社会問題小説・評論板

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

暗闇学園
日時: 2015/11/28 14:03
名前: 雪 (ID: uCkrl5rm)

初めまして!
雪 と申します。

粗忽者ですがよろしくお願いします。
つまらないとは思いますが、少しでも見ていただけると幸いです。



〜 ご入室頂いた方々 〜


TUBAKI 様 著書:また明日

雪兎 様

バラバラ 様
ごめんなさい トリップの付け方がわかりませんでした!

Re: 暗闇学園 ( No.49 )
日時: 2015/10/08 20:51
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

「何よ、こんな所呼び出して」
「あのさぁ……まぁだ分かってないんだねぇ。」
ばーか。
空耳か?急に鼓動が早くなる。前にいる、身長も少し小さいくらいの少女が、急に恐ろしくなった。
胸に手を当てる。激しい動きが伝わる。こわい。助けて...っ
いや、私は女王よ。こんな小娘に弱みを握られるわけがないわ。でも、怖い。凛音と言う少女が恐ろしい。

ゆっくり、ゆっくり、じりじりと私を責めていく。
「な...なによ。わたしに何するつもり!」叫んではみたけど、あまり効果はない。
「フフッ、女王様も案外馬鹿なのね。...見たわよ、これ。死にたいの?それなら、私が殺してあげるわ。」
私のブログ!
最悪だ。見られた?私、明日からどんな顔で学校に行けばいいのだろうか。
「お願い、お願い、助けてぇぇっ!誰か!」「馬鹿ね。誰かが助けてくれるとでも思った?
まるで、あんたあの時の愛夏みたい。奴隷にぴったりね。私が、復讐してあげる。」
「お願い、お願いします!それだけは...虐めだけはやめて下さい!」
コンクリートの地面に頭を擦り付けて土下座した。みっともない格好だったけど、しょうがなかった。
...身を守るためには、これ位はしなくてはいけないのだから。感情をすり潰し、涙をこらえた。
「あぁら、泣いてるの?女王様も結構泣き虫なのね。おほほ!」
涙腺を擽る、凛音のことばは脳の中に突き刺さった。
泣きたい。あの時よりも。ばれないように、ベットの中で声を殺して泣いていた時よりも、トイレに隠れて
涙で顔をぐちゃぐちゃにしていた時よりも。

死ね!
私を責めるものは...
私が許さない...。

「死ね、とでも思ってる?あんたのことくらい私は分かるの。
今までの私が受けてきた屈辱も...何も知らないくせに!
大っ嫌いだよ!あんたなんか!女王なんかじゃない! 絶対に...絶対に、許さない!」
私は、罪を犯した。
犯罪者は、償いを行わなければならない。
けれど、これが償いなのだろうか。

Re: 暗闇学園 ( No.50 )
日時: 2015/10/09 17:47
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

私が悪いんだ。イジメなんか、興味本位でやり出した私が。
死にたい。
包丁で刺したりする勇気もない私に、死ぬ権利なんか無いんだ。
そう思うと、胸が切ない。キラキラ光る涙の雫。私には、泣く権利さえも無いんだ。なのにわたしは泣く。
私が悪いんだ。凛音達は悪くなんかないんだ。なのに責任転嫁させるわたしがやるせない。
死にたい、と自殺予告サイトに投稿しても、道徳的なことばしか出てこない。それはその人が悪いんだ。

そう思っていた。けれど本当に悪いのは、勝手に崩れたわたしが悪いんだ。
泣きたくない、イジメしたくない、みっともなくなりたくない。
すべての思いに反対に動いてしまう私。
もういや。

Re: 暗闇学園 ( No.51 )
日時: 2015/10/10 08:48
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

何にでも投げやりな態度をとってしまうようになったのが、ストレス。
ため息をつくのが、ストレス。嫌になるのが、ストレス。自己嫌悪で、死にたくなるのもストレス。
発散はできなくて、ぴったり蓋を閉じたペットボトルの中身のように閉じ込められる。
風船のように膨れ上がって、いつか破裂するんだ。たとえそれが完璧人間でも。

溜め込んだものが一気に爆発して、殺されてしまうんだ。誰でもない、自分自身に。やたら「殺す」「死ぬ」
そんな言葉が頭の中にぐるぐるうずめいて、出ていかない。
はち切れそうなほどに、顔が赤くなるほど我慢ができなくなって、最後は、本当に死んでしまうんだ。
そして遺族は知らないそぶりをする。そして心の中でひっそりと喜ぶ。

ようやく死んだ、と。

普段から死ね、死ねと心の中で念じていたから。完璧人間でも、心は醜いんだ。頭の良さとは別に。
見たくもないほど、吐き気がするほど醜くくて。
でも、遺族はその思いが一番醜いことを知らずにそのまま生きていく。そして死に、またその遺族も同じ事を
繰り返す。醜き連鎖の繰り返し。
心が綺麗とか、ありきたりな言葉や、きれいごとは欲しくないんだ。

