに高く、火口付近まで跳躍した。下ではNPCたちが騒いでいる。あたりまえだ。ここでミスったら死が訪れる。だがそんなヘマはしない。腰についている特殊な銃名前は《フックショット》それを火口に向けて撃つ。
『いけえええ!』
フックは見事火口に引っかかった。これをよじ登り俺は脱出に成功した。鎧と靴が煙のように消える。これでもう装備はできない。だがまあいいだろう。
『嘘、、だろ』
火口から出た俺を待っていたのは、ゴブリンの小隊だった。4体で組んでいて、リーダーらしきゴブは赤のバンダナを巻いている。
『アイツダレダ?』
『ニンゲンニンゲン!』
『ゴロソウコロソウ!』
『オマエライクゾ!』
『『『『オーーー!!』』』』
どうやらゴブリンたちの意見が殺しに決まったようだ。さてどうしようか。最悪の場合《超必殺最終手段》というのもありだが、試してみた所とてつもなく気分が悪くなる。画面の前だったらすごく頼りになるのだが。そんなことを考えているとゴブリン小隊がもう攻撃範囲まで来ていた。俺は槍を構える。慣れていない武器でどこまでやれるか分らないが、やれるだけやろう。
『グガァ!』
『っ!ふっ!』
槍の持ち手でゴブリンの粗末な石剣の刃を受け止める。
『オマエカラショクリョウウバワナイト、ミチトララガウエジニスル!ワルクオモウナ!』
『え、、』
そうかこいつ等にも生活があるんだよな。モンスターだって生きてる。だからと言って
『だからって、はいそうですか。と言って死ねるかよ!』
『ブルオサエテロ!』
リーダーらしきゴブが、俺と戦っているブルと呼ばれたゴブの後ろからとても長い槍を投げた。その槍はブルの体を突き抜け俺の胸に刺さった。
『ガ、、ハァ、、』
『ナニヲ、、スルダ』
『オマエノイモウトフタリオレラデカワイガル。」
『フザケルナ、、ミチモララモオレノ、タイセツナ、、』
『ダマレ!』
3体のゴブは槍を引き抜き、俺を突き飛ばすとブルを石剣で滅多打ちにし始めた。ブルの叫び声と血が俺の怒りを増幅させた。こいつ等3体には死んでもらおう。
『やめろ、、』
『コイツマダイキテルゾ』
『コロセ!』
『『ワカッタ』』
2体のゴブが近づいてくる。俺は《超必殺最終手段》別名《スキル:獣化》を使用した。体に激痛が走り背中から隼の羽が生える。両腕は蛇になり、足はヒョウの足になり4足になる。体は赤く染まり、顔はドラゴン○ールの大猿のようになる。《スキル:獣化》は獣になるのではない。異形の怪物《キメラ》になるのだ。
『グルワァアア!!』
『ヒッィ!』
3体のゴブリンが、一目散に逃げる。だが逃がさない。両腕の蛇は長さが何十倍になり、2体のゴブリンに巻きつく。さらに大蛇は噛みつく。
『ウ、、、』
2体のゴブリンは意識を失った。いや息を引き取った。この蛇は、この世界では《ムデュル蛇》と呼ばれどんな物でも一瞬で溶かす酸を持っている。キメラ化によりその能力は、噛みついた相手を一瞬で殺す酸になったのだ。俺は生き残ったリーダーゴブに近づく。奴は腰を抜かしてガクガク震えている。
『ワルカッタ。ワルカッタ』
『それガ、ヒトに謝る態度カ?』
『スイマセンデシタ。スイマセンデシタ』
リーダ—ゴブは土下座している。だがそれで気が済むはずがない。
『オマエの名前は?』
『スドク村村長ノシバトモウシマス』
『ホカノ奴もコンナ事やってんのカ?』
『ハイ。ワタシノメイデス』
『ソウカ』
俺は、シバの首を跳ねた。空中で何回か周り岩にぶつかった。岩に当たったことでかなり損傷しているが、シバだと判断できる。俺は獣化を解きブルに近づく。
『大丈夫か?』
『アリガトウ。イモウトタチマモラレタ。』
『今回復させる。』
回復させようと、アイテムを取り出そうとするとその手をブルが止めた。
『オレハ、ナガクナイ。コノサキニムラガアル。ソコヲオマエノムラニシテクレ』
『え?』
『オマエハ、アイツコロシタ。ムラデハコロシタヤツソンチョウ。』
『お前が成ればいいだろ。』
しかしブルは首を振る。
『、、ジャアタノム。ゴメンミチ、ララ。オマエタチ、シア、、、ナレ。』
ブルはその言葉を最後に沈黙した。
『分かった。その言葉も意志も俺が引き継ぐ。』
俺は、ブルの懐にあった地図を貰い、シバの首を拾い上げ袋に詰めた。そしてブルを持っていた松明を使いブルを燃やした。他の2体の死体はどこかに消えていた。完全に燃え尽き骨になったブルを地面に埋めそこに彼の剣を刺した。本来家の看板などに使うアイテムでこう書いた。
《誇り高き戦士ブル。ここに眠る》
俺はその看板を刺し、彼の墓とした。俺は手を合わせブルの村であるスドク村に向かった。
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