二次創作小説(新・総合)

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東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
日時: 2018/11/11 12:09
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。

あらすじはこちら

ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。


この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。

現在の物語
・デデデ編2

フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56 >>58 >>59 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50 >>60 >>61 >>62 >>71 >>72
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.61 )
日時: 2018/01/03 18:43
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>23 >>32-36 >>50



おまけ

移動店舗香霖堂



3・人里の夜明け

人里

霖之助が次に訪れた場所は多くの人間が住む人里だった。ナイトメアの悪夢によって支配下に置かれていた人里だったが妖夢達の働きによりナイトメアは人里を放棄、結果として人里は奪還できたのである。霖之助が驚いていたのは人里の風景である。平屋が並ぶいつもの町並みとは違い、立ち並ぶビル群、整備された道路、そしてそこを走る自動車。霖之助にとってはそこはまるで別世界の一部を切り取ったような世界となっていた。住人も作業着じみた服を着ているし、ところどころ体調が悪そうな顔をしている。

霖之助「いったい、この人里で何があったんだ…河童の技術を遥かに凌駕している……これは思わぬ掘り出し物がありそうだ。」

霖之助は浮いた服装で人里に入っていった。










霖之助「失礼、ちょっといいですか?」
老婆「あら、お客さん?ちょっと待っててね。」

ひとまず霖之助はビルの1回に住んでいる老婆を尋ねた。見たこともない機械を使って鉢植えに水をあげている。老婆はスイッチを切って霖之助を中に入れた。中には他にも見たことのない機械が日用品のようにそこに置かれていた。

老婆「さぁさ、そこに座って。」
霖之助「ありがとうございます。おや、奥で眠っているのはお孫さんですかな……?」

霖之助は居間で寝ている少女を見た。そしてよく見たあとに絶句した。なんとレミリアと顔立ちがそっくりなのである。おそらくその子とレミリアを並べたら誰もが双子だと思わなかった。

老婆「やっと帰ってきたんですよ……長い間悪夢に捕らわれててねぇ……」
霖之助「悪夢に、ですか………」
老婆「ええ。子ども達が侵略者に捕まり、人質として若い人達が働かされたんですよ……それはもう大変な日々でした。しかし誰かが侵略者を追い払ったお陰で子ども達が解放されたんです。でも、なかなか目を覚まさなくて……」
霖之助「そうですか……実は私、行商人をしているんです。」
老婆「あら、だから訪ねられたんですね。」
霖之助「ええ、しかし、あいにくガラクタばかりなんでこれくらいしか無いんですよ。」

霖之助はさとりからもらった不思議なしおりを手渡した。しおりをしっかりと握った老婆は目を閉じて思いでに浸っている。そして目を開けると霖之助に深々と礼をした。

老婆「ありがとうございます行商人さん。これ、不思議なものですねぇ。」
霖之助「ええ、何もかもが変わっていくこの世の中、変わらないのは思いでだけですから。」
老婆「ああ、レミリアちゃんも元気かしら……あ、ちょっと待っててください。」

老婆はタンスからお香を取り出した。なんだかやすらぐ香りが広がっている。

老婆「この子がよく眠れるように作ったお香です。これくらいのものしかなくてごめんなさいね。」
霖之助「そんな、とんでもない!では、失礼します。」











霖之助はそのまま人里を後にした。悪夢から解放された人里はまだその傷痕を残していながらも少しずつよい方向へ向かっている。まるで長い長い悪夢から覚めたように、人里の夜明けが広まっていた。

霖之助「悪夢まで使えるなんて……侵略者はいったい何者なんだ……?」

霖之助はお香を手にしながらも次の売り場へむけて歩いていった。通った道には安らぎの残り香がただよっていた。




Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.62 )
日時: 2018/01/15 21:02
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>16



