二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ポケットモンスターBW *道標の灯火*
日時: 2020/09/15 16:16
名前: 霧火# (ID: HEG2uMET)

初めまして、霧火と申します。

昔からポケモンが好きで、今回小説を書こうと思いました。
舞台はポケットモンスターブラック・ホワイトの世界です…と言っても舞台はゲーム通り
イッシュ地方ですが、時間軸はゲームの【数年前】でオリジナル・捏造の要素が強いです。
そして、別地方のポケモンも登場します。Nとゲーチスは出ないかもしれません(予定)。


!注意事項!
   ↓
1.本作のメインキャラは【最強】ではありません。負ける事も多く悩んだりもします。
2.書く人間がお馬鹿なので、天才キャラは作れません。なんちゃって天才キャラは居ます。
3.バトル描写や台詞が長いので、とんとん拍子にバトルは進みません。バトルの流れは
 ゲーム<アニメ寄りで、地形を利用したり攻撃を「躱せ」で避けたりします。
4.文才がない上にアイデアが浮かぶのも書くペースも遅いため、亀先輩に土下座するくらい
 超鈍足更新です。
 3〜4ヵ月に1話更新出来たら良い方で、その時の状態により6ヵ月〜1年掛かる事があります。
 申し訳ありません。


新しいタイトルが発表されてポケモン世界が広がる中、BWの小説は需要無いかもしれませんが
1人でも多くの人に「面白い」「続きが気になる」と思ってもらえるよう精進致しますので、
読んでいただけたら有り難いです。

**コメントをくれたお客様**

白黒さん パーセンターさん プツ男さん シエルさん
もろっちさん 火矢 八重さん かのさん さーちゃんさん

有り難うございます。小説を書く励みになります++


登場人物(※ネタバレが多いのでご注意下さい)
>>77

出会い・旅立ち編
>>1 >>4 >>6 >>7 >>8 >>12 >>15
サンヨウシティ
>>20 >>21 >>22 >>23
vsプラズマ団
>>26 >>29 >>30 >>31
シッポウシティ
>>34 >>35 >>39 >>40 >>43 >>46 >>47 >>48 >>49 >>50 >>51 >>52 >>55 >>56
ヒウンシティ
>>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>71 >>72 >>75 >>76 >>78 >>79
ライモンシティ
>>80 >>82 >>83 >>88 >>89 >>90 >>91 >>94 >>95 >>98 >>99 >>100 >>101 >>102 >>103 >>106 >>116 >>121 >>122 >>123 >>126 >>127 >>128 >>130 >>131 >>134 >>137 >>138 >>141 >>142 >>143 >>144 >>145 >>148
>>149 >>150 >>151
修行編
>>152 >>153 >>155 >>156 >>157 >>160 >>163 >>166 >>167 >>168 >>169 >>170 >>171 >>173 >>174 >>175 >>176 >>177 >>178 >>180 >>182 >>183
>>185 >>187


番外編(敵side)
>>188

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Re: 14章 残された物 ( No.30 )
日時: 2020/06/25 15:10
名前: 霧火 (ID: HEG2uMET)

「俺達のポケモンはまだ残っている。大人しくポケモンを返して捕まりな」

アキラの言葉にリオがリュックからロープを取り出す。
それを見て、プラズマ団の1人が嫌らしい笑みを浮かべた。


「《穴を掘る》!」
「「!?」」

動けないと思っていたドッコラーが突然飛び上がって地面の中に潜ると、あっという間に
人が通れる程の穴を掘り起こした。

驚愕するリオ達に、男は得意気に口を動かす。

「ふははは!油断大敵とは正にこの事!地面に叩き付けられる際、角材を盾にしてダメージを軽減したのだ!
 ドッコラーは動かなかったのではない、気絶したフリをしていただけなのだっ!!」
「なっ……!?」

