二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士
- 日時: 2012/09/13 22:54
- 名前: Chess ◆1OlDeM14xY (ID: bkovp2sD)
二つ目であります、漆千音です。元Chessです。
さて、ドラゴンクエスト、オリジナル、です。わたしが勝手に考えた奴です。
名はタイトルどおり——【漆黒の姫騎士】。
主人公はわたしの幼なじみモデルです。ま、誰も知らないからいっか(笑
・・・で、ドラクエⅨとかぶる名前がよく出て来るけど、一切関係ありません。
この名前が好きなんだろうって解釈して。みたいな。
【 お知らせ 】
最近自分の偽物が出現している! って人も多いみたいです。
で・・・わたしのトリップですけれど、1OlDeM14xYとJftNf0xVME、両方わたしです。本物です。
前者がかつてのパソコン、後者が今のパソコン。ある理由により使い分けていました。
・・・で、その理由及び問題が解決したんで、元通りになりましたわーわー(黙らっしゃい byレイサ)。
・・・つーわけで。はい。((殴
ぬはははは何故こんなにこちら側はやる気が起きん
それはノートに書いていない話を書き始めようとしているからであるそして
そのネタが思いつかないからである———スランプ中です。
いやそもそもスランプとか言える才能持っていませんけれども。
やる気を起こすまで今しばらく『星空の守り人』を更新しまくりますスイマセン・・・
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- Re: ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士 ( No.49 )
- 日時: 2011/01/27 19:25
- 名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: FjkXaC4l)
二つの町にかけて魔物退治をする羽目にあった一同は(とはいえティルスは別だが)
またしても町の英雄として崇められる。この空気が苦手なリーシアは、魔物退治のおかげでただとなった宿屋
(ちなみにそれならということで最高ランクの部屋を選んだ)で一人、
町を歩き回っているマイレナとレイサのために律儀にもハーブティーを淹れてやっている。
カップに湯を注ぎ、ハーブを浸して混ぜながら、リーシアは一人考えていた。
雷光呪文_ライデイン_ 。空を断ち割り、聖なる雷光の力で、電光石火の如く敵を成敗する神秘の呪文。
久しぶりに使った魔法だった。大きすぎる魔法なので、いざという時にしか使わないでおこう——と思った割に
使ったのは五年ぶりほどだろうか。
———それを使えるのは、この世に立った二人しかいない。
・・・ティルスの言葉が真実なら、自分に秘めたものの真の力と比べても、頷くことができる——・・・
それにしても、二人のうちのあと一人とは、一体誰なのだろう。
・・・一体。
コツコツ
「?」
ドアをノックする音、続いて静寂。マイレナでもレイサでもない。
「誰?」
返事はない。右手の爪を出したまま、慎重にドアへ近づく。
かちゃり、とノブの音を立て、用心して辺りを見渡す。左を見ても、何もない。続いて右を見ようとした——
刹那。
「っ!」
ごう、と音を立て、闇色の渦がリーシアめがけて飛んでくる! とっさに反応したリーシアでも、
よけるスピードが間に合わない。嫌らしくまとわりつく闇色の渦は、リーシアの身動きを許さない。
(な・・・に、これっ・・・)
リーシアは奥歯を噛みしめる。目をきつく閉じ、神経を集中させた。
リーシアの放った 生気_オーラ_ が、邪悪な呪いに抵抗し、そして——
ぱぁん!
花瓶が割れたような音がして、リーシアにまとわりついた呪いが砕け散る! 解放されたリーシアが
ふらりと壁に手を付き、向かって右に視線を向ける。
「っ?」
そこには何もなかった。誰もいなかった。だが、不意に嫌な気配を感じ、振り返る。
同時に、大きく目が見開かれた。
(誰だ・・・?)
若くて、髪の色は闇色。だが一瞬、なぜかマイレナの姿が頭をよぎった。
全然似ていない。第一、その姿からして男だ。——だが、その男が目を開いた瞬間——再び、リーシアは硬直した。
(違う。——雰囲気だ。雰囲気が、似ている・・・!?)
「やはり通用しない、・・・か。——“お久しぶりです”」
その男の話し声。低くも高くもない、不思議としか言いようのない声だった。
静かで、それがなぜか恐ろしい。
「・・・とはいえ、直接会ったことはないが——」
「——誰だ、お前はっ・・・」
男の表情が、少し和らぐ。微笑したようだ。
その瞬間、どことなく懐かしいような、覚えのある何かを感じる。だが、やはり知らない。
先ほども思った通り——“雰囲気”にその感覚を抱いたのだろう。
「さすが、というべきか。一目で、俺がどういう人物か判断するとは」
「誰だと、聞いている」
「やれやれ。噂通りだな」
今度は肩で息をつく。
「・・・耳にしたことは、あるだろう——“フェイクス”」
がたん!
リーシアの足が引かれ、扉に強く当たった。拳が震え、唇がわなわなと動く。
必死に声を出そうとするが、それもままならない。
男——フェイクスは、淡々とした口調で話を続ける。
「貴女がこの町に来たと聞いたんでね・・・確かめさせてもらった。魔物で——
貴女と、あともう一人しか使うことのできない幻の呪文・・・ 雷光呪文_ライデイン_ を使えるかどうか。
計画通り、貴女はそれを唱えた。・・・これでようやく、確信した」
リーシアの息がぐ、と詰まる。ただ話を聞くことしかできなかった。
「——五年前、マレイヴァの王国を襲撃し、雷光呪文の使者、“闇と光の継承者”もろとも城を焼き尽くした・・・
にもかかわらず、貴女は生きてここにいる。さすが、『姫騎士』と呼ばれただけはある、
“リーシア・レヴィン”——否」
台詞めいた言葉で、フェイクスは決定的な名を発した。
「——マレイヴァ国姫君、ヴェルシーナ殿下」
- Re: ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士 ( No.50 )
- 日時: 2011/01/27 19:27
- 名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: FjkXaC4l)
そろそろ一巻終わるな・・・(なんとなく書き込み)
- Re: ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士 ( No.51 )
- 日時: 2011/01/27 20:34
- 名前: MILKターボ ◆xyJ9iZcsj6 (ID: /z9KW9Ro)
いいいい!? そういう展開なのかぁ!!
