社会問題小説・評論板
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- 暗闇学園
- 日時: 2015/11/28 14:03
- 名前: 雪 (ID: uCkrl5rm)
初めまして!
雪 と申します。
粗忽者ですがよろしくお願いします。
つまらないとは思いますが、少しでも見ていただけると幸いです。
〜 ご入室頂いた方々 〜
TUBAKI 様 著書:また明日
雪兎 様
バラバラ 様
ごめんなさい トリップの付け方がわかりませんでした!
- Re: 暗闇学園 ( No.8 )
- 日時: 2015/09/22 20:46
- 名前: 雪 (ID: YGE8ENnO)
望月綾乃の憎しみ
繭が玩具になった今は五時間目だ。今からいじめても意味がない。
「しょうがないわねぇ…明日からは、誰でも繭をいじめていいわ。
でも、私に反逆する様な行為は許さないわよ。それと、絶対に学校に来なさいね、繭さん?」
繭は小鼠の様に怯えて、私を心底怖がっている目で私を見ながら、頷いた。
「女王様…」真莉が言った。
「何よ」と真莉を睨む。うるさい。せっかく優しくしてやったのに。
「あのぉ、今日は一回引っ掻いただけで終わりにするのは、ちょっと少ないんじゃないですか?
こんなことしたんだから、もっといじめなきゃ駄目ですよ、ねぇ真莉?」
薄ら笑いを浮かべ、花菜に訊ねた。
ー「そうよねぇ、もっといじめましょうよ、女王様ぁ」
二人とも面白そうに私を見ている。そんな事か。もう計算済みだ。
まぁ、家来共の馬鹿みたいな脳では、そんなことすら解らないだろう。
でも、もっともっといじめてやる。
「あら、花菜いいこと言うじゃない?そうね、このまま終わりにするのは…残念だものねぇ」
言い終わると同時に三人が繭を押さえ付けた。花菜と歩美と真莉。
「有り難う。…貴方たちもいじめるのよ?まず最初は、解るわよね」
心にも無いお礼の言葉をかけ、押さえ付けられた繭を蹴る。思い切り思い切り、何回も何回も。
その度に繭は声にならない叫びを上げる。次第に家来たちも蹴りだした。
「うるさい!」「償いをしろ!」精一杯の繭への悪口を叫び出す。
七海がおそるおそる繭を蹴ったとき、繭は倒れた。
- Re: 暗闇学園 ( No.9 )
- 日時: 2015/09/12 13:38
- 名前: 雪 (ID: Fbe9j4rM)
私は大川繭。
新しい玩具が私の親友、七海でも
無いことを知ってほっとした。ほっとしたまま、家に帰った。
その夜はすぐに寝つけた。でも、おかしな夢を見た。
七海が、女王様気取りの綾乃をいじめているのだ。
蹴ったり、机を投げたり。
綾乃はたくさんあざがあって、血も出ていた。
七海が、綾乃の頭に机を投げたとき、目が覚めた。
でも、おかしい。
女王の綾乃を、七海がいじめられるわけがないから。
でも…夢なのだから、と対して気にせず、登校した。
城を連想させる校舎にたどり着いたときには、まだ綾乃は来ていなかった。
でも、綾乃が来ると、綾乃は七海をにらんだ。
どうしてだろうと思いながら、綾乃に丁寧な挨拶をした。
菜穂が、玩具が決まったと言いかけると、断った。
ー今回の玩具は、七海だと。
七海は、私の友達だ。七海が何をした。七海の何が悪い。
そんなことを考えているのはきっと私だけだ。でも、七海が可哀想でたまらない。
だから私は…思わず飛び出してしまった。
「やめてぇっ!」真莉を突き飛ばした。
たったそれだけの事なのに、綾乃は許さない。
尖った爪で腕を引っ掻かれた。痛い。
みんながわたしを蹴る。そこには、七海がいた。
七海が私を蹴った瞬間、私は倒れた。
- Re: 暗闇学園 ( No.10 )
- 日時: 2015/09/12 21:02
- 名前: 雪 (ID: Fbe9j4rM)
涙がとめどなく流れる。
意味もない。私は何故泣くの?答えは出ない。
望月綾乃。何故つけたのかはわからないけれど、とても美しく素晴らしい名前。
そう、女王にふさわしい名前。なのに、こんなに惨めな姿でめそめそと泣いているなんて。
でも…繭。大川繭。アイツが邪魔をする。
だからいじめたい。なのに何故。何故涙が出るのー。
情けない涙を乱暴に拭い、薄くて軽いタブレットを手に取った。
『繭のハッピー学園日記」確かこれで日記を開いてた。
まゆ『繭です!よろしくお願いします!まゆって呼んでね☆』1ヶ月前
ななみ『七海です!みんなよろしくね』1ヶ月前
歩美『あゆみだよ!みんなたくさんコメントしてね』1ヶ月前
………………………………………………………………………………………
まゆ『今日も楽しかったな〜 来週の玩具、誰だろうね』…昨日
アイツがこんなこと書いてたなんて。まるで幸せな女子高生みたい。
私も書き込みをする。でも、平穏な挨拶なんかじゃない。
ななみ『繭、まだ友達とでも思ってたの?見当違いも良いとこだね。
いじめられてるやつ助けて自分が身代わりになるとか、馬鹿じゃないの?