リオはプラズマ団の言葉に目を見開く。
バトルは正々堂々行うものだと思ってきたからこそ、「気絶したフリ」などという手を使われるとは
思わなかったからだ。

「見事な戦いぶりだった。しかし、まだまだ詰めが甘いな。戦闘不能が確認されるまで
 ドッコラーを攻撃していれば、我等に逃げる機会を与える事は無かった」
「……気絶したフリをする狡賢い連中に詰めが甘ぇとか言われる筋合い無ぇよ」
「正論だな」

プラズマ団の1人は静かに笑うと、バトル中リオとアキラからは確認出来ない場所に移動されていた
檻を持って来た。
檻の中のチラーミィに怪我が無いのを確認して安心していると、プラズマ団は檻を中央に置いた後
小さな鍵をアキラに投げ渡した。
予想だにしなかった行動に片方のプラズマ団は勿論、リオ達も驚く。

「檻の鍵だ。ポケモンも今回は返すとしよう」
「何やってんだよ!?折角ここまで頑張ったのに!」
「我等は勝負に勝った。しかし試合には負けた。バトルに負けたらポケモンを返す
 約束だったからな。我等のバトルの申し出を無視して力づくで檻を奪還せずに、正々堂々バトルで
 取り戻そうとした相手には、敵であっても敬意を払い最低限の約束を守るのは当然だ」

噛み付く仲間を宥めているプラズマ団を呆然と見つめるリオ。
一方アキラは掌にある小さな鍵をじっくり観察して、口を開いた。

「……これが偽物の鍵の可能性は?」
「疑うのは自由だが、ヒトモシとイーブイなら時間を掛ければ檻は壊せるだろう。
 困難なら大人の力を借りれば問題は無い」

淡々と答えるプラズマ団にアキラは言葉を失う。
代わりに溜め息を吐いて口を開いたのは片方のプラズマ団だった。

「……もう良い。次会った時はバトルも我々が勝つ!我はサパス!覚えておけ!」
「我はマアト。成長したお前達と再び戦う日を楽しみにしている。さらばだ」
「!待ちやが 「アキラ」 何だよリオ!止めるなよ!」

穴に入って逃げた2人の跡を追おうとするアキラの腕を掴む。
それに苛ついたアキラはリオの手を振り払って怒鳴るが、リオは諭す様に口を開く。

「盗まれたポケモンを取り返す。それが私達の最大の目的だったはずよ。腹が立つのは分かるけど、
 深追いは禁物よ」
「……っ、そう、だな。チラーミィは返って来たんだ、じっちゃん家に戻ろう」

アキラはチラーミィを檻から出してリオに笑いかける。
その笑顔は強張っていて、リオはそんなアキラの手を取ってハジ達の家へ歩きだした。



「ありがとうよ2人共、チラーミィを取り返してくれてっ……」
「でも、肝心の悪党には逃げられちまった……」

ハジは俯くアキラの肩を叩く。


「良いんじゃ。わしはチラーミィと、アキラとリオちゃんが無事に帰って来てくれただけで嬉しいのだから」
「じっちゃん……」

優しく微笑むハジに、リオもアキラも目頭が熱くなる。
そんな2人を見た後、ハツが徐に奥の部屋から籠を持って来た。

「これはわし等からのお礼じゃ、受け取っておくれ」

中にはタマゴが2つ入っていて、リオが覗き込むとカタリ、と脈打つように動いた。

「ポケモンのタマゴ!良いんですか?私まで貰っちゃって……」
「勿論じゃ。リオちゃんとアキラが貰ってくれるなら、わし等もタマゴも本望じゃよ」
「……サンキュー、じっちゃん、ばっちゃん」
「私、この子の事、大切に育てます!」

嬉しそうにタマゴを抱き寄せるリオと照れ笑いをするアキラに、ハジ達は今日1番の笑顔を見せた。


┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼


日が暮れ辺りも暗くなったので、リオ達はハジの家に泊まる事となった。
育て屋のポケモン達と一緒にお風呂に入ったり、ハジ達から昔話を聞いたり……
楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。


