二次創作小説(新・総合)
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- きらびやかな日常 第二章
- 日時: 2022/01/22 09:46
- 名前: 桜木霊歌 (ID: HOq0SbwR)
きらびやかな日常の2つ目のスレです!
主人公である優を中心とした新たな幻想譚を楽しみに待っていてください!
優「さあ、行きましょう!数多もの幻想的な物語の世界へ!」
オリキャラ
>>1、>>2、>>3、>>4、>>9、>>55-56、>>77
世界観
>>5
短編
優の学園生活 私立御伽学園中等部編 >>6-9
監督生座談会(琴葉姫さんとのコラボ) >>10-12
静寂と破壊を司る精霊の怒り >>34-35
時ノ小路家の子供たち >>73-77
長編
『ふしぎ駄菓子屋銭天堂 御伽市』
身代わりジンジャークッキー >>59-62
ミラーキャンディ >>65-70
『在りし日の記憶』
Welcome to the Villains' worldは前スレ参照
深紅の暴君 前編>>15-18 後編>>21-30
『優の特務司書生活』
『失くし物探し駅』と『歯車仕掛けのヴィーゲンリート』は前スレ参照
奇襲作戦!『親友への手記』ヲ浄化セヨ!>>48-52
『オリキャラたちでTHE鬼タイジ』
参加者たちとルール説明 >>83
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クロスオーバー/キャラ崩壊/スマブラ/ソニック/SB69/グリムノーツ/ツイステ/文アル/オリキャラ/オリジナル設定あり
- ミラーキャンディ ( No.66 )
- 日時: 2021/11/21 21:06
- 名前: 桜木霊歌 (ID: 1CPnMR4A)
光に見られていた事を気づきすらしていない恭蔵は、そのまま部屋へと戻った。
光はその様子を呆然と見ていたその時、スーツの裾をクイクイと子供に引かれた様に感じた。
いや、実際に引っ張られたのだ。
後ろを向くと、そこには変わり果てた姿の敦也がいた。
全身が血まみれで、骨が折れており『ヴゥ・・・』という音が聞こえる。落ちた時に声帯が傷つき、喋ることができないのだろう
納棺師ですら完全に死体を修復できず、全身を包帯で覆うほどの惨状だったと聞く。
なるほどこれなら納得できると別の方向に考えてしまう。
それ程までに、敦也の変わり果てた姿に呆然としていたのだ。
大抵、幽霊は自分の理想の姿で生者の前に姿を表す。
しかし、敦也はその時の恐怖が原因なのか、死んだときの姿で光の前に現れた。
思わず一歩後ずさると、敦也は『ヴゥ・・・』と声にならない声を漏らして悲しそうな表情をした。
光「あ、ゴメンね・・・えっと、敦也君?」
敦也「ヴ!」
元気で表情豊かな彼らしさはこんな姿になっても損なわれていない。
だが、光には何故敦也は自分の前に姿を現したのかという疑問が浮かんだ。
光「・・・もしかして、僕に何か伝えてほしいことがあるの?」
敦也「ヴ!」
話を聞こうにも、今の敦也は声帯が潰れている為話を聞けないし、幽霊である為ペンと紙を握れるかすら怪しい。
ポルターガイストをできるほどの力があるとも思えない。
どうすればいいんだと途方に暮れたその時だった。
??「おや、お困りでござんすか?」
光「え!?」
光の前に姿を現したのは紅子だった。
場所に合わせているのかは分からないが、着ている着物は紫を基調とした小銭柄のものではなく、黒い無地・・・つまり喪服であり、簪は一つもつけていない。
紅子「銭天堂、女将の紅子でござんす。本日は行商でこさせていただいておりますが」
光「もしかして・・・駄菓子屋さんとかですか?すみません、今それどころじゃなくて・・・え!?」
光は気がつくと、駄菓子屋の中にいた。
見たこともない駄菓子・・・型抜き人魚グミ、猛獣ビスケット、虹色水あめ、ミュージックスナック、消し消しガム、ほしいイモ、怪盗ロールパン、お稲荷せんべいなどの見たこともない駄菓子が陳列されている。
感想まだです
- ミラーキャンディ ( No.67 )
- 日時: 2021/11/21 21:11
- 名前: 桜木霊歌 (ID: 1CPnMR4A)
紅子「では改めて銭天堂、女将の紅子でござんす。幸運のお客様の望みを叶えて差し上げましょう。」
