二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- デュラララ!!【只今、番外編執筆中】
- 日時: 2011/11/23 20:36
- 名前: 絆(ほだす) (ID: Pvby2f.0)
ほだデス(_^_)
今回は、デュラララに挑戦してみましたw
シズちゃんメインです!
私的にシズちゃんは、
強いけど弱くて、ぶっきらぼうだけど優しくて、ってイメージがあるので
そこを上手く表現できたらなぁ〜と思います^^
キャラ崩壊とか、オリキャラ入れたりとかあるので
ダメ×な方は読まないほうがいいかもです(^_^;)
でわでわw
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- Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.43 )
- 日時: 2011/12/08 20:21
- 名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
〈散った桜の逆再生は、ロマンチック......?〉
「ねーねー。先生ってさぁ、彼女とかいたりするぅ?」
理科室の前の方は、いつものとおり人集りで埋め尽くされていた。
その、人集りの中心にいるのは——平和島静雄。自覚済みの、教師らしからぬ、教師だ。
主に女生徒で作られたその集団は、彼の生徒からの人気の高さを意味している。
生徒らしからぬ——その金髪に青いサングラス、ほんのりと甘いタバコの匂いの染み付いたワイシャツ、色白の肌——と、彼は世間一般で言うと、イケメンというやつなのだった。飾らない男口調や、そこからにじみ出る彼の若さ——幼さの残る態度に惹かれる生徒も多く、簡単に言ってしまえば、生徒の目線に近い先生像、ということになるのだろう。
そんな、生徒の目線に近い先生——静雄は、楽しそうに——否、つまらなさそうに八方から浴びせられる質問に答えていく。
「んぁー? 彼女? いねぇよ、そんなモン」
頭をガシガシと掻いて、欠伸をする。
「えー。平和島先生かっこいいのにー。あたしだったらほっとかないし」
その返事を耳にして、また、ある生徒が質問やコメントを投げかける。
「やめとけ、やめとけ」
それに対して、これまたつまらなさそうな返事。
毎日毎日、これの繰り返しなのだ。
——だが、今日は違った。
「え、じゃあ。好きな人......とかいるの?」
髪が長く、見た目おとなしそうな女生徒がこんな質問をした。
おとなしいのは見た目だけで、この集団に割り込んでくるだけの気力があるというのは、よほど派手な性格をしているということだ。
静雄は、ドキリとした。——女生徒のその、質問に。
『せんせっ』
——好きな......人? ふと、彼女の——舞梨の顔が浮かんだ。
だが、すぐに首を振って、その顔を消した。
そうだ。仮に好きだとしても、この思いが赦されることはない。あくまでも、生徒と教師という間柄なのだ。一人の生徒に深入りすることはもちろん、恋愛など以ての外。赦されるはずがない。
どこかの少女漫画のように、この赦されぬ恋心に身を捩らせ、運命に抗うなんてことは、絶対にしない。自分が今いるのは、現実。彼女が今直面しているのも、現実。全ての運命が、現実という枠組みの中で成り立っており、それぞれの物語を作っているのだ。それに抗うなんていうことは、絶対に——。
だって、そんなの格好悪くて、自分には重たすぎるから。
「女なんかにキョーミねぇよ」
静雄は考えを巡らせながら、吐き捨てるように言った。
キーンコーンカーンコーン......。
チャイムが鳴った。
「はい、授業始めまーす」
教師は教師として、鐘の音とともに授業を開始した。
——そう、教師として。
自分は、教師として、彼女に——舞梨に接すればいいだけだ。無駄な干渉は避けるべきだ。
もう、感情に流されたりせず、思考で全ての行動の責任を持とう。
教師は、そう、自分に言い聞かせた——。
- Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.44 )
- 日時: 2011/12/08 21:01
- 名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
〈咲き誇る桜を見ていたのは、君だけじゃなくて〉
その様子を端から見ている者があった。
それの名は——七咲舞梨。かの、片足のない少女だった。
彼女は、人集りの中に入ることもなく、ただ、傍観していた。新しくできた友達も皆、あちらに出払ってしまっている。
