二次創作小説(新・総合)
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- 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
- 日時: 2018/11/11 12:09
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)
皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。
あらすじはこちら
ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。
この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。
現在の物語
・デデデ編2
フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
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フェイズ2・幻想を越えた出会い
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おまけ
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レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.56 )
- 日時: 2017/12/01 18:58
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>53
42・霊夢のスニーキングミッション
霊夢「とは言ったものの……どうすればいいのかしら、いくら勘で異変を解決してきた私でもさすがに異世界のことになると……」
リック「こんな時にカービィがいればなぁ……」
霊夢「カービィ?」
リック「ああ、この星を何度も救ったヒーローなんだぜ!」
霊夢「ふーん……ヒーローねぇ……カッコいいのかしら?」
リック(まーるいピンクボールであることを話しても信じてもらえなさそうだから黙っておくか………)
ひとまずプレインプロプトンを探索することにした霊夢達。襲い来る野生動物を退けながらも進んでいくとある建物を見つけた。どうやら木を加工して木材を作る工場らしい。あまり大人数で動くと見つかる可能性が高いので今回は霊夢とリックとクーの3人で行動することにした。
リック「んじゃあここの偉い奴をぶん殴れば帰ってくれるんだな?」
霊夢「たぶんそうじゃない?」
クー「なんでそう物騒な考え方するんだ……?」
霊夢「帰ってくださいって言って素直に帰る奴らじゃないからよ。それに……」
クー「それに?」
霊夢「私の神社をぶっ潰した落とし前をつけたいのよ。」
霊夢の目は今までにない怒りを宿していた。クーは危険を察知したのか霊夢と話すのをやめた。
早速潜入したいのだが入り口は厳重な警備体制が敷かれていて正面突破は困難、壁には有刺鉄線が敷かれておりとても登れそうにない。見張り台はいつも機能していて近くにいると捕まってしまうのだ。これではいつまでたっても潜入できそうにない。
霊夢「ねぇ、あれを使ったらどうかしら?」
霊夢は段ボールを積んだトラックを指差した。トラックは特に検査をすることもなく中に入っていった。
リック「トラックを使って正面突破か!霊夢、お前ブッ飛んでるなぁ!」
霊夢「違うわよ!あの段ボールの中に入って工場に潜入するの!」
クー「なるほど……これは俺達では浮かばないアイデアだ。しかしどうする?」
リック「ひとまずはトラックを追いかけるしかないな。」
霊夢達は空のトラックを追いかける。着いた先は丸太が山積みになった作業場だった。巨大なチェーンソーがついた機械が木を次々と伐採していく。段ボールに詰められていたのは木に実っていた果物だった。リックは果物を必死に我慢しながらもピッタリな段ボールを探していた。
霊夢「どうせなら可愛いプリントが入った段ボールがいいわね。」
リック「オイラが入っても壊れねぇかな……」
クー「ひとまず入って様子を見よう。」