光「の、望み・・・?あの、白雪姫の魔法の鏡とか、コックリさんみたいに質問したらどんな答えでも分かる物ってありますか?」
紅子「ああ、それならうってつけの駄菓子があるでござんす。」
そう言って紅子が取り出したのは、パッケージに鏡とミラーキャンディと書かれたキャンディの袋だった。
紅子「ミラーキャンディでござんす。キャンディを食べてから白雪姫の様に『鏡よ鏡』と唱えて質問すれば、どんな質問の答えも分かる優れ物でござんす。」
それを聞き、光は買うしかないと思った。
これしか敦也が何を伝えたいのか分かる駄菓子はないと思った。
そんな光にとって、言うべき言葉は一つだけだった。
光「いただきます!おいくらですか!?」
紅子「一円玉にございます」
光「え・・・!?」
駄菓子屋だからといって、明らかにおかしすぎるほど破格すぎる安い値段。
思わず驚いてしまった。
そして光は、ポケットに入れていた財布を見て一円玉が無いかどうかを探す。
光「一円玉・・・あった!一円です!」
そう言って光は紅子の手の平に一円玉を乗せた。
紅子「はい、本日のお宝・・・平成13年の一円玉でござんす。お買い上げ、ありがとうござんした。」
光「こちらこそありがとうございます!・・・あれ?」
紅子にお辞儀をしてお礼をした後、顔を上げると、紅子の姿も銭天堂も影も形もなく、いつの間にか弔木葬儀場に戻っていた。
夢だったのかと思うと、光の手にはミラーキャンディが握られていた。
そのミラーキャンディが、先程の出来事が夢ではないことを表していた。
感想まだです
- ミラーキャンディ ( No.68 )
- 日時: 2021/11/21 21:16
- 名前: 桜木霊歌 (ID: 1CPnMR4A)
ミラーキャンディの袋を丁寧に開けると、そこには沢山のキャンディと一枚の説明書が入っていた。
説明書『注意!食べる前に必ずお読みください!
ミラーキャンディを一粒食べた後、パッケージの鏡に向かって『鏡よ鏡』と唱えてから質問してください。
そうすれば食べたキャンディの数に応じて白雪姫の様に、どんな問いかけにだっ手答えてくれるでしょう。(3粒食べた場合は3つ質問できます)
しかし、キャンディ一粒につき質問できるのは一つまでです。
追加で質問をしたい場合は、キャンディをもう一つ食べてください。
もしもキャンディを食べずに追加で質問をした場合は、あなたが鏡に閉じ込められてしまいます。
くれぐれも質問と食べる量にはご注意を』
光「ようは欲を張って質問をしすぎるなって事だね・・・いただきます」
そうしてキャンディを一粒食べる。
味はシュワシュワしたサイダー味だ。
質問をせずにお菓子としてそのまま食べるのも良いかもしれないという味わいだった。
キャンディを一粒食べ終わったあと、パッケージに書かれている鏡を見る。
先程まではただの絵だったのに、本物の鏡と同じような光沢を放ち、光の姿を写している。
光「えっと・・・鏡よ鏡、敦也君が僕に何を伝えたいのか、教えて下さい。」
光がそう言うと、鏡は眩い光を放ち、気がつくと光はマンションの部屋にいた。
そして、光はここが篠森一家の家であると分かった。
ふと光が周りを見ると、恭蔵は錠剤のような物をオレンジジュースに入れた。
その錠剤のような物は、見間違いでなければ睡眠薬だ。
その予想は当たり、敦也は眠ってしまった。
六花『あら?敦也寝ちゃったの?お買い物行きたかったけど、今日は我慢しなくちゃね』
恭蔵『いや、お前もたまには一人になりたいだろ?俺が敦也の事見とくから行って来い。』
六花『?分かったわ。敦也にも恭蔵にも、お土産買ってくるわ』
これが過去の映像と分かっていても、光は六花を引き留めたくなる。
先程恭蔵がオレンジジュースに睡眠薬を仕込んだ地点で、明らかに恭蔵のやる事なす事に嫌な予感を覚える。
そして、六花が部屋から出て、外にいるだろうタイミングを見計らったように、敦也を起こしてこう言った。
恭蔵『お母さんが外にいるぞ。ベランダからお母さんが見つかったら、行ってらっしゃいが言えるかもしれないぞ』
敦也『!急がなきゃ・・・!』
光「ベランダ、お昼寝から起きてからの転落事故・・・まさか・・・!?」
ベランダから出た敦也は六花の姿を探そうと身を乗り出した瞬間、恭蔵はその背中を押して敦也を突き落とした。
そして、聞くに堪えない『ベシャア』という潰れるような音が響き渡った。
感想まだです
- ミラーキャンディ ( No.69 )
