二次創作小説(新・総合)

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東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
日時: 2018/11/11 12:09
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。

あらすじはこちら

ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。


この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。

現在の物語
・デデデ編2

フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56 >>58 >>59 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50 >>60 >>61 >>62 >>71 >>72
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.21 )
日時: 2017/05/18 18:57
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




19・幻想の終局



博麗神社

霊夢はぼんやりと紫の警告を思い出していた。しかし思い出してもやることは変わらない。黒幕を倒してやめさせる、ただそれだけのこと、極めていつも通り。いつも通りのことなのにこうも胸がざわつくのは何でだろう。相手が異世界からの侵略者だから?紫すらわからない相手だから?……紫の言うことがわかる気がするわ、これは確かに嫌な予感がする。勘の類いでしかないのだが、巫女の勘は信じられないぐらいによく当たる。なるべく外れることを願って霊夢は境内を掃除した。

霊夢「はぁ………わからないことをいつまでも心配するのもよくないわね。いつも通りやればいいだけのことよ、そうよ、心配することはないわ。」

自分に暗示をかけ続ける霊夢。こうでもしないと不安に押し潰されそうなのだ。………不安でたまらないなんてガラにもないこと、魔理沙に見られたら笑われるかしら。



そして来客は突然やってきた。ピンク色の機械に乗り込んだ謎の女性がロボット兵を引き連れて飛んできたのだ。霊夢はめんどくさいことになりそう、と呆れた顔をしながらも境内を掃き続ける。

スージー「あら、案外寂しい場所ですのねここ。」
霊夢「遠いところからわざわざ喧嘩売りにきたのかお前は。」
スージー「はじめまして霊夢様、私ハルトマンワークスカンパニー美人秘書のスージーと申します。以後お見知りおきを。」

スージーはロボット兵を後退させ、取引しようと応じた。霊夢は受諾する気はまったく無いがロボットから降りようとしない限り相手も同じだろうと思い一応話を伺うことにした。
どうやら相手はここを潰してホールを作るらしい。その見返りにハルトマン社の技術を教えるというのだが…………

霊夢「お断りよそんなの。」
スージー「あら、我が技術がほしくはないと?」
霊夢「そもそも私に取引するまでもなく勝手にやってるでしょ。なんか騒がしいと思ったらあんた達だったのね、まったく………」
スージー「魔法と科学の融合………面白い話だと思うのですが。」
霊夢「私達は今の生活に満足してるの。それを改造してまで文明をよくしようなんて思わないわよ。…話は終わりよ、帰ってちょうだい。」
スージー「交渉決裂………ですわね………では。」
兵士「……はっ。」

兵士は博麗神社を壊しホールの建設に取りかかった。霊夢はとうとう頭にきたのか弾幕でロボット達を吹き飛ばす。

兵士「うわーっ!?」
霊夢「ったく………黙って引き返せば見逃してあげたのに、よっぽど怪我をしたいようね!」
スージー「さすがは博麗の巫女………データ通りですわ。ですが………我が技術の前では無力ですわよ!」

スージーの愛機、リレインバーが霊夢に襲いかかる。無駄がなく洗練された動きと豊富な重火器は霊夢の力に引けをとらない威力となっていた。攻撃範囲は霊夢の方が上だが火力は圧倒的にスージーに軍配が上がる。周りのロボット兵の補助もあってか非常に戦い辛い。

霊夢「はぁ……はぁ……いったいどこにそんないっぱいの弾が入るのよ………」
スージー「我が技術に不可能はありませんから。」
霊夢(周りもこうなってるとしたら、私1人じゃどうにもならないわ………魔理沙や咲夜も今頃……)

圧倒的なパワーに押し負けそうになる霊夢。それでも最後まで抵抗をやめずロボット兵を凪ぎ払う。無尽蔵にわき出てくるロボット兵は時として壁となり、時として剣となり追い詰める。フラフラになったその時、時空の歪みが現れた。

