二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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デュラララ!!【只今、番外編執筆中】
日時: 2011/11/23 20:36
名前: 絆(ほだす) (ID: Pvby2f.0)

ほだデス(_^_)

今回は、デュラララに挑戦してみましたw
シズちゃんメインです!

私的にシズちゃんは、
強いけど弱くて、ぶっきらぼうだけど優しくて、ってイメージがあるので
そこを上手く表現できたらなぁ〜と思います^^

キャラ崩壊とか、オリキャラ入れたりとかあるので
ダメ×な方は読まないほうがいいかもです(^_^;)

でわでわw

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Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.38 )
日時: 2011/12/04 21:12
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)

〈涙色の桜〉
 
 
 早速の授業を終え、時計の針は放課後の時刻を指していた。
 「......ガッコ、どうだった?」
 静雄は、桜の木の下で彼女に問うた。
いつの間にやら、ここは二人の定番の待ち合わせ場所になっていた。舞梨が来れば静雄はいたし、静雄が来れば舞梨はいた。
ただ、前者の場合は殆ど無く、大抵は後者の場合だった。それは、静雄が彼女と話ができるのが楽しみで楽しみで早めにここに来てしまうからだ。
 「楽しいですよ。お友達もたくさん出来ましたし、男の子も女の子もみんなみんな親切にしてくれます」
 頭に降り積もる桜の花びらを払いながら、にっこり笑って静雄の質問に答える。
 「——そっか、」
 一時の沈黙が静かなこの瞬間をさらなる静寂へと導く。
 クラスでうまくいっている、ということに安堵したと同時に、あの時と同じ——彼女が暖かい拍手を送られた時と同じ——あの、気持ちになった。少し、表情を曇らせる。
 ——解っている。嫉妬しているのだ。
 そんな自分が情けなくて——頭をブンブンと振る。
 「そういや、お前」
 沈黙が、破られた。
 「どうやって、暮らしてるんだ? 一人暮らしか?」
 静雄は、問う。
 ——すると、舞梨は少しだけ悲しそうな表情をみせた。その表情からは気のせいか怯えの色が見て取れる。
 「......ううん。いとこの......いとこの大きいお兄ちゃんと暮らしてるの」
 静雄は肩を震わせながら話す彼女の様子に眉をひそめた。
 「......何か、怖いこととかされてんのか?」
 何気なく、聞いたその一言に舞梨はぴくりと反応した。
——やはり、なにかあるのだろうか? 静雄は、虐待の可能性をまっさきに考えた。......が、その可能性はすぐに否定された。何しろ、彼女には虐待による痣などの傷跡が見受けられないからだ。否、虐待されている、というよりむしろ——。
 ......大切に、されすぎている? そんな考えにたどり着いた。
そう。大切にされすぎている——。
その表現が誇大妄想ではないほど、彼女の体の状態は人形のように綺麗だ。肌は触るとすべすべしていて、雪のように白い。つややかな黒髪も手入れが行き届いているのだろう、本当に人形のようだ——。
 「......怖いことはされてない、けど——」
 舞梨は、一時の沈黙の後重い口を開いた。
 「お兄ちゃん、ひぃのこといっぱい大事にしてくれて......。ひぃのこといっぱいいっぱい愛してて、ひぃもお兄ちゃん大好き。だけど、ひぃの家族、死んじゃって......」
 ——すると、そこで彼女のか細い声は途切れ、泣き崩れてしまった。
 「ひ、舞梨?! どうした?」
 いきなりの出来事に驚き、静雄は訳もわからず彼女の狭い背中をさする。
 「......っく......めんなさ......ひぃ、こんなことッ......人にはなしたことなくってッ......ごめん、なさい......」
 彼女のなく姿に必死に、大丈夫だ、と声をかけながら静雄はさっきの舞梨の発言に首をかしげていた。
 ——何で、家族が死んだ話が出てくんだ?
 ——何で、大事にしてもらってんのに、泣くんだ?
 「舞梨、本当のこと教えてくれ——、」

  
 

Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.39 )
日時: 2011/12/04 21:34
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)

