複雑・ファジー小説
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- とある天才のイミ Cacophonous Divge
- 日時: 2013/03/21 21:58
- 名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
——願いを叶えてくれるのならばやろう。この人生<ゲーム>を!
題名のアルファベットは「カコフェナス・ダージ」と読むのです。
僕の妄想が膨らみすぎて救いようの無いぐらい可笑しな小説です。
嗚呼、きっと神様はあざ笑うのでは(笑)
この小説にはグロい描写があるかもです。あくまでも予定なので無くなるかもしれません。
ちなみに僕は一時期別の名前で小説を書いておりましたが解っても突っ込まないで下さい。お願いします。
題名は勿論意味があります。変だけど突っ込まないで下さい。お願いします。
さて、前書きは此処までにしておきましょう。
駄作になのでしょうけどお楽しみ下さい。
嘘吐き。嘘吐き。先輩の嘘吐き。
帰ってくるって言ったじゃない。なのになのになのに、どうして? あれからもう何日も経ってるのに帰ってこないの? 連絡が無いの?
お母さん、ねえお母さん聞いてよ?
……もう、いつまで寝てるのよ。いくら寝るのが好きだからって道路で寝ること無いじゃない。しかもこんなに冷たくなって……。外で寝ていれば誰だって冷たくなるわよね? 早く起きて、家に帰って温かいスープでも飲みましょ? ねえ、お母さん。
いくら揺すっても、頬を叩いてもお母さんは起きない。どんどん冷たくなっていく。……? お母さんってこんなにも白かった? いつも頬は赤くて、笑顔が似合うのに、今日は随分と白いのね。まるで血が流れてないみたいじゃない。
——長い戦争から一年が経った。何が原因で始まったのかは知らないけど、私は全てを失った。家もお金も友達も家族も大切な人も大好きな街も、全部全部全部!
どうしてこうなった?
人間が居るからだ!
どうすればいい?
人間を消せばいい!
人間を消して、美しい理想郷<セカイ>を創ろう!
——それが全ての始まり。
プロローグじゃないよ! 前書きみたいな何かだよ!
目次
平行世界編
プロローグ>>1
第1話「アンドロイド」
>>2>>3>>6>>7>>8>>9>>10>>12
>>13>>14>>15>>20>>21
第2話「笑顔」
>>22>>25>>41>>52>>58>>65
第3話「存在理由」
>>68>>75
番外編>>44>>47
お客様リスト
風死様
咲楽月(桜月)様
チェリー様
匡匪 吠兎様
- Re: とある天才のイミ ( No.7 )
- 日時: 2013/02/13 19:22
- 名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: qXcl.o9e)
- 参照: ワカナ「私の出番が欲しいぃー」
ピピピ……と鳴り響く目覚ましを止めゆっくり上体を起こす。今は6時。今日も学校か、と憂鬱な気分になる。
お母さんが居ないから朝ご飯とかは自分で作らなくちゃいけない。夜のうちに少し準備しているからいいのだけど。私は素早く着替え朝食の準備をした。
「うわぁ……」
真っ黒。今日は面倒だからパンにしようと思ったのが間違いだった。うっかり焼く時間を長くしてしまった。苦そうだ。でも、気合で食べなくては。大丈夫、私なら食べれる。
苦いもんは苦かった。バターを多めに塗ったから少しはマシだ。でも太っちゃうな……。でも、何も入れてないコーヒーより、ワカナが作った手順間違えすぎたクッキーより数倍おいしい……と思う。思う。
ささっと洗い物を済ませ登校準備をする。今日もいい一日であるといいな。
「ワカナー」
「おはヨ〜」
何故語尾がカタコトなんやて。とはいえいつものことだからスルースルー。
「聞いてよー! 今日さぁ、バスケやんの!」
声を弾ませ言う。ああ、コイツバスケ好きだったな。人の事言えないが私もワカナもいつも体操服だからいつ体育か分からない。
「ナツミたちもバスケやった?」
「んー、明日試合」
「いいなー! ずるい!」
「……」
「え、ちょ、無言やめてぇ!」
いつも通り騒がしい登校。……だった。此処までがいつも通りだった。