45・出口とロマンを求めて



マジルテ

魔理沙「うっ………ぐっ………」

ダークマターに体を刺され深手を負い出血のショックで気を失っていた。そして目が覚めたら洞窟のようなところにいた。体には包帯が巻かれており誰かが処置を施したらしい。

魔理沙「ここは……うぉっ?」
『チューチュー!!』

意識がしっかりし周りを見ると青や緑、黄色の小さな生き物がいた。その生き物は魔理沙を見たとたん入り口の方へと逃げてしまった。生き物がいなくなり洞窟には魔理沙ひとりとなり、静けさに包まれる。ゆっくりと立ち上がり洞窟から出ようとすると入り口から大きなネズミが現れた。そのネズミは耳が大きく赤い帽子からはみ出ており、赤いマントをしていた。さらにそのネズミの後ろには大きなネズミやサングラスをかけたネズミ、飛行物体に乗ったネズミがいた。

???「目が覚めたようだな、気分はどうだ?」
魔理沙「お前……誰だ?」
ドロッチェ「俺は世紀の大怪盗ドロッチェだ。ひとまず戻れ、今度は君が話す番だ。」

ドロッチェは魔理沙をひとまず奥に戻し、ゆっくりと話すことにしたが、魔理沙はひどく焦っていた。

魔理沙「私は…魔理沙、霧雨魔理沙だ。なぁ、ここはいったいどこなんだ?アリスはここにいるのか?なんでお前達はこんなところにいるんだ?なんで…」
ドロッチェ「待て待て……1つずつだ。まずはここがどこなのか、という問いの答えだが、ここはマジルテだ。いつから存在するのかわからない前人未踏の古の洞窟だ。入ったら二度と出ては来れんらしいがな。だから君を見つけた時は罠にやられたのかと思っていたんだが、そのままにするのも寝覚めが悪い。」
魔理沙「マジルテ?待てよ、幻想郷にそんな洞窟はないぞ?」
ドロッチェ「幻想郷?ここはポップスターだぞ。」
魔理沙「何だって?じゃあ私は時空の歪みから世界をまたいで飛ばされて来たってことなのか?」
ドロッチェ「いろんな世界を旅してきたが君のような服装を見たのは初めてだ。君が別世界の住人というのは本当のことらしいな。」

ドロッチェ「次にアリスがここにいるのか、という問いの答えだが、俺が倒れていた君を見つけた時には誰もいなかったぞ。」
魔理沙「そっか……アリスも時空の歪みに入っていったから会えると思ったんだけどな……」
ドロッチェ「この世界は広い、しかし君が真に願えばいつかは必ず会えるさ。」

ドロッチェ「最後になぜ俺達がこんなところにいるのか、という問いについての答えだが、さっきも言ったがここは前人未踏の洞窟。お宝だってここに眠っているはずさ。」
魔理沙「そういや怪盗なんだったか。」
ドロッチェ「そうだ、まだ見ぬロマンと大いなる力を求めて全世界を旅している。ここは通過点に過ぎない。」
魔理沙「なんかすごいな……」

ドロッチェ「そこでものは相談なんだが、君にも宝探しを手伝ってもらいたい。」
魔理沙「はぁ?なんで私が……」
ドロッチェ「あのまま放っておいたら君はそのまま死ぬところだったんだ、少しは感謝してもいいんじゃないか?」
魔理沙「うっ……」
ドロッチェ「そのかわり、アリスという人探しを強力しよう。この世界に詳しい人と行動したほうがいいだろう?」
魔理沙「で、できるのか?」
ドロッチェ「できるさ、こいつらはチューリン。体が小さくてすばやい。隙間にも入れるしたくさんいる。時間はかかるかもしれないが気休め程度にはなるだろう。」
魔理沙「……わかった、言うとおりにする。」
ドロッチェ「賢明な判断だ、じゃあそろそろ出発しようか。君は怪我人なんだからくれぐれも無茶はするなよ?」
魔理沙「わかってるさ!」









地底の木々

薄暗い洞窟なのにここは植物がうっそうと生い茂っている。入り口が近く種や光がよく入ってくる他、土壌が豊かな上に天敵もいないので長い時間をかけて大きな樹海を形成したのだという。骸骨や遺品が多く転がっているのは入り口から近い故に誰でも入ってこれるのだが、樹海に巣くう敵や罠にやられてしまったのだという。

