二次創作小説(新・総合)

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東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
日時: 2018/11/11 12:09
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。

あらすじはこちら

ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。


この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。

現在の物語
・デデデ編2

フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56 >>58 >>59 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50 >>60 >>61 >>62 >>71 >>72
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.6 )
日時: 2017/04/02 22:46
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)



フェイズ1・幻想大侵攻



4・紅と銀



レミリア「フランがいない?」
パチュリー「そうなの……どこを探してもいないのよ。内側からは開けられないように厳重に封印を施していたのだけどそれを解いた形跡もないし……」

紅魔館ではレミリアが妹の消息が途絶えたことを心配していた。妹は少し気が触れており外に出すと大惨事になりかねないので封印していたのだ、しかしそれが行方不明になってしまった。しかも封印を解かずして。他に壊された形跡はなく完全なる密室なのに消息が絶たれ、レミリアは驚いていた。あのスキマ妖怪にでもさらわれたのか、それとも別の何かが………何もしなければとても可愛い唯一の妹が突如消え去り、姉の心配はどんどん膨らんでいった。

レミリア「いつもならなんてことないのに……封印が解かれていないだけでどうしてこう心配するのかしら………」
パチュリー「落ち着きなさいレミィ、あとで咲夜や美鈴にも聞いてみましょう……あら?」

これからのことについて話していると突如地鳴りが起こった。意図的に大地が削られて起きるような酷く乱雑な地鳴りが辺りを包み込む。地鳴りが鳴って数分後、ドタドタと走る音が聞こえた。パチュリーが小悪魔が倒れた本の並べ直しを手伝ってくれと頼みにきたのだろうと言っていたが、ドアを開けたのはいつもなら外で見張りをしている門番の紅美鈴だった。

美鈴「た、大変ですお嬢様!機械で兵隊が丸くて木が空を飛んで刺さってアスファルトな地面になってて………」
レミリア「落ち着きなさい、全然わからないわ。とりあえず冷静に……」
美鈴「冷静になんかなってられませんよ!とにかく急いで来て下さい!」

主を置いてドタドタと走り出す門番、何事かと外に出てみると空からたくさんの機械が見える。降ってきた木や電球が地面に刺さると地面が鉄で舗装されてしまい、色とりどりの花が咲き誇る花壇が飲み込まれてしまった。更に鉄のロボットの兵隊が空を埋め尽くすように現れる。

レミリア「なんなの?こいつら………」
???「おっと、オマエがリストに乗ってたレミリア・スカーレットって奴だな?なんだ、写真のより弱そうなのサ!」

人を食ったような憎たらしい声の主がロボットの軍団の前に現れた。2色の帽子を被り奇妙な腕をしていたその生命体は、ただニタニタと笑っていた。

マルク「ボクはマルク。今日からこの世界はボクの物なのサ!」
レミリア「急に出てきて何を言っているのかしら、ここは私の館よ。絶対に渡さないわ。」
マルク「おっと………この数を相手にして、どこまで強気でいられるかな?……やれ!」

マルクの号令と共にロボットの軍団が一斉に襲いかかってきた。鋼の拳やレーザーが雨のように降り注ぐ。そしてその銀の群れを一筋の紅い光が貫いた。過ぎた一線にいたロボットは大破していた。それに合わせてパチュリーは魔法、美鈴は武術で応戦している。

レミリア「へぇ………グングニルを受けても形が残る物なんて初めて見たわ。」
パチュリー「ふぅ、なかなか手応えのある奴ね。」
美鈴「手足が持つかわかりませんが、今は館の危機ですからね………」

マルク「なるほど、結構しぶといね……ならコイツの出番なのサ!」

マルクは異空間を開きそこから兵器を呼び出す、それは明らかに殺意をむき出しにした冷徹なもうひとつの紅い吸血鬼だった。無垢だったその瞳は今は冷たく薄暗い。

レミリア「……フラン!?」
美鈴「妹様!?どうして…………」
マルク「さてフランボーグ、思いっきり暴れてやるのサ!」
フラン「………………」

瞳を赤く輝かせレミリアを捉えた途端、細い腕がレミリアの体に直撃した。見えないくらいの速さでレミリアの懐につっこんだのである。

レミリア「ぐっ…………!!」
マルク「おー、いいねいいね!なかなかの破壊力なのサ!」

レミリアは衝撃で館の外壁にめり込んだ。武装したことによりフランの力が格段に上がっており、強靭な吸血鬼の体を簡単に吹き飛ばしてしまった。相当な威力のはずだが、レミリアはお腹を押さえながらも戦場に復帰し、さも余裕そうな顔をする。