段ボールに入りながらトラックに乗る霊夢達。しばらくすると社員が積み荷を確認して扉を閉め、トラックを発車させた。ゴトゴトとトラックに揺られる中、門を通過し、霊夢達は工場に潜入することに成功したのである。積み荷は全て倉庫に入れられ、霊夢達は段ボールから顔を出した。辺りは全て段ボールに包まれており、どこからも果物の香りが漂ってくる。リックは待ってましたと言わんばかりに果物を食べた。
クー「おいリック!何やってんだ!」
リック「ずっとリンゴが食えなかったんだぜ、たくさんあるんだしこれぐらいいいだろ?」
霊夢「はぁ……にしても、こんなにたくさんの果物をどうするのかしら?」
クー「さぁ?ジュースとかにするんじゃないか?」
リック「ジュースだって!?うまそうじゃねえか!」
クー「お前は……ほら、いつまでも食ってないで早く行くぞ!」
リック「まだ食い終わってないのにー!」
倉庫から出た霊夢達は見つからないように工場を探索していた。とても大きな工場で果物を加工する箇所と木材を作る箇所で別れているようだ。社員が忙しなく仕事をしているようで機械の音も合わせてとても賑やかである。しばらく物影で様子を見ていると、2人の社員が話しながらやってきた。
社員1「新しく入った工場長、ホントによくやるよなぁ。いつもスージー様のキッツイ叱責を買ってるってのに。」
社員2「そうだよなぁ。突然工場長がいなくなってその埋め合わせに採用させられたトーシロなんだろ?そんなに人材不足なのか?」
社員1「わからん、とにかくさっさと報告を済ませよう。えーと……どこだっけ?」
社員2「お前工場長室がどこかもわかんねぇのか?エレベーターで最上階まで登った所だよ!」
霊夢「エレベーターに乗って最上階まで行けばいいのね?」
リック「あれだろ?上下に動いてる箱みたいなやつ。」
クー「よし、そうと決まればさっさと行こうぜ。」
霊夢達はエレベーターに乗り込み最上階へ進む。このまま順調に進むのかと思いきや、突如エレベーターは最上階の3つ手前で止まったのだ。エレベーターのドアが開き社員が乗り込もうとすると霊夢達た鉢合わせてしまった。
霊夢「………」
社員「………」
社員「し、侵入者だーーー!!!」
社員がそう叫ぶとこんどは武装した兵士がやってきた。ここからは階段を使って最上階を目指さなければならない。霊夢達は急いで階段を使って最上階まで昇っていく。
リック「ハァ……ハァ……待って……くれ……」
クー「果物の食いすぎだよバカ野郎!」
兵士「いたぞ!逃がすな!」
霊夢「邪魔しないでよ!」
霊夢の札やクーの羽で次々と兵士を撃墜していき、やっと最上階まで到達するころにはリックはもうヘトヘトの状態だった。
工場長室の扉は思いの外頑丈であり、なかなか突き破ることができない。するとリックは体調が回復したのかタックルをして扉をこじ開けた。
扉の先にいたのは美人秘書のスージーとこの前に霊夢にボコボコにされたタックだった。タックは身体に機械がついている。
スージー「………タック工場長、これはどういうことですの?」
タック「ひょ、ヒョヒョ……スージー様、これは……」
スージー「反乱分子を弱体化させるためにあなたの腕を信じて採用したのにコテンパンにやられ、ボロボロになって倒れてた所を情けで拾って工場長に雇ってやったのに侵入者すら倒せない始末……ホンット、あなたは使えないクズですわね。」
タック「し、しかし……」
スージー「あら?あらあら?雇われ新人工場長であるあなたが?美人秘書のスージー様に口答え?あなた自分の立場わかってますの?」
タック「……………」
スージー「あなたは我々の信頼を裏切った、これは相当なペナルティですわ。でも、私は寛容で優しい美人秘書のスージー様ですので、あなたに最後の最後のチャンスを与えてあげますわ。」
タック「チャンス……?」
スージー「そう、あなたは最後は優秀な兵士となって、侵入者をボコボコにするのです!」
霊夢達「「!?」」
スージーはそう言うとリモコンのスイッチを押した。しばらくするとタックについている機械が怪しく光り、激しい電撃を放った。
タック「ヒョーーー!?」
スージー「使えないクズならクズらしく最後は派手に散っていらっしゃい、では。」
スージーは時空の裂け目を使いタックを残して消えていった。
クー「お、おい、なんだか様子がおかしいぞ……」
霊夢「何かしら?」
タック「た、助けてくれヒョ……か、身体が……身体が……ヒョーーーー!?」
タックは機械に完全に飲み込まれ、背中から怪しいアームが5本生えたロボットと化してしまった。
