二次創作小説(新・総合)

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東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
日時: 2018/11/11 12:09
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。

あらすじはこちら

ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。


この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。

現在の物語
・デデデ編2

フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56 >>58 >>59 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50 >>60 >>61 >>62 >>71 >>72
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.71 )
日時: 2018/04/29 16:45
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

frontstory >>60



おまけ

ShadowOfRose



4・こいしの道

ダークマインドによって改変された邪悪なる鏡、ディメンションミラーの中の世界。裏の世界の住人達は今日も虚空の時間を過ごしていた。

ダメタ「アイツはこの腐った世界を叩き直す為の力を欲しがった。その為ならなんだってした。戦艦をこしらえ、反逆者と言われかねない行いもした。しかしアイツは負けたんだ。なんの志も持ってないが正義感が人一倍強いやつにな。」
ブラデ「そこまでするなんてお前のモデルはよほど表の世界が嫌いだったんだな。」
ダメタ「正義の審判気取りだったんだよアイツは。そんなことをしても世界なんて変わらん。」
こいし「私達の世界ではあまりそんなことは無かったなー。ちょっとした異変は起きたりするけど巫女さんがすぐに解決してくれるし。」
ブラデ「そっちの世界にも正義のヒーローがいんのか。」
こいし「やることはえげつないけど案外間違ってないかも。」
ダタラ「なら、今回の奇妙な事件はその巫女さんとこっちの世界のヒーローが解決することになるのかねぇ。」
ダメタ「なんにせよ大きなことを成し遂げるには力が必要だ。ただ一方的な力では邪魔が入る。全体的な力が必要だ。」
こいし「そっちの世界のヒーローにも会ってみたいなー……」









その後も5人はまた修行に明け暮れた。ダークメタナイトの言う『大きな力』を手にいれる為に。

こいし「ねぇシャドーちゃん、私が求めてるものってなんだと思う?」
シャドー「…………自分の存在意義じゃない?お姉ちゃんの影になってるって言ってたし……」
こいし「私いつも無意識に行動してるからさ、自分でも自分のことがわかんないの。だから皆に迷惑聞いて回ろうとしてるんだけど相手にされないの。」
シャドー「それはまた災難だね……」
こいしさんは私の存在意義かぁ………」

こいしは紫に染まり黒い雲をまだらに宿した空に向かって流れるように呟いた。そのあとうつむきながら青いバラを一輪咲かせて手のひらで弄んでいる。シャドーカービィはごろごろと寝つけなさそうにこいしの横を転がっている。
表と裏が無いカービィの影、シャドーカービィは昼寝が好きで他のメンバーの作業をしている横で四六時中寝ている。何度も星の危機を救ってきたカービィの影だけあって使える武器の種類や技術は抜きん出ておりブラックデデデやダークメタナイトにも遅れを取らない。ただ少々いたずら好きであり、帽子や仮面を取っては怒られている。まためんどくさがりでもあり基本的に自分から動くことはない。
こいしはこいしで不機嫌に転がっているシャドーカービィを見ながら自分の行く末を考えていた。誰からも相手にされず暗がりをさ迷っていた自分に光が射す道を。

今度はダークメタナイトと共に剣の修行に勤しむこいし。等身というハンデはあるものの相手は音速の剣技を操る剣士の影。素人同然のこいしに容赦なく力の差を刻み込んでいく。こいしも必死に食らいついていくが能力を使った奇襲は見切られ、サードアイの触手や弾幕を使った遠距離攻撃も鏡を使った分身や太刀捌き、素早い動きでかわされ、雲泥の差は簡単には縮まらなかった。

ダメタ「女性の割には体幹がしっかりしているな。しかし剣に振り回されている、遠距離攻撃はただ単に攻撃だけでなく牽制や自分の隙を潰すこともできる。単体で使うよりかは剣術と絡めて戦えば上達するぞ。」
こいし「やった……けど、疲れたぁ……もうダメ……剣術って難しいんだねー……」

ほぼ防戦一方だったこいしは思いっきり地面に座り込んだ。ダークメタナイトの斬撃を受けた両手は衝撃により震えている。さとり妖怪とはいえ慣れない剣術と容赦の無い攻撃にはスタミナをすごく消費するのである。

