二次創作小説(新・総合)

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東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
日時: 2018/11/11 12:09
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。

あらすじはこちら

ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。


この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。

現在の物語
・デデデ編2

フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56 >>58 >>59 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50 >>60 >>61 >>62 >>71 >>72
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.36 )
日時: 2017/08/11 17:48
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>35



33・十人の庭師と常闇の姫君



地下牢・最深部へ至る間

悪夢に包まれた人里を解放するため悪夢の支配者ナイトメアと行方不明になった慧音を探す妖夢達。途中ナイトメアの刺客ファイアーライオンに襲われるも見事に撃退。そのまま先に進むも今度はレミリアのクローン、レプリカが立ち塞がった。レプリカは玩具を見るような目で一行を見ていた。

レプリカ「言っとくけど、あなたの探してる人はもうここにはいないわ。」
鈴仙「ど、どういうこと?」
レプリカ「もう人里に用は無いし、あなた達みたいな反逆者が来ることぐらいわかってたしね。だからここまで来たのは全くの無駄足なのよ。ま、これから屍になる人に言ってもしょうがないか。」
妖夢1号「なんと言われようと私達は死ぬわけにはいかないんです!」
鈴仙「囚われた姫様達の為にもね!」

レプリカは無数の紅い槍を作り出し妖夢達に向けて一斉に打ち出した。攻撃の量は凄まじくまるで激流のようだ。その流れに揉まれつつも上手くいなしレプリカに攻撃する。体が小さい分避けやすいのかすんなりとレプリカにたどり着くことができた。傷を受けつつも余裕の表情を崩さないレプリカは尚も面白そうに笑っている。

レプリカ「なるほど、10人に分断されようと曲者ねぇ。なら、これでどうかしら?」

レプリカは鎖を妖夢達に巻きつけ縛り上げた。すごい力で縛りつけているし、個々の力は弱いので抜け出すことは容易ではない。

妖夢2号「うぅっ………」
妖夢9号「捕まってしまいました………」
鈴仙「大丈夫よ、今助けてあげるわ。」
蛮奇「どうやるの?」
鈴仙「私の射撃の腕前を甘く見ないことね。」

そう言うと鈴仙は鎖を狙って引き金を引いた。放たれた弾丸は鎖を撃ち抜き妖夢は脱出に成功した。レプリカもさすがに黙って見ている訳にもいかず、グングニルで貫かんと襲いかかった。深紅の軌跡を描く槍の攻撃を避けながら妖夢2人は鎖を切りつける。傷がついた程度だったが、何度も切りつけていくうちにまたひとつ鎖が切れた。これで妖夢は3人になり少しずつ戦力を取り戻していった。
しかしその後は簡単には鎖を断つことはできなかった。レプリカのオーラが激しく沸き立っているのだ。それが怒りか悦びかは知らないが圧倒する力を放っていることに変わりはない。しばらく様子を見ているとレプリカは高く飛び上がった。

レプリカ「もっと私を楽しませてよ………スカーレットピアース!!」
妖夢1号「3人でもっ…………六根清浄斬!!」

禍々しいオーラをまとった槍が猛烈な勢いで飛んでいく。妖夢はそれを避けもせず真っ向から受け止める。いつもだったら攻撃のエネルギーをそのまま剣に乗せて反撃するのだが、今回は3人なので自爆覚悟で槍を跳ね返した。槍はそのまま反応に遅れたレプリカの体に突き刺さり、フラフラと地面に落ちていった。一瞬意識が揺らいだのか妖夢達を捕らえていた鎖が緩み脱出を果たした。立ち上がろうとするレプリカの体がボコボコと泡立ち沸騰していく。

レプリカ「ま、まダ………耐えルのよ………私ノ………からダァ………!!」
鈴仙「な、なんなの………?」
蛮奇「不気味だわ…………」

レプリカは必死にこらえ沸騰する体をなだめる。そして沸騰が収まると体は完全に再生し、いつものレプリカに戻っていた。そして持っていたグングニルを消し満足げに妖夢達を眺めた。