霊夢「な、なに!?なんなの!?」
スージー「あなたと遊んでいる暇はありませんの。別世界のド田舎へご案内いたしまーす。」
霊夢「うっ………ぐぅ………吸い込まれる…………!!」

必死に抵抗するも耐えられず飲み込まれた霊夢。スージーは服についた汚れを払いつつ兵士達に指示を仰ぐ。幻想郷のほぼ全てがキカイ化しつつあること、霊夢という大きな障害を取り除くことに成功したスージーは上機嫌だった。ハルトマンは霊夢を特に気にかけていたはず、この報告をすればきっと喜ぶだろう。そして…………

スージー「………あら、もうこんな時間。後は任せましたわよ。障害は消えましたがここは幻想郷、油断はしませんように。」
兵士達「「はっ!!」」






『博麗神社、制圧』





Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.22 )
日時: 2017/05/20 19:05
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




20・はいきガスとともに



プププランド

ここは呆れるほど平和な国、プププランド。ポカポカの空の下、お昼寝をしているピンクボールがひとつあった。名前はカービィ。
このカービィ、見た目はピンクのボールだがなかなかの強さを誇る。故に何度もポップスターの危機を何度も救っている他、コピー能力を使えば料理人にも大工にも医者にも剣士にもなれる生粋のヒーローでもある。そのヒーローは寝返りをうった途端、突然の轟音と地震により飛び起きた。空を見ると木々や電球が降りてきて地面に突き刺さり『キカイ化』されていく。そしてロボット兵が現れカービィをリストごしに見ながら話をしていた。

兵士「………こいつか。なんだか弱そうだな……」
兵士「これでも危険度はすごく高い、用心しろ。」

ロボット兵はカービィを捕らえようと迫ってくる。カービィもそれを避けんと必死に逃げる。標的が小さくちょこまかと動くのでなかなか捕まえにくい。いらいらしているとそこにタイヤのウィリーが通りかかった。カービィは迷わずそれを吸い込むと自分もタイヤとなってロボット兵を引き離す。あまりの速さにロボット兵は見失ってしまった。

兵士「なんて速さだ………」
兵士「ひとまず侵略を優先しよう。これだけ見張りがいるんだ、簡単には逃げられないさ。」

兵士はそう言うとカービィの追跡を諦め自分の持ち場に戻っていった。その様子を見ていたマホロアは呆れたように呟いた。

マホロア「甘い甘い………カービィはそう簡単には捕まらないヨォ………もっと頭を使わないとネ!」



少し離れた草原、カービィがそこで目にしたものは墜落しそうになっているハルバード、崩壊したデデデ城、そしてメカメカしくなったプププランドだった。いったいどうしたものか………そう考えていると突然お腹の音がなった。食いしん坊のカービィは食べ物を探すが、リンゴ畑も野菜畑もキカイ化されてしまい無くなってしまっている。カービィはとぼとぼと食べ物を探しにいった。
だいぶ歩いているとその先にぽつんと赤いものが落ちていた。それはカービィの一番の大好物、マキシムトマトだった。迷わず追いかけるのだが、どういうことか距離が一向に縮まらない。カービィが歩けばマキシムトマトもゆっくりになり、ダッシュすれば同じく速く離れる。痺れを切らしたカービィがジャンプでトマトを取ろうとすると、ふとそこに時空の歪みが現れた。カービィはトマトもろとも時空の歪みに吸い込まれて消えてしまった。その張本人は物影でクスクスと笑っていた。

マホロア「ホラ、こうすれば簡単に排除できるんだヨォ。これでカービィも気づいたかなぁ……ボクのこと。」

いたずらっ子のように微笑むマホロアはキカイ化されるプププランドを一瞥していた。ここを支配しようだなんて、社長さんの考えてることはわからないネェ、と呟いた。どうやらここは資源が豊富らしく新たな産業を興すにはピッタリだという。マホロアにとってはひどくどうでもよかったがまたカービィと会えることができることを考えると手伝わざるを得なかったのである。

