BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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お前と俺。俺と君。
日時: 2017/06/25 19:45
名前: 朝倉 (ID: nZxsmZ3d)

オリジナルのBL小説載せていきたいと思います!

一部屋に2人で住んでいる男達の話です。

小説下手かもしれませんが、興味のある方は閲覧していってください!


2016.10.09 閲覧数500突破!感謝!
2017.03.02 閲覧数800突破!感謝!
2017.05.01 閲覧数900突破!感謝!
2017.06.23 閲覧数1000突破!感謝!

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.59 )
日時: 2017/05/29 12:26
名前: 朝倉 (ID: v8ApgZI3)


俺は走った。喉が乾いて声も出なくなりそうなほど脚を止めずに走った。

他の不在着信二件に折り返しの電話をすれば出たのは総合病院だった。
きっと、恵ちゃんの携帯、最後に電話したのが俺だったから俺に電話がきたんだと思うけど、何かあったに違いない。
そう思って向かった。

案内された病室へ入れば、ベッドに横になっている恵ちゃんを見つけた。息を整えながらゆっくり近づく。目を開ける様子はなく、呼吸器が曇ることで息をしているのがわかった。

看護師に聞けば、お腹を刃物で刺されたらしい。出血が酷くて意識は戻ってないけど一命はなんとか取り留めたと。

なんだろ…これ……なんで?…おかしいよ……

恵ちゃんが刺される理由は何?恵ちゃんは何で自分が死ぬかもしれないことがわかってたの?恵ちゃんを刺した人物は誰?

色んな疑問が浮かんだけど、最終的には恵ちゃんを守れなかった悔しさに歯を噛み締めた。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.60 )
日時: 2017/06/04 20:08
名前: 朝倉 (ID: v8ApgZI3)


「高橋恵介さんの身内の方ですか?」

「…あ…」

一度退室してから病室に戻ってきた看護師がしてき
た質問に握っていた携帯電話を思い出す。画面を見つめれば電源は付いていないが、ふと一人の人物の言葉が頭を過ぎった。

“何かあったら連絡して”

言葉と同時にフラッシュバックした恵ちゃんそっくりの岩崎直也という人物。恵ちゃんの身内で知ってるのは彼ぐらいだ。

そう思った俺は慌てて携帯から電話帳を開き通話ボタンを押して耳に当てる。
コール音が三回鳴って四回目…

「…はい」

「岩崎、直也さん!?」

「あー、もしかして恵介の?」

「はい!恵ちゃんが!恵ちゃんが!お願いします!急いで」

そこまで言って通話が終わった。恵ちゃんを見てから出した言葉が無かった分、彼に話す時にドッと気持ちが昂って声が震えて自分でも何言ってるか理解もできなくて、ブーップーッと鳴る音を聞いて力が抜けた足から崩れ落ちるように床に膝を付く。

頬からは涙が伝っていた。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.61 )
日時: 2017/06/18 22:38
名前: 朝倉 (ID: 3KvV.ocm)


「恵ちゃん…恵ちゃん……」

恵ちゃんの掛け布団の端を握って、俯く。
看護師は「一命を取り留めた」と言っていたが、それでも恵ちゃんが遠くへ、俺の居ない場所へいってしまう気がして怖くて溢れ出る涙は止まらず現実から目を背けるように目を閉じた時だった。

ガララッバンッーー

病室の扉が勢いよく開いた音に驚いて反射的に出入口を見れば恵ちゃん…ではなく、岩崎直也さんが荒く呼吸をしながら俺と一瞬目をかち合わせれば、足早に近づいてきた。
無表情の岩崎さんに、恵ちゃんをこんな目に遭わせた俺は殴られるのかと思って息を飲めば俺から恵ちゃんへ岩崎さんは視線を変えた。

「……」

「……」

岩崎さんにかける言葉が無くて、謝ろうと口を開けば、岩崎さんの表情が酷く悲しげで声をかけてはいけない気がした。

「…けい、すけ…」

岩崎さんが左手を伸ばして恵ちゃんの前髪を上げ、額に触れる。俺も足に力が戻ったのかゆっくり岩崎さんの隣に立って恵ちゃんを見る。
何故触れたのが額なのかと疑問に思った直後に恵ちゃんの顔から身体全体が少しだけ明るくなったというか発光したようになった。真っ白とか電気や太陽のような眩しい発光ではなく、それに布を被せたり雲がかかったような篭った発光だった。熱を持った様子で恵ちゃんの表情を見れば苦しげだった表情が楽になった。
岩崎さんの手が離れれば元に戻り、発光は治まった。恵ちゃんの発光が岩崎が触れたことによるものだとするなら、何かしたのかと問いたくて岩崎さんを見る。