ダメタ「これは慣れだ。しかしなぜ剣術を?」
こいし「弾幕張るだけじゃ楽しくないし、せっかくこの世界に迷いこんだんだからここでしかできないことしよっかなーって。それに、自分の不得意な部分や新しい部分を伸ばして自分なりの力にしたいって思ったの。」
ダメタ「力、か……得ても損はしないが使いどころを間違えるなよ。」
こいし「うん、でも疲れたぁ……」
ダメタ「基礎持久力に難ありか……ブラックデデデに頼んで基礎トレでも仕込んでみるか。」
こいし「うへぇ……」

戦闘のプロとの経験を経てこいしは少しずつ強くなっていく。いつか姉に少しでも追いつくために、手探り状態で自分の求める道を登る。

Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.72 )
日時: 2018/05/20 23:03
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

frontstory >>43-48 >>61



おまけ

移動店舗香霖堂



4・妖精の星の追悼式

リップルスター

気がつくと霖之助は花畑に倒れていた。自分に何が起こったのかわからぬまま、霖之助はいったん起き上がる。独特で心地よい花の香りに包まれた彼は、後にここが幻想郷では無いことを知ることとなる。
人里を後にした霖之助は舗装された道を歩んでいると突如として開いた時空の裂け目に吸い込まれてしまった。上下左右もわからぬまま時空の流れに身を委ね、気づいたらこの花畑に倒れていたようだ。

霖之助「ここはどこだ……?幻想郷なのか……?しかし見たことのない景色だ……ひとまず人を探さなくては。」

霖之助は落ちていた鞄を背負い泡や虹に包まれた花畑を歩いていく。目指すは向こうに見える大きな白い建物である。
建物へ向かって歩いていくと、町のような場所に出た。そしてその住人は全て霖之助より小さく、また羽を持っていた。笑顔で飛び交う妖精達は霖之助を見ると怯えた表情をした。

妖精1「あなただあれ?怪しい人……」
霖之助「あ、怪しい者ではないんだ。飛ばされただけなんだ!」

そうは言っても妖精達は怪訝な顔をするばかり……と思っていたのだが、なぜか妖精達はそれに納得してしまった。というより安心したのである。

妖精2「ということは早苗様と雛様の世界の人ね!」
霖之助「なんだって?その2人は今ここにいるのかい?」
妖精3「ううん、クリスタルの魔力で元の世界に帰っちゃった。ゲンソーキョー?ってとこ。」
霖之助「そうか……そのクリスタルはどこにあるのかな?」
妖精1「あそこのほうだよ!」
霖之助「わかった、ありがとう。」

自分はそんなに怪しく見えるのかと疑問を抱きつつ言われた方向へ向かうと大きな建物があった。まわりと比べて荘厳なつくりである。その建物の正体は王宮であった。外壁は塗装や掃除が行き届いていて自分の顔が映り、一点のシミもない。花で埋め尽くされた入り口を通り仲に入っていくととても大きな宝石が安置されている場所に出た。日々の平和を喜んでいるかのように輝いているその宝石はまさしく『国宝』と呼ぶにふさわしい。霖之助がその宝石を除いていると背後から不安そうなこえが聞こえた。

???「あの、どちら様ですか……?」

その声の主はピンクの髪に可愛らしいリボンを着けた妖精だった。

霖之助「すまない、どうやら時空の裂け目から迷いこんだらしくて……」
???「まぁ、でしたら早苗さんの世界の方かしら。では着いてきて下さい、女王様の所へご案内致します。」

その妖精は城の外れの開けた所へ向かった。そこには大きな石碑と花束を持ったひとりの女性がいた。女性は花束を石碑に置くと祈りを捧げながら呟いた。

女王「ダメですよリボン、お客様をこんなところまでお連れするなんて。」
リボン「しかし女王様、この方は早苗さんの世界のお方です。なんとかクリスタルの使用の許可をお願いします。」
女王「まぁ、早苗さんの世界の………」

女王は霖之助に一例した。冠を直しながら女王は霖之助に挨拶をする。

女王「はじめまして、私がこの星の女王ですわ。」
霖之助「はじめまして、森近霖之助と申します。ここはもしかしてお墓かなにかですか?」
女王「ええ、あなたが来るだいぶ前にミラクルマターというワルモノが大暴れして……早苗様と雛様とリボンがそれを止めたのです。悪夢が去ったと他の妖精達は喜んでいたのですが、その代償はあまりにも大きすぎたのです……」

