社会問題小説・評論板

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暗闇学園
日時: 2015/11/28 14:03
名前: 雪 (ID: uCkrl5rm)

初めまして!
雪 と申します。

粗忽者ですがよろしくお願いします。
つまらないとは思いますが、少しでも見ていただけると幸いです。



〜 ご入室頂いた方々 〜


TUBAKI 様 著書:また明日

雪兎 様

バラバラ 様
ごめんなさい トリップの付け方がわかりませんでした!

Re: 暗闇学園 ( No.13 )
日時: 2015/09/15 16:39
名前: 雪 (ID: Fbe9j4rM)

はあはあと息を切らし、木の陰に隠れた。
何…?何が起きた…?私…人を殺した…?
いつもは人を殺させてたはず。なのに何故?

アイツが、心底から憎かったから。
私立七光学園の女王に君臨する私を、女王の地位から突き落としたから。
でも、それを殺したのは私…。
罪が怖い。だから学校には行きたくない。
きっと菜穂がこの私を殺そうと企んでいるだろう。
私があれを受けるの?
嫌だ。怖い。もっと遠くに行かなければ。

「菜穂様ぁっ!居ましたぁっ!菜穂様ぁっ!」20人程来ていた。みんな私の「元」家来。

嫌だ、嫌だ!怖い!
早く走ろうと駆けると、バランスをくずして思い切り転んだ。
痛い。でもアイツらが来ている。必死にもがき、なんとか走り出した。
でももう終わり。
じんじんと痛む足はまた転ぶ。
私は泣きながら地面にへたりこんだ。

Re: 暗闇学園 ( No.14 )
日時: 2015/09/15 17:59
名前: 雪 (ID: Fbe9j4rM)

「菜穂様ぁっ!居ましたぁっ!菜穂様ぁっ!」
あいつが泣いてる。さんっざん威張り散らしといて、泣いてる。
惨め。あたしには全部わかる。女王としてムリしてたのも。
ちょっと、ほんの少しかわいそうで、つらい、ってのも分かる。でも、まだ罪が残ってる。


ー復讐、のね。

元はあいつも…あ、花菜と歩美が綾乃を押さえ込んでる。もういかなくっちゃ。

Re: 暗闇学園 ( No.15 )
日時: 2015/09/20 21:10
名前: 雪 (ID: QNWf2z13)

「ほら、さっさと来なさいよ!」花菜が乱暴に私を引き摺る。

「女王さまが、待ってるわ」花菜が私を菜穂の方に突き飛ばした。
「い…たい…っ」思い切り倒れる。
「馬鹿ね」ソファに座った菜穂が、私の頬に平手打ちをした「これくらいで済む訳無いでしょう?」
また、思い切り思い切り、私の腹を蹴った。
「いや…っ」紅花学校小等部の3〜4年生頃の事が思い出された。
「痛い、お父様っ助けて…」そういうと、お母様は「うるさいっ!いつもいつもあんたのせいでっ!!!」
と叫び、私を蹴った。「やめて!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い…」
それが毎日、5年生になるくらいまで続いた。御母様が代わるまで。

恐怖。いつもの玩具はこんな気分だったのか。
今更だけど、やめて欲しい。


本当に一番愚かなのは、誰?

私?散々女王様ぶっておいていざ玩具に転落したらやめてと泣き叫ぶ私?

それとも、

それを知りながら女王として振る舞う、菜穂?

Re: 暗闇学園 ( No.16 )
日時: 2015/09/17 19:01
名前: 雪 (ID: Fbe9j4rM)

仕事が一段落しました。
ほぉっと息をつき、ソファに座ってテレビをつけました。大きな薄型テレビです。
ニュースをつけると、とんでもないことが放送されていました。
「速報です。私立七光学院で、大川繭さん(16)と見られる遺体が発見されました。
何者かに首を絞められたということです。警察は…」
吃驚しました。だって、七光り学院は娘の綾乃が通っている学校だから…。

テレビのリモコンを持つ手が震え、落としてしまいました。
綾乃が一年生にして学院のリーダー格だったのは知っています。
まさか、綾乃が殺したのではないか、とあり得ないことを思ってしまい、それを振り切るように首を振りました。

綾乃は、綾乃はそんな子じゃない。私のむりな命令も素早くこなす、素晴らしい子なんだから!
そうです、きっとそう。残酷な殺人鬼は、綾乃に罪を着せようとしているだけです。

かわいそうな、綾乃。

誰がなんと言おうと、私の考えは変わりません。

たとえ、私が身代わりになろうとも。

Re: 暗闇学園 ( No.17 )
日時: 2015/10/25 14:45
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

ぼたぼたと落ちる液体は赤い色、白い袖を真っ赤に染めていく。
もう私は痛みも感じない、傷つけられても無表情、そんな日々が続く。

それくらい絶望の淵、数では言い表せない無量大数の闇に落ちている。
もう何日経ったか、こんな日が。
目を落とす。真っ赤な血、私望月綾乃の血。
あはははは、と残酷に笑う菜穂。
私はイジメられている。でもそれは菜穂が悪いわけじゃない。
悪いのは、私。
きっと、そう。
まだお父様に言ってない。言ったらもっと悪いことになる。きっと。
きんこんかんこん、とチャイムが鳴る。

何で、私をいじめるの。

自分で呟いただけと思ったけれど、声も出ていたらしい。

「忘れたの?」偉そうに私を見下す。

「まぁ、教えてあげる。小学校のとき、あんたはあたしをいじめてたの。
死のう死のうと思ってたところに、繭が助けてくれた。
繭は、命の恩人。なのに、あんたはあんなことしたよね?許すわけにはいかないの」
私の脳裏に、アレが思い出された。罪のない人たちをいじめてたあの光景。

「謝れ」
蹴りとばす、菜穂。

「御免なさい」
もうなにも感じない。屈辱も痛みも愉しさも哀しみも、何もかも失ったから。
今日の罰は、これで終わり。
帰る。丁度ききっと音がきしみ、赤いお洒落な車が止まる。私の車。
赤がいいと思って買ってもらったけれど、血みたいで嫌。


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