二次創作小説(新・総合)
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- 逃走中#CR04 虹の夢と王国の絆 【完結】
- 日時: 2020/07/30 22:02
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: gKP4noKB)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7a/index.cgi?mode=view&no=1374
どうもです、灯焔です。
我が道中を進んでいく逃走中#CR04!『JOKER』の正体が遂に判明したり、道化師が本格的に動き出したりと大波乱が止まらない!
今回の舞台は、某リアルファイトゲーな『マリオパーティ5』より『レインボー・ドリーム』。人々の『そらのユメ』から生まれた天空のエリアを、逃走者達とハンターによる4度目の本気の鬼ごっこが今、始まる―――!
ジルクファイドが不穏な動きを見せて終了した前回の逃走中。道化師もどう動いてくるかわからん状況で逃走中#CRはどうなってしまうのやら…。『JOKER』、そして彼を巡る戦いは更にヒートアップ…していくのか?
ドラマは異常気象を解決する為夢の国へ!こちらもただ事じゃあなさそうですよ…?
種族を超えた絆を今、解き放つ時―――!命よ、魂よ、輝きを放て!
<ルール>
逃走エリア:『レインボー・ドリーム』
コネクトワールドの人々の『そらのユメ』から生まれた、天空にそびえる大きなエリア。
4つのエリアに分かれており、逃走者達は各々OPゲームで選ばれた場所から逃走をスタートすることになる。また、今回はミニドラマに対応する為『4つの国』のような景色に仕上がっている。
エリア詳細 >>1
ミニドラマ紹介 >>2
逃走時間:85分
賞金:51万(1秒100円)
ハンター:初期4体(OPゲーム会場のハンターボックスに4体)
自首方法:『雷の国』か『雪の国』にある自首用電話から自首する旨を電話する。
<参加者>
【pop'n musicシリーズ】より (3人) 詳細>>3
烈
風雅
塵
【ファイアーエムブレムシリーズ】より (3人) 詳細>>4
クリス
ルフレ
カムイ
【ダンガンロンパシリーズ】より (3人) 詳細>>5
舞園さやか
ソニア・ネヴァーマインド
天海蘭太郎
【どうぶつの森シリーズ】より (3人) 詳細>>6
むらびと
しずえ
たぬきち
【白猫プロジェクト】より (3人) 詳細>>7
シャルロット・フェリエ
ルカ・フォルティス
レクト・ラロ
【作者枠】 (3人) 詳細>>8
桜木霊歌
YUMA
夏風邪
【逃走中#02 MVP】 (2人) 詳細>>9
アルル・ナジャ
クレア・スチーブンソン
計20名
○逃走中#CR05 出場枠争奪クイズ 結果発表実施!
※締め切りました
◎AfterBreakTime
①『数多の可能性の世界へ』 >>10
②『松野家の七転八起』 >>36
③『とある神々の憂鬱』 >>56
④『その紅き目は虚空を仰ぐ』 >>68
⑤『現は夢、夢は現』 >>81
⑥『混沌落下☆注意報』 >>94
⑦『道化は鳥を嘲笑う』 >>124
⑧『異星の明星を見上げて』 >>133
⑨『みんなで脱出戦争』 >>144
⑩『打ち上げパーティ』 >>169-173
Extra『ウルトラワールドとの邂逅』 >>174-177
以上、逃走中#CR 運営本部がお送り致します。
- Re: 逃走中#CR04 虹の夢と王国の絆 ( No.66 )
- 日時: 2020/06/15 22:02
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: LdHPPNYW)
どうもです。灯焔です。
明日さえ乗り切ればまた気温が下がってきますが…。こう暑い日が続くと気が滅入ってしまいます。
>>YUMA 様
どうもです。コメントありがとうございます。
まあね、人間だったえむぜさんに呪いかけた張本人が『解けない』って言ってしまっているから無理なんでしょう。『彼が言っていることが本当であれば』の話ですが。
YUMA様は通報されての確保となってしまいました。残念ですね…。後、証明するからとはいえ他人を犠牲になんて言い方は流石に良くないかと思われます。クリスにもクリスなりの正義感がありますからね。
