複雑・ファジー小説
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- ジアース 〜沈んだ大陸〜
- 日時: 2011/10/27 21:16
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
スレ設立日時 2011/09/02 22:01
初めまして。こんにちは。ハネウマと申す者です。
ここでは今年の七月九日ぐらいに完成した小説を一日一回のペースで少しずつ投稿していこうと思っています。
はっきり言って、駄作です。特に序盤なんか手探りな感じで・・・ちょちょっと待った、ブラウザバックしないでください!終盤になると幾分かマシになりますから!いやホントよろしくお願いします!
駄作とわかっているなら修正しろって話ですが、アレです。面倒くさい(殴
それとこの「沈んだ大陸」の続編を今執筆中でそれもいつか投稿する予定だからたとえ駄作でも載せとかないと嫌なのです。
コメントには誠意を持って返信したいと思います(訳:頼む・・・コメントを・・・コメントをくれぇ・・・)
多少のグロはあると思います。いやこれってグロって呼べるのか?ぐらいです。十二歳以上なら全く問題ないと思います。
コメディ・ライトの方では「茶飯事的な日常は奴らを乗せて回ってく」という小説を投稿しています。気が向いたら見てやってください。
参照のURL、ブログの方も毎日更新中なのでこれも気が向いたら見てやってください。
では物語へ。
- Re: 沈んだ大陸 ( No.4 )
- 日時: 2011/09/05 21:26
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
▼死神
村は静まりかえっていた。
僕は倒れた村人たちの間を縫って進んでいる。どの村人にも脈はなかった。外傷も見当たらず、何故死んでいるのかわからない。そんな村人たちを避け、越え、僕は注意深くルーコの家を目指す。
この状況を作り出したのは魔人の仕業だろうという僕の考えは恐らく当たっている。ザードによるものなのかは分からないが、魔人がこの村に訪れこの状況を作り出したのはたぶん間違いはない。
恐怖に震える一方で、こんなことをした魔人を許せない。僕の足を動かしているのはそんな感情。僕が行ったところで何が変わるかはわからない。だがそれでも僕は進み続けるしかない。
駆け寄ると、ルーコの隣に、妻とその子供たちが寄り添うように倒れていた。その中でルイだけが生きていた。ルイは今にも死んでしまいそうで、僕は彼の遺言を聞き届けようと耳を近づけた。
「……ムン……さん……」
僕は黙ってルイの冷たい手を握る。
「……ぼく……らんで……いよ……
……ムンさん……ぅらんで……ないよ……」
ルイは精一杯の笑顔をつくり、息絶えた。涙が頬を伝う。僕は立ち上がる。
「お前か、ルイを殺したのは」
背後で家の壁によりかかっている黒髪の少年に問いかける。
「ルイというのか、そいつは」
「お前か、ルイを殺したのは」
振り返り、少年を睨む。
「そうだ」
「何故殺した」
「何故か?」黒髪の少年は殺気をあらわにする僕をあざ笑うかのような調子でこう言った。
「暇つぶしだよ、ただの」
胸に溜まった黒々とした感情の暴走を抑えられない。
「お前は!」
激昂した。少年の胸倉を掴んで壁に叩き付ける。その瞬間、少年の唇が動く。
「しね」
僕の意識が遠のき、そして消える。
- Re: 沈んだ大陸 ( No.5 )
- 日時: 2011/09/06 21:40
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
▼ザッパ
「だから、大人だって言ってるだろ!?」「どうみても子供だろうが!」
ザッパ村の酒場で、私、ヘルガは店主と口論をしていた。
「国の法律で決まってんだよ! 飲酒は18歳から!」
「私は18歳だーっ!!」
叫ぶが、他の客の目は冷たい。大方、「うるさいなこのガキ」と思われているのだろう。結局私が折れ、酒場を追い出される事となった。
「あーあ、まーた飲めなかったよ……マグマルディア」マグマルディアとはルディア地方の銘酒である。
「シムンもいるし、スヌ村に行ってみようかな……。あれ」
私の目に映ったのは「鍛冶屋」の看板。「そういえばシムン、空っぽの鞘持ってたっけ。あそこで剣も売ってくれるのかな?」
暢気に村を見て廻る私。家の数こそ少ないものの、村というにはザッパは広かった。私は村のはずれの展望台を目指した。道は整備されていなかったが、様々な土地を歩いてきた私にとっては気にならない。
展望台には梯子がかけられており、それを登る。結構な高さ。登りおえると村全体が見渡せた。連なる家の屋根が遠く、横なぎの風が冷たい。私の心は達成感に震える。
「やっほー!!!」
しばらくそこへ佇んでいると、村に誰かが入ってきた。私はその人物に何かを感じ、望遠鏡を取り出す。
——私と同じ赤い髪だ——
それは私と同じ拝魔の一族出身だということを意味していた。その赤髪の男を追うべく私は展望台から飛び降りる。能力を発動させ、オレンジ色になった右腕で着地する。
——ガルト族出身なら、何故こんなところに?——
拝魔の一族、正式名称ガルト族は、全ての人が一つの島に住んでいる。正式な民族名は普及していないが、その原因は島から出ることを禁忌とする一族の因習があるためだった。私は禁忌を犯して旅に出たのだ。
——まさか、罪を犯した私を追って……?いや、そんなはずはない、そんな事を族長が命じるとは思えない——
私は自分の他にも島から出て行った人を知っていた。だが懐の深い族長はさほどそのことを気にしていない様子だった。
——もしかして私と同じで、島から出た旅人?——
整備されていない道を抜け、赤髪の男を追おうとしたその時、声を上げた者がいた。
「誰か助けてくれ!! 村が……スヌ村が!!!」
- Re: 沈んだ大陸 ( No.6 )