別に、悲しいとも、寂しいとも思っていない。自分の意志で、この場に留まっているのだ。
ただ。少しだけ、平和島静雄という風変わりな教師——自分の担任の人気振りを見て、嫉妬とも寂しさとも、なんとも言えない感情に駆られていた。それでも、ただ、見ているだけ——。
「七咲さん。ちょっといいかな?」
横から声をかけられた。大分前からそこにいたのだろうが、様子を伺っていたようだ。
立っていたのは、同じクラスの——
「作花......くん?」
作花林野という少年だった。茶色の髪をショートカットにしており、色白の肌に、その透き通るような瞳が特徴的だ。
クラスの中でももちろん、他クラス、他学年、さらには他校にまでファンがいるほどのルックスをもっており、その完璧な容姿だけでなく、非常に勤勉で、性格も良い......という、好少年なのだ。だからといって、キザな印象は受けず、むしろ初心な可愛い少年だ。
舞梨にも、入学式の時から気を遣っていてくれた。
それがありがたく、彼に対して人間的な好意をもっているのも確かだ。
「林野でいいよ。......僕も、舞梨ちゃんって、呼んでもいいかな?」
彼は、優しさのにじむ声で尋ねる。はにかんだときにみせる、白い歯が眩しい。
「うん、わかった」
自然と彼女も笑みがこぼれる。
「どうしたの?」
自分の横の席に座り始める少年に、どうしたものかと声をかける。
「ん? えと......僕、さ。えっと......」
すると、彼は口ごもりそのうち声が聞こえなくなってしまった。
そんな彼を困惑の顔で見ていると、真っ赤な表情になった彼ははにかんで、
「舞梨ちゃんのこと、気になってたんだ」
ポツリと言った。
「ほぇ......? 私、なにかした?」
舞梨は、ぽかんと口を開ている。
「えと、初めて会った時から、可愛いなって......。なんというか、守ってあげたくなるというか......うん」
彼の顔は耳まで真っ赤になっている。
すると、ぽかんとしていた舞梨の顔もみるみるうちに赤くなっていく。
「え、えと......」
恥ずかしさで、手で顔を覆う。
「よかったら、だけど......。僕に、君を、舞梨ちゃんを守らせてくれないか?」
それに追い打ちをかけるように、さらにこっ恥ずかしいセリフをはく。
「え、えと......ありがと、です。でも、私、強い子だから、大丈夫です......」
舞梨は、愛の告白をそれとなく有耶無耶にした。
「やっぱ、可愛い......。
舞梨ちゃん、僕、君が振り向いてくれるまで諦めない。絶対に僕のものにしてみせるから!」
そう宣言して去っていった、林野。
辺りからは、拍手と歓声が起こっていた。
それを、遠目で見つめる影が一人——。それはとてもとても、哀しい——。
- Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.45 )
- 日時: 2011/12/08 21:03
- 名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
【新キャラ紹介。】
●作花林野(さっか/りんや)
・イケメン。取り敢えず、モテる。
・かなり一途。
・優しすぎる性格で、人を傷つけるのを嫌う。
・小柄で、照れ屋。可愛い印象。
- Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.46 )
- 日時: 2011/12/10 12:40
- 名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
〈呪いをかけます。この、桜の木に〉
「......」
放課後の桜の木の下。
珍しく、舞梨は人を待っていた。
その人とは——もちろん、平和島静雄。放課後、ここで他愛もないお喋りをするのが日課となりつつあった。
だが、今日はいつもとは違い——一向に、静雄の姿が見えない。そもそも、舞梨が待つというのが、おかしい。彼のほうが早くここに来て舞梨を待つ、それがいつものことなのだ。
その『いつも』とは違った異様な様子に、それとない不安を感じていた——。
「来ない、な......」
その時から少女は、もう教師が来ることはないと解っていたのだろう。その顔は、いつもの晴れ晴れした表情とは違って、曇っている。そして少しだけ、どうして——と動揺の色が。