>>葉月 様
どうもです。コメントありがとうございます。
うまく引っかかってくれているといいんですが。そうはいかないのが逃走中。さて、結果はどうなるやら。
裏切り者は作者であろうがそうでなかろうが容赦ありません。だってこれ逃走中だもの。
追記に関しては先に申した通り様子見とさせてください。流石にゲームで死人が出るのは今は遠慮したいかな、と思っているのが実情でございます。
強制失格となってしまうのは一体誰?裏切り者を引っ掛けることはできるのでしょうか。
- Re: 逃走中#CR04 虹の夢と王国の絆 ( No.67 )
- 日時: 2020/06/15 22:03
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: LdHPPNYW)
【56:38】
~雷の国 ネオン街付近~
カムイ「勢いでこちらまで来てしまいましたけれど、裏切り者やハンターはいませんよね…?」
ミッション①クリアの通知を受け、動けるうちに動いておこうと判断したのか晴れの国から移動してきたカムイ。
流石に移動しすぎたと思ったのかきょろきょろとハンターがいないか見回しています。
カムイ「もう強制失格者が発表されるまで1分30秒弱になっているんですよね…。恐らく投票した方は絶対にいると思いますから、必ず誰か1人が脱落しそうです…」
しゅんとした表情になりながら彼女はそう呟きました。ちなみにカムイは投票したんですか?
カムイ「まさか!誰かを犠牲にしてのうのうと生き残るなんて私には出来ません!」
ですよねー。…おっと?そんなことを言っている間に誰かが近づいているようですよ?
風雅「…なんだカムイか。ハンターかと思ってビビった…」
カムイ「貴方は…確か、風雅さんでしたよね?烈さんのお友達の…」
風雅「そうだが。…うろうろしている姿がちらちら目に入ったからつい隠れ場所から出てきてしまったよ」
カムイ「あ、そうだったんですね。私のせいですみません…」
近付いてきたのは風雅でした。カムイがあまりにもきょろきょろして、その影が気になって隠れ場所から出てきていたようです。
曰く、近くにハンターはいなかった様子。
カムイ「…そういえば、風雅さんは誰が裏切り者だと思いますか?」
風雅「なんだよ急に。……ま、まさか。俺が裏切り者だとか思ってないよな?」
カムイ「い、いえ!そんなことは考えていないのですが。通知が来てしまった以上、信じたくなくても裏切り者は確実に『私達の中』にいるので…。少しでも皆さんの疑惑を晴らしておきたかったんです」
風雅「そういうことなら別に良いが…。あ、俺は裏切り者じゃないぞ。つぎドカの面子に泥がつくような真似はしたくないからな。…正直たぬきち、シャルロット、YUMAさんの誰かだと思っていたんだが…全員捕まった上に裏切り者じゃなかったからな」
カムイ「自首も視野に入れていそうなお二人はともかく、YUMAさんの名前が出たのは意外でした」
風雅「…何というか、俺、彼女の性格が苦手だから…。根はビビりだから嫌われてそうだし」
カムイ「そんな個人的な感情で疑わないでくださいよ!そんなことないと思いますから安心してください!」
風雅「烈の代わりに俺が捕まればよかったんだ。雷の国で隠れ続けなきゃよかったんだブツブツブツブツ」
カムイ「ふ、風雅さーん!しっかりしてくださーい!」
あーあー。風雅のヘタレスイッチが発動してしまいました。この人、クールな見た目に似合わず根はかなりヘタレでビビりな性格ですからねぇ。隠れていた際にハンターの影を見ていた時もがくがく震えていたんだとか。
カムイ「そうなんですか!?OPゲームの時もどっしり構えていましたし、肝の据わった方なのかと思っていました…」
烈『こいつのヘタレっぷりは筋金入りだからなぁ。肝が据わってるのは寧ろ氷海と鈴花の方なんだよなあ…』
風雅「どうせハンターにそろそろ見つかってカムイさんに置いていかれるんだどうせ捕まるんだブツブツブツブツ」
カムイ「置いていきませんから!しっかりしてください風雅さん!」
カムイがぽんぽんと肩を叩いても反応なし。これは元に戻るまでに少し時間がかかりそうですね…。
そういえばカムイ、時間気にしなくていいんですか?