レミリア「なるほど……フランをさらったのはアンタだったのね……これで心置きなく本気になれるわ…」

レミリアの周りを紅いオーラが包む。そのオーラはレミリアの右手に集い大きな槍を形成した。空気を押し揺るがすほどの力を持つ槍をマルクに向かって思いっきり放り投げる。しかしフランが間に入り体を盾にしてマルクを守った。右手に深手を負いながらもレミリアの全力を防いだのである。

レミリア「嘘……私の全力を片手だけで……?」
マルク「ちっ……これ借り物なんだぜ?キズつけやがって……もういい、これだけ深手を負わせりゃ充分だ。捕まえるのサ!」

マルクの号令に従いロボットの軍団がレミリアの確保に向かう。パチュリーや美鈴をおしのけその拳はレミリアに伸びた。










その兵士の首筋にナイフが飛んできたのは数秒後の話である。

咲夜「遅くなりました、気づいてはいたのですが能力が使えず………」

咲夜の手には銅のリストがついていた。どうやら能力を使用不能にする力が働いているらしい。

パチュリー「無駄よ……能力を使えないあなたなんて足手まとい以外に無いわ……」
咲夜「美鈴もパチュリー様も大分疲弊しています、ここは私がなんとしても守らないと………」
美鈴「そのリスト……どうしたんですか?」
咲夜「子供につけられたんだけど……様子がおかしかったから怪しく思って……外そうと思った時には既に……しかし、そこそこ運動はできます、ここはお任せを!」


マルク「今更ザコがやって来たのサ。まとめて捕まえてやる!」
咲夜「ザコかどうかは……まだわかりませんわよ。」



Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.7 )
日時: 2017/04/05 06:58
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




5・紅魔大戦



咲夜が参戦したはいいものの、戦況はあまり好転したとは言えない。咲夜は時間を操ることができる点以外では普通の人間とあまり変わらずロボットの攻撃を避けることだけで精一杯だ。リーダーのマルクも戦闘に加わり戦況は更に悪化しており、紅魔館のメンバーには疲労が見える。

マルク「オラオラオラオラ!そんなもんかァ!?」

激流のような数の矢を放ち徹底的に獲物を追いつめるマルク。継ぎ目の無い攻撃をまともに受け続けるもなんとか体勢を立て直すことに成功するが、あまり体力は残っていなかった。全滅するよりかは誰かが生き残った方がいい……………咲夜は能力を使っていないしレミリアもまだ戦える……そう思ったパチュリーは1つの魔方陣を編んだ。それを察した美鈴が引き付けるように暴れ回る。

美鈴「まだ、私は動けますよ?」
マルク「へぇ……なら、これで終わりにしてやるよ!」

マルクは謎の種を美鈴に向かって飛ばす、それよりも先にレミリアが間に入り種を体中で受け止めた。

レミリア「何よ、普通の種じゃない。こんなのどうってこと………!?」

レミリアにくっついた謎の種から薔薇のツルが伸び体にまとわりつく。そして刺さったトゲからレミリアの体力をじわじわと奪い取り、真っ赤な花を咲かせていた。いくら底無しに近いほどの体力をもつ吸血鬼でもこのままでは一方的に吸われ続けるだけである。

マルク「へっ……その体力、あとどこまで持つかな?」
レミリア「……………」







『今よ、開け!次元の扉!』






レミリアと咲夜の足下に魔方陣が現れた。淡い光が立ち上ぼり徐々に体が光り輝く。

パチュリー「転移魔法よ……急ピッチで編んだからどこまで飛ぶかはわからないけど、生きていればきっとなんとかなるわ……!」
レミリア「パチェ……」
咲夜「パチュリー様………」
マルク「おい、早く捕まえろ!」