「ふぁ〜あ……」

アキラが歯磨きを済ませ、いざ寝ようと廊下を歩いていると、窓の外を見ているリオが居た。
傍らにはヒトモシとシビシラスの姿もある。

「どうした?」
「……ん。月が綺麗だなーって思って。ちょっと夜風に当たって来ても良い?」
「別に構わねぇけど……あまり遅くまで出てんなよ?体冷やすからな」
「ありがと。じゃあ行ってくる」

肩から掛けていた毛布でタマゴを優しく包んで抱えると、リオ達は夜の道路へと飛び出して行った。

「──って、タマゴもかよ!?……まぁ、毛布に包んでっから大丈夫か」

静かに突っ込みを入れてアキラは自分の寝室へと向かった。


風で草むらが波の様に揺れ、雲一つ無い夜空を月が明るく照らしている。
湖の水面には月が逆様に映り、水辺のポケモンが動く度に月が形を変える。
そんな幻想的な風景に、リオもヒトモシ達も魅入っていた。

「自分の家から見る景色も好きだけど、アキラの家から見る景色も新鮮で綺麗ね……」
『モシ……』
『♪』

美しい情景に魅せられたのはリオだけではないようで、野生のポケモン達がリオの近くに集まり、
同じ様に月や湖を見つめていた。

しかしリオは特に気にせず、持って来た毛布でヒトモシとシビシラスを包む。


ピチャン……


湖に影が落ちた。
不思議に思いながらヒトモシ達から視線を外し、湖を見る。

「貴方は……」

そこでリオは目を見開く。
水面に立っていたのは、旅立ちの日に出会ったあのポケモンだった。

『……』

ポケモンは1歩、また1歩とリオへと近付く。
それに呼応する様に、首から下げている水色の毛が強く光りだす。

歩き続け、リオとの距離が3メートル程になった所で歩みを止める。
ポケモンは毛布に包まれたヒトモシとシビシラス、タマゴを交互に見つめ──最後にリオを見る。

「あ……」

ポケモンは嬉しそうに目を細めた。
その優し気な瞳に、リオはそのポケモンから目を離せないでいた。

そんなリオの掌にポケモンは何かを落とすと、その場から去って行った。

「あの子は一体……」

リオは残された赤い毛を手に取る。


「……これは驚いた」

リオが驚いて後ろを振り返ると、ブラシを手に持ったハジが立っていた。
ポケモン達のブラッシングをしていたのかと思いつつ、リオはハジに近寄る。

「ハジさん、あの子の事知ってるんですか?」
「うむ。1度だけ遠目で見た事があるが、まさか生きているうちに、また姿を拝めるとは……
 リオちゃんは会うのは初めてかの?」
「いえ……私、あの子に会うの今日が初めてじゃないんです」

リオは先程のポケモンと最初に出会った時の事を話した。
ハジはリオが首から下げている水色の毛と、手に持っている赤い毛を見て目を閉じる。


「ハジさん?」
「……リオちゃんになら話しても良いじゃろうな。わしの知っておる限りの、ケルディオの事を──」



一陣の風が2人の間を駆け抜けた。



久々のあとがきです。
リオ達はバトルには勝ちましたが勝負には負けてしまいました。
でもチラーミィは無事だしタマゴも貰えたので、まぁ問題ないでしょう。
そして、謎のポケモンの名前が明らかになりました。気付いてた方も居らっしゃるかと思いますが^^
それでは次回もお楽しみに!

Re: 15章 救世主と幼き獣 ( No.31 )
日時: 2020/07/07 23:05
名前: 霧火 (ID: HEG2uMET)