カムイ「そうでした!そろそろ強制失格者が出そうな時間ですよね…!」
そう思い彼女はタイマーを取り出します。
【55:02】
カムイ「もうすぐですね…!」
呟いて風雅を見たその瞬間―――!
風雅「えっ……?うわっ!」
カムイ「きゃっ?!」
唐突に風雅の身体が光り出し、そのまま一瞬でその場から消えてしまいました!
近くを見回り彼を探しますが見つかりません。まさか。彼女の脳内に一抹の不安がよぎります。
そ、その時でした。
ピリリ ピリリ
カムイ「『55分を経過した為、一番票数が多かった逃走者が強制失格となった。 風雅 強制失格 残り13名』……ああ、嫌な予感が当たってしまいました!」
天海「『なお、風雅は裏切り者ではない。』烈君に続いて風雅君もですか…。今回確保や退場のペースが速すぎやしませんかね…。そして風雅君は裏切り者ではない、ですか。やっちゃいましたね」
塵「残りのポップン勢は俺だけなのか。2人より生き残れたのは嬉しいが、気を抜かないでいかないとな」
通知によって風雅が強制失格となってしまいました!嫌な予感が本当になってしまい落ち込むカムイ。
風雅は裏切り者ではありませんでした。つまり、ただ強制失格になってしまったということ。かなりギャンブル性の高い通知…これで終わるとは思えませんが。
とにかく!未だ裏切り者の恐怖は続いているということです。気を付けて下さーい!
【54:48】
~晴れの国 商店街~
アルル「強制失格にならなくて良かったけど、裏切り者じゃなかったって…。まだ動いてるってことだよね。うう…誰だか分からないから他の逃走者を信じにくいよぉ…」
逃走MVPアルル。前回仲間と力を合わせてこなすミッションが多かったのとは打って変わって、仲間を疑わねばならないという事実に委縮している様子。
さらに、強制失格者で裏切り者を退場させられなかったことにも少しショックを受けているようです。
アルル「この後同じような通知が来たらまた裏切り者は誰かを犠牲にさせるんだよね?うーん…それまでに誰が裏切り者かを目星付けておかないとなあ…」
そう考えていた彼女の近くに―――
ハンターLU「…………!!」
ダッダッダッダッダ!!!!
ROCK ON 【ARLE】
ピーーーーーーーーーーーー
アルル「げげっ!考えてる暇じゃなかった!」
ハンターが迫っていました!幸い距離があるので商店街に逃げ込めば撒けるかもしれません!
アルル「いちかばちか、やってみるしかないね!」
意を決して商店街に逃げ込むアルル。ハンターも彼女を追って商店街へ。
撒けるか……?!
アルル「細い道がある!こっちを先に通ってハンターの視界から逸れた方がいいかも!」
アルル、ハンターが曲がってくる瞬間を狙い細い道をくぐりました!
そのまま反対側の道へと通り抜けます!
ハンターLU「…………?」
先程アルルが逃げてきた道へとやってきたハンター、彼女の姿を見失いそのまま追うのを止めました。
よかったー!無事撒くことが出来ましたね!
アルル「ふぅ…。何とか一件落着だよー。裏切り者だけじゃなくハンターにも気を付けないとね」
そうですね。どちらかに集中的にかまけていれば油断を突かれてしまいますからね。
次回、ドラマ進展&ミッション②スタート!
- ABT④『その紅き目は虚空を仰ぐ』 ( No.68 )
- 日時: 2020/06/15 22:06
- 名前: 灯焔 ◆rgdGrJbf0g (ID: LdHPPNYW)
麗らかな陽気が降り注ぐ庭園での一コマ…だったんですが。
無情にも『それ』は平穏を潰しにかかるのです。
------------------------
~運営本部 庭園~
(×>ヮ<)<バシャバシャ!バシャバシャ!
MZD「あーあー遊ぶな遊ぶな。ごめんなこんなことまで頼んでー。これから夏の花が咲く季節だから、オレ等2人じゃ水やりが間に合わなくてさ。助かったぜ」
konakun.「運営本部の手伝いをしに来たんだから、これくらいお安い御用だよ。……チュウニズマーじゃないのはちょっと寂しいけど」
MZD「ん?何か言った?」
konakun.「なんでもない。…そういやはなこは?」
MZD「ヴィルと一緒に花用の肥料を取りに行ってるはずだけど…。遅いなー」
konakun.「はなこ、相当運が悪いからどこかで穴に嵌ってたりしてないといいけど」
(×>ヮ<)<イケニアタマカラツッコンデタリシナイトイイネ!