あんたなんか、友達だなんて思ってないから』…送信。
これを見たら、どんなに絶望に堕ちるか、楽しみだ。
あの白い端正な顔が歪み、涙が頬を伝う様子を想像して、微笑んだ。
これは罰よ。精神的にも肉体的にも傷付けてやる。
そして壊す。こなごなに。
- 私が人を殺すとき。 ( No.11 )
- 日時: 2015/09/20 11:54
- 名前: 雪 (ID: QNWf2z13)
私は、望月綾乃。
あの、「大川繭」が犯した罪は、許されない。
でも、どうせあいつは殺されることになる。私が、犠牲者、と一度でも言えば、そいつは殺される。
ただそれだけではない。
私、望月家の長女にして七光り学院ー通称暗闇学園の女王、望月綾乃様のご機嫌を損ねれば、
それだけの罰が下る。私の悪口を言ったのであれば、沢山の悪口を浴びせられながら死ぬ。
私なら人殺しも人殺しをさせるのも簡単だ。
その中でも一番悪い罪を犯したのが、大川繭だ。何故か、いつものように私はにたにたと意地悪い笑いを
浮かべながらじわじわと苦しめる余裕もない。
一気に殺してしまおう。
朝
私は興奮気味に家を出て、いつものように高級車に乗り、学校へ行った。
「繭さん?」深い恨みに絶望の色が混じった頬を見る。色はいつにもまして青白く、少し怖かった。
返事もしない繭を、返事くらいしろ、と真莉が怒鳴って繭を蹴った。
それだけで血が出て、そのどす黒い赤を、私は美しいもののように満足げに眺め、左足を蹴った。
「い…たい…」痛かったようだ。まあ、この高いヒールで蹴っ飛ばせば、随分痛いだろう。
でも、これでは刑は終わらない。
皆繭を蹴りだした。繭はあちこちから血が出て、よろめいた。
そして、菜穂につまづき、真莉のところへ転んだ。
「何やってんだよ!」真莉はヒステリックに叫び、繭の顔を踏み出した。
「あはははっ!みんなやっちゃっていいよ!あはははっ!」繭の顔はすでに血と涙でぐちゃぐちゃだ。
「死ね、死ね!女王様に謝りなさいよ!あははっ!」もう、繭は殆ど動かない。
「ご…め…なさ…い…、じょお…さ…まっ」無性に腹が立つ。
「何よ」私は冷たく言い放つ。「聞こえないわ」繭は急に泣き出した。
「泣いても無駄」繭の細い首に手をかける。
「いや…」どんどん力を入れる。
「死ね」「死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」叫びながら手に力を入れる。
急に繭がぐったりした。
「どうしたの」この時本当は分かってた。
認めたくない。
自分が人を殺したなんて。
殺した、殺した、殺した、殺した、殺した、殺した、殺した、殺した…殺人鬼。
これはニュースになるの?
私が殺したと…?
逮捕されるの?
怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!
「いやああああああああああっ!」
悲鳴と共に、私は駆け出した。
- Re: 暗闇学園 ( No.12 )
- 日時: 2015/09/13 19:08
- 名前: 雪 (ID: Fbe9j4rM)
早乙女菜穂
あいつは一体、何がしたいのだろう。
首を絞めて相手が死んだのなら、たとえそれが衝動的なものであっても、殺人という罪ではないか。
きっとあいつは、みんなが自分の事を心の中でも女王様と呼び、
尊重しているとでも思っている哀しい「ジョオウサマ」だ。
親が金を沢山持っている、ただそれだけだ。それだけで女王様気取りが出来る彼女がうらやましい。
死ね、なんて言っておいていざそれが叶ったら怖がって学校を飛び出す、とか。ばかじゃないの?
でも、アイツが怖がっているのは自分が犯した罪だ。
殺人という罪を犯したからこそ、学校を飛び出した。でも、そんなヤツは女王になんかなれない。
だから、今日から私が女王だ。今日から、私がこの学園の女王、早乙女菜穂様だ。
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