社会問題小説・評論板
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- 暗闇学園
- 日時: 2015/11/28 14:03
- 名前: 雪 (ID: uCkrl5rm)
初めまして!
雪 と申します。
粗忽者ですがよろしくお願いします。
つまらないとは思いますが、少しでも見ていただけると幸いです。
〜 ご入室頂いた方々 〜
TUBAKI 様 著書:また明日
雪兎 様
バラバラ 様
ごめんなさい トリップの付け方がわかりませんでした!
- Re: 暗闇学園 ( No.34 )
- 日時: 2015/09/26 21:48
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
お父さん。
なったよ、女王様に。
何時だろうか、じょおうさまになりたい、なんて子供っぽいことを言ったのは。
きっと「シンデレラ」を読んだのだろう。
あのころは楽しかった。
俳句や詩を詠んでみたり、楽しかった。本を書いた事もある。書いたというよりは描いた感じだったけど。
でも、私の女王様は、心が綺麗ではなかった。
ーねぇ、シンデレラ、あなたは...呟きも馬鹿馬鹿しい。
- Re: 暗闇学園 ( No.35 )
- 日時: 2015/09/27 15:49
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
ああ、やっぱりそうだったんだ。
すべては私の思い通りになんかならないんだ。
ー脇役の悲劇のヒロインにもなれないんだわ。
そうやって呟いている自分が悲劇のヒロインみたいで、腹が立つ。貯まりに溜まったタメ息の山にまたひとつこぼれる。
嘘で固めた私の性格はカンペキ。お母さんに反抗したこともない。
女王様なんかサイテー。底辺そこそこの方がいい。
隠れてため息をつくのは、花菜も一緒。そう、大切な仲間だったのに、可哀想に花菜は裏切られ警察行き...。
ーほら、私が悪役でしょう?
悪役なんかもう懲り懲り。
花菜はピンク色に輝いていたのなら、羨ましいことこの上ない。
嘘の黒に沈んだわたし、そう女王は何時でも悪役よ。
後ろめたい事なんか、何一つしていない!女王なんて大ッ嫌い!
女王なんかならなければよかった。ねぇ。
遺書にでも、書いておこうか。
そうすれば、この愚かな愚かな、奴隷共にも分かるかも知れない。
「ちょっとっ、歩美様っ?」
はっ!
「手伝ってくださいよー。歩美様が奴隷を決めるんですよー?歩美様がとっとと決めてくださいよー。」
なによ。女王に向かって。
「あらぁ、奴隷にでも...
なりたいのっ!?」叫ぶ私。
その...ちょっと名前がにてるからといって、チョーシのってる、真...優美、とかいうヤツだったっけ。
同時に素早く、真優美を押し倒す桃花と蘭。底辺だけどなかなかいい。
「ありがとう。また奴隷が決まったわね」
ごめんなさい。また心が醜くなったわ。
- Re: 暗闇学園 ( No.36 )
- 日時: 2015/09/28 18:16
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
ーーーーー死刑?
私は、18歳。大人じゃないのに?
嫌だ。
でも。
私をイジメから
守って
くれるなら。
誰も私を愛したりはしやしない。
母も父も死んだ孤児。意地悪な叔母は生きてた。
「有難うございます」
ペコリと頭を下げるだけももう屈辱だった。
「はぁ?土下座しなさいよぉ。こんなにお金あげるんだから...っ」
たったの50000円を大金と言うのか。一ヶ月で使えるどころじゃない。
電気代も水道代も払うのに。そもそも、こんな家賃の高いところに住めと言ったのはあんたじゃないか。
屈辱。
- Re: 暗闇学園 ( No.37 )
- 日時: 2015/09/30 19:38
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
女王になんかならなくていい。
苦しい。
私を愛さない人たちは、全てわたしのもの。命も心もすべて奪うの。今までの償いにね。
わたしのもの。素敵。わたしのものは、薄い薄い羽根布団やら何やらだった。叔母の命だって奪うの。素敵でしょ?
泣いて謝っても無駄!
火をつける。
...殺す
ライターは買えなかった。だから、せめてコッソリ買って、コッソリ持っていった。
授業参観の日。
......つまんない。
叔母はまだ来ない。むかつく。あいつが来なきゃ、悲劇は始まらない。
ガラガラガラッ
授業中なのに大きな音を立て、叔母は来た。作戦、決行だ。死ぬまで迷惑。この人らしい。...逆襲。
呟いてみた。ぎゃくしゅう、って言葉が静かに空気に溶け込む。何だか激しい、赤...血の色た。
そして、炎の色。
「ガチャッ!」ライターが赤い。そして、大きくなっていく。
キャーキャー叫ぶ悲痛な声。つぐない、つぐない、つぐない。
「償い!」あっという間に燃え広がる炎に償いという言葉が突き刺さり、さらに広げる。
「やめなさいっ...なにするの...、蘭っ!ゲホッ...!」
叔母は咳き込んだ。もう、出口は無い。
もう火が回り、少しづつ私を赤く、赤く染めていく。あつっ。
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
だれかが炎に包まれた。私も叔母もついに炎に染まった。
すべて、私のもの!
あはははは、と甲高い声が響くー。
ごめんね!
蘭!
叔母が謝るー。
赤く、染まった。
私のもの!
蘭は、いつまでも叫び続けた。
- Re: 暗闇学園 ( No.38 )
- 日時: 2015/09/30 20:06
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
シャッシャッシャッと、軽快だけど重々しい箒の音が響く。
ったく、何処に寄ってんだろ。七光学院はすぐそこじゃん。歩いたって五分で着く。
ちょっと香織さん、そこ掃いてないじゃないの。廊下は掃いたの?もっと速く。
すみません、まだ掃いていません、ごめんなさい、
どこまで威張るつもり?
遅いっ!
そう言って鞭で叩かれたこともある。全く、12歳の少女に鞭なんて。
虐待の枠に入ると思う。勉強もさしてくれないし、散々働かせられるし。数少ない引き取り手の中で勉強させてあげる
って言われたからここを選んだのに。
でも、ヒロインっぽいし、あの婆の孫娘だって散々威張り散らされてる筈。
香...織、ちゃんって言うの?蘭です。よろしく
ーお婆さんには、気を付けて。
ボソっと呟いて去った彼女。格好いいと思ったのに。
こんなに、嫌な奴だったの?
蘭...って言ったっけ、白く霞み始めた記憶を掘り起こす。
でも、霧がかかってなかなか視界がクリアにならず、諦めた。
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