レプリカ「ふぅ………ま、楽しめたわ。今日の所はここまでにしといてあげる。せいぜい残った人生を楽しむことね。」

レプリカは闇に溶け込み姿をくらました。









地下牢・最深部

扉の向こうは何も無かった。ナイトメアの姿も慧音の姿も無かった。あるのはただ広がっている空間だけ。

妖夢1号「本当に、何もないですね………」
蛮奇「ホントは何かあったんだろうけど………もぬけの殻ね。」
鈴仙「でもまぁ、これで村の人達は悪夢から解放されるわ。ひとまず帰りましょうか。」
妖夢1号「………はい………………」









人里

人里を支配していた兵士達はいなくなり悪夢も見なくなったことでようやくここだけ平和を取り戻した。しかしキカイ化された里が戻ることはなくしばらく生活に苦労するだろう、とのことだった。

妖夢1号「ふぅ、ひとまずなんとかなりましたね。」
鈴仙「それはいいんだけど……ダークマインドの情報を聞き損ねちゃったわ。」
蛮奇「どこもこんな感じでキカイ化が進んでるから情報集めは上手く行かないかもしれないよ。」
鈴仙「そうねぇ………」
蛮奇「私はここに残ることにするよ。もともと人里を救えればそれで十分だったからね。いい旅だったよ、ありがと。」
妖夢1号「はい……またいつか。」

悪夢の支配から人里を救うことに成功した妖夢達。一行は変わり果ててしまった人里の更なる復興を祈り、また旅を続けていく。






『人里、奪還』



Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.37 )
日時: 2017/08/14 07:12
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




おまけ
移動店舗香霖堂

1・苦労人店主



香霖堂

ここは珍しい道具を取り扱う店、香霖堂。人里からは少し離れた場所にあるためなかなか客がこないらしい。しかしここも例外なくキカイ化されたのだが、ここの店主が最後まで抵抗したことにより爆破されてしまったのだ。なのでここに残っているのはかつて香霖堂だったものの残骸である。
そしてその残骸の山から眼鏡をかけた男が飛び出した。この男こそが香霖堂店主、森近霖之助だった。

霖之助「ぶはぁっ!はぁ……はぁ…………全く、いくらなんでもここを爆破するなんてやりすぎだ……とにかくまだ使えるものを探さないと………」

瓦礫をどかして使えるものを探す。しかし壺や陶器は粉々になり、機械類も破損により動かない。あるのはやかん、偶然残った空の薬ビン、動かないガラケーなどのガラクタ、そして古びた刀だけである。霖之助は悩みに悩み、そして考えた。

霖之助「せっかく異星人が侵略にきたんだ。こんなガラクタでも使えるかもしれないし、途中で珍しい道具が手にはいるかもしれない。そうと決まれば準備しなければ。」

すると霖之助はボロボロになった服を縫い合わせそれはそれは大きな鞄を作り上げた。シャツ、ドレス、ジャージ、ワンピースなどを合わせたハデなものだった。そしてその中に売り物を突っ込み歩く。

霖之助「おっと、これを忘れていたな。」

霖之助は落ちていた板に愛用の筆ペンに『移動店舗香霖堂』と書き首に引っ提げた。









紅魔館

ハルトマン社の支配を退けた紅魔館。しかしまだまだ工場っぽさはあちらこちらに残っており、カービィのロボボアーマーが無理矢理作った道の修繕はまだかかりそうだった。力仕事は美鈴と何人かの妖精メイドがやっているのだが、ぶっちゃけ美鈴だけのほうが捗りそうな気がしてきた。それにしてもあたり一面が知らないもので覆われている、あの機械の残骸はもともとは何に使うものなのだろう、と考えていると気づいたのか美鈴がやってきた。

美鈴「随分とハデな鞄ですが……行商人ですか?」
霖之助「まあね。店が(物理的に)潰れてしまってね、ガラクタをかき集めてこうして売り歩いているんだ。」
美鈴「はぁ………とりあえず中に入って下さい。かなり散らかってますけど。」

パチュリー「あら、来客とは珍しい。………今そんな柄の鞄が流行っているのかしら。」
霖之助「そんなことはないよ。有り合わせのもので作っただけさ。何か使えるものがあれば売ってあげるよ。」