マホロア「にしてももう少し頭使ったやり方は出来なかったのかネェ………カービィを捕まえるのにあんなに苦労したんだし………絶対ボクの方が社長にピッタリなんだよネェ。………狙ってみるのもアリかな……フフフ…………」

闇を潜んだ笑みを浮かべるとマホロアは消えていった。






『ポップスター、制圧』






プププランドを守る存在がいなくなった今、キカイ化はどんどん進行している。それは幻想郷においてもほぼ同じだった。次元を超えた侵略は運命の糸を引きちぎり奇跡の出逢いを生み出す。


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.23 )
日時: 2017/05/24 22:10
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)


frontstory >>5 >>12


21・紅い月と青い稲妻



人里

レミリアが目を覚ました場所はハイテク化した家の一室だった。見たこともない機械がずらりと並べられており、人間味がない。起き上がろうとすると体が動かない。どうやらマルクの薔薇に大量の体力を吸いとられてしまったらしい。身体中にはおびただしいほどの傷があった。

???「おやおや、お目覚めかい?」

すぐそばには年老いた女性がいた。女性の側には切り取られた薔薇が山のように積まれていた。

レミリア「この薔薇………あなたが?」
老婆「ええ、何十年もガーデニングや生け花をしてたからねぇ。」
レミリア「あなた………私が怖くないの?吸血鬼なのよ?」
老婆「確かに見つけた時は驚いたのよ……でも酷い状態だったし、困ったときはお互い様なのよ。」
レミリア「…………ありがと。」

その後しばらくは老婆と一緒に過ごした。新しい機械の使い方に苦労しているらしいが問題は無いという。こうなった原因は侵略者のキカイ化にある。
人里に降り立った侵略者は住人を悪夢で支配させ強制的に労働させているようだ。連れていかれるのは若い人間だけで子供の一部やお年寄りの人は使い物にならないのかそのままらしい。

レミリア「ここにも侵略者がきたのね………」
老婆「ええ……簡単に火を起こせたりお洗濯する手間が省けるのはいいんだけど、やっぱり元の生活が恋しくなるわねぇ。」
レミリア「……そう。」

ふと紅魔館のことを心配した。あれだけのロボット兵を美鈴とパチュリーだけで倒せるとは思えないし、自分の館を制圧されたと思うと腹が立つ。それを確かめる為にも一刻も早く戻る必要があった。しかしまだ頭がフラフラする。老婆は心配そうに見つめていた。

老婆「だめよ寝てなきゃ……」
レミリア「私は吸血鬼なのよ………すぐによくなるわ………」
老婆「あなた紅魔館の主様ね?心配なのはわかるけど、元気な姿で会わなきゃ………」
レミリア「うぅ………」

半ば無理矢理寝かされたレミリア。しかしこのまま世話になるのも悪いと言ったら、同じような顔をした娘がさらわれてしまい寂しいと返された。せめて手伝いをさせてほしいと頼むと、老婆は笑いながらそれを承諾してくれた。今の自分にできることはこのぐらいしかない。そのぐらいしかない自分が情けなく思えてきた。

老婆「ほらほら、そんな顔しないの。元気になったらたっぷり教えてあげるからね。」
レミリア「うぅ………」


だいぶ調子がよくなってきた頃から料理や裁縫などいろいろなことを教わった。人でも吸血鬼でも関係なく教えてくれるのは長寿だからこそなのだろう。恐らくここを出るときには一人前のレディーになっているのかもしれない。これなら咲夜の負担を少しなら減らしてやれるのかしら。

レミリア「ありがとうお婆さん、もう私は大丈夫だわ。………本当にありがとう。」
老婆「寂しくなるねぇ………気をつけてね。」






レミリアが変わり果てた人里を歩く。高くそびえ立つビル、荷物を乗せながら走る乗り物、どこを見ても初めてのものばかりだった。紅魔館に向けて歩いていると空から何かが落ちてきた。それは奇怪な仮面を被った青いボールだった。そのボールは地面に落ち、レミリアに近づく。