「ケルディオ……それがあの子の名前なんですか?」
「左様。わしの家系に伝わる昔話をしようか」


┌─────────────────────────────────────────────┐ 


 人間が始めた戦が元で、木々が焼けてしまった時、1匹の幼く、弱き獣が親と逸れてしまった。


 『親が居なければ、この獣は生きて行けない』


 そう思った救世主達は、その幼い獣の親となり師となり、生きる為に必要な物を伝えた。

 やがて幼き獣は救世主達をも凌ぐ程の力を身に付けた。


 しかし……ある時、獣は救世主達の前から姿を消した。


 何故獣は姿を消したのか、今何処に居るのか、私達に知る術は無い。

 だが、獣は綺麗な水辺や、綺麗で強く真っ直ぐな心を持つ者の前に、時折姿を現す事があるという。



 獣の名は【ケルディオ】──美しい水晶の尾と運命を切り開く角を持つ若き王。


 自然と仲間を愛し、強く真っ直ぐな心を持ち続ければ、ケルディオは姿を現してくれるだろう。


└─────────────────────────────────────────────┘


「──これが、わしが知るケルディオの全てじゃ」
「この救世主達って……」
「分からぬ。少なくともポケモンである事は間違いなかろう」
「綺麗な水辺に姿を現す、か。だから私の家の傍の川とアキラの家の前に現れたのね」

リオが今まで会った場所を思い出し納得していると、ハジが柔らかく微笑んだ。

「……確かにケルディオは美しい水辺に現れると言われておる。
 しかし、わしはリオちゃんと出会っているのが、偶然水辺だっただけの気がするのう」
「えっと、どういう事ですか?」
「言ったじゃろう。ケルディオは綺麗で、強く真っ直ぐな心を持つ者の前に現れる、と」

疑問符を浮かべていたリオだったが、ハジの言葉で思考が停止した。
「正にリオちゃんにピッタリじゃな」と、笑顔で言うハジに、リオは我に返る。

「わ、私、全っ然!そんな心の持ち主じゃないです!!」

怪我をすると、目に涙を溜めた母にもう少しお淑やかにする様に言われた。
自分の意見を言うと、冷ややかな目をした姉に我儘で生意気だと見下ろされた。
強がると、真剣な目をした幼馴染にもっと素直になって頼ってくれと強く手を握られた。

救いと温もりを求めた手を握って救い出してくれた人達の言葉に頷かず、口答えしておいて
簡単に心が揺らぐ臆病な子供が……


綺麗で強くて真っ直ぐな心を持っている筈が、無い。


「やっぱり心がどうとかじゃなくて、運良くケルディオに会えたんですよ。綺麗な心の持ち主は
 ハツさん、強くて真っ直ぐな心の持ち主はハジさんが頭に浮かびましたし」
「はは、世辞でも嬉しいもんじゃ。しかし……」

そこで言葉を切り、ハジはリオの掌にある赤い毛を見つめる。

「やはり、ケルディオはリオちゃんに会いに来たんじゃろう」
「えっ」

破顔するハジにリオは困惑する。

「人間の本質は自分では分からぬ物じゃよ。リオちゃんが自分を卑下しても、ケルディオはリオちゃんを
 認めておる」
「で、でもハジさんも認められているからケルディオに会えて、」
「わしは偶然に2度、遠目でケルディオの姿を確認しただけにすぎんよ。そもそも、幻のポケモンと
 伝説のポケモンは基本的に自分の痕跡を残さないんじゃ。しかしケルディオは何度もリオちゃんの
 前に現れて、こうして自分の毛を残しておる。自分の住処を壊し、親と離れ離れにさせた……
 最も恐れ、憎んでいるやもしれん人間に、じゃ」

ハジはそこで話を止めてリオの手を優しく包み込む。
リオの手は夜風に吹かれていた所為で、氷の様に冷たかった。

「自分に自信を持ちなさい、リオちゃんや。君はケルディオに好かれ認められた、唯一の人間なのだから」
「……はい」


水色の毛と赤色の毛を見つめ、リオは静かにはにかんだ。


┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼   ┼


「じゃあ、そろそろ俺達行くな!」
「泊めてくれて、ありがとうございました!」

日が昇り、朝食を済ませたリオ達はタマゴを抱えてハジ達に向き直る。
そんな2人にハツは寂しそうに眉を下げる。

「おやまぁ……もう少しゆっくりしてっても良いんじゃぞ?」
「無茶を言うでないばあさんや。リオちゃんもアキラも忙しいんじゃから」
「そんな悲しい顔すんなよ、ばっちゃん。折角の美人が台無しだぜ?強くなって、もっともっと
 良い男になったらまた会いにくるからさ」

