二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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デュラララ!!【只今、番外編執筆中】
日時: 2011/11/23 20:36
名前: 絆(ほだす) (ID: Pvby2f.0)

ほだデス(_^_)

今回は、デュラララに挑戦してみましたw
シズちゃんメインです!

私的にシズちゃんは、
強いけど弱くて、ぶっきらぼうだけど優しくて、ってイメージがあるので
そこを上手く表現できたらなぁ〜と思います^^

キャラ崩壊とか、オリキャラ入れたりとかあるので
ダメ×な方は読まないほうがいいかもです(^_^;)

でわでわw

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Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.48 )
日時: 2011/12/20 18:08
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)

〈桜の木の下には無数の死体が——〉

 「......今日も、か......」
 今日も、舞梨は木の下で静雄を待っていた。
——今日だけではない。昨日も、一昨日もその前の日だって、ずっと待っていた。それでも、何時まで待っても彼が姿を現すことはなかった。
 それだけではない。
 静雄は舞梨の担任の先生だ。毎日教室を顔を合わせるのはもちろん、業務連絡等で言葉をかわすことも多々ある。
その時も彼は目を逸らして話すし、人伝いに連絡をしたり、とにかく舞梨を避けているのは明白だった。
 それに——呼び方。
 以前は舞梨からの要望で『舞梨』と下の名前で呼んでいたのが、今は『七咲』と苗字呼びに逆戻りしていた。
 「せんせ。どしたのかな......。今日はお休み......」
 それに、今日、静雄は、学校を休んでいる。体調を崩したのだそうだ。だが、舞梨にはそれだけが理由でないことを勘づいていた。
 ——なにもかもが、異常なのだ。この木の下に来ないことも、舞梨を避けることも、呼び方が変わっているのも、学校を休んでいることも、何もかもが。
 別に、ここに毎日来る約束をしていたわけではない。だが、それが日課のようになりつつあっただけだ。
 それでも——不安だ。
 
 「......ッ......」

 ——後ろに誰かいる。背後に人の気配を感じた。
 ......静雄? 否、違う。あの大好きな、甘いタバコの匂いがしない。彼の呼吸の音じゃない。
 「......林野、くん——?」
 ——後ろに立っていたのは、数日前告白を受けた——作花林野だった。
 「舞梨ちゃん、こんな所で何してるの? もう、六時まわってる。帰ったほうがいいよ、僕が送って行くから」
 心配するような声色で、舞梨を気遣う。
 「林野くんこそ、こんな時間まで何してたの?」
 舞梨は訝しげに尋ねる。何かを怪しいと、感じているのだろう。若干の怯えの色が見える。
 「......見てた、から。ずっと誰か待ってる舞梨ちゃんを、ずっと見てたから。もちろん、誰を待ってたかも知ってる」
 一呼吸おいて——。
 「平和島静雄先生」
 その人物の名を発した。
 「——うん。待ってる。ずっと、ずっと......」
 「休みなのに、来るって思ってるの?」
 「うん。私が居ない間に来ちゃったら、困るから」
 「好きなの?」
 攻めるような口調に、舞梨は肩を震わせる。
 「......好き。大好き。一目惚れ」
 小さくなって、答える。
 「......僕だったら、絶対絶対、舞梨ちゃんを泣かせたりしないのに! ねぇ、どうして先生なの?! 僕じゃ、駄目なの......?」
 彼のその口調は徐々に荒くなっていく。
 「先生の代わりでもいい。僕のこと、嫌いでもいい。でも、舞梨ちゃんのそばにいられる、それだけでいいから......」
 こんな表情、いつかどこかで見たことがある。
 ——そうか。静雄。舞梨を見つめるときの静雄の顔は、いつもこんな風に、苦しそうで......。
 自分が苦しめているというのか。自分が生徒だから......。彼が先生だから......。
 「......ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。私、どうしたら良いか分からなくって......」
 自分には、誰を幸せにすることもできない。皆皆、苦しめてしまう。林野も、臨也も、静雄も——。
 「......せんせを好きなることは駄目なことだって、わかってるけど、わかってるけど......せんせが困るだけだって、わかってるけど......」
 ひとつ——思い当たったことがあった。それは......静雄のやろうとしていること。
 「嘘。せんせ......嘘、でしょ......」
 ショックで表情が固まる。
 先程まで固まっていた林野も、現実に引き戻されてそんな舞梨の表情を凝視する。
 「ひぃ、死んじゃったほうが良かった。ううん。生まれてこなければよかった」
 表情が——死んだ。
 心が——死んだ。
 少女の命以外の総てが、死んだ。

Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.49 )
日時: 2011/12/17 12:47
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)

〈記憶と物語との邂逅〉

 「ただいま、お兄ちゃん......」
「おかえり、ひぃ」
 舞梨が、帰宅したのは8時過ぎ。学校には結局7時半頃まで居た。何しろ、学校は池袋、家は新宿なのだからそれなりの距離はある。
 そして、そんな舞梨を出迎えたのは——男。細身ですらっとした身体は黒の衣服に包まれており、その黒い髪は彼の白い肌を一層引き立たせている。一見、好青年に見えるが、その実態は新宿を拠点として活動している情報屋、超極悪人間——折原臨也だ。
 「高校生になって随分と帰りが遅いじゃない。なに? 男?」
 「そんなんじゃないもん......」
 帰宅時間について、やけに突っかかってくる男にうんざりして、半ばシカト気味に自分の部屋に向かう、舞梨。
 「平和島静雄」
 「......!!」
 だが、その彼の発した言葉——自分が遅くまで学校に残っている理由にぴくりと反応してしまった。......図星だった。
 「当たり☆」
 そう言って男は、楽しそうに笑う。
 それに続けて——。
 「シズちゃんは......元気? 最近池袋行ってないしさぁ。そうそう、教師やってるんだって? ん。そういえば、ひぃの担任だったっけ? シズちゃんが教師?! ハッハッハ。笑える」
 一気にまくし立てた。
 ——話からして、どうやら、折原臨也は平和島静雄と知り合いのようだ。
 「......せんせのこと、知ってるの?」
 出来るだけ、話を流そうとおもっていたが、こればかりには食いつかずにはいられなかった。
 それを、狙っていたのか、臨也はこれもまた楽しそうに笑って、思い出話を始めた。
 「高校の同級生。もっと言えば、犬猿の仲ってやつかな。何しろ、彼は野生児だからねー。毎回毎回追い掛けっこの度に標識が可哀想で可哀想で」
 懐かしそうに、わざとらしく目を細める。
 「......標識が可哀想?」
 思わず素っ頓狂な声を出してしまう。
 「ああ。学校では暴力使ってないんだー。......そうだね。シズちゃんはね、すごい怪力の持ち主だよ。標識も自動販売機も人も皆まとめて投げ飛ばしちゃう。それにねー。銃で打たれてもピンピンしてるし、俺がナイフで斬りつけてもかすり傷で済んじゃうくらいのとんでもない人間......否、野生動物だね」
 長い付き合いなのだろうが、臨也は静雄を誤解している——そう思った。
 「せんせは、優しいひと。力が強くっても、心は弱い」
 舞梨は、思わず声を張り上げていった。
 「ねぇ。ひぃ。ひぃには、俺がいるよ?」
 臨也は、そんな彼女を宥めるように優しい声をかける。
 否——。
 それは、優しい言葉かけなどではなかった。
 それは——。
 「まさか、シズちゃんの事好き......なわけ、無いよね? 俺以外を愛してるだなんて、無いよね?」
 笑顏で——目だけは笑っていない引きつった笑顏で、言った。
 「......ひぃは。ひぃは......」
 何かを言おうと舞梨は口を開く。
 だが、それを遮るように臨也が声をかぶせる。
 「愛佳さん」
 ぴくり。舞梨の肩が動く。
 「唯史さん」
 目に涙がにじむ。
 「師くん」
 涙が——溢れる。
 「......次は、シズちゃん? ねぇ、ひぃの大切な人、殺してもいい?」
 それは、これ以上自分以外の人間に近づくようなら、その人間を殺す。自分より舞梨に近い人間が出来ぬよう、舞梨の大切な人間を囮にして、舞梨を縛っている。
 愛佳、唯史、師——臨也に殺された家族。皆、こうやって殺されていった。
 「だめ。せんせだけは......ッ。せんせは......」
 「だよね。だったら、俺以外、見ないで?」
 臨也は狂気に満ちた笑みで、そういった。
 そして、これ以上もないくらいの愛情——歪んだ愛情を込めて、舞梨をつよくつよく抱きしめた。

Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.50 )
日時: 2011/12/17 14:41
名前: 雛林檎 (ID: xy6oYM/9)

臨也ちょっとツラ貸せやごらぁぁぁぁぁあああああ!!!
あ、すいません。余りのも感情が昂ぶってしまって。

Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.51 )
日時: 2011/12/20 18:12
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)

ですよね、折原さん悪い人です((藁

Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.52 )
日時: 2011/12/20 18:55
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)

〈桜は散ってしまったから......〉

 「......はぁぁぁぁぁ」
 散ってしまって、葉桜になった木の下。静雄は大きく、長い溜息をつきながら誰かを——誰かを待っていた。
 その誰かとは、もちろん——七咲舞梨。たったの今まで、自分は教師という職業に就いていたため、彼女への干渉をやめることにしていた。
 だが、今はもう、自分は教師ではない。さっき退職願を出してきたばかりだ。
 ......もう、自分を縛るものはない。思う存分、彼女を思い、話し、触れることができる。
 「......舞梨。やっとお前のこと、愛してやれる」
 ポツリ。暗闇のなか、一人呟く。
 ——いますぐにでも、会いに行きたい。
 それなのに、足が......動かない。会いたいのに、会いに行けない。この足が動いてくれない。震えて......動かない。
 「ど、どうしたんだ......俺」
 ——何かに、怯えている。
 何......? 折原臨也? 臨也に怯えている? 否、臨也に怯えているのではない。臨也と戦うことに対して、恐怖を覚えているのだ。
 嘘だ——そう、思った。
 臨也から、彼女を守る。それを誓ったのだし、強く願った。その為に仕事だってやめた。自分の人生までも棒に振った。後悔なんてしていない、それが、彼女と自分のためになるのだから。
 もちろん、自分のやり方が正しくて、自分が確実に彼女を助けられる、そんな保証はないが——ただの自分のエゴ、そう解っていても、行動せずには居られなかった。
 「舞梨。俺、こんなにも怖がりで、臆病で......。なぁ、俺がさ、お前を助ける——愛してやる、つもりだったのに。
舞梨、俺、お前の愛が欲しい。お前に愛して欲しい。俺のこと、助けて......くれないか?」
 そんな怖がりな自分を知った時、彼女に願うようになってしまった。
 保証が欲しい——そう思うようになってしまった。
 「舞梨。俺のことは、好きでいてくれるか? 俺のこと、好きだって言ってくれるか?」
 聞こえるはずもないのに、尋ねる。
 すると、それに答えるかのように、背後から声がした。
 「——平和島先生」
 舞梨? 否、違う。——作花林野だ。自分の担当をしていたクラスの生徒だった。
 「作花......こんな時間に何してる? もう、8時まわってるぞ」
 静雄はすこし、がっかりしたように訊く。
 「先生。舞梨ちゃん、待ってるんですよね?」
 だが、林野はその質問には答えず、自分の質問をぶつける。
 「......作花。言っとくが、もう、俺は、先生じゃねぇ。ただの一般人だ」
 そのことに不満を感じているのか、苛立ちを抑え切れない声で冷たく言い放つ。
 「舞梨ちゃんは、解っていますよ。......彼女はそれを知った時、泣いていました。いや、もう、心が壊れたように無表情で......」
 林野は続ける。
 「......もう、舞梨ちゃんに関わるの、やめて下さい。貴方が彼女に干渉する度に、彼女は傷ついていくんです。もう、やめて下さい」
 今にも泣きそうな声だった。
 「作花——お前、」
 


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