魔理沙「洞窟なのにまるでジャングルみたいだ。」
ドロッチェ「ここは入り口から近いからな。半端なトレジャーハンターまがいがよくここまで来て、そして死んでいった。」
魔理沙「死んだ?」
ドロッチェ「ああ、どんな冒険映画でも越えられないような代物だ。」
魔理沙「へぇ……にしてもホントにお宝なんてあるのか?」
ドロッチェ「まぁ、ここら辺は誰でも来れるところだからなぁ。……ん?どうしたチューリン。」

ジャングルから出てきたチューリンがドロッチェに報告する。どうやら埋もれた宝箱があるようだ。

ドロッチェ「そうか、よし魔理沙。取りに行くぞ。」
魔理沙「えっ、こんなところ進めってのか?」
ドロッチェ「大丈夫だ、虫は出ないさ。それに、君の力を見てみたい。」
魔理沙「まぁいいけどさぁ……」

魔理沙はしぶしぶジャングルに突入し宝箱を持って帰ってきた。ドロッチェはピッキング装置を使って箱を開けると中に入っていたのは金色のメダルだった。小さなメダルだが未だその輝きを失ってはいない。

魔理沙「なんだこりゃ?メダル?」
ドロッチェ「金メダルだな。よし、これは君にあげよう。」
魔理沙「いいのか?」
ドロッチェ「ああ。異世界の宝探しに協力してくれた報酬といっていいだろう。アリスにあげてもいいんだぞ?」
魔理沙「へへっ……ありがとな。」

ドロッチェ達と魔理沙はジャングルの奥地をどんどん進んでいく。奥地へ進むにつれて植物は無くなり建造物が目立つようになってきた。さすがにここまでくると骸骨や遺品がない。骨すら残さないような罠があるのかもしれない。しばらくするとスイッチの遺跡にたどり着いた。何の気なしに魔理沙はスイッチを踏むと壁がせりあがり進めるようになったのだが、魔理沙が踏むのをやめると壁は戻ってしまった。

ドロッチェ「魔理沙、ここでスイッチを押していてくれないか?俺達が進んでいく。」
魔理沙「お、おう。気をつけてな。」

ドロッチェは数匹のチューリンを連れて奥へ進んでいった。しばらくすると轟音と共にドロッチェ達が上から降ってきた。手には水晶玉がある。

魔理沙「うまくいったのか?」
ドロッチェ「ああ、これは相当な値打ちになるぞ。」









手にいれた宝を袋にいれてどんどん先に進むドロッチェ達。そしてとうとうドロッチェ達は大きな地底湖についた。端が見えないほど大きく、鍾乳石が天井を埋め尽くしている。

魔理沙「でっけぇ湖だ……」
ドロッチェ「そうだな、ここまで来れたのはおそらく俺達だけだろう。」
魔理沙「……なぁ、なんか嫌な予感がするんだが。」
ドロッチェ「奇遇だな、俺もだ。」




地底湖の奥底で揺らめく影。静かな水面を激しく揺らして飛び出してきたのはここのヌシともとれる大きな鯨だった。


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.63 )
日時: 2018/01/21 10:38
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>62



46・魔理沙式捕鯨戦術



地底湖

地底湖のヌシ、大きな鯨のファッティホエールは魔理沙の何倍も大きい。セーラー服を来てパイプをふかしたファッティホエールは物珍しげに魔理沙達を見つめる。魔理沙とドロッチェはあまりの大きさに怯んでしまう。

魔理沙「でっけぇ魚だ………」
ドロッチェ「いや、こいつは鯨だ。海の生き物だが厳密には魚ではない。」
魔理沙「なぁ、私腹減ったぜ。こいつ釣り上げてステーキにできないかな。」
ドロッチェ「待て。確かにここは涼しいし腹は減ったが……ここは地底湖だ。なおかつあの鯨は大きすぎる。刺激しないように通りすぎよう。」
魔理沙「…まぁ、生き埋めにされるよりかはマシだけどさ。」

ファッティホエールの目の前をゆっくりと歩く魔理沙達。大きな目線が痛いくらいに身体に突き刺さるが魔理沙は気にせず先へ進もうとする。するとどこからか声が聞こえた。声というか特殊な超音波のような声であり、直接頭に響いてくる。







