社会問題小説・評論板

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暗闇学園
日時: 2015/11/28 14:03
名前: 雪 (ID: uCkrl5rm)

初めまして!
雪 と申します。

粗忽者ですがよろしくお願いします。
つまらないとは思いますが、少しでも見ていただけると幸いです。



〜 ご入室頂いた方々 〜


TUBAKI 様 著書:また明日

雪兎 様

バラバラ 様
ごめんなさい トリップの付け方がわかりませんでした!

Re: 暗闇学園 ( No.54 )
日時: 2015/10/10 19:25
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

可笑しくって、笑ってしまう。あの母親は死んだだろう。
イジメの主犯格にはいじめの被害者が制裁を下らせてやる。でも、もっと痛めつけたい。
ふわっと欠伸をする愛夏。
「ごめんね、愛夏。」出来るだけさり気ない言い方で謝った。ーーもう誤解は解けたのだ。
「ううん、私が悪いの。私こそごめん。巻き込んじゃって。」
サラサラの黒髪をふわっとさせて、少し微笑む。女王は、私と愛夏。どんなふうにいじめよう。
顔色が悪い美羽。ー私よりも重い制裁を。
「死ね。
あんたの母親を殺したのはわたし。あんたの身代わりになってくれたとでも思えば?でもさ、その前に

罪を背負ってるんだから、それ程の罰を受けるべきじゃない。ねぇ?」
今まで面白そうに見ていた少女達は、一斉に緊張して、目を泳がせる。少しして、声を揃えてそうよ、と吐き捨てた。

みんなでいたずらっぽく目を合わせ、美羽を羽交い締めにした。「死ね、ゴミ屑!」
「ゴミクズなんだからさー、ゴミ箱に入れちゃおうよ!
女王様達をいじめた罰に」
「キャハハッ!いいね、ゴミ箱入れちゃおー」「うわー、汚っ!早く袋とじて!」
悲鳴を上げる美羽をゴミ袋に突っ込む、少女たち。ラベルの付いたままのペットボトルを投げつける者もいた。
投げては戻ってくるペットボトルを投げつける。
醜い。自分が醜い。
自分が許せない。

Re: 暗闇学園 ( No.55 )
日時: 2015/10/11 19:36
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

「愛夏!

うれしい?」
「えっ?...嬉しいよ!」私を喜ばせるためにしてくれたのだろう、決して良い行動ではないことをした凜音。
結局、美羽の入ったゴミ袋は持っていかれた。
あいつのせいで私達は苦しんだんだ。私たちの友情は薄れ、凜音は傷つき。
全てはあいつのせいで。これは制裁。悪いことじゃない。心に言い聞かせ、殺した。
果たしてこれが、敵討ちなのだろうか。そんな不安はあったものの、大切なものを失った「理由」を殺した。
思ったより簡単。でも、それは後々凄いことになる。それを意味するのだ。死ね、死ね死ね死ね死ね死ね。

私の中で、死ねという炎が燃えさかる。これからはイジメなんかしない。



ーーーーーーいや。
この少女達は。
殺さなくていいのか?

Re: 暗闇学園 ( No.56 )
日時: 2015/11/02 20:49
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

復讐

頬杖をつく。
さらにため息を付き、エアコンの風がノートをぺらぺらと捲る。
決して数学の授業を聞いているわけではない。クラスだけではなく、学年、いや学校の生徒全員やっていないような事を私ー凛音はしない。
欠伸を噛み殺す。別に先生に咎められるわけでもないので、してはいけない行為ではないのに。
女王様なのだから、欠伸をしたら女王としての信頼が薄れる気がするからだ。信頼が薄れてはいけない。
奴隷にだけはなりたくない。少なくとも、この少女達への復讐をしなければならないのに。

「復讐」...残酷な言葉だ。でもどうやって大勢の少女達に制裁を下す?
誰かがボールペンをカチカチ鳴らす。ディズニーの絵が描かれたピンクのボールペン。こういう物だけが幼い。
仕方が無い。見逃してやるか。捕まるよりはマシ、か。
自分の履歴に傷をつけるよりはいいか。

またカチカチとボールペンが鳴る。ひっきりなしに動いていた思考回路が停止する。

「2ー1」の白い、ボロボロの紙が揺れる。パソコンやゲームは、1時間だけというのが私のルールだ。
何にでもそれで逃げてしまっては、なんだかやるせない。
次、の、奴隷、は、誰に、しようかな。クラス全員に視線を送ってみる。...愛夏だ。やめよう。
折角仲直りしたのに、勿体ない。
美羽が死んだいま、いじめ可能な奴隷はもう居ないのだ。存在する意味の無い少女達をこき使ってやるくらいしか。

上から目線。最悪だわ。あなたをこんな娘に育てた覚えはないわよ?泣いてる暇があったら謝りなさい!
...ごめんなさいお母さま。
泣くんじゃない!
頭の上で怒声が響き渡り、母の腕が鞭のようにしなり、頬が痛みだした。じんじん痛む頬。母が叩いたのだ。
叩かれることなんて、初めてだ。
花瓶を割ったくらいで、叩くものなのだろうか。それも、わざとではないのに。
それから一度も手を挙げられたことはない。起こられた覚えもない。あるのであれば、忘れることが出来ないから。