女王は泣きながら石碑に手を触れた。王宮に安置されているクリスタルとは違い石碑は冷たい死をそのまま表しているように見える。その石碑には数多くの犠牲者の名前が彫られておりいつまでもその存在を忘れぬようになっていた。霖之助も石碑の前に立ちそっと祈った。

女王「死は遅かれ早かれ誰にでもやってくる……みんなに看取られながら逝く子もいれば誰にも気づかれずに逝く子もいます。この石碑の下にはミラクルマターの犠牲に人知れずなってしまった子達が眠っていますわ。」
霖之助「かわいそうに……この子らにも親しくしている者がいるでしょう。その子らを失ってとても悲しんでいるはずです。」
女王「えぇ……妖精達はみんな純粋ですからショックが大きすぎて……」
霖之助(しかし私がここにくる間妖精達にそんな感じはしなかった……きっとうまく死を受け入れられたのだろう。やれやれ、どこの世界でも妖精はたくましいな。)



ふと、女王は鼻をくすぐる匂いに気がついた。

霖之助「あぁ、このお香ですね。」
女王「懐かしく、包まれそうな香り………こんなにも暖かで上品な香りがあるなんて……英雄様の世界はすごいのですね。」
霖之助「よろしければ差し上げますよ。その方が個人的にこの子らも寂しくはならないはずです。」
女王「そんな……ありがとうございます……あ、そうだ。」

女王は小さな袋を霖之助に差し出した。小さな玉のようなものがたくさん入っている感触がする。

女王「ここのお花の種ですわ。そちらの世界でも育つかわかりませんが……せめてものお礼です。」
霖之助「ありがたい……」



リボン「それでは、元の世界へお返ししますね。」
霖之助「ああ、お願いしようかな。」

クリスタルの魔力により霖之助は幻想郷へ転送された。後日、懐かしい残り香が漂う石碑は次への生を後押しするかのように明るくなったという。
そして霖之助は幻想郷へ戻ってきた。キカイ化されすっかり元の形を失った幻想郷だが、それでもここは我が故郷なのだ。

霖之助「またあの世界に飛ばされそうな予感がするが……それでも先へ進まなければ。私は私のやり方で救ってみせるさ。」

未来への可能性という種をしまい、霖之助はまた歩みだす。そして彼の予感はすぐに当たることとなった。


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.73 )
日時: 2018/06/24 20:37
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: KG6j5ysh)

frontstory >>17 >>18



54・小さな鼠、脱兎の如く



妙蓮寺周辺

人里をひとりの少女が逃げ回っていた。まーるい耳と長い尻尾を持ち、両手には直角に曲がった二つの棒を抱えている。小さな体は襲撃で傷だらけになっていた。
妙蓮寺が襲撃に遭った際、主の星にすぐに隠れろと命じられた。主や皆を置いて行けるかと反対したが、増えつつあるロボット兵、白蓮を討ち倒したギャラクティックナイト、とてもではないが状況はとてもよくない。なので異変解決に詳しい人達に助けを求めてほしいと言われ、不安ながらも受け入れたのだ。
そして数十分後、ナズーリンの不在に気づいたギャラクティックナイトが捜索に乗り出したのである。ナズーリンを捕まえるためには容赦はせず砲撃などもお構い無し。
ナズーリンは逃げ続けた。まるで立体迷路のようにいりくんだ人里を駆け回る。コンクリートで固められた地面は土よりも負担をかけ、高速で動く車に体をぶつけたりと体を負傷し続け体はボロボロになっていた。それでもナズーリンは逃げ続ける。一刻も早く皆を救う為に。そして、早くも辛い現実と立ち会うことになる。捜索に乗り出したロボット兵が人里のロボット兵に召集をかけ先回りさせていたのである。

兵士「逃げられると思ったか!おとなしくしろ!」
ナズーリン「く、くそっ……!」

ナズーリンはダウジングを構え臨戦態勢を取る。しかしロボット兵はどんどん増えていき気づけば辺りを取り囲むほどになっていた。

ナズーリン(ここまでか……)

ナズーリンはふりかかる拳に目をつぶっていた。しかしいつまでたっても衝撃は無かった。目を開けるとそこには仮面をつけた青い騎士がいた。後からきたメイドと吸血鬼、そしてピンクだまも現れ次々とロボット兵を倒していく。