MZD「なんだそりゃ…」
運営本部の広い庭園では、現在MZDに頼まれてkonakun.達が植物に水やりをしていました。
2回目の際にシャンデラがふと立ち寄ったあの庭園です。どっかのガーデニング好きが『花を育てたい』と言った結果、ちゃんと世話をすることを条件にサクヤが庭を貸し出していたのです。
今は季節の変わり目。夏に咲く花に適した環境にする為に、時間が開いた今肥料ン管理をしてしまおうと考えていたそうです。
ヴィルヘルムとはなこがいませんが、どうやら倉庫に肥料を取りに行っているようですね。
そのまま花に水やりを続けていた一同でしたが…。ふと背後からしっとりした覚えのある気配が。振り向いてみると…。
MZD「おっかえり……その脇に抱えてる少女はどうして全身ずぶ濡れなのかな?」
ヴィル「倉庫で彼女にバケツに水やり用の水を汲む様頼んだのだが。目を離した隙に何故か水の入ったバケツに頭から突っ込んでいてな。そこにタイミング悪く罪木殿がぶつかって来て、倒れた先の蛇口を身体で捻ってしまい…ホースから水が勢いよく2人を直撃してな。双方全身ずぶ濡れになったところを助けて戻ってきたのだ」
(×>ヮ<)<イケジャナクテバケツダッタネ!
MZD「なんだその不運の連鎖は…。ヴィルもびしょ濡れじゃねーかよ。ほら、乾かすからマント貸して!はなこも椅子に座って服乾かして!」
はなこ「ご、ごめんなさい…」
konakun.「(水難に遭いやすいって忠告しておくの忘れてた…)」
2人が肥料を取って戻ってきた…のはいいのですが、はなこは全身ずぶ濡れでヴィルヘルムも彼女を救出する為に水を被ってしまい大部分が濡れてしまっていました。
幸い今日は天気が良かったので、MZDは慌てて彼のマントをひっぺがし物干し竿に。女の子であるはなこの服は流石に取れなかったので、日の当たる椅子に座るように指示しました。その後、彼は神パワーで2人分のタオルを瞬間移動させて手渡したのでした。
MZD「はい、タオル。風邪ひかれると困るから拭いて」
ヴィル「すまん」
はなこ「ありがとう…。水を汲んでる間によちよち歩いてるオレンジ色の動物が見えたから、つい目で追っていたらバランスを崩してバケツに頭から落っこちちゃって…」
konakun.「ワドルディかな?」
(×>ヮ<)<ヨソミシテタンナラシカタナイネ!
水も滴るいい男といい女…という訳ではないですが、すまなさそうにタオルで水滴を取る2人にMZDは仕方ないなぁと思いつつため息を1つついたのでした。
―――そんな平和な時間を過ごしていた、その時でした。
ヒュン!
MZD「―――?!」
ヴィル「konakun.殿、はなこ殿。下がってくれ」
konakun.「えっ…?」
(×>ヮ<)<ナニー?!ナニー?!
MZD「(槍の空を切る音…?!まさか…)」
唐突に一同の目の前を斬り裂いた、空。寸のところでヴィルヘルムがkonakun.とはなこを後ろに下げた為、誰も怪我はしていませんが…。
MZDが何事かと振り向いたと同時に、空を切った『正体』は空から舞い降りたのです。
ジルク『…………』
ヴィル「ジルクファイド…!」
MZD「待って。何か様子がおかしい」
現れたのはジルクファイドでした。しかし、前回満身創痍で本部に現れた時とは様子が違います。彼らを感情の無い目で見つめるその色は赤く、表情はありません。―――まるで2回目の時に対峙したような…。本当に『人形』になってしまったような。そんな底知れぬ恐怖を、彼は感じたのでした。
MZDは素早くサングラスを光の槍に変化させ、構えます。
MZD「…ヴィル、konakun.とはなこの護衛頼んでいい?」
ヴィル「またお前はそうやって自分の身を…!」
Σ(×>ヮ<)<ボクハー?!
