社会問題小説・評論板

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暗闇学園
日時: 2015/11/28 14:03
名前: 雪 (ID: uCkrl5rm)

初めまして!
雪 と申します。

粗忽者ですがよろしくお願いします。
つまらないとは思いますが、少しでも見ていただけると幸いです。



〜 ご入室頂いた方々 〜


TUBAKI 様 著書:また明日

雪兎 様

バラバラ 様
ごめんなさい トリップの付け方がわかりませんでした!

Re: 暗闇学園 ( No.65 )
日時: 2015/10/25 14:07
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

「凛音様ぁ...お待ち下さいよぉ。愛夏ったらぁ、凛音様を失望させたんですよぉ?復讐したいと思わないんですかぁ?」



『復讐』

美紗記が鬱陶しく話しかけてきた。腹が立つが、復讐に賛成の美紗記に怒鳴ったりしたら終わりだ。普通の人間なら、きっと学校に残って猛勉強するだろうが、美紗記はほとんどそんな事はしないだろう。愛夏から、スポーツ推
薦だと聞いた。声をかけるのも面倒くさいが、話さないとずっと付いて来られてしまう。...仕方ない、話してやろう。

「美紗記?...あなたは部活に行かなきゃいけないんじゃないのかしら?第一、私に付いてくる権利があるの?
それに、バレーボール部のキャプテンに報告したのかしらね?」
「はい、渡部先輩にはご報告しておきましたぁ。それに、バレーボール部の皆に言っておきましたからぁ、大丈夫ですよぉ」
ベタベタした話し方で報告する美紗記が想像出来た。嫌だが、もう話すしかない。あからさまに迷惑そうに切り出す。

「仕方ないわねぇ...何の用事よ。私は急ぎの用事があるのよ、くっつかれると困るの」

「すぐにすみますから大丈夫ですぅ。
愛夏を、どうやっていじめるかですよぉ、凛音様ぁ」最初に想像していたパターンだ。...馬鹿らしい。

「それだけの事ならいちいち呼び止めないでくれるかしら?さっきも言ったように、私は忙しいの。
こんな事に時間を取られたくないのよ」

「はーい、分かりましたぁ。以後、気をつけますぅ」
気持ち悪い声ですたすたと帰って行く美紗記。湿っぽい小道、この道は嫌い。

誰がどう見てもおかしい木があった。小鳥が好きそうな小さな木の実が実った小さな木。赤と緑が相まって、まるで

クリスマスツリーだ。私はそれを呆気にとられて眺めていたけど、なんだかとても情けない音が私を現実に引き戻した。
枯れすぎて葉のなくなったヤシの木だ。表札は既に読めなくなっていた。
こんな高級住宅地にこんな家があったとは。物好きだ。蓼喰う虫も好き好き、が似合う。
他にも女子高生がいて、背中を丸めて喋っていたが、私を見て会釈した。
「こ...こんばんは、...凛音...様で御座いますか?」
私はそいつを無視し、さっさと家へ向かう。すると、金色のお城が見えてきた。...ようやくついた。

「凛音様...」何も言わずに去っていく私に、香織は怪訝そうな顔をした。



何も、何も、考えたくない。受け入れられない。
あの8年間は、何だったのだ?

Re: 暗闇学園 ( No.66 )
日時: 2015/10/25 15:09
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

機械人間




ー周りを探る少女。裏切りから、4日後。

携帯をいじっている者、狸寝入りをしている者。どれも不届き者だが、凛音に対抗しようとする者はいない。
教師の言うことを、何から何まで全部書き留める。誰かが、時計を眺めている。
12時30分までの授業で、いまは12時25分の四時限目だ。

「では、皆さんお分かりになったようなので、少し早めではございますが終わりにしたいと思います。
では号令をお願いします、起立...、礼、大変ありがとうございました。次は昼休みです」

教師が言い終わるのを待たずに、皆食堂に向かう。弁当づつみに包まれた弁当を持っている者もいる。
私も凛音と同じ、弁当だ。だが私は一直線に凛音に駆け寄っていった。

「凛音様ぁ、お待ちになって下さいよぉ。なぜ愛夏に復讐しないんですかぁ?それともぉ、凛音様になにかお考えが
ある、とかですか?愛夏に復讐するにもぉ、さっさと奴隷を見つけるもぉ、どっちみちいじめをしなくちゃいけない
んですよぉ?」

「...別に考えなんかないわ。話し掛けないでくれるかしら、美紗記さん?
いちいち呼び止めないで、って昨日の下校時間も言ったでしょう。それほど言うなら、あなたが決めてちょうだい」

「はぁい、考えておきます」馬鹿みたいに突き放された。だが、私に奴隷を決めろなんて、なぜ言ったのだろう。

Re: 暗闇学園 ( No.67 )
日時: 2015/10/25 17:52
名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: LpTTulAV)

雪さん

こんにちは。凄いですね。文才あるし、表現力あるし。

これからも読みます(^∇^)頑張って下さい!応援してます!!

Re: 暗闇学園 ( No.68 )
日時: 2015/10/26 17:44
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

バラバラさんコメントありがとうございます!

嬉しいです これからも読んで頂けるととてもありがたいです!
これからもよろしくお願いします。

Re: 暗闇学園 ( No.69 )
日時: 2015/10/27 20:05
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

「凛音様?」香織が呆れたような、鬼の首でもとったような顔をしてやってきた。
「どうしてプリントやってないんですかぁ?お母様に叱られますよ。今日これ全部、やって下さい。溜まってるんだから当然でしょう?
...今日の分もですよぉ」
最悪だ。自分なんか勉強もしてないくせにー。そう思っていると、香織はプリントを綺麗なテーブルに置いて、聞こえよがしに言った。



「私は忙しいんです、こんな事で時間を取らせないで下さいよぉ。ああ忙しい、凛音様が何にもしないから」

...殺してやろうか。時間を取らせたのはあんただ。何にも、仕事なんかなんにもしてないくせに。ただの居候の
癖に。
私はショルダーバックを乱暴に床に落とすと、プリントを持って机に向かった。あいつに言い込められるなんて。
そう言えば、もうすぐテストだ。もう少しで夏休み。あいつなんか気にしたくない。


思い出


泣き声が聞こえた。花を摘んでいた私は、立ち上がった。泣き声は、西から聞こえた。私は、聞こえる方に行った。
そこからは、あまり覚えていない。霧がかかったようにぼんやりしている。
...思い出したくない。笑顔の愛夏を思い出すだけで苦しくなってくる。
そこから私達は親友になった。「凛音」走ってくる笑顔も、全部私に無いものだ。親しみを込めた声も、全部。
愛夏が心底羨ましかった。愛夏が親友だなんて、最高じゃないか。私は、ずっと幸せだった。


あの日までは。
可愛いし頭が良くて、優しい愛夏。笑っている愛夏。幸せそうな愛夏。
誰もこんなこと予想もしてなかったのだ。友情は、永遠には続かなかった。ちょっとしたことで、幸福は崩れ去る。
悲劇。愛夏がーーーー、憎い。


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