本当に心が綺麗。まあ、羨ましいわ。あら、K女子学院に通っているの?頭もいいのね。うちの子なんか...
比べてるだけじゃん。
違いますよ、とかフレンドリーに言うけど、その場限りのフォローだという事をそいつは知らない。
私だって心は醜いのに。
親の大義名分がなくなれば、私は一気に転落する。


それを知らなくて。

Re: 暗闇学園 ( No.52 )
日時: 2015/10/10 09:23
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

一人ぼっちになりたくて、部屋に閉じこもってても、次第に淋しくなってくるけれど、大勢でいると、息苦しく
なってくる。なんでかは分からない。それが不安で、少しずつ心を閉ざしていくんだ。
コツンコツン、間抜けなヒールの音が乾いた空気に響く。走っているわけでもないのに、息が速くなる。
呼吸ができない。こんなこと、なかったのに。

心に黒いもやもやが現れた。必死で飛び立とうとする私の羽は、傷ついている。赤い血が吹き出していて、
見るのだけでも痛そう。急に痛み出す。...見なけりゃよかった。
美羽ちゃんって頭いいね、可愛いね、羨ましいなあ。それは、すべてお世辞なんだ。分かってる。

頭なんかそこそこいいほうで、制服は私に釣り合わないほど明るい色で、制服は輝いて見えるけど。
私は陰になっていて、制服だけがあるような感じ。...縁の下の力持ちでもない私は、胸を張って生きることさえ
できないんだ。 自分が嫌になってることさえ、知らないくせに。
私のことが分からない。
高校に入ってから、友達が愛夏くらいしかついてこなかった。いや、愛夏が付いてきてくれたんだ。私の性格を承知で。
必死に盛り上げてくれてたけど私は裏切った。

三ツ矢サイダーと書かれたペットボトルを爪先で蹴る。
ガランゴロン、耳障りな音が耳のそこらじゅうに響く。迷惑そうに耳を塞ぐ...密かに思い出す。

帰りますよ、先生の号令が聞こえると、安堵の溜息をつき、ランドセルを取りに行く。
ピピピピピ...防犯ブザーが鳴る。きっと何かに引っかかってしまったのだろうけど、そこら辺にいる子は
できる限りのイヤそうな顔で、耳を塞ぐ。すると、鳴らしてしまった子は顔を真っ青にさせて、急いで止める。
止まると、できる限りの迷惑そうなため息をつく。言葉には出さないけど、みんなその子を攻めているんだ。

今の、私みたいに。
悪いのは、引っかかるようなものを置く子が悪いのに。
理不尽だなあ、と防犯ブザーの持ち主は思う。私はなったことがないけど、手に取るように気持ちは分かる。

本当に理不尽だな。

Re: 暗闇学園 ( No.53 )
日時: 2015/10/10 13:28
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

「おっ、おはよう、知夏。あ、愛夏、テスト...どうだった?」
藁にもすがる思いで話しかけるけど、全く無視。ツンっと横をむかれた。
犬に必死で話しかけるようにしたこの少女は、昨日までこの学校の女王だった。
舌打ちされたり、睨まれたり、逃げられたり。
愛夏がふっと笑った気がした。ミンナ、ミンナ、モットイジメロ。フクシュウヲスルノダ!...心の声。
「昨日のこと忘れた?もっちろん私が、みんなに伝えておいたわよ。2年だけじゃない、1年と3年も
みんな知ってるの。証拠も見せたわ。絶望の気分はどう?きゃはっ」
「あんたなんかより、
私の方がお金持ちなんだからね!退学にもできるのよ!」
「それはどうかしら?ふふ、見てなさい。不幸が、起こるから。ふふっ、バカ。」
何なんだろう。怖い。それが何かわからなくってもどかしい。何かな、どんな不幸が起こるんだろう。
「万里小路様!」女の担任が歩いてきた。
「なっ、何よ、どうしたのよ!」
「大変です。お母様が...」
「何...」目が回り、足の力が抜け、頭が痛い。
車に乗り、ここら辺ではとても有名な、知らない人は居ないほどの病院へ向う。スピードが遅すぎて、
全てが終わりそうで、心臓は早鐘を打ち続ける。死なないで。死なないで!お母さん!
「早くしなさい!お母様が死んじゃう...速くしてっ!」
「そう言われましても」と言うような顔で、運転手は困り果てた。これが最高のスピードなのだ。
キキィッ。病室へと走り、ドアが壊れるほどに乱暴に開ける。
「お母さん」は、動いてくれなかった。
ピ...ピ...ピ...ピ...ピコーンピ...ピ...ピ...心電図が無性に憎い。
ナースコールを鳴らす余裕も無く、ただ突っ立っていた。

「美羽...助けて」手が、動かない。一ミリも動いてくれない。
ピー
お母さんが死んだ。
わたしは、悶え苦しんだ。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。