MZD「お前もだよ!…表情からしか読み取れないけど、多分誰彼構わず容赦なく襲ってくるように見える。出来るだけ防ぐつもりではいるけど…。万一の時は頼むぜ」
ヴィル「断る。彼らに障壁を作ってから加勢する」
MZD「全く!オレもだけどお前も大概だよねヴィル!…わーった。ジルクの攻撃はオレが引き付けるからその間に安全な場所まで2人を非難させて。障壁はそれから、ね」
ヴィル「承知した。…くれぐれも無理するなよ」
MZD「どっちの台詞だか!2人のこと、よろしくな」
2人は目線で合図を送り合った後、それぞれの役目を果たす為持ち場を離れました。少年は自分に攻撃を引き付ける為槍を目の前の青い人形に。幽玄紳士は2人と1つの顔文字を安全な場所に避難させる為3人の元へ向かい、瞬間移動でその場を離れました。
~庭園 入口~
ヴィル「ここまでくれば安全だろう。あとは―――」
(×>ヮ<)<ナニスルノ?
ヴィル「しばらく庭園に障壁を貼る。こちら側には入ってこれなくなるが、ジルクファイドがお前達をターゲットにしない限りは障壁は破られることはない。その間に本部の建物に避難するなりなんなり行動してくれ」
はなこ「それは分かったけど、あなたはどうするの?盾くらいになら私だってなれるよ!」
ヴィル「その気持ちだけ受け取っておこう。…そうだな。盾になるというのならば、隣にいる作者殿の盾になると良い。―――今の彼奴は私達でも止められるかの瀬戸際にある。…身に危険が及ばぬよう、すぐに庭園から逃げるんだな」
konakun.「分かった。…君、悪役だけどいい人なんだね」
ヴィル「幽玄紳士の気まぐれだ。さぁ、話している暇があったらここから去るんだな」
konakun.とはなこ、(×>ヮ<)が庭園から去ったのを確認した後、彼は自らの魔力で障壁を練っていきます。前回ベリトが作ったあれです。曰く、魔法を使えるならば大抵の者は貼れるんだとか。
庭園一帯を覆う透明な膜を、彼は何度か触って確認します。しっかりと手が通り抜けないのを確かめた後、彼は光が散っている場所をちらりと見据え、その場から瞬間移動で消えたのでした。
~庭園 中庭~
ジルク『殲滅。対象は全て殲滅』
MZD「―――っらぁ!!!」
槍と槍がぶつかる鈍い音が庭園に響きます。彼らが解放する『圧』で、そよそよと咲き乱れていた花やつぼみが吹き飛ばされそうなほど揺れていました。
…前回ヴィルヘルムの話でもあった通り、現在MZDはサングラスに神の力の8割を封じています。彼もあの道化師と同じく、神の力が飛躍的に上昇し続けています。本来の力を出してしまえば―――光が世界を呑み込み、消えてしまうでしょう。
今回も少しだけ神の力を解放すればいい話なのですが、そうしてしまうとせっかく育てた花が全部飛び散ってしまう…。そんな思いがよぎっていた為、力を解放できずにいました。
MZD「(言葉も全く通じてないみたいだし…。本部に来たことがばれて初期化されたとか…?)」
ジルク『殲滅対象 運営本部』
MZD「前に本部襲ってきた時とは全然違う…。気を抜けば一瞬で劣勢になる。そろそろ来てくれる頃だとは思うけど…」
冷静に。冷静に。相手は容赦を知らないアンドロイドです。気を抜けば一瞬で形勢は劣勢へと傾いてしまいます。
しかし、一撃が重い為思うように槍を受け流すことが出来ません。光魔法で錯乱しようにも、詠唱する隙に押し返されてしまっては意味がありません。
―――どうしたものか。つばぜり合いを続けながらMZDは考えます。その時でした。
『V(ヴィヴァルディ)』
彼の真横から吹雪が。急に現れた冷気に人形は怯みました。その隙に彼は人形と距離を取り、背後を見ます。