ナズーリン「き、君達は……?」
メタナイト「話は後だ、ひとまず安全な場所へ。カービィ、頼んだぞ!」

カービィはナズーリンを担ぎ上げメタナイト達と共に空き家に避難する。咲夜がナズーリンの手当をしているとナズーリンは安心したかのように話をしだした。

ナズーリン「……助けてくれてありがとう、それで君は……」
メタナイト「私はメタナイト、そしてカービィだ。私達はどうやら違う世界からきた住人らしい。」
レミリア「幻想郷もポップスター?も同じやつらに侵略されててね………」
ナズーリン「二つの世界を同時侵略なんてそんなことできるのかい!?」
メタナイト「現に私は時空の歪みでここへ飛ばされた。と、私の話はいいだろう。」
レミリア「そ、あなたの話を聞かせてちょうだい。」
ナズーリン「わかった………」

ナズーリンは突如空からロボットがやってきて妙蓮寺を襲ったことと、白蓮がギャラクティックナイトに打ち倒されたことを話した。その言葉を聞いた途端、メタナイトの仮面の奥の素顔が歪んだ。わずかな隙間から覗く表情の変化に気づいたのはカービィだった。興味深しげにメタナイトの顔を覗く。

メタナイト「そうか、カービィも戦ったことがあったな。」
咲夜「聖白蓮を打ち倒したと聞きましたが……そらほどまでに手強いのですか?」
メタナイト「私も詳しくは知らないのだが古の戦乱の時代、たった一人で億の軍勢に打ち勝ち、神ですら切り伏せ星を崩したという。」
レミリア「な、なんだかとんでもない奴ねそいつ……」
メタナイト「私もギリギリの戦いだった……しかしまだ生きていたとはな。」
咲夜「こんな時こそ霊夢の出番なんでしょうけど、今度ばかりは心配ね……」
ナズーリン「たとえ相手が化け物でも、私は勝たなきゃ、助けなきゃならないんだ!」
レミリア「そうね、今はそのことに集中しましょ。でもその前に休むのが先!」
ナズーリン「うぅ……」

ずっと恐怖と疲れに戦ってきたのか、絶対に寝ないと言い張っていたのに寝てしまった。その寝顔は安堵の表情だったという。その横ではカービィがコロコロと寝転がっていた。
翌朝、元気になったナズーリンはレミリア達の助けを借りて妙蓮寺を奪還するのだった。










道中 ダストステージ

材木やゴミがたまるゴミ捨て場。ビルのごとく積まれた不要品の山の中、彼女は目覚めた。

小傘「むぐむぐ……ぶはぁっ!はー……死ぬかと思った……もう、なんなのよあの切り込みマスク!あちきを捕まえて働かせるのかと思ったら使えないってこんなとこに棄てるなんて……とりあえず傘どこだろ……あ、あった。よいしょっと。」

お化け傘を引っ張りだし、ゴミ山を下り、変わり果てた幻想郷のビル群を見上げた。最初は大きなビル群を化け物だと勘違いしていて驚いたが、だんだん慣れてきた。

小傘「あの切り込みマスク……絶対に許さないんだから!」

レミリア達がリベンジに向かう中、レミリア達が知らないところでもうひとつのリベンジに燃える存在がいた。


Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.74 )
日時: 2018/07/22 22:17
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

frontstory >>73



55・いざ、妙蓮要塞へ



妙蓮要塞への道

ナズーリンが順調に回復し、レミリア一行は襲撃された妙蓮寺へ向かった。妙蓮寺に近づくにつれて建物はより一層大きくなっている。それは『要塞』と呼ぶにふさわしく、妙蓮寺の風景は完全に消え去っていた。

ナズーリン「人里も変わり果てていたし、妙蓮寺もいずれそうなるだろうと思ってはいたけれど、まさか要塞にまでなるとはねぇ。」
レミリア「どうする?この前みたいに乗り込んで一気に親玉をたたく?」
メタナイト「いや、それはまずいだろう……見てみろ。」
咲夜「……あら、ずいぶんと厳しい警備体制ですね。」
メタナイト「ああなってしまっては地の利はもうあちら側にある。正面突破しようものならあっという間に蜂の巣だろうな。」
レミリア「そんなのカービィのロボボアーマーで全部ぶっ壊せば………」
咲夜「お嬢様、ロボボアーマーは現在紅魔館にて修理中でございます。」
レミリア「……結局こそこそ忍び込むってわけね。」
ナズーリン「いや、ここは私に任せてくれ。潜入操作は、ネズミの十八番さ。」