『待てぃお前ら、この先へ進む気か。ならワシの相手をせぇ。』







声を発しているのは紛れもなくファッティホエールだった。

ドロッチェ「鯨は特殊な超音波を出してコミュニケーションを取るというが……お前の声か?」
ホエール『それ以外に誰がおる?ネズミや人間なぞにこんな芸当はできるまい。』
魔理沙「お前、いつからここにいるんだ?」
ホエール『わからん。海を泳ぎ疲れ休もうと入江に入ったはいいが、閉じ込められてしまってな。いやぁ、陸に生きる動物を見たのはいつ以来か……ましてや人間なんかなおさらだ。』
魔理沙「寂しいんだな、お前も。」
ホエール『くんくん……なんじゃお主、変な匂いに包まれておるぞ。』
魔理沙「そりゃ、私はこことは違う世界から来たんだ。でもそんなに臭くはないと思うぜ?」
ホエール『ほぅ……他の世界から……それはそれは、慣れぬ世界は辛かろう。』
魔理沙「へっ、鯨に心配されるいわれはねぇよ。それよりもういいか?私達は急いでいるんだ。」
ホエール『なに、まだまだつきあってもらうぞ。そうだ。お前達、ワシを陸に上げてみろ。』
魔理沙「何言ってんだよ!できるわけねぇだろ!」
ホエール「なら、この先へ行くのは諦めぇ。ハッハッハッハ……」
ドロッチェ「なんということだ………」

ファッティホエールの大きさは相当なものだ。恐らくそれなりの重さがあるだろう。それを陸に上げるのには無茶がある。全員の力を合わせてもファッティホエールを陸に上げることは不可能に近い。ドロッチェはひとまず団の中で最も大きく力持ちのストロンに話を持ちかける。

ドロッチェ「ストロン、できるか?」
ストロン「たぶん無理だよぉ〜……お腹すいちゃって力出ないし、そもそも引き上げるロープが無いとねぇ〜……」
ドロッチェ「そうか……」
魔理沙「…………お?そうだ、いいことを思いついたぜ。上げるのが無理なら向こうから上がってもらえばいいんだ。」
ドロッチェ「どういうことだ?」

魔理沙はニヒヒと不敵な笑みを浮かべると、持っていた八卦炉をいじくりだした。

魔理沙「北風と太陽って話知ってるか?」
ドロッチェ「北風と太陽が旅人の服を脱がそうとする話だろ?」
魔理沙「そうだぜ、で、どっちが勝った?」
ドロッチェ「太陽………おい、まさか………」

合点がいったドロッチェは魔理沙のやろうとすることを考えて驚いた。まさか湖を加熱してファッティホエールを陸に上げようというのか。地底湖はファッティホエールが悠々と泳ぎ回れるほどの深さと広さを誇る。海ほど広くはないにしろこんな水量を加熱するには相当な装置がいるはずだ。魔理沙はそれを手のひらサイズの小さな機械でやるつもりなのだ。

ドロッチェ「できるのか?」
魔理沙「もちろん、私のパワーを甘く見るなよ!マスター……スパーク!!!」

魔理沙は八卦炉から凄まじいほどの光線を放った。その光の輝きは湖の奥まで照らし、その光の熱量は湖の底にまで熱を届ける。湖の強度、水の温まり方を計算した魔理沙はじょじょにマスタースパークの威力を上げる。そして数時間後、静けさを保っていた地底湖はグツグツの状態となっていた。





ホエール『あっちいいいぃぃぃぃぃ!!』





熱に耐えられずファッティホエールは思いっきり跳ね陸に上がった。その衝撃は凄まじく天井の鍾乳石がいくつか落下してきたのだ。

魔理沙「やったぜ。」
ドロッチェ「まさか本当にやってのけるとはな……」
ホエール『地底湖を茹でるとは……異世界の考え方は違うのぅ……』
魔理沙「ほら、もういいだろ?」
ホエール『よかろう、先へ進むがいい。ワシは楽しかったぞ。』
魔理沙「お、おい。まだ熱いぜ?入っちゃだめだ。」
ホエール『鯨の脂肪を甘く見るなよ、さぁ行けい。』