- Re: ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士 ( No.52 )
- 日時: 2011/01/27 21:05
- 名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: FjkXaC4l)
そういう展開なのであ〜る(ニヤリ
- Re: ドラゴンクエスト—Original— 漆黒の姫騎士 ( No.53 )
- 日時: 2011/01/27 21:36
- 名前: Chess ◆JftNf0xVME (ID: FjkXaC4l)
握り続けていた拳の力が、ふっ、と弱まった。
リーシアは——真のヴェルシーナという名のマレイヴァの姫は、目を閉じた。
知られている以上、もう仕方がない。
「・・・よく、分かったわね。わたしがここに来る前から、予想はついていたんでしょう?」
ずっと続けていたぶっきらぼうな話し方を止める。これが、本当の、正体。
「——あなたの身近な人物に聞いた・・・それだけだ。いや、実際には、何も知らないまま教えてくれた」
一瞬またマイレナの顔が頭に浮かぶ。が、そんなはずはないと、すぐに思い直した。
いくら雰囲気が似ているといえど、目の前の男とマイレナが関係あるはずがなかった。
「・・・それで? 目障りなこのわたしを、始末しに来た・・・ってわけ?」
「まさか。今は秘めているとはいえ、姫騎士とまで呼ばれた貴女をこの場で殺めるのは困難だ。
・・・ただ、覚えておくといい。魔族には、すでに貴女が生き永らえていることは知られていること、
・・・そして、他の“継承者”の命をも狙っていることを」
「な・・・ん、だって・・・!?」
今更になって、自分の行動を悔やんだ。自分の意思で動いたはずが、ただの操り人形でしかなかったのだ。
フェイクスは無言で踵を返し、宿の外へ出た。追おうとは思わなかった。
マレイヴァ崩壊にかかわっていたというフェイクス。今回の魔物は、彼の命令のもと動いたのだろう。
だとしたら、相当の幹部、そして、恐ろしく頭の切れる男なのだ、とリーシアは思った。
開け放しの扉から、潮風が流れ込む。髪をなびかせ、いつまでもたたずむ娘の瞳には、
滅多にない恐怖の色が写っていた・・・。
マイレナとレイサの二人は、海の匂いを精いっぱいに吸い込み、吐き出す。
潮風が体いっぱいに駆け巡るのを感じ、マイレナは満面の笑みを浮かべる。
「海、綺麗だねぇ。目に新鮮」
「てぇか、マイレナの目だって青色じゃん」
「自分で自分の目の色が見えるかい」
マイレナはレイサのあご下に手の甲をぶつけ、ツッコミのしぐさをした。
「・・・目に新鮮て、マイレナ、もしかして村育ち?」
「そだよ。——すごい山奥。名前言っても、知らない方に今日の夕食、紅茶つき」
「賭けません。・・・で、どんな?」
「ちえ。・・・フィルタス、っていう」
「・・・フィルタス?」
レイサはうーんとうなり、知らないや、と一言。
「・・・でも、どうしてそんな山奥に住んでいたのに、旅なんか」
言った後に、“そんな山奥”とは失礼だったかな、とレイサは思ったが、
マイレナは気にした様子もなく、答えた。
「・・・みんな、いなくなったから」
「・・・えっ」
珍しい、寂しげな表情を見せたマイレナに、レイサはまずいこと聞いたかな、と思ったが、
やはり気にした様子もなくマイレナは続ける。
静かな口調で、マイレナは語った。村に住んでいた頃のこと。偶然のリーシアとの出会い。
そして・・・村人の消失。
すべてを聞き終え、レイサは物も言えない。
「村は今でも存在すると思う。だけど・・・村のみんなは、どこにもいない・・・
生きているのか、死んじゃっているのかさえ、分からない」
「・・・・・・・・・」
レイサの表情がゆがみ、それに気付いたマイレナがあわてて言う。
「ご、ごめん、雰囲気沈める気はなかったんだ」
「え? いいよ・・・って、なんでマイレナが誤ってあたしが許すの? 逆じゃ・・・ご、ごめんマイレナ」
「えぇえ? ちょ、何であやま——」
そこまで行って、二人の視線がぶつかる。先に表情を緩めたのはマイレナだ。
「あっ、あははははっ! 私たち、何あわててんだろっ!」
「本当本当! あ、だめ、あたし、笑いが止まんないし」
妙な不謹慎さを感じながらも、二人は大笑いに笑った。ひぃひぃ言って、レイサなど涙まで流している。
どうやら、マイレナの話でこらえていた涙が一気に流れ出たらしい。
ひとしきり笑った後、マイレナが笑いの後遺症を残しながら、そういえば、といった。
「私にもさぁ、こうやって一緒に思いっきり笑えるような人がいたんだよ」
「そ、そうなの?」
「うん。三人ね。・・・それがさぁ、そのうちの一人、名前がフィルタスそっくりでさ。
よくフィルタスフィルタスって呼んでは叱られた」
「へぇ、どんな名前?」
レイサがくすくす笑いながら聞く——
マイレナはその時、確かにそう言った。
何も知らない十七歳の娘の唇は、確かに五文字の名を発した——
フェイクス、と。
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