社会問題小説・評論板
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- 暗闇学園
- 日時: 2015/11/28 14:03
- 名前: 雪 (ID: uCkrl5rm)
初めまして!
雪 と申します。
粗忽者ですがよろしくお願いします。
つまらないとは思いますが、少しでも見ていただけると幸いです。
〜 ご入室頂いた方々 〜
TUBAKI 様 著書:また明日
雪兎 様
バラバラ 様
ごめんなさい トリップの付け方がわかりませんでした!
- Re: 暗闇学園 ( No.28 )
- 日時: 2015/09/23 09:37
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
ペコペコと周りに気を使い、かくれてため息をついていた面倒くさい1年も終わり、二年生になった。
これからは私が女王だけれど、ハナなんて地味な名前でみんなついて来るかしら。
ああ、名前如きに悩むなんて、最悪。初めてパパとママを恨んだ。
別に綾乃程金持ちってわけじゃないけど、私より金持ちは居ないから、自動的になった、だけ。
いつもは下から見ていたはずの女王様になるのか。
脆いシャボンの上。グラグラ揺れて。
確か20年前にも、こんなことがあったはずー。
- Re: 暗闇学園 ( No.30 )
- 日時: 2015/10/25 14:48
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
帰ると制服を脱ぎ捨て、勝手にラインを始めた私は、画面を覗き込んだ。画面は可愛いピンク色。
お洒落で、高かったはずだよね。まっ、皆から見たら、のことだけど。
あなたは35万円を安いと言える?...ってスタンスもバカみたい。
画面をスクロールすると同時にテカテカ光るネイルを見る...水色。校則違反っちゃ校則違反だけど、あの
貧乏そうな...校長はあたしには逆らえない。ナマイキにもやった場合は校長解任させられちゃう。
もう、あんな冴えないヤツのこととかどうでもいいし。
歩美
きらきらネイルの丸い写真。あたしとお揃い。考えることはみんなおんなじなのか。歩美と一緒にされたくない。
「バカ」
打ってすぐ消す。同時に学習辞書削除もやった。
「花菜さまぁっごはんでございますっ花菜さまぁっ」うるさい。もうイヤだ、ようやくいい気分になったってのに。
「うるさい!」大声で叫ぶ。こんなこと出来るのはママ達が居ないときだけ。
渋々スマホを消し、豪華絢爛な廊下を歩く。
広い広いテーブルに座ると、脚を組んでスマホを始めた。
「花菜様ぁ...」50歳くらいのメイドが、困ったわと言うように首を振った。
「ごはんを食べながらスマホを弄るのは...行儀が悪いので...お辞めになって...ください...」
ビクビクしててすっごくうざったい。大ッ嫌いだから怒鳴ってやった。
「うるさい!いっつもいっつもうざったいんだよ!」そう言うと、一瞬悲しそうに俯き、目を光らせて言った。
「お義母様に言いつけますよっ!」
「あんたの言うことなんか誰も信じない!」ああうるさい。歩美のメイドはもっと優しかったのに。
「信じますっ!」最終的にはこんな感じ。(笑)って打つけど、もうこれ以上傷つきたくない、よね。
「クビにするわよっ!」最終兵器、投入。
(こんな感じ。サイアクでしょ?歩美はいいよね。めっちゃ優しそうだし。)
送信。もう喋んないから、スマホやってたって怒られない。
つまんない。
- Re: 暗闇学園 ( No.31 )
- 日時: 2015/09/25 17:39
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
女王って苦しい。
奴隷と紙一重の綱渡り、こんな不安を感じてまでいじめなんかしたくない。
女王って、何?
もうイヤ。隠さなきゃいけない気持ちを伝えたい。感情を持ってたらきっとトラブルが起きるもん。
感情なんか要らないのに。
上手に自分を抑えるとか、無理だし。恐怖で出来上がってるんだ。仲良くしよう、いい子になりたい、
全部、全部感情だ。
みんなはないの?
感情なんか要らないって、
思ったこと無いの?
要らないものを抱えてたって。
この恐怖なんか要らない。
強くなりたい。
強くなれば
死ぬのも
奴隷になるのも
恐くないのに。
もっと堂々と生きたいのに。
ピリリリリッ
静寂を突き破る電子音がする。
甲高い音にびっくりした。
「女王...様ですか...?」
なんだ、歩美か。
ラインとすぐ態度が豹変した。
「そうだけど、なによ」
敢えて突き放すようないい方をする。
「もっ......萌香が...自殺したそうです...っ大変ですよ
...どうするんですか…?」
萌香...?奴隷の...?
「そ...れっ...て!まさか...?」
思った
通りだった。
「がっ...学校です...どうするんですか、どうするんですか、どうするんですか…?
わたしたちが...犯人にされたら..っ.」
真っ白な頭に言葉が染み込んだ。
「しっ...、死体を処理しておきなさい!」
「はっ...は...、い、女王様...。」蚊の様な声の歩美を頭に残したまんま、電話を切った。
怖い。菜穂みたいじゃん。
信じて。
- Re: 暗闇学園 ( No.32 )
- 日時: 2015/09/26 18:17
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
綱渡り。
夜で、危なっかしい細いロープの上を歩く。
一足ごとにロープが切れる様な音を出し、その度に震え上がるのだった。
ロープはあまり見えない。進んだら切れそうだけど、そこに留まっていたらもっと切れそう。
ピエロには有り得ない怯えきった表情で渡るわたしに
誰かが。
「死ね」
私は、深い谷底に落ちて行った。
足をがたがたとさせなが登校したわたし。でもまぁ、歩美だからな。ちゃんと死体は、始末してある、はず。
ーはず
だった。
私の女王椅子の、前には。
萌香...
こつんと腕にヒールが当たり、震えた。何なの。
「どういうことよっ...始末するように...言っておいた...でしょっ...?」
「まぁだ、分からないのね?」氷みたいな声。
「それよりぃ...」
「こっちの方が大切でしょう?」
ぱしゃりっ。
そこには、バラバラ死体を呆然と見詰める私。
コレを警察に渡したら、どうなるかしらねぇっ?
スマホを奪い取る私。
ひらりとかわされた。
やめてよ。
ついに、堕ちた。
私の脳裏に。
アレ、が。
写った。
- 死者達が伝えたかったこと。 ( No.33 )
- 日時: 2015/09/26 18:26
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
死者達が伝えたかったこと。
真莉?
私は自殺!決して菜穂じゃない!
やめて。これ以上罪のない人を殺さないで。
やめなさいっ!
でも、やめなかった。
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