レミリア「な、なにこれ………」
メタナイト「う……うぉ…………」

そのボールはフラフラと起き上がり、レミリアの方を見る。すると光の速さで剣を振り抜きレミリアに襲いかかった。

レミリア「いきなりの御挨拶ね。」
メタナイト「ハルバードの時の借りを変えさせてもらおう。」
レミリア「ハルバード?……それよりあなたは誰なの?」
メタナイト「メタナイト………冥土の土産に持っていくといい。」

その後もメタナイトとレミリアの戦いは続いた。メタナイトは小さな体と驚異的な速さを活かしてレミリアの懐に入ろうとする、対してレミリアはコウモリ型の弾幕とグングニルで距離を取った戦い方をする。そして何度かやりあったあとメタナイトは何かを感じたのか剣を鞘に納めた。レミリアもそれに気づきグングニルを消す。

レミリア「どうしたの?怖じ気づいた?」
メタナイト「……勘違いだったようだ、すまない。」
レミリア「そう、それならいいけど。あなたこの世界の住人じゃないわね、どこから来たの?」
メタナイト「プププランドという世界にいたのだが、貴女に似た敵が現れ時空の歪みを使い私を排除した………ようだ。」
レミリア「なるほどね………なら、こいつらの弱点とかも、当然知ってるってことよね?」
メタナイト「なるほど………知らないことはないが、ここでは貴女の戦い方の方が有利のようだ。」
レミリア「なら………手を貸してあげるわ。」
メタナイト「……任せてくれ。」

騒ぎを聞きつけロボット兵達がぞろぞろと現れた。しかしまた力と数で押されるかもしれない。幸いにもビルや店で複雑に入り組んでおり、2人は逃げながら戦うことを選んだ。

レミリア「あいつら……本当にしつこいわね!」
メタナイト「ハルトマン社のロボット兵の実力は折り紙つきだ。まともにやり合えば勝てない。」
レミリア「せめて1人になってくれればいいんだけどね。」
メタナイト「それしかないな、ひとまずは逃げながら紅魔館に向かおう。」
レミリア「待ってなさい美鈴、パチェ………」


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.24 )
日時: 2017/05/27 09:19
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: KG6j5ysh)

frontstory >>23



22・黄金の兵器



レミリア「バッドレディスクランブル!」
メタナイト「マッハトルネイド!」

ロボット兵を相手にしつつ人里を逃げる2人。ともに行動しているうちにお互いの目的を理解したようである。レミリアは妹と紅魔館の奪還、メタナイトは元の世界に戻りハルトマン社の破壊。どちらもハルトマン社が関係していた。

レミリア「あら、あなたハルバードのキャプテンなのね。私に楯突いただけのことはあるわ。その剣さばきは見事ね。」
メタナイト「貴女は紅魔館の主なのか。凄まじいパワーとカリスマには恐れ入った。」
レミリア「うまいこと言うじゃない。あなたが元の世界に帰るまで警備員として雇ってあげようかしら。」
メタナイト「それはいい考えだ。しかしここを切り抜けてから考えよう。」
レミリア「そうね、さっきから羽虫みたいにブンブン飛んでて………耳障りだわ。」

集団かつ闇の勢力がいて対抗することは難しかったが、相手が1人だと少し頑丈なだけで倒せない相手ではない。相手も手に終えるものではないとわかったのか一斉に引き上げていった。

レミリア「やっと懲りたみたいね………あら?」
メタナイト「どうされたのかな……あれは!?」

2人の前に現れたのは黄金の体を持つ兵器『ヘビーロブスター』だった。重機のごとく巨大なハサミと酸性のスライムで2人を襲う。大きな機体をビルにぶつけながら乱暴に進むヘビーロブスターの方向の先を見たレミリアが恐怖を感じたらしく、大きく空に飛び出した。それを見たメタナイトも慌てて飛び出す。