- 日時: 2011/09/07 00:12
- 名前: 夜兎__〆 ◆8x8z91r9YM (ID: 4CT2wXi/)
どうも、夜兎です。
さすがというか何というか。描写の丁寧さが半端じゃないですね。ずっしりと書かれていて圧倒されました。
ただ台詞と描写が一緒になっていて少し読みにくいなあと思いました。通常の縦書きだとこれが普通なんですけど、横書きは分けないと読みにくいですね……。
用語が一度に出てきてすし詰め状態というか、少し分かりにくかったりしました。
展開がやや急かな、なんて思ったり。
すいません、なんか上から物を言ってしまったような感じで。注意する前に自分が直せよって感じなんですがw
- Re: 沈んだ大陸 ( No.7 )
- 日時: 2011/09/07 18:50
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
コメントありがとうございます!励みになります。
>台詞と描写が一緒になっていて少し読みにくいなあと思いました。通常の縦書きだとこれが普通なんですけど、横書きは分けないと読みにくいですね……。
この文を見て、「やっちまった・・・」と思いました。この小説、既に完結しているのですが・・・って知ってますよね、とにかく、完結するまでずっとこんな調子なんです。
こういう書き方が好きなんですが、読者様の意見となると・・・尊重しなければ・・・いやしかしこの書き方は俺のジャスティス・・・と悩んだ末、変更しないことに決めました。貴重なアドバイスをふいにしてしまってすいません。結局自分がよければいいんだねって罵倒してくださっても構いません。申し訳ないです。
>用語が一度に出てきてすし詰め状態というか、少し分かりにくかったりしました。
>展開がやや急かな、なんて思ったり。
これには、「ですよね〜・・・」と頷きました。わかってたなら書き直せよって感じですが、そこまでする気力も情熱もないです(殴
というかわかっていたつもりでも、言われて初めて意識し始める事ができました。人に意見を貰うっていいことですね。
これから先の文章には得た教訓を反映できないかもしれませんが(気まぐれに改良を加えたいと思います)、これの続編(現在執筆中)の方ではこの意見をもとにバリバリ改良していきたいと思います。改めてご意見ありがとうございます。
展開が急なのは、描写が足りないからでしょうか?そんな気がします。
上から物を言う感じにはなってませんよ!というか別に上から目線でも大丈夫です、夜兎さんは僕より遥かにレベルが上なんで!
改めて、コメントありがとうございました!
- Re: 沈んだ大陸 ( No.8 )
- 日時: 2011/09/07 21:30
- 名前: ハネウマ ◆N.J./4eRbo (ID: sSCO5mTq)
- 参照: http://soysauce2010.blog82.fc2.com/
▼スヌ村、その後
僕は暖かいベッドの上で目を覚ました。
既視感を覚え辺りを見回す。そこはカガリ一家のルーウィンの部屋だった。
記憶が甦る。勢いよく音を立ててカーテンを開き、窓から村を見渡す。ルーコ達の遺体は忽然と消えていた。
——いや、最初から無かったのかもしれない。
部屋から出て階段を下りると、ついさっき知り合った魔人がいた。
「ヘルガ」
「おぉ、シムン! よかったよかった、無事なんだね?」「まぁ、なんとか」
「……村人達を運ぶのには、私は非力だから……シムンを見ていてあげることしかできなくて」ヘルガは視線を揺らす。
「運ぶ?」「うん、魔人は世間に受け入れられてないから一般人の前で能力は使えないんだ……」
「そういうことじゃない」僕は恐る恐るその問いを口にする。「運ぶって、何を?」
「何をって、村人達だよ。……死んでしまった人たち」
僕は重すぎる現実に愕然とした。夢じゃなかった。「そう……なのか」
しかし、だとすれば、何故僕は生きているのだろう。疑問が残るが、今はそんなことを考えている場合ではないことを思い出す。
家から出て、遺体を運んでいる人に混ざり、そして墓を作る。
今いるのはほとんどが隠れたり逃げて生き延びたスヌ村の人間だった。
「ところでよ、その鞘、なかなか良い装飾が施されてんな。俺は農具専門の鍛冶屋だから剣は打てねえが、帝都に行けばレビオレっていう俺の息子が刀鍛冶をやってるんだ、機会があれば寄ってやってくれ」ザッパから来たという男が言う。ザッパではパニックが起きて大変なことになっているらしい。もっとも、隠れていたスヌ村の村人は、あの魔人がザッパとは逆の方向へ去っていったのを目撃しているが。
全ての遺体の埋葬が終わり、僕は額に流れる汗を拭く。僕が目を覚ました後は穴を掘る人たちに加わっていたヘルガが僕を見て頷く。
太陽は傾き、もうしばらくしたら山の陰に隠れるだろう。
「ありがとうございます」生き残った村人の一人が言う。「ザッパから来てくれた人も、旅人さんも……本当にありがとう」
「礼なんて。それで、あなた方は今後どうするつもりですか?」僕は尋ねる。
「ザッパに引っ越そうかと思っています。ここは廃墟になりますがね……名残惜しいです」
去ってゆくスヌ村とザッパ村の人達。「で、シムンはどうする?」ヘルガに尋ねられ、僕は考える。帝都には刀鍛冶がいるという。鞘と剣が一体となることで失った記憶を取り戻すヒントとなるかもしれない。そうならないとしても、僕は一つのところに留まるつもりはなかった。ヘルガのように旅に出ることを望んだ。
「今日は休んで、明日は帝都に行こうかと……思うんだけど、道がわからないな」
「私も一緒に行っていい? 帝都は何度行っても飽きないからね。地図もあるし」
「わかった。改めてよろしく、ヘルガ」「よろしく、シムン」そうして二人は静まった村、ルーコの家で眠りに就いた。
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