そう言うとファッティホエールはズリズリと体を引きずりながら温かい地底湖に戻っていった。









水晶の畑

地底湖の先には大きな水晶で埋め尽くされた空間が広がっていた。床にも水晶壁にも水晶、さらには天井にも水晶がある。ドロッチェがランタンに火をつけるとその光は水晶にも伝わり空間全体が明るく包まれる。ドロッチェ達は水晶の輝きに包まれながらも歩いていく。

魔理沙「水晶のバーゲンセールだなこりゃあ。しかもずいぶん良質じゃないか、何個か持ってこうかな……」
ドロッチェ「まぁ文句は言われないだろうが……おお、早速宝箱だ。」

ドロッチェは小さな池に落ちていた宝箱を拾う。

魔理沙「今度は私にやらせてくれ!」
ドロッチェ「ああ。」

ドロッチェは魔理沙にピッキング装置を貸す。しかしどけだけ時間がかかっても宝箱が開くことはなかった。

ドロッチェ「大丈夫か?」
魔理沙「うぅ〜イライラするぜ……こんなに時間がかかってるんだから相当なお宝じゃないと怨むからな!」

するとガチャッという音が響き、魔理沙は宝箱を開けた。そして中に入っていたのはピカピカに輝く10円玉だった。

魔理沙「んがあぁぁ!!こんなに頑張って結局10円玉かよ!はぁ……疲れた………」




Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.64 )
日時: 2018/01/28 00:22
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>63



47・煌めきの地



水晶の畑

しばらく疲れをとったあと、一行は水晶の畑を進んでいく。地底湖の近くなのかやたら水が多く日が差さないためかなり冷たい。当然沈んでいる宝箱もあるのでその度に潜って取る必要があり、事前調査を行っているチューリンは寒そうに体を震わせていた。

ドロッチェ「先人達は乱雑に生えた水晶の迷路や湖でさえも宝の隠し場所にするとは、よほどの探検好きなようだな。」
魔理沙「へ、へっくちっ!!うぅ……それにしても寒いぜ……もう長いこと水に使ってたからなぁ。」
ドロッチェ「俺のマントを貸そうか?気休めにはなるだろう。」
魔理沙「ネズミ臭くなるからパスだ。」

水晶の畑だけではないが、お宝には値打ちものとそうでないものがある。苦労して手にいれたのにガラクタであったり、すぐそばに落ちていたものが高価なものだったりと様々なケースで手に入ることもある。しかしほとんどの場合は真逆のケースであることが多い。例をあげると

ドロッチェ「どうやらこの湖の先に宝箱があるらしいんだが、流れがあって進めないらしい。」
魔理沙「なら私が取ってきてやるぜ、もう泳ぎにも潜りにも冷たい水にも慣れてきたからな。」

しばらくすると魔理沙が湖から宝箱を拾い上げた。慣れた手つきで宝箱をピッキングすると、そこにあったのはMと書かれたバケツだった。

ドロッチェ「これはどうやらハズレのようだ。」
魔理沙「緩やかな流れだったから割と楽でそれほど悔しくはないけど……ちくしょーーー!!!」
ドロッチェ「……悔しいんじゃないか。」

カーン!とバケツが叩きつけられる音が虚しく響いた………



ドロッチェ「どうやらこの湖の先に宝箱があるらしいんだが、流れが急すぎて行けないらしい。」
魔理沙「またガラクタなんじゃないのか?」
ドロッチェ「宝箱は開けてみないとわからない。さぁ、行くぞ!」

魔理沙とドロッチェは激しい流れに揉まれつつも進もうとするが、流れが激しすぎて戻されてしまう。

魔理沙「ぷはぁっ!!はぁ……はぁ……本当にあんのかよ!」
ドロッチェ「そう思ってチューリン達に別の道を探してもらっている。しばらくすれば戻ってくるさ、お茶でも飲んで落ち着くといい。」