レミリア「あの先にはお婆さんの家があるの………絶対に潰させないわ!スピアザグングニル!」

赤いオーラを槍に変形させてヘビーロブスターを貫いた。そのまま壊れるのかと思いきや制御装置を破壊しただけでバチバチと火花を放ち暴走してしまった。移動速度を増して突っ込むヘビーロブスターは誰にも止められなくなってしまった。

レミリア「ちぃっ………こうなったら多少ビルを吹き飛ばしてでも………不夜城レ………」
メタナイト「いや、これ以上の犠牲はダメだろう!」
レミリア「じゃあどうすりゃいいのよ!」
メタナイト「ここまでできれば相当な威力だ。あとは私に任せてもらおう、ブレイカードリル!!」

破壊力を纏ったメタナイトが切りもみ回転でヘビーロブスターの機体を貫いた。大きなダメージを受けたヘビーロブスターは大きな音を出しながら爆発した。メタナイトは思うところがあるのか煙を上げる残骸をずっと見つめていた。

レミリア「助かったわ……あれもあなたの世界のものなの?」
メタナイト「あぁ………ヘビーロブスターの設計図は我々しかもっていないはずだ………恐らくメタナイツが破られたか。」
レミリア「ハルトマン社………何者なのかしら。まぁ、考えたって仕方ないわ。長居もしてられないし、紅魔館へ向かいましょう。」
メタナイト「…………そうだな。」






紅魔館周辺

舗装された道を歩いていると紅魔館が見えた。真っ赤なのは変わりないが武骨な印象になっており無造作に造られた煙突から黒い煙が吹き出ており、朝になっても夜になっても煙が止むことはない。

レミリア「ずいぶん好き勝手に改造してくれるじゃない………せっかくの外見が台無しだわ。」
メタナイト「キカイ化される前はどんな外見なんだ?」
レミリア「それはもう………私のカリスマ溢れる見事な外見よ……なんてったって私がデザインしたものなんだから。」
メタナイト(それはそれで気になるが………気が立っているみたいだしこれ以上聞くのはよそう。)



辺りはすっかり夜になってしまった。人里からだいぶ距離がありこのまま進むのは危ない、とメタナイトからの提案だ。かなりの数を相手にしたのでクタクタになったのかレミリアも反対はしなかった。吸血鬼は普通夜に行動するのではないかと聞くと、人間の生活リズムに合わせているから大丈夫だと答えた。2人は休むために使われていない空き家に入った。使い方がわからない機械がたくさんありすみづらそうだ。

レミリア「休むだけなら快適ね。」
メタナイト「そうだな、ここならまず見つかることはないだろう。」
レミリア「ふあぁ…………私はもう寝るわ、おやすみなさい。」
メタナイト「あぁ、ゆっくりと休むといい………」

メタナイト(こんな幼い顔をしながらもあんな力を持っているのか………幻想郷………侮れないな。)



Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.25 )
日時: 2017/06/03 20:58
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>07 >>22




23・桃玉と銀のナイフ



紅魔館周辺の森

咲夜は紅魔館の近くの森で目覚めた。どれくらいたったかはわからないが紅魔館は工場と化していた。いつもは妖精達が遊んでいて賑わっていた森だが今日は別の意味で賑わっている。パチュリーが緊急で結んだ為に場所の指定はできなかったようだが、まずは一刻も早くここから逃げなくては………

咲夜「キャッ!」

咲夜の頭に何かがぶつかった。とても柔らかいボールのようなものは軽く地面にバウンドしながら停止した。気づいたのかボールのようなものは飛び起きた途端キョロキョロと辺りを見回している。咲夜は一瞬敵と見なしナイフを手にしたがそれを目にしたときにはナイフをしまっていた。あのボールを敵と認識するにはあまりにも無垢すぎたのである。