〈散らない桜なんて〉

 「舞梨、本当のこと教えてくれ。俺、お前の全部が知りたいんだ」
 頭に降り積もる桜の花びらを気にもせず、静雄は真実だけを少女に求める。その瞳には、同情の色も、哀れみの色も無かった。ただ、真実だけを追い求め、何か自分にできることはないのだろうか、と必死なっている、そんな顔だった。
 「ひぃッ......えっと......あの、ね......」
 そんな、彼の本気の色が見えたのか、嗚咽混じりの小さい声で、彼女は話し始める。
 「おにいちゃん、ね......ひぃのこと、好き、なのッ......。
それでねッ、ひぃのこと愛してるから......ひぃの家族、殺しちゃった、の......。
えとッ、交通事故じゃなくて......おにいちゃんが、手を回してた、の。
警察は、そんなの......しらなくって......ただの、事故だって。でも、ひぃにはわかる......絶対おにいちゃんが......」
 舞梨だけ、欲しかった——? だから、家族が、邪魔だった——? 自分が一番そばに居たいから——?
静雄だって、彼女の一番そばに居たいと思うし、今だって、すごく欲しいと思う。それでも、家族とは違った形で、近くなれたら——特別な存在になることができたらいいなと思う。
 「お前、知ってるのになんでそれ、言わないんだ?」
 「ひぃ、おにいちゃん、好きだから......。それに、愛されちゃったひぃが悪いんだよ......」
 彼女のそう語った瞳には、諦めの色——罪悪感が見えた。
 「私、ずっとお兄ちゃんのそばに居なきゃ。でないと、皆が死んだ意味が無いよ。
私が、ずっとそばに居なきゃ、誰ひとりの願いも叶えられないよ」
 まるで、ずっとこの罪をその男と償っていくと言わんばかりに。
 贖いこそが彼のそばにいる意味——自分が生きる意味であることのように。
 「ごめんなさい、せんせ。私、悪い子です。叱って下さい」
 そういって長々と語った彼女の目に浮かぶ涙は、とうの昔に枯れていた。


 

  

Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.40 )
日時: 2011/12/04 22:43
名前: 雛林檎 (ID: xy6oYM/9)

か、悲しい…(泣)
本気で心に来る…凄いです。
涙は流しすぎて枯れたんでしょうか。
本当、私もこんな風に書けたらいいのに…
ほだすさん、本気で作家目指してみてはどうでしょう?

Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.41 )
日時: 2011/12/07 18:38
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)

雛林檎さま。

ありがとうございます^^
作家......憧れますよね。
これで作家になれるんだったら、誰でもなれますよ((藁
まだまだ、上手な人はたくさん居ますから。

コメントありがとうございました(._.)

Re: デュラララ!!【只今、番外編執筆中】 ( No.42 )
日時: 2011/12/07 19:17
名前: Chaos;ほだす ◆w6bR1QqEtU (ID: Pvby2f.0)

〈悲しい、悲しい、夜桜〉
 
 静雄は、舞梨と別れた後、足早に職員室の自分の席に戻った。それは、調べたいことがあったからであり、もちろん彼女についてのことだった。
焦りで、なかなか思い通りに動いてくれない自分の手を必死に動かして、引き出しの中『七咲舞梨』についての資料全てを取り出す。
別に、焦る必要はないのだが、あんなに衝撃的な話を聞かされてしまった後では、冷静に動けるはずもない。
 そして、その中の一枚——。
 住所、連絡先など彼女の個人情報について記載されている資料に目がいき、そして——絶句した。
 「......嘘だろ、」
 そう。——後見人、折原臨也のという内容を見て。
 オリハライザヤは、静雄もよく知る人物だ。新宿で情報屋をやっており、とにかくぶっ飛んだ人格の人間だ。静雄とは高校時代からの中で、出会った瞬間ナイフで切りつけられるというレアな体験をしてしまい、その日のうちに殺し合いの喧嘩もした。それ以来、奴に心を許したことはないし、もちろん仲が良かったという経験は無い。
 ——いわば、犬猿の仲だ。
 「......なんで、ノミ蟲の野郎がッ......」
 臨也なら、やりかねない。裏で手を回し、人を死に追いやることなど。
疑っているのではない。信じたくないのだ、この事実を。
 誰よりも彼女の側にいて、誰よりも彼女のことを解っていて......それが、よりにもよって折原臨也であるということを——信じたくなかった。
 「これからアイツは......舞梨は、普通に大学行って、就職して、好きになった奴と恋して、結婚して、子供産んで、家庭作って、幸せになってくんだ。
それなのに......。なんでお前は、それの邪魔......すんだよッ......」
 その声には、怒りの色が見て取れた。
 「俺が、俺が絶対、幸せにするって......ッ」
 ——いつの間にやら、部屋は暗がりに堕ちていた。


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