そこには、『加勢する』と言ってのけたエプロン姿の幽玄紳士がいました。
ヴィル「アンドロイドは水と冷気に弱いはずだ。…しばらく動けなくなってくれていればいいが、そう甘い結論は出さぬ方が賢明だな」
MZD「サンキュ!…さっきの見立て通りだよ。前に本部襲ってきた時よりも一撃が重くなってる。マジで槍を防ぐので精一杯だった」
ヴィル「力を少々解放すればいいだろうに」
MZD「それじゃお前が手塩にかけて育てた花散らしちゃうじゃん!」
ヴィル「今はそんなことを考えている暇か!お前の力で少々花が散るか、彼奴に庭園を全て滅ぼされるか、どちらが被害が少ないか考えればすぐに分かるだろう!」
MZD「どっちも嫌なんだもん!…でも確かにそんなこと言ってる暇じゃないか。庭園を通して本部まで入れちゃ駄目だもんな」
ジルク『殲滅。殲滅』
MZD「来るよ!」
ヴィル「空中で引き付ける。お前は背後から槍か魔法で動きを止めてくれ」
MZD「りょーかい。無理しないでね?」
ヴィル「誰に物を言っている。…だが、肝に銘じておこう」
こんな時でも軽口を叩きあうとは。流石は現役の神と『JOKER』と呼ばれた男ですね。
少年の心配を軽く流したヴィルヘルムは空中に浮かび上がり、魔力で紫色の大鎌を創り出します。
考えることを知らないアンドロイドは、憶測通りに飛びあがった幽玄紳士を追いかけ、その胸を貫こうと槍を構え突進してきます。
ヴィル「我に立ち向かう気概は褒めてやろう、機械人形よ。―――だが、甘い!!」
ジルク『―――?!』
槍が彼の胸に届くかの瀬戸際でした。ヴィルヘルムの大鎌が宙に浮かび彼の槍を捉えます。
そのまま大鎌は茨のように形を変え、目の前の人形を拘束してしまいました。
ジルク『…………!!』
ヴィル「今だ翡翠!!!」
親友によって生まれた一瞬の隙を、少年は逃しませんでした。
槍先に光を込めて、宙にうかべます。そして―――
MZD『『Seventh Heaven』!!』
白い槍は、人形の、背中を――――――
『まだくたばるにははえェだろ?もうちょっと楽しもうぜ?』
確かに、機械人形の背中を貫いてはいました。ですが―――彼に苦痛の表情はありませんでした。
それどころか、あくどい笑顔を浮かべています。あ、これって前に見ましたよ?!また彼が乗っ取っているんですね?!
ヴィル「メフィスト。やはり貴様だったのか!」
メフィスト『良いダロ別に。今のこいつは俺様の『道具』。古代人類が創った優れたアンドロイドなんだからどんな使い方してもヨォ』
MZD「ジルクを盾に使うたぁひっでーことしやがるよなぁ。…初期化、したんだよな?こいつに『自我』が戻ったから」
メフィスト『流石は神カースト頂点に近い位置におわすお方だァ。そんなコト分かっちまうなんて!…初期化ついでに2人共潰そうと思ったんだが、やっぱ思う様には動かねぇよなぁ~。―――チッ、面倒くせぇ』
MZD「思う様には、動かない…」
ヴィル「(微かだが魂が青く色づいている…。ジルクファイドの『意志』が抵抗をしているのか…?)」
メフィスト『興覚めしちまったし今のところは退散してやるよ。―――ククッ、お楽しみはこれからだからなぁ!!テメーらに魔界より、地獄より深い『絶望』を見せてやるよ。『永久』になぁ!!』
…どうやらメフィストはジルクファイドのことを上手く操れていないようですね。ココロネが薄く蒼くなっているということは…。もしかしたら、彼の心がメフィストに負けじと抵抗を続けているのかもしれません。運営本部で過ごしたあの時間を、忘れられていないのかもしれません。
このまま戦っていても埒が明かないと判断したのか、MZDとヴィルヘルムに『絶望』を見せると言い残し、彼は一瞬でその場から消えてしまったのでした。