- 日時: 2021/11/21 21:21
- 名前: 桜木霊歌 (ID: 1CPnMR4A)
気がつくと、光は元いた場所に戻っていた。
先程の映像が見せた光景・・・それはつまり、恭蔵が敦也をベランダから事故に見せかけて殺したという事だ。
そして光は意を決してもうキャンディをもう一粒食べた。
光「鏡よ鏡、恭蔵さんは何故敦也君を殺したんですか?」
再び眩い光が放たれ、今度は葬儀場の中にいた。
恭蔵は光が最後に見たときと同じように喪服を着て携帯電話をいじっている。
そして誰かに電話をかけた。
恭蔵『邪魔な息子は死んだよ!俺が殺したのに本当に事故死扱いになったよ!これで後は六花に『お前のせいで敦也は死んだ』とか責め立てたら、あいつは責任取る形で自殺するだろうさ!そしたらあいつらが持ってた遺産も俺があいつらにかけてた生命保険も全部俺達のものだ!はっはははははは!!!!!』
それは正しく、光が紅子と敦也の幽霊に出会う前に見た光景だ。
つまり、恭蔵は篠森親子に最初から愛などなく、金目当てで近づき、二人を殺して不倫相手と遺産や生命保険を手にして暮らすつもりだったのだ。
むしろこんな人間だったのに、その人間性がバレなかったのが別の意味ですごい。
そして、元の世界に戻った後、光のやることは決まっていた。
・
光「父さん、式は?」コソコソ…
光父「?もうすぐ終わるところだが・・・?」コソコソ…
その言葉を聞いた光は、恭蔵のところに歩いてゆく。
光「では、喪主であるお父様より、亡き息子さんへのお声がけをおねがいします」
恭蔵「え?聞いてないぞ?」コソコソ…
光「すみません、そういう決まりになっていまして・・・」コソコソ…
その会話に聞き耳とアイデアの連続ロールで成功した優は、葬式にそんなルールがあったか疑問に覚えた。
恭蔵「まぁ、いいか・・・うぅ、まさか息子を喪ってしまうなんて、どうしたら良いか・・・敦也、君は自慢の息子だったよ・・・!」
そんなことを言う恭蔵を見て、光は内心彼に対する侮蔑や怒りを覚えた。
光(自分で殺しておいて、何であんなこと言うのか分からない・・・可哀想なお父さんアピールでもしてるの?)
優も心理学に成功し、恭蔵が嘘をついていると確信する。すると、恭蔵の目には信じられない光景が写った。
全身血まみれで骨が所々折れ、自身に対して憎しみの瞳を向ける敦也の姿だった。
優(嘘でしょ、敦也君・・・!?)
敦也「ゅる・・・なぃ・・・ぼぐをごろじで、おがあざんまでごろぞうどずるなんで・・・!ぜっだいにゆるざない!」
恭蔵「う、うわああああああああああああああああああああ!!!?く、来るな!来るなぁ!」
六花「き、恭蔵!?どうしたの!?」
霊感の強い優を除き、敦也の姿は恭蔵にしか見えていない。
言葉では表せないほど悲惨な姿になった挙げ句、殺した張本人の敦也がいるのだ。
パニックになるのも、自業自得だろうが無理はない。
恭蔵「み、認める!お前を突き落として殺した事も、六花を責め立てて自殺させようとした事も、遺産もお前らにかけていた生命保険も全部貰って愛人と駆け落ちするつもりだった事も、全部認めるから来ないでくれぇ!」
六花「え・・・!?」
その言葉を聞いた正義が恭蔵を取り押さえる。
正義「誰でもいいから警察を呼べ!」
優「あ、はい!」
10分も経たずに、優が呼んだ警察により、恭蔵は逮捕されてパトカーに乗せられていった
感想まだです
- ミラーキャンディ ( No.70 )
- 日時: 2021/11/21 21:27
- 名前: 桜木霊歌 (ID: 1CPnMR4A)
優「あの、光さんどうして彼に敦也君へのお声がけをさせたんですか?」
あの後優は、光の行動の理由が気になり、直接質問しに来たのだ。
光「死者の名前を聞いたり、死者の名前を言ったりすると、その人のことを考えるだろう?そしたら波長が合って、幽霊が見えるようになるんだ。まあ、彼に敦也君が見えてくれるかどうかは、賭けだったけどね」
へぇ・・・と声を漏らす優に、光は優の肩に手を乗せて一言言った。
光「優君、君は幽霊の声が聞こえたり、姿が見える霊感体質なのは知ってる。でも、死者の姿が見えたり声が聞こえたりすることは怖いことばかりじゃない。きっと、何かしらの手がかりを得られることもあるんだ」
優「なるほど・・・」
光「だから、霊感体質なのを悲観する必要はないよ」
優「・・・光さん、ありがとう御座います」