マルクの号令よりも早く、2人の体は消え去った。

パチュリー「これで………可能性が………」
美鈴「さすが……です………」

取り残された2人はとうとう疲弊により倒れこんでしまった。レミリアや咲夜を捕まえることができなかったマルクは心底面白くなさそうな顔をして空を睨みつけた。

マルク「………まぁいい、おい、さっさと準備をするのサ!」

紅魔館周辺が完全にキカイ化され、工場のようにもくもくと煙を立てる紅魔館が幻想郷の空を暗くした。





『紅魔館、制圧』







???「大ちゃん大ちゃん!なんだありゃ!?いきなり降ってきたぞ!」
???「ちょ、ちょっとチルノちゃん!静かにして!聞こえちゃうよ!」
???「大丈夫だよ、私の暗闇でどうにかさせるから。」
???「私の歌であの人を魅了させてあげるわ!」

キカイ化された木の影、そこには研究員を見つめる4人の少女がいた。近くの森に住む氷の妖精チルノ、その友達の大妖精、宵闇の妖怪ルーミア、夜雀のミスティアである。彼女らはこの『異変』を解決するべくやって来たのだ。

チルノ「まずはアイツをやっつけて変装するよ!」
???『おっと………そこで何をやっているのかな?』
「「!?」」

突如、大きな1つ目の物体が4人を包み込んだ。

チルノ「な、なんだ!?見えないぞー!」
大妖精「チルノちゃん叩かないでそれ私!」
ルーミア「な、何も見えないよー!」
ミスティア「あらあらー?これがホントのかごの鳥ー?」

取り込まれた4人はやがて物体と共に消え去ってしまった。そしてすぐまた1つ目が顔を出す。

???「マルク、ご苦労だったな。」
マルク「今さら何しにやってきたのサ、自分だけ楽な仕事しやがって……」
???「そう言うな、妖怪や妖精は研究員よりも力は強い。雑用にはもってこいだろう。それにここは……我々が住んでいた世界には無い物が多い、それらを全て支配できるのであれば我々も動くさ。」
マルク「確かに……お前らがこう言うことに乗るのは珍しいのサ、なるほどね。」
???「妖怪や妖精であれど、無限の闇の前ではなす術がないさ。」



突如現れたロボットの軍団、それは一瞬にして全てを支配してしまった。しかし、幻想郷の悪夢はこれで全てではない………すでにたくさんの場所にロボットは出没していた。




Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.8 )
日時: 2017/04/07 23:34
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




6・王位の陥落



デデデ城

ここは呆れるほど平和な星、ポップスターの中にあるプププランド。春風が吹き暖かな光が草原を撫でる昼下がり、雰囲気に似合わぬ荘厳な城の中庭では大王と従者がチェスをしていた。盤面を見る限り従者側が優勢である。

デデデ「うーむ…………うーむ…………」
バンワド「大王様、まだですか?」
デデデ「待て、待ってくれ!」
バンワド「そう言ってもう30分ですよ……」

この大王、考えることが至極苦手である。どうやら一日中対戦しており大王は一度も勝てたことはないようだ。腕組みをしつつ空を見上げながら考えていると、黒い点がひとつ見える……その点はどんどん大きくなり、足のようなアームをにょきにょきと出し、思いっきり地面に刺した。

デデデ「な、なんじゃありゃあ!?」
バンワド「え、エイリアンの襲来ですよ!」

その要塞はロボット兵、電球や木を放出しこの地を征服しようとする。大王は急いで指示を出し、要塞を撃ち落とさんと大砲を出した。

デデデ「撃て、撃てぇー!!」

しかし、遥か上空に浮いている要塞に当てることはできず、むしろ返り討ちのレーザーを食らってしまった。レーザーは城の壁を穿ち大王達を吹き飛ばす。

デデデ「おわー!?」
バンワド「大王様、一旦ここは逃げましょう!多勢に無勢すぎます!」
デデデ「な、何言ってるんだ!大王が自分の城ほっといて逃げられるか!」
バンワド「お前達、僕達が逃げきるまで持たせて下さい!うぉぉぉ!」

従者は部下に城を任せ長の証であるバンダナを強く締めた後、叫び声を上げて力をためデデデ大王を持ち上げた。自分より何倍も重い大王を持ち上げ、従者は地下道を走り回る。そして奥地まで来た時、限界を感じたのか大王を放り投げて従者は休んだ。