タック改「ヒョ……ヒョヒョ……ヒョーッヒョッヒョッヒョーー!!」
リック「マジかよ……」
霊夢「やるしか……ないのね!」
クー「憐れな……」
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.57 )
- 日時: 2017/12/06 16:45
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
皆様へ
先ほど新総合スレへの移転のお願いを出してきました。恐らく移転が完了するまで続きは書けないかと思います。
移転が完了次第続きを始めますので気長にお待ち下さい。
では、新総合スレで会いましょう。
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.58 )
- 日時: 2017/12/17 11:16
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory>>56
43・霊夢のサイボーグ退治
材木工場
グラスランドをハルトマン社から奪還するために材木工場に潜入した霊夢達。工場長室で出会ったのは社長秘書のスージーと改造された泥棒のタックだった。改造されたタックは機械によって暴走しており霊夢達に襲いかかる。
タック「ヒョーーーー!!!」
霊夢「わっ!ハルトマン社ってえげつないことするのね……まぁ今に始まったことじゃないけど。」
リック「オイラ達だって死に物狂いで森を奪還するためにここまで来たんだ、絶対にブッ倒してやる!」
クー「すぐに……ケリをつけてやる!」
タックは5本のアームを使って霊夢達を捕まえようとする。リックはアームをがっちり掴み、その隙に霊夢とクーは鋭い攻撃を本体に放っていく。しかしサイボーグとなったタックには効いていないようだった。その上だんだんとリックの掴みを回避したり、余ったアームを使い札や羽を防いだりしている。そのうち霊夢達の攻撃は当たらなくなってしまった。
クー「あいつ、戦っているうちに学習しているのか?」
リック「なんだって!?そんなの反則じゃんか!」
霊夢「だったら新しい方法で攻撃するまでよ、夢想妙珠!」
霊夢は祈祷をすると背後の空間に魔法陣が生じ、色とりどりの光の玉が現れた。タックは光の玉を防ぎきれずそこそこのダメージを食らう。リックは摩訶不思議な霊夢の新たな攻撃方法に子供のごとく興奮していた。
リック「すっげー!今のかっけぇなー!」
霊夢「興奮してる暇があったら攻撃!これもどうせ何回かやったらすぐ対処されるわ。」
クー「お、おい……なんだか様子が変だぞ。」
そこそこのダメージがトリガーとなったのか、機械仕掛けのアームが外れ、高出力のレーザーカッターが現れた。5本のカッターを巧みに操り踊るように空間を切り刻む。霊夢達が避けて壁や床にカッターが当たり抉るような切り跡ができていた。他にも回転切りやジャンプ切りなど応用を効かせた攻撃方法も使ってくる。
リック「おわぁぁ!?こんなのに当たったら丸焦げになっちまうぞ!」
クー「丸焦げで済めばまだいい方だろう、しかしところどころ札や羽が当たっている。夢想妙珠が記憶装置に傷でもつけたか?」
霊夢「でもその分攻撃も激しくなってくるわ……もう一回やればなんとかなるかしら?夢想妙珠!」
もう一度夢想妙珠を放つが何個かはカッターで切られてしまった。
霊夢「嘘ぉ!?」
クー「ボーっとするな!来るぞ!」
時間が経つに連れてタックは霊夢達の行動を分析しそれにあった対応をしてくる。さらに霊夢達の行動を予測し避けづらい攻撃を何度も放ってくる。古い記憶を消去して常に新しい記憶を生み出しているので避ける方法を忘れたが、それを上回る攻撃力を以て霊夢達を倒しにかかっている。夢想妙珠も次は完璧に避けられるかもしれない、もはや霊夢達はなすすべが無かった。
霊夢「なんて力なの……」
リック「は、腹減った……」
『何やってんのあんた達!へばるにはまだ早すぎるんじゃないの?』
よく聞く強気な女性の怒鳴り声の後で背後からインベードアーマーが飛んできた。タックは問題なくインベードアーマーを切り捨てるが、既に後ろから黄緑色の影がタックに迫り、体当たりをかましていた。
チュチュ「よくやったわよピッチ!!」
ピッチ「はぁ……怖かったです……」
霊夢「あんた達、どうしてここに?」
ナゴ「お主らが出発したあと、吾が輩らも後を追ったのだ。いざというときに助けられるようにな。」