咲夜「あの………?」
カービィ「ぽよ?」
咲夜(喋った!?………でも喃語っぽくてまるで赤ん坊………)
咲夜「………あなたは、誰なの?」
カービィ「ぽよ?………カービィ、カービィぽよ!」咲夜「カービィ……ああ、名前ね。」
咲夜(これじゃあ話のしようがないわね………)
咲夜「私は咲夜よ。」
カービィ「さー……や……?サーヤ!サーヤ!」
咲夜「いや、サーヤじゃなくて………まぁいいか。」

カービィは新しい言葉を覚えたらしく飛び上がりながら名前を連呼した。咲夜はあまりの喜びように許容せざるをえなかった。
見回りをしていたロボット兵が見たのはピンクボールと楽しそうに遊ぶメイドという異色な光景だった。無論彼女らはお尋ね者なので無視することもなく捕縛体制に出た。

兵士「咲夜とカービィだな………見つけたぞ!」
咲夜「見つかった!?くっ………!」
兵士「たった数本のナイフで勝てると思ったか!」
咲夜「やはり能力が使えないとこうも不利なのね……」

咲夜はナイフを兵士に向かって投げつけるも簡単に防がれてしまう。そして落ちたナイフがカービィの目の前に落ちた。カービィは初めて見たのかかなり興味深くナイフを見つめており、口に含んだ。咲夜はビックリして兵士そっちのけでナイフを吐き出させようとする。

咲夜「待ちなさいカービィ!それは食べ物じゃないのよ!ぺっしなさい、ぺっ!」

しかしカービィはナイフを飲み込んでしまった。するとカービィの体が光り出し、緑の帽子をかぶり剣を手に持った。その風貌は無垢なる赤子ではなく立派な剣士だった。何が起こったかわからない咲夜を尻目にカービィはロボット兵と戦う。体が小さい分動きやすいのでロボットの攻撃を受けることなく兵士にダメージを与え続ける。そして最大の一撃を放った時、兵士は彼方に飛んでいった。

兵士「ぐわあぁぁぁ…………」
咲夜「あなた………戦えるのね……ビックリだわ。私もこのリストが無ければ………」
カービィ「ぽよ………?」

カービィは咲夜のリストを見るやいなや思いっきり腕にかぶりついた。空腹で仕方がないカービィはドーナツにでも見えたのだろうか、ものすごい吸着力で咲夜が振っても離れようとしない。キュポンと気持ちのいい音と共にカービィが放れるとそこにリストは無かった。やがてムグムグと味を確かめると不味かったのか思いっきり吐き出してしまった。

咲夜「食べられるかと思ったわ……でもありがとう。おかげで能力が使えるようになったわ。」
カービィ「むにゅ…………」
咲夜「あら、大丈夫!?」

空腹の限界がきたのか倒れるカービィ。食べ物を探そうにも果物がなりそうな『自然の』木はあまり存在しておらず工場廃液のせいで川が汚れており魚は食べられそうにない。兵士が乗っていたロボットの中を探していると偶然グミを見つけた。急いでカービィに食べさせると少し満足したようだ。

咲夜「とはいえグミだけだとさすがにお腹いっぱいにはならないか。紅魔館に入れば何か作ってあげられるんだけど………あんな工場みたいになってたらキッチンがあるかどうかすら怪しいわね。それにさっきからビュンビュン飛んでる機械も気になるし……お嬢様が見たらさぞ嘆き悲しむことでしょうねぇ。」
カービィ「ぽよ?」
咲夜「あらごめんなさい。今からあなたにとびきり美味しいご飯を作ってあげるわ。」
カービィ「ぽよ!」
咲夜「だからその為にももう一仕事、私と一緒に頑張りましょう。」
咲夜(とは言ったもののあんなにたくさんのロボットをヘッドスナイプするのは難しいか……)




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