別の道を探していたチューリンが戻って報告する。少し回り道になるが激しい流れの先に出る道があるのだという。

ドロッチェ「よし、ではさっそくそこへ向かうとしようか。」
魔理沙「今度はちゃんとしたお宝なんだろうな?」
ドロッチェ「開けてみないとわからないから宝探しは楽しいのさ。」

チューリンの案内の通りに先に進み湖に入る。すると激しい流れに乗るような感じで宝箱にたどり着いた。すっかり疲弊した魔理沙が宝箱を開けてみるとそこにあったのは金メダルとはまた違った輝きを放つ黄金の金貨だった。

魔理沙「き、金貨じゃねえか!」
ドロッチェ「これは……一万はかたいだろうな。」
魔理沙「やったぜー!苦労した甲斐があった…な……」
ドロッチェ「魔理沙……魔理沙?」

魔理沙は安堵すると疲れが溜まったのかぐっすりと眠ってしまった。冷たい水の中を何度も何度も泳いだ彼女の体は相当疲れていたようだ。

ストロン「寝てるねぇ。」
ドロッチェ「ここの寒さは懐かしいがさすがにこたえる……」
ストロン「僕らのアジトが寒いところにあるからかもねぇ。あそこ誰も来ないし。」
ドロッチェ「久しぶりに戻ってみるのもいいか、大掃除は必須だろうがな。」

そう言うとドロッチェは眠っている魔理沙にマントをかけた。チューリン達も固まって眠っている。ドロッチェが時計を見るともう深夜を回っていた。

ドロッチェ「すまないが交代で見張りを頼まれてくれないか?先にお前が寝て構わない。」
ストロン「いいよぉ任せて。」











魔理沙「ん……ぅん……あれ、私寝てたのか……」
ドロッチェ「おはよう魔理沙、いい夢は見れたかな?」
ストロン「おはよ〜………」

魔理沙はドロッチェのマントがかけられていたこととそばに赤い宝石が置いてあったことに気づく。赤い宝石は握るとほのかに暖かい。

魔理沙「これ……」
ドロッチェ「ああ、そいつは炎の勾玉といってな。君が寝ている間に見つけたものだ。」
魔理沙「……そっか、ありがとな。」

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.65 )
日時: 2018/02/07 18:40
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)

frontstory >>64



48・先人達が遺したもの



水晶の畑 最下層

ドロッチェ団と魔理沙は水晶の畑を探索していく。化石や鏡やゴブレットなどのお宝を集めつつ、一行は最下層と思われる空間にたどり着いた。水晶もなく薄暗い空間が広がっていた。

魔理沙「なんだなんだ?またファッティホエールみたいなボスが出てくるのか?」
ドロッチェ「かもしれないな……気をつけて進もう。」

一行はそろりそろりと奥へ進むが何も起こらない。

魔理沙「何もないんじゃないか?」
ドロッチェ「そのようだな。」



しかし、サイレンが鳴り響き一行を四角い結界のようなものが囲む。

『侵入者を感知、バトルウィンドウズ起動』

バトルウィンドウズは結界からスライムと躍り人形、魔法使いを召喚した。

ドロッチェ「防衛システムが働いていたか!ストロンはスライムを頼む、俺は躍り人形を倒す。」
ストロン「任せてぇ。」
魔理沙「んじゃ、私は魔法使いか。」






ストロンは木槌を使ってスライムを叩く。しかし叩かれたスライムは分裂して復活してしまう。叩けば叩くほどスライムの数は増えるが、ほとんどのスライムは豆粒サイズになってしまっていた。こうなるとスライムにはストロンに勝つ術は残されていない。とてつもなく大きな巨体に見えるストロンを前にスライムは一目散に逃げ出した。

ストロン「あれぇ?もう終わりぃ?」



ドロッチェは躍り人形と交戦している。カタカタと躍りながら攻撃してくる変則ぶりに最初は困惑していたが、ドロッチェは持っていたナイフで躍り人形に繋がっている糸を切った。すると走り回るほど元気があった人形はだらんと動かなくなった。