MZD「『絶望』なら人間だった時に嫌という程味わったよ!…なぁヴィル、メフィストが『思う様に動かない』って言ってたけど…。ジルク、残った心で抵抗してるのかな。初期化されてるのに…」
ヴィル「普段ならば考えられないが…。人工的な存在だったジャックに自我が生まれたこともある。もしかしたら…もしかするかもしれない」
MZD「もし抵抗してるなら、さ。…サニパの時みたいにオレ達みんなで助けてあげられるかもしれないよな」
ヴィル「…思いの力は時に呪いを打ち破ることがあるからな。―――とにかく、だ。彼奴が現れたことは報告せねばなるまい。…ほぼ確実に逃走中のゲームを邪魔してくるだろうからな」
MZD「うん。何してくるか分からないけど…ジルクは、助けなきゃ」
ジルクファイドがいなくなって静まり返った庭園で、2人はそんなことを言い合ったのだとか。
―――その後。帰り道にて。
MZD「…そういや!無意識にオレの本名喋っただろお前ー!あいつ以外誰もいなかったからいいけどさ!久々だからビックリしたじゃん!」
ヴィル「あ、いや、それは、その…すまない」
MZD「別にいいけどね!本名知られたって別に困る訳じゃないし。―――ま、だけど次言ったらハテナが仮面壊しても直してやーんね」
ヴィル「なっ…!それは死活問題だ、やめてくれ!」
MZD「…ふふっ!どーしよっかなー?さっきのカウントしてもいいんだけどなー?」
ヴィル「貴様!笑うな!撤回しろ!世界が壊れるぞ?!」
MZD「……冗談だよ!お前の仮面の重要さはオレもよーく知ってます!」
ヴィル「肝が冷えるからその冗談はやめてくれ…!」
珍しくMZDが冗談をかましています。兄弟だなぁ。
…それはともかく、ジルクファイドを救う手立てがあるのならば助けたいですよね。何か…何かないんでしょうか。次回以降、分かるといいんですが…。
- Re: 逃走中#CR04 虹の夢と王国の絆 ( No.69 )
- 日時: 2020/06/16 16:18
- 名前: YUMA (ID: 3NeFJuEp)
ユマです。
えーと、そちらの風雅君はヘタレとビビり君寄りの設定でユマにもビビってたの...?更にあり得ないけどユマが裏切り者と怪しんでましたか...笑えない...(汗)更に彼、失格してしまったから出来そうなら話つけておくか。(個人的に面白そうな事も理由だけど)
クリスの件絡みの話題...本人も逃走成功を狙っているなら軍人的な意味で引き際が大事だったのでしょうね...ユマが説得で動かない、ならハンターらしい人物が少しでも見えたら即座に方向変換する的な。
そして既存確保者...裏切りの可能性の高いたぬきちは確保済みなので判断が難しくなってきたぞ...手がかりが欲しいところです。ユマの通報時のクリスの証言が元なら...
・当時、雪側の雪だるま前には3人がいた。クリス、ユマ、裏切り者。
・クリスは人影を見ているがシルエットのみ。正体を見ていないどころか即逃げられている。足が早めか行動、判断が早い輩らしい。
・おそらく、裏切り者は烈の通報後に雪側に潜伏して時々移動しながら通報出来そうなターゲットを探していた模様。他人に通報してる場面を見られない様に振る舞いには注意したが...ユマのケースでは、だよね
・ただ...よく考えると最初のスタート地点の状況と、何故舞園ちゃんを通報しなかったか、何故エリア解放の瞬間で通報なんだ、って事から考えて、まとめて2人通報しなかったか最悪出来なかった点、ミッション時のやりとりから考えて...雪側には怪しい人がいない、怪しむなら晴れ側の可能性説も?