(流石……)

年齢問わず女の人に優しくする幼馴染に、最早脱帽の域である。
ハツの手を壊れ物を扱う様にふんわりと握り、顔を近付けてにっこりと満面の笑顔を見せるアキラを
口を開けてぽけーっと見るリオの足元には、同じ様な目でアキラを見つめるイーブイが居た。


それから10分後。
ハジ達に別れを告げて次の街に向かって道路を歩いていると、不意にアキラが「そういえば」と呟いた。


「なぁ、昨夜じっちゃんと何話してたんだよ?」
「……ヒミツ」

リオはアキラの質問に顔を背ける。
昨夜の話の後、ハジにケルディオの事は無闇に話さない様に釘を刺されたからだ。
例え幼馴染で親友のアキラでも、ケルディオの事は教えられない。

「何だよ、勿体振らずに教えろって!」

しかし納得出来ないのか、アキラは頬を膨らませると肩を抱いてきた。
歩き辛い上に、先程のハツ以上にぐぐっと顔を近付けるアキラにリオは至極面倒臭くなり、
答えられる範囲で昨日の出来事を教える事にした。
リオが立ち止まると、アキラと、2人の前を歩いていたイーブイが止まった。

「綺麗な月の下、湖を見ていたらハジさんに出会って……とても情熱的な言葉を貰ったわ」
「ん?えっ?……はあぁっ!?」
「熱い言葉と手の温もりに心が温かくなったわ」

胸に手を当てて小さく息を吐くと、アキラがよろよろと後退った。
何故か顔色が少し悪い。

「どうしたの?」
「な、んでもねぇよ」
「分かった、身内を巻き込んだ悪趣味で下手糞な嘘だと思ってるんでしょう?言っておくけど
 嘘じゃないわよ」
「…………分かってる。ところで、ど、どんな事を言われたんだよ」

ハジから貰った言葉は多いが、ケルディオの事を抜きに選ぶとするなら——


「もっと自信を持ちなさい、だってさ」

自分を勇気づけてくれたハジの言葉を、アキラの目を見て伝える。
きょとんとするアキラに笑い、リオは自分達を見上げるイーブイに目配せすると、一緒に駆け出す。

数秒遅れて追い掛けて来るアキラから笑顔で逃げるリオのネックレスには、水色の毛の隣に
赤色の毛が付けられていた。



今回はいつもに比べると、本文が大分短くなりました。
でも自分が書きたかった事は書けたので、満足しています。終わりがイマイチなのがアレですが←
尚、ケルディオについては公式でまだ出てないので、捏造部分があったりします。
(心が綺麗な人の前に現れる、若き王など)
今回伝えたかったのは、リオがケルディオに会っていたのは偶然じゃなく、
ケルディオが自らリオの前に現れていた、という事と
リオの事、ケルディオは凄く気に入ってるんだよ!……という事です^^

ちなみに今まで書きませんでしたが、ハジはカントーのシオンタウンに居る
フジ老人とは兄弟関係だったりします。フジ老人もポケモンを引き取ったり、
育て屋(?)みたいな事をしていたので……なので名前も、フジに似たハジというややこしい名前です。

長くなりましたが次回、シッポウシティに到着、そしてあの人と再会します。
それでは次回もお楽しみに!

Re: ポケットモンスターBW 道標の灯火 ( No.32 )
日時: 2011/11/04 20:20
名前: もろっち (ID: e5UV9RVW)

久しぶりに来てみました!!
ケルディオですか…。ふさふさでかわいいですよね♪
頑張ってください応援してます

Re: ポケットモンスターBW 道標の灯火 ( No.33 )
日時: 2011/11/05 23:03
名前: 霧火 (ID: KkB6tonB)