そう、いつの間にか仲間が勢揃いしていたのだ。
チュチュ「さーて、やるわよ皆!カイン!」
カイン「わ、わかったんだな……」
カインは大きく口を開けるとチュチュが中から爆弾を取り出した。チュチュやナゴは爆弾を投げ、ピッチはもう一度体当たりをしてタックの隙を作ろうとする。
チュチュ「ほら、ボケッとしてないで攻撃なさい!」
リック「おっしゃ!ありがとな!うおおおお!!!」
クー「フッ……流石だ。」
霊夢「今度はスゴいの食らわせてやるんだから、皆、時間をちょうだい!」
タックも援軍は予測できず多方面からくる攻撃を捌くだけで精一杯だった。そして計算をしすぎたのか、だんだん身体から煙が立ち上るようになった。煙は白から黒へ、まただんだん太さや本数が増え、ついには火花も出てしまい、動きが鈍くなってしまった。
リック「おっ、なんかノロくなってきたぞ!」
カイン「ば、爆弾、無くなったんだな……」
チュチュ「霊夢!早くなさい!」
霊夢「オッケー、これで決めるわ!」
霊夢は印を素早く結ぶと高くジャンプし札を投げた。投げた札は特殊な紋様を描くように等間隔にタックの周りに貼られていく。
霊夢「八方鬼縛陣!」
霊夢がそう叫ぶと札と札とが繋がり一つの魔法陣となり、そこから鎖が出てきてタックの体を捕らえた。しばらくすると魔法陣から光の玉がわき上がり縛られているタックめがけて一気に降り注ぐ。身動きがとれず直撃を食らったタックは床に倒れ伏していた。
タック「ガガ……ヒョ……ヒョ…ガ……ガ……」
立ち上がろうとするタックだったが、ボロボロになったレーザーカッターのパーツに当たり、工場長室を吹き飛ばすほどの爆発を起こして散っていった。霊夢達はなんとか爆発の直撃を免れ他の社員達の攻撃を回避しながらも脱出を果たした。
リック「これで……終わったんだよな?」
霊夢「あれは鬼を縛るほどの力を持つ技よ、そうそう耐えられるもんじゃないわ。」
ナゴ「やれやれ、ようやく一休み………」
材木工場を後にした霊夢達。しかし、霊夢達の背後に現れたのは大きな木の姿をしたサイボーグだった。
タックらしき声『ヒョ…ガガガガ……ヒョガガガガガガ……ガガーーーー!!!』
クー「……どうやらまだやることがあるらしいぜ。」
リック「冷静に言うなよ!オイラわけわかんねぇよ!」
クー「たぶん、タックのマシン部分が工場のパーツや材木をひたすらマージしてできた結果だろう。何がなんでも俺達を倒したいみたいだな。」
霊夢「悪霊が他の怨念を取り込んで凶暴化するのと同じ仕組みみたいね。」
カイン「ま、まるでウィスピーウッズなんだな……」
リック「お、おい……あれドリルじゃねえか?逃げろーー!!」
タックボーグを倒しグラスランドを取り戻したと思ったのもつかの間、今度はウィスピーボーグが現れ再び霊夢達に襲いかかったのである。
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.59 )
- 日時: 2017/12/23 21:03
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>58
44・霊夢の逃走劇
ウィスピーボーグは逃げる霊夢達を執拗に追いかけまわす。パイプの隙間や穴を覗いたり時には破壊したりと隙がない。どこへ行っても逃げ道は存在しないのだ。巨大な体を持ちながらも素早く移動するウィスピーボーグを前に霊夢達はどんどん疲弊していった。
クー「な、なんて執念深さだ……」
チュチュ「もうダメ、私限界………」
ナゴ「ほれ、もっと気張らんか!」
霊夢「このままだと危ないわね……よし、罠を作りましょ。あれだけ大きいんだもの、重心さえ崩せればチャンスはあるわ!」
リック「ようするに落とし穴だな!」
霊夢「ええ、私が囮になるからなるべくいいやつを作るのよ!」
そう言うと霊夢はウィスピーボーグの元へ飛んでいった。あいつから逃げるだけでも皆は体力をどんどん消費していく、それなら私がと霊夢は自ら囮となることを選んだのだ。最悪交戦することになろうともなんとか応戦できる。今は少しでも時間を稼ぐしかない。霊夢はウィスピーボーグのまん前に堂々と現れた。
霊夢「さぁ、私が相手よ!」
ウィスボ「ガガガガーー!!!」
クー「さぁ、霊夢がいなくてもやれるってことを照明してやろうぜ!」
一同「「「オーーーッッ!!!」」」