ドロッチェ「……これは果たして防衛システムとなっているのか……」



魔理沙は魔法使いと対峙した。魔法使いは炎、氷、星の魔法で攻撃する。魔理沙は魔法使いの本領がいかんなく発揮できるとここぞとばかりにマスタースパークを打ち出した。身を固める魔法もこれには通じず魔法使いは塵と化してしまったようだ。

魔理沙「おいおい、魔法使いっていうからすごい魔法を使うかと思ってたんだが………」



『リミッター解除、アナザーシステムズ起動。』

バトルウィンドウズは悪魔の騎士、レッドドラゴンを新たに召喚した。

魔理沙「やっとそれらしくなってきたじゃん!」
ドロッチェ「ここからはスピン!お前にも戦ってもらう、いいな?」
スピン「ラジャーでチュー!」

赤いマフラーとサングラスがモチーフの黄色いネズミが現れ、新たに戦うこととなった。



ストロンと魔理沙は悪魔の騎士と交戦する。斧やナイフ、剣を使い相手との間合いに合わせて使い分けている。マスタースパークは容易く避けられてしまうため魔理沙は近接攻撃をしかける。ストロンは見かけによらず素早く立ち回り斧や剣をうまく避け木槌を鎧に叩き込む。

ストロン「ふぅ、なかなか丈夫だねぇ。」
魔理沙「動きを止めてさえくれれば私がなんとかするぜ?」
ストロン「そう?じゃあよろしく〜」

ストロンはそう言うと悪魔の騎士を羽交い締めにした。重そうな木槌を軽々と扱う力を持つストロンにとって造作もないことなのだろう。

魔理沙「えっ、ちょ……巻き込むぞ?」
ストロン「だいじょぶだいじょぶ、僕はタフだからね〜」
魔理沙「んじゃあ……遠慮なく!マスタースパーク!!!」

マスタースパークは押さえているストロンもろとも吹き飛ばし、遥かかなたの天井に激突した。ストロンは黒焦げの状態で見つかったがヨロヨロと起きあがった。

ストロン「あいたたた……つ、強いねぇ……ビックリしちゃったよぉ。」
魔理沙「マジかよ……結構本気だったんだぜ?」
ストロン「君ぃ、えげつないことするよねぇ……」



ドロッチェとスピンはレッドドラゴンと戦っている。大きく力強い攻撃をするが、素早く動く2人にはなかなか当たらない。

スピン「ドラゴンはお宝の番人の定番でチュ!」
ドロッチェ「その通り!」

スピンは鈎爪と手裏剣でじわじわとレッドドラゴンの体力を削っていく。ドロッチェも爆弾とアイスレーザーでレッドドラゴンに攻撃する。怒ったレッドドラゴンは翼を広げ竜巻を起こした。体が軽くすぐに巻き上げられてしまうがスピンは竜巻の勢いを利用して手裏剣を投げる。威力とスピードが増した手裏剣はレッドドラゴンの体を簡単に貫通した。

スピン「ふぅ。」
ドロッチェ「さぁ、次はなんだ?」






しかし、バトルウィンドウズはガーディアンを出さず消えてしまった。

魔理沙「終わったみたいだな。」
ドロッチェ「さぁ、先を急ごう。」
スピン「チュッチュー!」
ストロン「おー。」









古代の塔

一行が目にしたのは古びた塔だった。年季相応の威厳を放つこの塔は見上げて首が痛くなるほどに高かった。

魔理沙「ここを作ったやつは巨人じゃないのか?何でもかんでも大きすぎるし広すぎる。あの水晶の洞窟だってどこかから苗を持ってきてたのかもしれないじゃないか。」
ドロッチェ「巨人が作った塔か、面白い。小さい俺達にピッタリすぎる代物じゃないか。」
魔理沙「これだけ高けりゃきっとアリスも……」
ドロッチェ「レディが住むにはなんだか華が無さすぎる気がするが……」
魔理沙「ジャングルや水晶の洞窟で生活なんてできやしないだろうが。」



魔理沙はアリスを、ドロッチェはお宝を探しつつ一行は不気味な塔の門をくぐった。そこは黄金の壁と灼熱の機関、古代文字に包まれた異郷だった。



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