もろっちさん

ケルディオ可愛いですよね^^
思わず抱きつきたくなる可愛さだと思います。でも下手したら刺さるので注意が必要です(角的な意味で

早かったり遅かったり、かなり更新スピードが不安定ですが、なるべく
「1日も早い更新」を目指して頑張っていきますね!
応援有り難うございます^///^

Re: 16章 シッポウシティ 母、登場! ( No.34 )
日時: 2020/07/07 23:57
名前: 霧火 (ID: HEG2uMET)

シッポウシティ。

シッポウの語源は7つの宝物から来ている。
100年前の倉庫は今や家やアトリエなどに再利用されていて、エコで芸術の街としても有名である。

「このシッポウシティには女性に人気のお洒落なカフェがあるんだ。その名も【カフェ・ソーコ】!」
「随分詳しいわね」
「女の子が好きなスポットは大方調査済みさ」

髪を掻き揚げて得意気に片手でパンフレットを広げて見せるアキラ。
右肩に乗っている相棒のイーブイに呆れた眼差しを向けられているという事に、
果たして彼は気付いているのだろうか。

「因みに1番人気は涼し気で可愛らしい丸いガラスの容器に入ったメロンソーダと、小さくひし形に
 カットしたウタンの実と生クリーム入りのメロンゼリーが入った、ユニランソーダらしいぜ」
「ユニランソーダ……」

(まさか本当にユニランが……なんて事は無いわよね?)

そんな会話をしながら歩いていると、丁度カフェの前に着いた。

「なっ、喉も渇いた事だし入ってみようぜ」
「そうね」

(ポケモンセンターでタマゴを入れる専用のケースを貰えたけど、ずっとケースに入れたまま
リュックの中…っていうのもタマゴが可哀想だし、休憩がてらタマゴを拭きたいわね。
温かいおしぼりを幾つか貰えたら最高なんだけど)

「ん?」

そんな事を考えながらリオが何気なくテラスを見ると、アコーディオンを演奏する男の人の横で
優雅に紅茶を飲む1人の女性に目が行った。
白い帽子を被り、背中まである金色の柔らかい髪、レース付きの白いワンピースを着た姿は上品で、
宛ら貴婦人のようだ。

リオは同性ながらその美しさに(後ろ姿だが)見惚れていたのだが……

女性が紅茶を置いて振り返る。
そして、リオ達の姿を見て嬉しそうに立ち上がった。

「リオ〜!アキラ君〜!」

手をブンブンと横に振ってリオ達の名前を呼んだのは、

「お母さん!?」

リオ達のよく知る、リオの母親・リマだった。

「うふふ、まさかこんなに早く2人に会えるなんてね〜お母さん、嬉しいわ」

(家を出て、まだ1日ちょっとしか経ってないんだけど……)

思わず突っ込みそうになるリオだが、本当に嬉しそうなリマを見て口を閉ざした。

「俺もリマさんに会えて嬉しいです。ところで、リマさんはどうしてここに?」
「ここのお茶もお菓子も凄く美味しいから、時々こうしてお茶しに来るの♪お爺ちゃんには
 ナイショよ?」

口に人差し指を当ててウインクするリマに悶えるアキラを小突き、リオはリマの隣に座ろうとした。


──その時、テラスに大きな影が落ちた。

「あら?」

逸早くその影に気付いたリマが空を見上げる。
空には羽を広げたポケモンが居て、その背には人が乗っている。

「やっと見つけたわ!」

ポケモンの背から軽やかに降り立ったのは、派手な赤いドレスを着飾ったリオの実姉──マオだ。

「お姉ちゃん!?」
「ゲッ、マオさん」

後ずさったアキラをリマは眉間に皺を寄せて睨む。

「才色兼備で、完璧なこの私に向かってその態度とは良い度胸ねアキラ。本来なら今すぐに
 そのダッサイ眼鏡をかち割ってやる所だけど、私は忙しい身だから貴方の言動に、いちいち
 構ってられないの。だから特別に許してあげるわ。寛容な私に感謝する事ね」
「……それはどうも」

(お姉ちゃん、あの格好で旅してるのかしら?でも、旅に出た時はもっと動きやすいワンピースを
着ていったはず……じゃあ、あのドレスは?)