ドンッと人とぶつかってしまった。ワカナと喋ってばかりで前方不注意だったからだろう。謝る前に謝られた。
「あの、すみません。立てますか?」
と、透明感のある男の人の声が頭上から降ってきた。顔を上げると一言で言えば物凄くイケメンが居た。柔らかな藍色の眼が特徴的な男の人……
「あの……」
「はっ! こちらこそスミマセン! 前をちゃんと見てなくて……」
我に返りあわてて謝ると男の人は藍色の眼を細め、手を差し出した。
手をとって立てばいいのか? 差し出された手だ。その手を取り立ち上がる。改めてみると、背高いな。そしてカッコイイな。
「怪我が無くてよかった……。今度から気をつけてね?」
「はっはい!」
男の人は「それじゃ」と手をふって行ってしまった。
「ちょ、あの人マジイケメンじゃん!」
「うん。三次元でこんなイケメンに出会うと……は?」
ちょっとまてよ? あんな絶世のイケメンは本当に居るのか? もしかしたらアンドロイドじゃ? だったら、人間みたいに動くな。間違えちゃうじゃないか。でも、紳士ぽかったしよしとしよう。
「ナツミ……」
「何?」
「羨ましい」
「くたばれ」
「何ソレ、酷い!!」
結局いつも通りになった。それが一番だ。
——あの日常が本物じゃないなんて考えたくない。
- Re: とある天才のイミ ( No.8 )
- 日時: 2013/02/14 20:48
- 名前: せぷてむ ◆lzXFfF2iJc (ID: Z6QTFmvl)
- 参照: 短いよ!
「羨ましいィ〜」
「うるせぇ、くたばれ」
ワカナの羨ましいコールを軽くあしらいながら登校した。うん。ワカナうざい。一回くたばればいいのに。
「よっ!」
「朝っぱらから元気だな〜」
「あ! 馬鹿コンビ」
「おはよ」
サッカー馬鹿とバスケ馬鹿のコンビと偶然会った。サラッとワカナがひどいことを言った。……ナイス。
「ひっでぇ〜」
「ジュント、事実だ。そしてお前は俺より馬鹿だ」
「そうよ、いい加減慣れなさいよこのドアホ」
「そうなのだよ。そしてくたばれ」
「おめぇらひでぇえ!」
容赦ない私たちの攻撃に半泣きのジュント。ざまぁ。
ぎゃあぎゃあ騒いでいると鋭い視線を感じた。あ、そういえば馬鹿コンビってモテるんだった。周りの女子の視線が恐い。とは言えたった数人だけだ。私はわりと皆に信頼されているからか女子から嫌がらせは受けない。嫌がらせされても倍返しするからいいのだけれども。
「んじゃあ、私は先行くね!」
ワカナは走っていく。ワカナだけクラスが違う。私は馬鹿コンビと一緒だ。ワカナが居ないとつまらない。
私たちは4人一緒だから成り立つのかもしれない。
- Re: とある天才のイミ ( No.9 )
- 日時: 2013/02/16 12:19
- 名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
- 参照: ???「俺の出番はいつですか?」せ「知らん」
学校生活はいつも通り楽しかった。ただ、それだけ。でもそれはつまらない事なのかもしれない。
帰宅。さぁ、のんびりPCをやろう……と、鞄を片付けようとしたら私一人には大きいリビングに3つの人影があった。
「……なんであんた等が居んのよ」
「いやー今日お前ん家泊まるから」
「よし、くたばれ! そしてもう来んな!」
「くたばれが口癖はやめたほうがいいよ〜」
「仕方ないだろう。母さんが言うのだから」
どういうお母さんですか、突っ込もうとしても無意味だ。こいつ等の母親も結構奇人だから。それに私のお母さん、何気にこいつ等の母親と仲良いらしいし。どういう関係だよ。お母さんが変人ってことは理解してたけどさ。
「どうやって入った?」
「管理人にじじょー話して合鍵貰った」
管理人って確か、ジュントの叔母さんだ。肉親だからって安心して合鍵渡さないで欲しい。切実に。
「あ! ママとパパからお土産」
はい♪ と可愛らしく紙袋を渡すワカナ。畜生可愛いじゃないか。紙袋の中は……
「かなり有名でお高いところのお菓子……だと!」
私がずっと食べてみたかった所のチョコレートじゃないか! ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ。嬉しぎる。これ一回駅で試食したことがあったのだが本当に美味しくて言葉を失うぐらい美味しかったチョコレート! しかも大きい! はわわわわわわ、嬉しすぎる!