そう言うと霖之助は鞄からガラクタを引っ張り出し、床に並べた。どれも珍しいことには珍しいが、使えたり役に立つかというとそうでもないものばかりだった。そんな中、パチュリーがひとつのガラクタに手をかける。

パチュリー「これは何かしら?」
霖之助「それはやかんだね。中に水を入れて下から火で炙るとお湯を作ることができるそうだよ。」
美鈴「いいですねー!……実はお嬢様御用達のティーセットが全滅してまして……」
パチュリー「私もお湯は作れるけど入れ物が無くて困ってたのよ。まだまだ野ざらしの状態だから温かい飲み物が飲めるのはありがたいわ、いただいてもいいかしら?」
霖之助「もちろん。」

霖之助は驚いた。まさかこんなガラクタが売れるとは思わなかった。やはり出かけて正解だったようである。しかしこの状況ではお金を出すことは難しいだろう。という事で霖之助は物々交換ということで応じた。

パチュリー「そうね………今はこれしかないのだけれど、それでもいいなら。」

パチュリーが渡したのはランプだった。薄暗い図書館の中でも本が読めるように使っていたものだったが、長く使ってきて油もれするようになったので使わなくなったのだという。

パチュリー「今は炎の賢者の石でなんとかなるのよ。それは直せばまだ使えると思うわ。」
霖之助「そうだね……直してみよう。」

霖之助は工具を取りだしランプを直した。すると見事に油もれは直っていた。ついでに持ち手のぐらつきなども直しておいた。

パチュリー「………ついでに炎の賢者の石のかけらを分けてあげるわ。燃料には困らないはずよ。」
霖之助「ありがたい!ずっと使い続けることができるランプか………これはいい買い物だ。」



美鈴「もう行かれるんですか?」
霖之助「行商人は足と時間が命だからね。ありがとうパチュリー、このランプは大事に使わせてもらうよ。」
パチュリー「ええ、またいつでもどうぞ。」
美鈴「さよならー!」

霖之助はふたたび歩き出した。やはりガラクタでも使い道はちゃんとある。キチンと手入れをしてやれば貰ってくれる人がいるかもしれない。願わくば僕の持っているものが全て売れることを夢見ながら、歩みを進めた。

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.38 )
日時: 2017/08/19 20:48
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)



夏レミリア偏


1・お嬢様のバカンス



紅魔館

『みんな!どこにいるの!返事して!』

紅魔館の屋根の上、主のレミリアはしきりに声を上げていた。空は雲に覆われており、地面は水の下に沈んでいる。流水に弱い主を守るためにメイドの咲夜が傘をさしている。
数分前、突如として霧の湖の水位が急上昇し洪水を始めたのだ。更に雲が集まり雨が降った。近くにある紅魔館もその被害を受け浸水する。咲夜の指導のもと水を外に出す作業をしたがそれでも追いつかず屋根へ避難することになった。ある程度の食料は運び出したがその食料も底を尽きようとしていた。さらに大きな波が屋根にあがった人々を押し流す。大きな流れに抗えず多くの人々が流されてしまい、残ったのはレミリア、咲夜、パチュリー、小悪魔、美鈴だけである。
パチュリーと小悪魔が魔法障壁で波を打ち消していたが24時間休みなくかけ続けた上飲まず食わずの結果魔力を使い果たし流されてしまったのだ。
美鈴においては食料を探す為に雨の中泳いでいった。レミリアと咲夜は必死に止めたが次第に痩せていく咲夜を放ってはおけず飛び込んでしまった。その後美鈴はまだ帰って来ていない。

レミリア「美鈴、帰ってこないわね………」
咲夜「美鈴のことです、きっとグルメなお嬢様の為に食材を選んでいるんですわ。」
レミリア「……そうね……………」
咲夜「…………お嬢様、美鈴を信じてあげて下さい。いつも寝ていてろくに門番の役目を果たしたことはありませんが………それでも、美鈴は立派な紅魔館の一員なんですから。」
レミリア「わかったわ。………にしてもここに避難してもう1ヶ月………私は吸血鬼だからまだ平気だけど……咲夜は大丈夫?」
咲夜「私は紅魔館のメイド長ですよ?これくらいどうってことありませんよ。」