私がぶりっ子のように、母の機嫌を伺い、母の動きひとつに反応し、気に入られる。母の前では、吐き気が
するほどの気持ち悪い声になっていることを自覚していた。でも私は私でいられない。
そうたいして力を入れたわけでもないのに。思い出す度に右頬、傷を負った右頬。

もう治っているのに、完治はしていない傷が痛む。
痛い。どんどん痛みが迫ってくる。手で傷口を覆い、痛みを少しでも逃がす。
私が私でない。嫌になってきた。

Re: 暗闇学園 ( No.58 )
日時: 2015/10/16 17:17
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

「二階堂美紗記でーす、よろしくお願いしまーす!キャハハッ、仲良くしてくださーい!うふっ」
転校生?様子がおかしいし、席、私の隣?
仲間に思われたらどうしよう。 絶対、絶対目をつけられる。
目をつけられたらどうしよう。いじめられたらどうしよう...。「知夏っていうの?あたし、美紗記!よろしくねっ」
付いていけないハイテンション。聞こえないフリをしておいた。知らないふり、一番スムーズに終わる方法だ。
「えー、次数学ー?私教科書持ってないんだよねー。知夏ちゃん、貸してくれなーい?お願いっ」
耳を塞ぎたい声。これまた無視する。美紗記が切ない目をした気がした。


《二階堂美紗記》
「二階堂美紗記です、よろしくお願いします。仲良くして下さい。」私の知らない内に声が変わっていた。
正直、私はいじめに耐えられなかった。余裕で試験に受かり、イジメのなさそうな学校、ここに転校した。
片っぽの机と椅子が空いている席に座っている少女の目が泳ぐ。クラス全員の目が私に集まる。いじめはなさそうだが、
誰も授業を聞いていない。 ノートをとってもいないし、教科書を見てもいない。
ということは、いじめがあるという事だ。それくらいは判る。 授業もなかなかに難しそうだ。
これで、退屈と恐怖に満ち溢れた授業時間を過ごす事になる。
卑劣な行為に毎日泣き、あいつのために。あいつのせいで私の人生は壊れた。私に何も非はないはず。隣の知夏に話し掛
けるが、無視された。それまでの私は真面目だった。容姿端麗とは言えないが普通、そこそこのラインに立っていた。
テストは100点だったし友達も沢山いたし幸せで、普通の人だと思っていた。
あの頃、なぜいじめられるようになったのかは覚えていない。甲高い笑い声、私の心がボロボロと急速に壊れて行く音が
耳にこびり付いている。
なんでいじめをするのか。分からない。
『いじめ』
いじめは悪い事です!絶対に許しません!


いじめはしてはいけません!人を傷つけることはしてはいけません!


いじめはやったら自分に返ってきます!人間として最低の行為です!


イジメ撲滅!


わけのわからない自己満足も体外にして欲しい。イジメ撲滅なんか出来てないじゃん。
破れかけた汚れたポスター。長いこと貼られていた。これを見て何も思わないあいつらも見て見ぬふりをする担任も
みんなムカついた。毎日、そいつらを見て歯ぎしりした。少しずれている制服のリボンを直そうと手をかける。
リボンをいじる。直すともっとひどくなった。何もかも上手く行かない。転校生はだいたい苛められる、そんな憂鬱。

Re: 暗闇学園 ( No.59 )
日時: 2015/10/17 17:25
名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)

「何かさ」・・・
凛音が切り出した。「あいつ、気に入らないよね。あの転校生。」
「あー、ルール知らないって感じ?復讐に使う?どうせ他に奴隷は見つからないんだし。」醜いとは思ったけど、言ってしまった。いじめなんて、バカ人間がする、卑劣な行為だって。凛音だって、心の隅ではわかってるはず。
でも。
罪深き奴隷たちに、腹はたたないのか?ー無理矢理自分を奮い立たせる。
でも私は私。私はできるだけ私でありたい。
これって、凛音のためなんだよね?心で訊ねた。ーー返事は返ってこない。
『違うよ。これは正しいことじゃないよ。止めようよ、凜音。みんなが可哀想だよ。』それだけ。凜音の反応に
気を使っていてはいけない。


「違う...。」反射的に答えが出た。






『え?』


我に返ると、絶望の少女凜音が立ち尽くしていた。まさか、私はまた親友を無くしてしまうのか?
「何が?」作り笑いで誤魔化してみた。ーーー必死の演技。凜音は、許してくれるのだろうか。



許して。


「え?そういえばさ、うちの学校...の、制服ダサくない?滅茶苦茶恥ずかしいんだよね。B女学院の方が可愛い。でもさ、あそこ
ヤンキーばっかの悪の巣窟らしいよー?ほんっと、サイテー。校長クビにしよっかな、愛夏?」


凜音は、許してくれた。


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