俺はまた、息を詰めた。

「……っも、申し訳…ないっ…」

彼は悔しそうに歯を食いしばり、悲しそうな目をして、恵ちゃんを見据えながら俺にハッキリそう言った。
謝るのは俺の方なのに、その表情をするのは貴方ではないはずなのに、彼はすぐに顔を下に向ければ扉の方へ戻って行き、気づかなかったけどいつの間にか扉を閉めて俺たちを見て居た図体のデカイ男が、扉を開ける。室内を出て行こうと扉へ近付いた岩崎さんに胸を突き飛ばすように押されて岩崎さんはそのまま出ていき、図体のデカイ男も無表情で後を追うように出て行った。

岩崎さんは出て行く時は苛立っているようにも見えた。2割悔しさ、2割悲しみ、残り6割怒りの様に見えた。なにか心当たりがあったのかもしれない。なにせ被害を受けたのは自分と瓜二つの別人だと思うとああいう表情を俺でもすると思った。

「あ、あさい…さん?」

「っ!!…恵ちゃん!」

扉の方を見ていれば、小さくくぐもった声が聞こえて、聞き覚えのある声に勢い良く振り返れば、恵ちゃんが目を開けて俺を見て、困惑した表情をしていた。
意識が戻った。また恵ちゃんの声が聞けた。恵ちゃんの目が俺を捉えてくれた。嬉しくて恵ちゃんに覆い被さって恵ちゃんの頬に自分の頬を擦り付けながらまた俺は泣いた。

今度は嬉し泣きで…。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.62 )
日時: 2017/06/25 23:51
名前: 朝倉 (ID: nZxsmZ3d)


「えっ、恵ちゃん?だめだよ、まだ安静にしてないと!」

「平気です」

俺が覆い被さるように抱きしめていると身じろいだ恵ちゃんは上体を上げ始めた為に、一旦体を離すものの、先程まで意識のなかった恵ちゃんが動くのは良くないと言えば、聞く耳を持たない。
でも意識が戻って数分で体を起こすことが出来るものなのかな、と疑問に思う。

恵ちゃんが、自分自身の体のあちこちを調べるように触り始めたために、部位があるのか確認しているのかと思いながら聞いてみる。

「恵ちゃん?なにしてるの?」

「えっ?…いや。そういえば俺って、どうなったんですか?」

「お腹を刺されて出血死しそうになってるところ、一命は取り留めたって…感じかな。恵ちゃん、恵ちゃんが何で追われてるのかとか俺には分からない。けど、もし、もしだよ?もし恵ちゃん自身に何かあった時…」

「起きて早々いらないスよ。わかってますから」

「うん…ごめん」

関係者は皆何らかの形で心配する。恵ちゃんに傷ついてほしくはないし恵ちゃん自身を失う事が怖いと思ってしまった俺が恵ちゃんに念を押せば理解していると返答された。

Re: お前と俺。俺と君。 ( No.63 )
日時: 2017/07/12 14:07
名前: 朝倉 (ID: Cqmw6ffg)


「…あ、じゃなくて」

「へ?」

「俺!浅井さん、俺を見てください」

暫くの沈黙を経て、恵ちゃんは思い出したように手を目の前で振り、自分を見てと両手を胸に当ててみせる。恵ちゃんが何を言いたいのかを理解できずに俺が首を傾げて見せればほんの少し呆れた溜息を吐いて下記を述べた。

「刺されたなら怪我をしてると思うんですけど痛みはないし、ほとんど無傷の気がするんですけど」

「ええ?!いやいやいや!それはないよ!」

「…」

恵ちゃんの言っていることは間違ってると思って真っ向から否定をすれば、無傷な俺に会えるのは嬉しくないのかとでも言うような目で見られた。一歩後ずさって謝る。

「うん、ごめん。傷がないことは良いことだよね」

俺の謝罪をスルーして恵ちゃんは考えるそぶりを見せる。恵ちゃんが考え事をしているときは邪魔したらいけない気がする。暫くしたら恵ちゃんが訝しげな表情で聞いてきた。

「もしかして、あの人、来ました?」


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