とは言っても咲夜の体はさらに細くなり目は若干霞んでいる。傘を持っている手も震えている。しかし笑顔は最後まで絶やさない。最期まで主を支える誇り高きメイドになろうとしているのだろう。押し寄せる波に流されぬようしっかりと抱く咲夜の体はまだ温かく、レミリアの最後の拠り所となっていた。従者がこんなにも体を張っているのになにもできない自分を悔やんでいた。
また大きな波が来る。それもかなり大きな波だ。咲夜はレミリアを抱いて波から身を守る。ものすごい水圧に負けず咲夜はずっと耐え続ける。レミリアは震える体を押さえながら咲夜の体にしがみついていた。そしてレミリアは目を開ける。咲夜の笑顔がそこにある。咲夜はレミリアに微笑んだあと力なくレミリアにもたれかかった。レミリアがいくら声をかけても体を揺らしても咲夜が目覚めることは無かった。拠り所としていた温かさはもう無くなってしまったのだ。

『グオオオオォォォォ…………………』

目の前の水面が渦巻き、そこから大きな竜が現れた。怒りに包まれた赤いふたつの瞳はしっかりとレミリアを見据えている。雨に当たりすぎたのか槍も鎖も蝙蝠も出せない。竜はそのままレミリアを飲み込まんと襲いかかる。

レミリア「あぁ………これが私の最期…………咲夜………」












レミリア「……………はっ!!!」
咲夜「お嬢様……大丈夫ですか?酷くうなされていましたが……」
レミリア「咲夜………もう天国についたの……?」
メタナイト「レミリア殿、しっかりするのだ。ここは天国ではない。」
カービィ「ぽよぽよ!」

ここは紅魔館の庭。復興の手伝いと避暑をかねて戻ってきたのである。幻想郷でも夏は暑い。その上キカイ化により鋼鉄化した道路や建物は太陽熱を反射するためさらに暑い。日光に弱いレミリアや地面のすぐそばにいるカービィは夏バテになってしまい急遽ここにやってきたのだ。カービィは凍った果物を食べてすぐに回復したがレミリアは悪夢の影響もあってすぐには回復しなかった。
レミリア達は事実上バカンスを楽しむということになっている。日差しがギンギンに差す霧の湖のほとり、パラソルの下ではメタナイトとパチュリー、レミリアが本を読んでいた。メタナイトに至ってはどんなに暑くても仮面は『脱がない』。湖ではカービィと美鈴、小悪魔が水をかけあって遊んでいる。咲夜はスイカを人数分に切り分けてやってきた。

咲夜「なるほど、そんな夢を………」
パチュリー「なんであろうと夢であることに変わりはないわ。それに霧の湖に竜なんていなかったはずだけど………」
美鈴「一回潜って探してみますか?暑いしちょうどいいかもしれませんよ。」
咲夜「そうね……それでお嬢様が安心するのなら。」

こうしてカービィ、メタナイト、美鈴、咲夜による湖底探索が始まった。しかし竜に関するものや遺跡などは見つからず、多少のゴミが見つかっただけだった。

レミリア「やっぱり夢は夢……ありがとうみんな。これでスッキリできたわ!さーて、思いっきり遊ぶわよー!!」
咲夜「……やっといつものお嬢様に戻ったわ。」
美鈴「お嬢様に暗い顔は似合いませんからねえ。」



こうしてレミリアの波乱万丈な夏休みが始まった。


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.39 )
日時: 2017/08/22 19:51
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




2・紅魔館の休日



レミリア「夏休みといったらスイカ割りね!咲夜、スイカを用意してちょうだい。」
咲夜「スイカなら先ほど切ってお出ししましたが?」
レミリア「わかってないわね咲夜は。スイカ割りはスイカ割りなりの良さがあるのよ。不均等に割れるから得するし、何より割るまでの過程が楽しいんだから。とにかくはやく用意なさい!なるべく大きいの!」
咲夜「は、はい…………」

レミリアの言った通り咲夜は大きなスイカを用意した。カービィよりも少し大きな見事なスイカだ。レミリアは目隠しをして棒を持ち、その場をグルグルと回る。他のメンバーはレミリアに指示を出しスイカを割らせるのだ。