・それと、全員の投票内容が誰を選んでいたかにもよりますね。裏切り者含めて。今後どう動いていくのやら。
一応、考察程度にお願いしますね(汗)
*そして、ユマサイドでは。
烈「」
風雅「」
<2人共、そちらの自分らの確保スコアに呆然
氷海「あーあ、早期確保と失格でショックみたいよ。」
鈴花「それに...ジルクの件もヒヤヒヤするわね。初期化されて洗脳受けてもまだ完全じゃなさそうだし...」
晴人「人を操るモノはこういう傾向激しいからなー。アイツがある程度自我があるなら理論的に抵抗は可能だろうさ」
充瑠「じゃあ...どうする?動ける人。」
為朝「ココロネ的な事は分かんねーが...」
ハカセ「ジルクにかかった術か何かは相殺可能...手がかりはココロネ、とかならいいけど」
*どんどん不穏な...次回の先行きが心配ですね
- Re: 逃走中#CR04 虹の夢と王国の絆 ( No.70 )
- 日時: 2020/06/16 20:15
- 名前: おろさん ◆cSJ90ZEm0g (ID: N0SZnmuB)
こんにちは。おろさんです。
・・・裏切り者は強制失格にならずですか・・・そしてジルクファイドがまた登場ですか。操られてましたが。・・・メフィストはどんだけタチが悪いんですか・・・
・・・このタイミングですが、『コネクトワールドへと通じる扉のかけら』を使用することにします。
①【Mr.ゲーム&ウォッチ】(ゲムヲ)
②出典:スマブラ、GAME&WATCH
③一人称/二人称:ワタシ/アナタ,~さん
④スペック:『亜空の使者』の事件が解決した時までは善悪の概念があまり無かった真っ黒平面人間。百鬼姫とは親友でもあり、彼女のことを『百鬼さん』と呼び、百鬼姫からは『カゲムシ』と呼ばれてる。ちょっとしたスイーツマニアで、今のところちくわパフェがイチオシらしい。
⑤サンプルボイス:『ワタシはMr.ゲーム&ウォッチデス。ゲムヲと読んだ方が分かりやすいカト。』
『折角なのデこの世界のスイーツを食べてみたいデスネ。』
『この際ナノデ色々持ってきマシタ。』
『・・・なにか力になれることはアリマスカ?』
『お互い頑張りマショウネ。』
⑥備考:語尾などが片仮名表記になったりします。
①【不二咲千尋】(不二咲)
②出典:ダンガンロンパシリーズ
③一人称/二人称:僕/~君,~さん
④スペック:超高校級のプログラマー。普段は原作通りの感じの平常運転だが、裸族が暴走して問題起こしたりすると、口調などはそのままだが滅茶苦茶キレる(制裁組になった原因の三割はおろさんサイドの山田の重度なギャグカオス)。以前、魔道書を手にいれたため、魔力で宙に産み出される無数の魔眼(星のカービィのクラッコJr.みたいなの)で対象の魔力などの動きや位置等を計測できる『測定の天眼』、その魔眼でレーザーの魔力弾を放つ『逆行の隻眼』等の『眼魔法』が使えるように。
⑤サンプルボイス:『僕は不二咲千尋だよぉ。よろしくね。』
『眼魔法『(ここに技名がはいる)』!』
『・・・あんまり問題起こす人たちがいなくてよかったような気がする。』
『そ、そんなこと言わないでよぉ・・・』
『・・・うん、あとで話があるんだけど(威圧』
⑥備考:よほどの問題(裸族等の問題行為等)が起きなければ基本的には平常運転です。
①【ピカチュウ】
②出典:スマブラ、ポケットモンスターシリーズ
③一人称/二人称:俺/お前,(呼び捨て)
④スペック:大体の人がご存じのオスの電気ネズミ。制裁組。決してサトピカではないが、ケチャップが好物。カオスなことがあると大体はため息をついてあきれる。最近どこかの国の女王とその弟がよくバトリオシティ(『ウルトラワールドでの日常』の主な舞台)に顔を出すようになったので、フォロー等に手を焼いている。隠し事はあまり好きではない。
⑤サンプルボイス:『俺はピカチュウだ。ニックネームはないからな。』
『ここもなかなか面白そうだな』
『・・・ったく・・・お前らなにやってんだよ・・・;』
『喰らえ!10万ボルトだ!』
『・・・俺は隠し事はあんまし好きじゃねぇ。・・・普通は一人で抱え込まずに、できれば正直に話した方がいい。』
⑥備考:普通に人の言葉を話しますが、追求しないであげてください。
・・・このような感じでこの3名を送ります。よろしくお願いします。
(・>・)(・>・)<僕らも行きたーい
・・・それでは、失礼しました。
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