「早速、開けてみてよ!」
言われなくとも開けますとも。包装を丁寧にはがす。そしたら大きめの箱が現れる。おおぉ、高級感溢れるワインレッドに金色でダイヤの絵が印刷され、そのなかに「D」と書かれている。うわぁ、むっちゃ高そう。よし、箱を開けるぞ。開けると其処には宝石のようなチョコレートが20個ぐらいあった。それぞれ独自に高級感を漂わせている。うわあああ! なんて美味しそうなの!!
そんなチョコレートの宝箱に魔の手が忍んできた。そーっとゆっくり伸びてくる手。私はすかさず反応してその手を今までに無いくらい強い力を込め叩いた。
「いってぇえ!」
と右手を押さえるのはジュント。ざまあみろ。私の宝箱に手を出すからこうなるんだ。私のチョコレート、お母さんにしかお裾分けなんてしないぞ、絶対。
「ひでぇよナツミ! たくさんあるんだから1個ぐらいくれたっていいじゃねーか!」
「あぁ?」
「やんのかゴルァ!」
マジギレかけているジュント。全然怖くないから意味無いのにね。
「何? これは私が貰ったの。なんでそれをアンタにあげなくちゃいけないのよ?
え? 大体、なんの連絡も無く人の家にあがるって非常 識にもほどがあるのよ。分かってる?
それにアンタの家金持ちだか らこれぐらい毎日食べられるんじゃない? いいわねーお金持ちって。
それにあんた、私の家に泊まるんでしょ。だったら礼儀をわきまえろ。ワカナみたいにお土産持って来いとかはいわないけど、せめて謙虚になれないの?
え? あんた何様のつもりなの。まぁ、そこまでして私の大切な大切なチョコが食べたいのなら、
——跪け」
「すんませんしたあッ!!」
- Re: とある天才のイミ ( No.10 )
- 日時: 2013/02/16 17:42
- 名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
- 参照: ???「俺の出番はいつですか?」せ「知らん」
ジュントが土下座してから1時間が経った。未だに顔を上げようとしない。寝てるのだろう。ユーマが突っつきワカナが馬乗りになっても動かない。死んではないのだろうと思う。とはいえ、ずっといじっている訳にはいかない。人間、食事をしないと生きていけないのだから夕飯の支度をしなくてはいけない。
……何を作ればいいのか。あいつ等の好みはあまり知らない。ワカナは辛うじて分かるが、馬鹿コンビは分からない。無難にオムライスにしておこう。私好きだし。きっと皆好きだろう。オムライス苦手な子あまり居ないし。嫌なら食べなければいい。
「ナツミ、ジュントが寝てしまった」
「土下座して寝るとか馬鹿なの?」
「うん。馬鹿じゃん」
そして1時間たって寝ていたという事実に気付くのもおかしい気もする。ジュントは規則正しい寝息をたてていた。そして改めてこいつの顔立ちの良さを実感する。黙っていればモテるのに。
「あ、夕飯作るの手伝うよ!」
「気持ちだけでいいです」
「変わりに俺が手伝おうか?」
「あ、お願いします」
「ちょちょちょちょ、なんで私は駄目なの!」
「どんくさいから」
見事にハモった私達。ユーマは手際がよく料理は上手だ。裁縫は壊滅的だが。ブーブー拗ねるワカナに向かってユーマか肩に手を置き言った。
「お前に料理は向かない。だがその分向いている事がある。それはな……ジュントの世話だ」
言われても嬉しく無いよそれ。でも、ユーマなりに慰めているのだろう。そう思うと自然に笑みが浮かんでくる。
「……うん。わかったよ」
ワカナもあまり納得はして無いが彼なりの気遣いを理解したのか何も言い返さなかった。そして、ソファの上にいつも置いてあるクッションをジュントの枕代わりにした。優しい子だな。