美鈴「まっすぐですよ!」
パチュリー「左に行きなさい。」
メタナイト「行き過ぎている。半歩右だ。」
カービィ「ぽよ、ぽーよ!!」
レミリア「何言ってるのかわからないけど、えいっ!!」

パカッと音を立ててスイカが割れた。一番大きなスイカのかけらをレミリアが取り、あとは皆で分けて食べる。スイカ割りは紅魔館のスイカが無くなるまで続いた。









ルナサ「楽しそうね、みんな。」
メルラン「あっスイカ割りー?懐かしいわー!」
リリカ「今日もお手伝いに来たよ!」
レミリア「あら、珍しいお客さんね。」

昼前にプリズムリバー姉妹がやってきた。妖夢の助けにより幻想郷のキカイ化のことを知った姉妹は幻想郷を元に戻すためにひとまず紅魔館の復興の手伝いをしていたのだ。手伝いが手伝いであるために、いつもの服ではなく作業着である。

美鈴「お、皆さんもどうですか?楽しいですよ!」
ルナサ「え……いいの……?」
レミリア「こういうのは人が多い方がいいのよ。さ、そんな服じゃ暑苦しくて仕方ないわ。さっさと着替えてきなさいな。」
パチュリー「ま、いつも手伝ってるお礼ね。」
メルラン「わー!このピンクだまかわいー!ぽよぽよー!ぷにぷにー!」
リリカ「ほらほらお姉ちゃん!行くよ!」

カービィの弾力が気に入ったのかいつまでも触っているメルランを引き剥がし、姉妹達は着替えに行った。しばらくすると大きな袋を抱えながら戻ってきた。中にはたくさんの野菜や肉が入っている。

ルナサ「お昼まだなら、バーベキューやらない?」
レミリア「あら、ちょうどやるとこだったの。」
咲夜「あれほどスイカを食べていらしたではありませんか。」
レミリア「あんなの食べたうちに入らないわ!あなたももっと食べたいでしょう、カービィ?」
カービィ「ぽよ!」
メタナイト「では食材を切り分けよう、厨房を借りるぞ。」
レミリア「咲夜もついていきなさい。2人でやれば早くできるでしょ。」
咲夜「はっ……」

山ほどある食材を手際よく切っていくメタナイトと咲夜。美鈴が釣った魚も含めて廃洋館の段ボールにあったバーベキューセットで焼いていく。モクモクと大きな煙の柱が青い空に向かって延びていた。

メルラン「美味しいわー!やっぱり外で食べるご飯っていいわねー。」
メタナイト「まだたくさんあるからどんどん食べるといい。」
レミリア「あんまりがっついてると立派なレディになれないわよ。」
パチュリー「カービィに言ってるのレミィ?」
ルナサ「焼くの変わろうか?ずっと食べてないんでしょ?」
咲夜「お客様にさせるわけにはいけませんわ。」

主にカービィの活躍により山のようにあった食材は無くなった。片づけをやる最中、ふとレミリアは悪夢を思い出した。湖の水面は静かで底が見えるほど澄んでいる。とても洪水なんて起きる雰囲気は無かった。過ぎたことは考えないほうがいいわね、とレミリアはまた片づけに勤しんだ。
そして太陽が真上に座し、気温がピークに達する頃にはレミリアはパラソルの中でじっとしていた。吸血鬼なので日光には弱いのだという。

レミリア「にしても暑いわね………パラソルだけじゃ心もとないわ……こういう時にはあの氷の妖精が恋しくなるわね………」
カービィ「………ぼよ!」

何か思い出したのかカービィはロボボアーマーに搭乗し、美鈴が割っていた氷をスキャンした。するとピンク色だったロボボアーマーが水色になり、アームの部分がファンになっている。『アイスモード』というらしい。

レミリア「あら、ちょうどいい扇風機じゃない。」
カービィ「スノーマンブリザード!!」
レミリア「えっ……?ちょっ……………」

ファンから送られてきた風は吹雪を思わせるほど寒く強かった。パラソルは吹き飛び水面は揺れ所々凍っている。一番近くで風を受けたレミリアはガチガチに凍ってしまった。

レミリア「す……涼しすぎるわよっ!!」
パチュリー「本が……凍ったわ……」
咲夜「今、毛布を用意しますね……美鈴、手伝ってちょうだい。」
美鈴「は……はひっ…………」
カービィ「ぽよ………」
リリカ「すごいね、大自然を操るエネルギッシュな感じ!作曲に使えるかも。」
メルラン「あーいいかもー。」
ルナサ「……………はっくしゅん。」