一方、リック達は必死で落とし穴を作っていた。体力のあるナゴとリックが率先して穴を堀り、クーの羽で細いパイプを切っていき、手先が器用なチュチュが大きな穴の上にパイプを編み上げていく。ピッチは小さな体で大急ぎで駆け回り枝やら葉っぱやらで地面と同化するように見せかける。バケツでぼんやりしているカインはただぼーっと作業を見ていた。
やっとできた落とし穴は粗末な造りではあったがウィスピーボーグを嵌めるには十分な罠となっていた。
リック「よし、こんなもんでいいだろ!自信作だぜ!」
ナゴ「吾が輩のほうが多く土をかき出したがな。」
リック「はぁ!?オイラのほうが多いに決まってらぁ!」
クー「わかったわかった……カイン、信号を送ってくれ。」
カイン「わかったんだな!むむむ………ポーン!」
カインは爆弾を真上に思いっきり高く吹き上げた。
クー「よし、急げ!巻き込まれるぞ!」
チュチュ「かなり時間かけたんだからしっかり嵌めなさいよ!」
ピッチ「ピピー!」
霊夢「あの爆発は……ほら、こっちよ!」
霊夢はウィスピーボーグと追いかけっこをしていた。距離が一定になるように、ドリルを撃ってきたらドリルだけを撃墜する。近づきすぎず離れすぎずを繰り返し、落とし穴の方へ誘導する。
霊夢「よし、もうすぐ!」
落とし穴ポイントに到達したウィスピーボーグは案の定脚が嵌まりバランスを崩して転倒した。さらにチュチュが凝った編み方をしたのか、パイプがカエシ状になっていていくら力を込めても引き抜けない。
霊夢「皆、この札を持って私の言った位置について。急いで!」
リック「わ、わかったぜ。」」
霊夢「カインの分は貼っておくから大丈夫よ。」
カイン「あ、ありがとうなんだな……」
霊夢達は配置についた後に渡された札を掲げた。すると札は一筋の光となって他の札とつながる。全ての光が繋がると今まで白かった光が7つの色に分かれ霊夢達の周りを駆け巡る。
霊夢「これが皆でできる悪霊退治よ!七天魔殲陣!」
霊夢が叫ぶと突如ウィスピーボーグを覆う程の大きな魔法陣が発生し、そこから聖なる光が一気にわき上がった。ところどころ起爆性の札も紛れており反撃も許さない。聖なる光は空を貫き太陽のごとく明るかった。
ウィスボ『ガァァァ…………!!』
ウィスピーボーグは光の輝きに包まれ魂もろとも祓われてしまったようだ。霊夢はそっとタックの魂に祈りを捧げた。リックが目を醒ましたのは呆気にとられて足を滑らし頭から地面に激突した後だった。
リック「やった……のか?」
霊夢「ええ、もう大丈夫よ。」
ピッチ「やったー!!」
ナゴ「これでこの森のキカイ化は止まるのであるな!」
霊夢「止まりはするけど戻りはしないみたいね……」
クー「でもこれで自然は守られた。霊夢のおかげさ。」
チュチュ「あら、見かけによらずやるじゃないの。」
霊夢「見かけには余計よ。」
霊夢と仲間達の働きによりグラスランドは奪還された。拠点に戻った霊夢達はひとまず祝勝会という事で材木工場の倉庫からくすねた果物をひたすら食べまくった。果物を囲むテーブルの輪の中にはもちろん霊夢もいる。元の世界の幻想郷に戻る手段を考えることは今はすっかり後回しになっていた。
『グラスランド 奪還 』
ハルトマンワークスカンパニー母艦
アクシスアークス
スージー「………以上がプレインプロプトン支社で起きました。」
ハルトマン「わかった、報告ご苦労である。ひとまず下がっていなさい。」
スージー「ここのところ、ゲンジュウ民達の抵抗が激しくなっています。既に襲撃され奪還された支社も少なくありません。」
ハルトマン「まだまだこの世界には未踏の地がある。そこを支配すればよいのである。」
黒霊夢「ねぇ、いい加減私の任務まだ?」
影咲夜「そろそろ体を動かしたいのだけれど。」
2人「「早くオリジナルと戦いたいのに。」」
ハルトマン「まぁ待つのである。君達にも出番はやがて来るのである。チキンでも食べながら今は辛抱するのである。」
ディメンションミラーによって作られた霊夢の影と咲夜の影。オリジナルがそうとうな強さを持つため影である存在もまた同等の存在を持つ。未だ目立った活動はしていないが2人放たれた時、世界はどう動くのか。全てはマザーコンピューター『星の夢』のみぞ知る。
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.60 )
- 日時: 2017/12/29 21:44