デデデ「ふぎゃ!」
バンワド「ここまでくれば……大丈夫でしょうか……………」
デデデ「このやろう……よくも………」
バンワド「あ……お許しください……大王様には生きていてほしくて………」
デデデ「……まぁいい、それよりこれからどうしたもんか………」
バンワド「このまま行けば洞窟の近くまで出られます……さ、行きましょう!」











『ひさしぶりだネェ、何してるのぉ?』



突如として現れたその魔術師は2人の前に佇んだ。星形の異空間の入り口がふよふよと誰かが入ってくるのを待っている。

デデデ「マホロア!?どうしてここに!?お前は俺達が倒したはずじゃあ………」
マホロア「いやぁ現代の科学ってスゴいんだネェ、もう一度ボクを復活させるなんて………」
デデデ「あの要塞もお前の仕業か!?」
マホロア「そうだよ、どっちかというとボクがそこで働いているんだヨォ。ここポップスターのキカイ化の為にネ。ほら、ここって資源が豊富な割には誰も使いこなせてないじゃん?だからボク達が有効活用してあげよっかなー、と思ってネェ。」

マホロアはケタケタと笑いながら2人の間をぐるぐる回っていた。動揺を隠せない2人は武器を手にして警戒する。

デデデ「ここはお前達が好き勝手していい場所じゃない!悪いがお引き取り願わせてもらうぜ。」
マホロア「ボクを甘く見ないでヨォ、今はもうあんな弱いボクじゃない、それを証明させてあげるヨォ!」

マホロアは無数の魔力球を放ち2人を襲う。前とは比べ物にならないほどの威力と量には敵わず、ぶっ飛ばされてしまった。

デデデ「ぐおっ!?」
バンワド「うわっ!?」
マホロア「さて……弱くなったキミ達にはもう興味はない。邪魔されると困るから飢えたローパー達のエサになってもらうヨォ。」

マホロアは軽々と2人をつかみ異空間へ投げ飛ばしてしまった。異空間の入り口は閉じ、完全に閉じこめてしまったようだ。

マホロア「さて、まだまだやることはあるヨォ。待っててね、僕と同じ能力を持つベストなトモダチ!」







異空間

デデデ「ここは……異空間か!」
バンワド「マホロアが復活してるってことは、またいろんなワルモノが復活しているかもしれませんね………」
デデデ「こうしちゃいられない……カービィだけじゃ心配だ、早く俺達も……!?」


『ウォォォン…………』


そこに現れたのは異空間に巣くう魔物、ローパーたった。スフィアエナジーがなくなった今、ローパー達はエサを探しもとめてさまよっていたようだ。無論、無茶苦茶腹ペコなのである。

デデデ「仕方ねぇ……とっとと出口探すぞ!」
バンワド「はい!」


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.9 )
日時: 2017/04/09 21:55
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




7・闇の骸と十の庭師



白玉楼

ここは冥界に位置する白玉楼。裁きを待つ死者の魂が住まう所で基本的には静かであり、春には桜が舞い散り冬には雪が積もるという風情溢れる空間なのだ。冥界なので死なない限りここへは来られないが、星の夢の時空間転移プログラムの副作用により結界の境界が曖昧になってしまい、ひょんなことから迷いこむこともあるという。
ここの主である西行寺幽々子はゆらゆらと揺れる結界の境界を見据えていた。桜の花びらと共に桃色の髪が儚くそよぐ。

幽々子「結界が揺らいでいる……紫に何かあったのこそれとも現世に何かがあったのか………妖夢、調べていらっしゃい。」
妖夢「わかりました。………しかし幽々子様、そのような心配は無用かと。」

魂魄妖夢、彼女は白玉楼の庭師である。『半人半霊』と言われており人という存在でありながら霊と話したり切ったりできる。2本の刀の使い手であり立派な刀の使い手であった祖父を目指して修行中の身だ。彼女の目が鋭く空を見やると、黒い雲のようなものが辺りを包み、そこから異形の者が姿を現した。それは闇をまとったドクロの王、ネクロディアスだった。