マオの言葉にアキラは顔を引き攣らせ、リオは姉の服装について疑問を抱く。
そんな2人を無視してマオは母親の前に立つ。

「久しぶりね〜旅に出て3年間全然連絡もくれないし、家に帰って来ないから寂しかったけど……
 元気そうでよかったわ〜」
「……母さんは相変わらずね」

リマと話すマオの表情は些か穏やかで、アキラは隣に居たリオに顔を近付けて耳打ちする。

「マオさん、俺達と話してた時と態度違くねぇか?」
「お姉ちゃんはお母さんを凄く尊敬してるからね。お母さんには素直というか…穏やかなの」

リオは姉に気付かれない様に(聞かれたら色々厄介なので)、そっとアキラに耳打ちする。

「……やっぱ俺苦手だわ、マオさん。綺麗な人だけどさ」
「アキラがそこまで嫌うのって珍しいよね」

(確かにお姉ちゃんは自分が認めた人以外に対して辛辣だけど、アキラはそんな人でも
女の人なら許しちゃうタイプだと思ってたのに……)

リオの心を読んだかの様に、アキラはイーブイを撫でながらマオの後ろ姿を見つめる。

「マオさんって完璧主義者でプライドが高いだろ?もし、自分の完璧な部分を壊す
 何らかの綻びが生まれたら……一体どうなるのかと思うと恐くてな」

「そんな、」
「お茶してるとこ悪いけど、母さんに頼みがあるの」

突然のマオの声に驚いたリオとアキラは会話を中断して2人の方を向く。

「うふふ、なぁに?」
「私、これからポケモンリーグに行くんだけど、その前に最後の調整をしておきたいと思ってね。
 だから母さん。私とバトルしてくれないかしら」

マオの提案にリオとアキラは驚愕する。
別にマオがポケモンリーグに挑戦しに行く事に驚いたわけではない。
対戦相手にリマを指名した事に驚いたのだ。

リマは特に驚きもせず、頬に手を当ててニコニコしているだけだが。

「バトルって……え、お爺ちゃんが相手じゃダメなの?」
「ふん……確かにお爺ちゃんも強いけど、成長した今の私には敵わないわよ。それ以前に、1匹しか
 ポケモンを持ってないんじゃ勝負にならないわ。アンタ達は──お話にならないし?」

リオの疑問に半分馬鹿にしながらも答えるマオ。
意外と律儀なんだろうか。

「そう……私と、バトル…………」

(!?)

リオは慌てて目を擦る。

(一瞬、お母さんの目付きが別人みたいに鋭くなった様な……)

「ん?どうした?」

顔を覗き込んできたアキラに考えるのを止め、笑顔を向ける。


「ううん!何でもない」
「マオとバトルなんて初めてね〜勿論良いわよ♪でも場所を変えて良いかしら?」
「ええ、母さんの好きな場所で構わないわ」
「じゃあ早速移動しましょうか。リオ達もいらっしゃ〜い」

こちらを振り返り手招きをするリマに、リオ達は目をぱちくりさせる。
リオもアキラも、バトルの邪魔になるからお茶を飲みながらカフェで休憩して、その後にジムに
挑戦しに行こうと思っていたからだ。

マオは不服なのか顔を歪めてリマの肩を叩く。

「ちょっと母さん」
「うふふ、良いじゃない。見られたって減る物じゃないんだから」
「う゛……母さんが言うなら妥協するわ」

笑顔で〝あの〟マオを黙らせたリマに、アキラは思った。


いつの時代も母は強し、だと。


久々……という程でもありませんが、リオの母・リマと、リオの姉・マオが出て来ました。
今回、最初の時点ではアキラとリオ達にジム戦をしてもらおうと思っていましたが、
リマとマオ、2人のポケモンが出て来てない事に気付き、
「それならいっそ2人を戦わせれば万事解決!」という考えに至り、急遽2人を登場させました。
次回、リマvsマオの親子対決です。お楽しみに!


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