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>49
おまけ
shadowofrose
3・元の世界の話
ダークタランザが鏡の世界に来てからしばらく経ち、こいしはふとダークタランザ達の元の世界についての話がしたくなった。鏡の世界の住人達のモデルが気になるのである。
こいし「ダークメタナイトさんには元の世界のモデルがいるんだよね?」
ダメタ「そうだな。それと、ダークでいい。メタナイトまでつけると長くなるだろう。」
こいし「いいの?ありがと!でもダークさんのモデルかぁ……なんか清く正しい王家の騎士って感じかな?」
ダメタ「……確かにアイツは正義の騎士だ。だがそれ故に独りよがりになりがちだ。逆襲だって企てたこともある。」
こいし「逆襲!?」
ダメタ「あぁ。堕落に満ちたこの世界を変えるっつってな……」
こいし「へぇ………」
こいし「ブラックデデデさんにもモデルがいるの?」
ブラデ「あぁそうだぜ、あとブラデでいい。長いだろ。」
こいし「あ、ありがと……ブラデさんのモデルかぁ……なんか部下思いでおおらかな感じ!」
ブラデ「まぁ間違ってはいないな……でもなぁ、アイツ人の食べ物強奪したりするからなぁ……」
こいし「強奪!?」
ブラデ「あぁ、どこぞのヒーローにコテンパンにされたらさすがに懲りたみたいだがな。」
こいし「へぇ………」
こいし「ねぇ、シャドーちゃんのモデルってどんななの?」
シャドー「むにゃ……んー、あんまり変わらないんだよね。」
こいし「そうなの?」
シャドー「うん、表も裏もないのんびり屋さんなんだ。」
こいし「表も裏も無いって珍しい性格だよね。」
シャドー「まぁ元の世界があきれかえるほど平和な世界だからね……」
こいし「へぇ………」
こいし「ダタラのモデルは絶対に忠実な僕って感じがする!」
ダタラ「その前になんでミーは呼び捨てなのか話してほしいのね。」
こいし「それでいてたとえ主に見限られても頑張って捧げものとか贈りそう。」
ダタラ「お嬢さん?聞いてる?」
ブラデ「そういやお前の姉ちゃんってどんな奴なんだ?」
こいし「お姉ちゃん?お姉ちゃんは優しくて、頭がよくて、よく皆をまとめてるんだ!」
ダメタ「妹ご自慢の姉ってやつか。」
こいし「そうなの!それでね!それでね!」
こうしてこいしのお姉ちゃん自慢はこいしの気が済むまで延々と行われた。
こいし「ふぅ……これくらいかな?あれ、皆どうしたの?」
ブラデ「いや、長ぇよ!これ半日くらい経ったんじゃねえか?」
ダメタ「それほどまでに姉のことが好きなのだろう、許してやれ。」
こいし「私達はさとり妖怪だから皆に嫌われて生きてきたの……私はそれに耐えられなくて瞳を閉じちゃったけど、お姉ちゃんはそうじゃなかった。お姉ちゃんは私よりもずっと、ずーっと強かったんだ。その頃からか、私はお姉ちゃんの影になってた。」
シャドー「でもまぁ、こいしちゃんはこいしちゃんだから、無理にお姉ちゃんと比べなくてもいいんじゃない?」
ダタラ「ああ、なんという悲劇的な運命なのでしょう!変わってあげられるのならぜひとも変わってあげたい!」
ブラデ「やめとけお前自殺するぞ。」
ダタラ「ひどい。」
こいしは姉への劣等感によりどんどん姉の影に隠れてしまった。知ってか知らずか手にいれた能力により自分にも行き先がわからないほどの気まぐれ屋となり、今でも姉を心配させてしまっているのだという。こいしが『劣等』により影となってしまったのなら、ダークメタナイトは独りよがりの正義から生まれる『独善』、ブラックデデデは身勝手な暴威から生まれる『傲慢』、シャドーカービィは純粋すぎる心からなる『白痴』、ダークタランザは主の見限りを怖れる『懐疑』によって影となったものである。こいしもだんだん住人達に染まってきたのだ。
ダメタ「なら、お姉ちゃんに見せてやらねぇとな……私一人でもやれるんだぞってところを。」
こいし「うん……そうだね。」
ブラデ「だったらほれ、またかかってこい。弾幕ってのもなかなか面白いもんだな!」
シャドー「じゃあ僕……寝る。」
ダタラ「では、ミーは修行後の体に染みる紅茶でも入れましょうかね……」
影は影なりに経験を積み重ねる。モデルの力量に追いつけるように、自分自身の土俵にしっかりと入れるように。
こいし「お姉ちゃん……私、頑張るからね。」
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