「ナツミって母親みたいだな」
「よく言われる」
そして私達はキッチンでオムライスを作り始めた。
ナツミとユーマ、二人並んで夕飯を作る姿を見て「羨ましいな」と私は呟いた。私はどんくさくてよく失敗する。だから料理とかはあまりさせて貰えない。ママにもやめとけって言われた。ナツミは家庭的だ。そして頭もいい。それに引き換え運動は壊滅的……とまではいかないができない。私も運動はできない。でも頭もよくないし家庭的じゃない。裁縫はできるけど。同じ学級委員だけど私は1学期落ちたからその流れで今やっている。ナツミに至っては先生から頼まれたらしい。もう、この時点で違いすぎる。本当、羨ましい。
「ナツミはいいなぁ」
誰にも聞こえない声で呟いた。きっと私の思いは誰にも届かないのだろう。そう思った。
「……お前もいいところあるんじゃねーの?」
「じゅっジュント!!」
「声でけーよ」
誰にも聞こえないように言ったはずなのに、ジュントに聞かれた事が恥ずかしい。ジュントは上体を起こし、頭をポリポリ掻いてから目を逸らした。
「自分では気付いてねーだろうけど、お前はナツミよりも凄い所あっからな」
そういうと照れ隠しなのかクッションを私の顔面にぶつけて来た。
いつもなら怒ってるけど、今回だけは特別に許してあげない事も無いかな。
- Re: とある天才のイミ ( No.12 )
- 日時: 2013/02/17 10:18
- 名前: せぷてむ ◆9FXqrrTuEc (ID: Z6QTFmvl)
- 参照: ???「俺の出番はいつですか?」せ「知らん」
「残したら皿洗いと風呂掃除」
そういい残して私達は夕飯を食べる。私とユーマでオムライスを作った。多分美味しい。まずかったらそれはそれでいいのだと思うけど。何事も経験。
「うまっ!」
「美味しいー!」
「まあまあなんじゃねーの?」
「美味しいな」
ジュントは素直に感想を教えてくれなかった。でも黙々と食べているから美味しいのだと思う。素直じゃないな。
夕食中、他愛も無い会話をしていた。3人はいつものことなのだろうけど、私は食事中、誰かと会話を交わすのは久々なので嬉しかった。そんな時、私はあることを思い出した。明日は休日。アンドロイドを買いに行くことに。その事をこの3人に言おうと思った。
「あのさ、ちょっと聞いてくれる?」
「どしたのー?」
「実はさ、明日……」
みんな、興味津々だ。
「アンドロイド買いに行くんだよね」
「へぇ、そうなんだって、え?」
「え」
「そうなのか、意外だな」
ユーマは冷静に返してくれた。信じられるか? こいつ理科以外成績悪いんだぜ。うん。信じられない。
でもワカナ達のほうが信じられないようだ。
「お前マジかよ」
「ナツミってアンドロイド嫌いじゃなかった?」
「確かそう言ってたな」
「お母さんが買えって」
「ああ! 納得」
見事にハモり美しい和音ができた。お母さんの存在が怖くなった。どんだけ皆に奇人と認識されてんだよ。
「そんで、一緒に来る?」
控えめに尋ねてみた。私の個人的な用事でこいつ等を連れまわしたくなかった。それに、1人で行くのが怖いだなんて口が裂けても言えない……わけでは無いが言いたく無い。
「マジで! 行く!!」
「しょーがねーから着いて行ってやるよ」
「喜んでいかせて貰おうじゃないか」
皆、目を輝かせている。ジュントなんて素っ気無いふりをしているが目がキラキラしている。あーホント素直じゃないな。
「うん、ありがとう。それじゃ今日は早く寝るか!」
部屋割りについてでジュントとユーマがかなり揉めたのでリビングで寝かせた。
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