ディアス「ここが冥界か………我らが住むには少し明るすぎるが………まあ良い、どうせ後で暗くすればよい話だ。」
妖夢「悪霊の類いの者の様ですね……ここに何の様ですか?」
ディアス「なに、大したことではない……計画の邪魔をされぬよう、未来の障害を消しておけとの話だ。」
幽々子「なるほど……あなたがここへ来たことと結界が揺らいだことは無関係じゃなさそうね。」
妖夢「今ならまだ猶予をあげます、お引き取りください。さもなければ、私はあなたを切らなければならなくなります故。」
ディアス「とんだご挨拶だな………いいだろう、切れるかどうか、試してみろ。」

ネクロディアスはそう言うと空から部下を呼び出した。ドクロをかぶった闇の塊が妖夢を狙う。

妖夢「それがあなたの答えだというのなら……私は使命を果たすまで、幽々子様はそこで見ていて下さい。」

妖夢は刀を抜き襲い来るドクロン達を切った。円を描くように舞い一線にて貫く、流れるような身のこなしによりドクロン達はあっという間に全滅した。しかしネクロディアスは顔色ひとつ変えない。きっとこのくらいは想定内なのだろう。

妖夢「さぁ、次はあなたの番ですよ。」
ディアス「ほう、なかなかやるな。どれ……お手並み拝見といこう。」

手を天にかかげそこから降ってきた杖を手にする。それを確認すると同時に妖夢は相手に向かって駆け出した。しかし降り下ろした刀は頑丈な手によって防がれる。

ディアス「甘い!その程度で私を切れると思うな!」
妖夢「ぐっ!?」

押し退けられ飛ばされる妖夢、しかし空中で体勢を整え再び刃を相手に向ける。そしてネクロディアスは杖に禍々しい力をため始めた。杖の先のオーブがバチバチと黒い電気を放っている。

ディアス「終わりにしてやろう……食らえ!」
妖夢「ぬぅっ……………」

放たれた魔力が妖夢にぶつかる。なんとか刀で防ごうとするも、勢いに耐えきれずもろに食らってしまった。そして煙が落ち着いた時、彼女は周りを見て絶句した。

妖夢1号「あれ……どうして私が……?」
妖夢2号「それに体も小さくなって……」
妖夢3号「私……もしかして分裂してる……?」

そこにいたのは10人の少し小さな妖夢だった。どうやらあの魔法は物を分ける魔法のようだ。刀を持つ手が震えており、どうやら力まで分裂されているらしい。

ディアス「フフフ……どうだ、今楽にしてやろう。」
妖夢1号「なんとか……なんとかしないと……」
幽々子「…………」

ネクロディアスがとどめをさそうとした瞬間、ひらひらと蝶がネクロディアスを包み込んだ。気を取られているとそれは光り輝き爆発した。

幽々子「逃げなさい妖夢、今のあなた達では敵わないわ。」
妖夢1号「しかしそれでは……」
幽々子「大丈夫、私を信じなさい。」
妖夢1号「………絶対、無事でいてくださいね!」

妖夢達は起き上がると同時に駆け出し白玉楼を後にした。ネクロディアスは光を払い幽々子に目をつけた。

ディアス「余計なことを………」
幽々子「次は私の番よ、あなたはもう死んでるみたいだから私の能力は通用しないだろうし、本気で相手しないとね………」

幽々子は背後に紫の扇のようなオーラを展開させた。そこから光る蝶が矢のように降り注ぎ、ネクロディアスも対抗して闇の雷をぶつけた。黒く輝く光が白玉楼を包み込む。幽々子が目の前の敵に集中していると背後から突然鋭い痛みが走った。胸には白いトゲが貫通し血が溢れており、幽々子はフラフラとよろめいた。幽々子を刺したそれはドクロン族の中でも特にエリートのドクロスのトゲだった。

幽々子「まさか……亡霊の体を貫くなんて………」
ディアス「我らも霊のようなもの……光を嫌い闇に消える一族だ。お前も我らと共に来てもらうぞ。」




幽々子「妖夢………ごめんね………私………」




言い切る間もなく幽々子は気絶した。ネクロディアスはぐったりとした幽々子を抱え、白玉楼の制圧を宣言した。

ディアス「………これで役割は果たしたぞ、ハルトマンよ。」






『白玉楼、制圧』





Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.10 )
日時: 2017/04/13 16:25
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)