そもそも、あの教師は、自分にとってどういった存在だったのだろうか? 確かに、自分は生徒で彼は教師。その枠組が変わることはまずない。だが、あの教師が自分に深入りしすぎていることも、自分があの教師にそれとなく好意——特別な感情を抱いているのもまた事実。そして、それが赦されないことであることも重々承知している。それでも、授業中、休み時間、そしてこの放課後、夢の中、更には折原臨也と居る時でさえ——静雄のことを考えてしまっている。
「せんせは、せんせ。ひぃ、わかってる。でも......ひぃ、せんせ、好き」
独り、ポツリと呟く。
そう。——好き、なのだ。それも、人間として、ではなく、一人の男として。
それも、一目惚れ。初めてここで会った時から、ずっとずっと......。
それなのに、この思いを必死で押し隠そうとしているのは何故か? それは、やはり、生徒と教師という間柄であるから......そういうこともあるのかもしれない。でも、それより——。
「ひぃ、お兄ちゃんがいる。お兄ちゃんは、ひぃのこと、好き。ひぃも、お兄ちゃんのこと、好き」
自分が、折原臨也と一緒にいなければならないという、十字架。
自分が、二人の男を好いているという事実を認めたくないという、いやらしい考え。
その、自分のエゴを解っているからこそ、好きだなんて言えないのだ。
「せんせ。ひぃのこと、どこか遠くに連れってって......」
桜の木に話しかける。
——どこか遠くへ行きたい。誰の目もなく、何の責任に縛られることもなく、ただただ、彼だけを愛して......。
「家。帰りたくない......」
「せんせに、好きって言って欲しい。......言いたい」
「せんせと、いっぱいいっぱい幸せに暮らしたい」
「お兄ちゃん、ひぃのこと、嫌いになってよ......」
——どうしたら、貴方は私のことを嫌ってくれますか?
「お兄ちゃんのこと、傷つけちゃえば嫌いになってくれる?」
まるでそれは呪いのように——冷たく、ぐるぐると渦巻いた——。
- Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.47 )
- 日時: 2011/12/13 20:44
- 名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)
〈総てを諦めて、花びらを攫もうというのなら〉
もう、生徒と教師という枠組の中でしか、彼女に干渉しない。
絶対に、感情に流されたりしてはいけない。理性をもって動くべきだ。
——さっき、そう自分に言い聞かせたはずなのにこの足は今にも動き出そうとしていた。
彼女のことを考えるだけで、彼女の姿を見ているだけで、胸が苦しくなる。......罪悪感と、赦されぬ恋心で胸が押しつぶされそうになる。
俺は、放課後、あの木の下にはいかず——彼女がいると知っていながら、職員室で珍しくきちんと仕事をこなしていた。
俺がちゃんと仕事をしているのがそんなにおかしいのだろうか? 同僚の教師たちは、皆が皆俺に奇怪な視線を浴びせてくる。
それに耐えられなかったのもあって、俺は逃げ出していた。
「はあ......はぁはあ......。クソッ......」
壁に突き刺さった拳がズキズキと痛む。壁もへこんでいた。
......これじゃ、前までの俺と同じじゃねぇか......。
なにか気に入らないことがあると、すぐに物に当たる。そして、気が済むまで暴れ続ける——否、自分の気が済んでいても、身体の暴走が止まってくれない。
「......舞......梨......」
——こんなにも好きなのに、奪い去ることができない。
......違う。怖いのだ。
——自分自身のモラルを失ってしまうことが。元の、自分に逆戻りしてしまうことが。
それに、どうしようもない憤りを感じて思わず物に当ってしまう。
「好き......。好きだ......」
——心臓がバクバクして、止まんねぇ......。
——好きって気持ち、止まんねぇ......。
今すぐ、彼女を抱きしめて、好きだといって、どこかに逃げ出して、自分だけのものにしたい。
「ひら......りッ」
自分でも馬鹿だと思う。
人生のうちで恋愛なんてどうでもいいこと。まさか、自分がそれに溺れてしまうとは思ってもみなかった。
——どうしたら、いいんだよ......。どうしたら、好きって気持ち、収まるんだよ。
「......ぁ......」
俺はこの時、選択を誤ってしまったのかも知れない。大きく道を踏み外したのかも知れない。
それでも、ひとつだけ——ひとつだけ、彼女のそばにいられる方法、それを見つけたから......。
——今、俺は、自分のモラルに縛られることをやめた。
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