その時、紅魔館一帯は季節外れの吹雪に包まれた。


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.40 )
日時: 2017/08/24 23:28
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)



3・夢想の光



霧の湖・夜

レミリア「花火よ花火!咲夜ー!」
咲夜「落ち着いて下さいお嬢様、花火は逃げませんので……今バケツを用意します。」
ルナサ「線香花火って落ち着くよね。」
メルラン「姉さんが言う落ち着くって鬱ってことだよね……」
パチュリー「私は図書館に寄ってから来るわ。くれぐれも本に近づけたりしないでね……ただでさえ古書で燃えやすいんだから………」

花火セット一式を用意し、早速火をつける。レミリアとメルラン、カービィは虹色の火花を放つ手持ち花火を持ってはしゃぎまわり、ねずみ花火を追いかけたりしている。ルナサはひとり静かに線香花火に勤しみ、メタナイトと咲夜は吹き出し花火をしていた。そして小悪魔とともにやってきたパチュリーは花火と月の光を明かりとして本を読み始めた。

小悪魔「竜に関する魔術書をたくさん集めましたけど……どうしたんですか?」
パチュリー「レミィの夢に出てきた洪水をもたらす竜について、なにかわかることがあればと思ったのよ。何もなければいいんだけど時空を歪めてまで侵略してきた輩がいるし……不思議じゃないわ。」
小悪魔「霧の湖の参考文献も調べてますけど……やはり出てきませんね。」
パチュリー「……私の杞憂だったようね。」
レミリア「パチェー!こあー!打ち上げ花火やるわよー!」
パチュリー「はいはい、今行くわよ。」

咲夜とメタナイトが火をつける。光の玉が空へ舞い上がり色とりどりの花となって空を彩る。その光に照らされたレミリアの横顔は紅魔館の主たるオーラとはまた違った雰囲気に包まれていた。

レミリア「いい一日を過ごせたわ。」
リリカ「きれいだねー!」
メルラン「そうねー、なかなか見られないからねー。」
ルナサ「ずっと………ずっと、あの輝きが残っていればいいのに。」
咲夜「散るもまた、花の喜び……という言葉を聞いたことがあります。」
メタナイト「それもまた、花火の醍醐味というもの。」
カービィ「…………………」
美鈴「…………………」
ルナサ「寝てる……」
レミリア「もう遅いし、ここまでにしましょ。まだまだ紅魔館は使えないし、当分テント生活ねー。」









その夜

レミリア「んー………うぅ………?」

レミリアは不思議な気配を感じてむくりと起き、テントを出た。辺りは寝静まっており風が静かに吹いている。レミリアが湖に近づいていくとその中心地が光っていることに気がついた。月の光が反射しているのではない、空から何か光るものが落ちてきたのだ。

レミリア「な、何なの………?キャッ!?」

取ろうとした光の玉は湖に沈んでしまった。レミリアが落ちた水面を覗こうとすると、突然湖が光り始めた。湖の光はレミリアを包み込み、その強さを増していく。耐えかねたレミリアはそのまま気絶してしまった。





咲夜「…………お嬢様。」
レミリア「ん………咲夜、もう朝ぁ?」
咲夜「驚きましたよ……いないと思ったら外に倒れられていたんです。それほどまでに寝相が悪かったのですか?」
レミリア「違うわよ!えっと………」
リリカ「おはよー……どしたの?」

皆が起きだした頃、レミリアが夜見たことを説明した。

メタナイト「空から光が落ちてきた?」
レミリア「ええ、覗いてたら光が強くなって………」
美鈴「今度ばっかりは夢ではなさそうですね……調べてみる必要がありそうです。」
咲夜「そうね。」

レミリアが見た光の玉を探しに湖底探索をする一行。そして戻ってきたカービィが持っていたのは謎のタマゴだった。



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