8・妖精大戦争



リップルスター

ここは妖精が住む星リップルスター。一年中花が咲き乱れ、晴れの日なのにいつも虹がかかり、シャボンのような泡がふよふよと漂う幻想的で平和な星であるが、宇宙船や花火があり妖精の星といえど文明はさほど遅れてはいない。大きく白い城にはここを統べる女王様が今日もわたわたと過ごしていた。サイズが合っていないのか王冠とメガネが動くごとにズレていってしまう。

女王「えーとえーと……これがここであれがここで……キャッ!」
リボン「だ、大丈夫ですか女王様……?いっぺんに全部やろうとするからですよ………」
女王「ごめんなさいねぇ、いつも手伝ってもらっちゃって。」
リボン「いえ、大丈夫です。大変そうだと思ったので。」

落とした書類を拾い集めているのは桃色の髪の妖精リボンだ。その名の通り赤いリボンを髪に飾っている。妖精の中でも割と行動派らしく自ら女王の手伝いを買って出たらしい。
全ての書類を集め終わると昼を告げる鐘が鳴った。

女王「あら、もうこんな時間?それじゃお昼にしましょうか。」
リボン「はーい。」

城の食堂には多くの妖精達が食事をしていた。女王は他の妖精よりも一回り背が高く誰にでも優しく接してくれるためひとたび外に出ればたちまち人が集まってしまうのだ。だから女王は皆に囲まれながら食事をすることになる。ここにいる妖精達は誰よりも平和を楽しんでいた。






しかし、その平和も終わりを迎えようとしていた。上空からマルクとフランが降り立ち、妖精達の前に姿を現す。

マルク「さて……お前のメンテナンスも終わったし新しい装備も追加された。ちょいとテストといこうじゃないか。」
フラン「ねえ、ここ本当に滅茶苦茶にしていいの?」
マルク「ああ、お嬢がクリスタルが欲しいっつってたしテストもできるし一石二鳥なのサ。それにどうせこんなとこまで助けに来るやつなんていないのサ!」
フラン「わかった………クランベリーミサイル発射!」

背中のポッドから放たれた赤いミサイルは大地を吹き飛ばし空を焼き、轟音と炎に包まれる中妖精達は逃げ惑う。後から慌てて女王が出てくるがその時にはすでにほとんどの建物が壊れ焼け野原となっていた。

女王「あなた達、どうしてこんなことを!」
マルク「ここにあるクリスタルを奪いに来たのサ。渡してっつっても素直にくれるはずないんでね。」
リボン「クリスタル……まさかゼロツーの手先?」
女王「いえ、ゼロツーはカービィが倒したはず……とりあえず妖精達を避難させましょう!」

女王とリボンは妖精達を避難させ城へと向かう。そこには非常用の大きな宇宙船がありいつでも脱出できる準備をしていた。着々と避難の準備が進む中リボンだけはクリスタルを持ち飛び出す準備をしていた。

女王「リボン!何をしているの!?」
リボン「クリスタルは大事な宝……渡すわけにはいきませんから。」

女王の返事を待つことなくリボンはクリスタルを抱き宇宙空間へと飛び出していった。マルク達もそれに気づき後を追う。それにより敵意が逸れ住人を乗せた宇宙船は無事脱出できた。



フラン「レーザーレーヴァテイン装備……吹き飛べ!」

赤く輝く剣で前方を凪ぎ払った。その軌跡は炎の渦となり逃げるリボンを執拗に追いかける。しかし前にも似たような経験があったのか苛烈な攻撃をものともせず全て避けきってみせた。

マルク「クソ、ちょこまかと………ええい、こうなったら2度とここへは戻れなくさせてやるのサ!ブラックホール!」

そう叫ぶとなんとマルクの体が真っ二つに割れた。真ん中の空間には黒く不気味な深淵が覗き光をも吸い込むほどの力でリボンを引き込む。

マルク「クリスタルもろともバラバラになるがいいサ!」
リボン「うぅ…吸い込まれる………キャッ!?」

バランスを崩し吸い込まれるリボン。しかし不必要かつ大きく空間を歪ませたため反動として大きな裂目が現れた。裂目のほうが力が強くリボンは裂目に吸い寄せられ消えてしまった。

フラン「いいの?」
マルク「ああ、もともとお前のテストが目的だったんだからな。それにポップスターのことに気づいてクリスタルの力で邪魔されたら面倒サ。」
フラン「………バラバラになってなければいいんだけど。」


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