・
紅子「おや?」
紅子の持っていた瓶に入っている五百円玉から紫の瘴気が放たれる。
そして、その瘴気は頭でっかちな蝿のような虫の姿に変わった。
紅子「残念、あのお方の方は、不幸虫が産まれてしまった。こちらの勝負、銭天堂の負でござんす」
そう言って紅子は瓶から不幸虫を逃し、一年前の事を、思い浮かべていた。
・一年前
恭蔵『どんな望みも叶う訳?じゃあさ、俺金ないんだよ。だから金の持ち逃げとかしたいわけ。でもバレたら首飛ぶし、路頭に迷うことになるからさ、悪事がバレないのないわけ?』
紅子『それなら、うってつけの駄菓子があるでござんす』
そう言って紅子が取り出したのは、『ジャック・ザ・リッパン』と書かれたパンだった。
紅子『食べればジャック・ザ・リッパーの如く、どんな悪事もバレることはないでござんす』
恭蔵『あるじゃねえか!貰うよ、いくらだ?』
紅子『一つ、五百円に御座います』
恭蔵『五百円玉ねぇ?ま、こんくらいはした金だわ。はいよと』
紅子『はい、本日のお宝・・・昭和30年の五百円玉でござんす。お買い上げ、ありがとうござんした。』
意地の悪い顔を浮かべ、調子に乗っている恭蔵に対して、その時の紅子はこう注意した。
紅子『しかし、お遊びは程々にしたほうが良うござんす。世の中にはお客様を上回る幸運の持ち主もいるでござんすからね』
・
あの時の恭蔵は見事に調子に乗っていた。
そのおかげで、恭蔵を上回る幸運のお客様・・・光に悪事がバレ、六花が犠牲になる事は防がれた。
もしも恭蔵が調子に乗ってなかったら?光があの電話の光景を見ていなかったら?恐怖しかない。
敦也『光先輩、ありがとう・・・』
光「どういたしまして、敦也君」
弔木光
21歳。銭天堂でミラーキャンディを買った平成13年の一円玉の男の人
篠森恭蔵
29歳。銭天堂でジャック・ザ・リッパンを買った昭和30年の五百円玉の男の人
おまけ1 駄菓子紹介
ミラーキャンディ
光が買ったサイダー味のキャンディ。
キャンディを食べた個数に応じてパッケージに書かれた鏡に『鏡よ鏡』と唱える事で質問できる(3粒食べた場合は3つまで質問できる)
その質問は白雪姫の魔法の鏡のようにどんな質問にも必ず真実で答えてくれる。
しかしキャンディを食べた個数より多く質問するとパッケージに書かれた鏡の中に閉じ込められるため、追加で質問したい場合は、キャンディを追加で食べる必要がある。
質問せずに普通のキャンディとして楽しむ事も可能。
ジャック・ザ・リッパン
恭蔵が買ったチョコパン。
このパンを食べると、迷宮入りになった事件の犯人、ジャック・ザ・リッパーの如くどんな悪事もバレなくなる。
だが、図に乗りすぎると食べた本人を上回る幸運の持ち主(探偵や警察関係者、食べた本人が殺人を犯した場合は葬儀屋や霊感の強い人間など)にバレてしまう。
おまけ2 オリキャラ紹介
弔木光
御伽学園の大学部三年生の21歳。男性
民俗学を専攻しており、主に弔写真や葬儀など、人の死にまつわる風習を調べている。
葬儀屋の跡取り息子で、彼が死にまつわる風習を調べているのはその為。
ミラーキャンディは『本当に大切な時に使いたい』と、今は彼の鞄の中に眠っている。
篠森敦也
御伽学園の初等部2年生で、享年8歳
図書委員に所属しており、その為優のことをとても慕っていた。
優のファンでもあり、文芸部の雑誌が出るときにはとても喜んでいた無邪気な少年。
義父の恭蔵に殺され、母親である六花を守ってもらう為に光の前に姿を現した。
篠森六花
敦也の実の母親。
息子である敦也を大切にしており、彼を喪った時には目も当てられないくらいに悲しみ、憔悴していた。
恭蔵が図に乗ってなければ、自殺させられていたか彼に殺されていた、
篠森恭蔵
敦也の義父
元はベビーシッターで、敦也の事を可愛がり、家族の時間を大切にしていた。
・・・が、実際は今までの利用者からお金を持ち逃げしたりとかなりヤバい人物だったが、一年前に購入していたジャック・ザ・リッパンの効果でバレなかった。
敦也を殺し、六花を自殺に追い込む事で遺産と生命保険を手に入れようと画策するが、図に乗りまくって怪しんだ光によってミラーキャンディで真実を知られてしまい、光の策で見えた敦也の姿に動揺して犯行を自供して逮捕された。
感想OKです!
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