ナズーリンは子分のネズミ達を呼び集めた。そして周辺の散策に向かわせる。

ナズーリン「その間に、私達はこのバカ高い壁をどうやって越えるか考えようか。」
レミリア「こういうのってだいたい搬入路から入るのがベタよね。」
メタナイト「確かにこれほど大きければ搬入路もあるだろうが……あまり要塞の周りをウロウロする訳にもいかん。」
咲夜「私の能力でかいくぐるにもこう広いと疲れますわね……」
ナズーリン「飛んで移動するにも警備艇があるからすぐに見つかるな……仕方ない、ネズミ達の帰りを待とうか。」

しばらくするとナズーリンのネズミ達が帰って来た。

ナズーリン「……確かに搬入路はあるらしいがあそこも警備が厳重らしい。」
レミリア「どこも一筋縄じゃいかないわねぇ……」
ナズーリン「けどネズミ達が面白いものを見つけたそうだよ。」

ナズーリンはネズミ達がくわえていた紙切れをパズルのように並べていく。そしてある地図のようなものができた。

メタナイト「これは………配電図か?」
咲夜「線が1つの箇所に集まっていますね……ここが配電室なんでしょうか。」
レミリア「ここがこれだから配電室は……ああ、これまたすごく高い塔ね。」
メタナイト「ひとまず配電室へ向かおう。」



妙蓮要塞 配電塔

レミリア「ふーん………まぁ紅魔館くらいはあるかしらね。」
咲夜「確かにそこら中に電気を運ぶような配管がありますね。」
ナズーリン「そう、外壁に配電塔があるからここはまだ要塞の敷地外。それにこのシステムをダウンさせれば簡単に中に入れるってわけさ。」
レミリア「じゃあそこらの配管ぶったぎればいいのね!」
咲夜「絶対大騒ぎになりますからおやめください、だったら私が時間を止めて速やかに……」
ナズーリン「そんなちっこい刃物で大丈夫なのかい?ここは私に任せなって。」

ナズーリンはネズミ達を見ながら自信ありげに言うと、ダクトの間にネズミ達を放り込んだ。

咲夜「ネズミを?」
ナズーリン「そう、どんな隙間でも入って探索するのさ。君の家の食料庫にもいたりするだろう?」
レミリア「確かに……敵にしたら厄介だけど味方にすると案外頼もしい存在なのね。」
ナズーリン「そうさ………さて、うまくやってくれるかな?」

ナズーリンがダクトにネズミ達を侵入させてから数分、その成果は現れた。昼間のように明るかった要塞の配電システムがダウンし暗くなったのである。それと同時にネズミ達がダクトから戻ってきた。要塞内は軽くパニックだ。

見張り兵士「なんだ!何事だ!?」
報告兵士「停電だ!配電塔のシステムにトラブルがあったらしい。お前達も来て原因の解決にかかれ!」
見張り兵士「了解!」

大きな正門の見張りが消え、一時的に無人の状態になった。

レミリア「これなら堂々と入ってもバレないわね。いくわよカービィ!」
カービィ「ぽよ!」
メタナイト「パニックを起こしていても敵地であることに変わりはない、警戒を怠るな。」
レミリア「わかってるってば。」
ナズーリン「ひとまずご主人達を探さなくては。」












妙蓮要塞 牢獄

村紗「キャッ!?何?停電?」
一輪「そうみたいね……」
星「……そういえば、ナズーのネズミが電線をかじってしまって電気が消えたことがありましたね。」
響子「じゃあもしかして……?」

その時、ダクトから1匹のネズミが現れた。

星「これは……ナズーのネズミです!」
一輪「助けに来てくれたの?」

ネズミは看守がいなくなった隙に鍵を持ってきていた。鍵を入手した村紗は扉を開けて脱出する。

村紗「やった!うまくいったわ!」
星「宝塔もちゃんと保護されてる……」
一輪「私のわっかも村紗のアンカーもあるわよ!」
村紗「よし………聖を探すわよ!」




Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.75 )
日時: 2018/08/13 21:36
名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)

frontstory >>74



56・千変万化の機械獣



配電システムのダウンにより起こった混乱に乗じて妙蓮要塞に忍び込んだレミリア達。物影に身を潜めていると兵士達の話し声が聞こえた。

兵士1「どうやらネズミに電線をかじられたらしい。」
兵士2「復旧の目処は立っているのか?」
兵士1「なかなか酷くやられていてな……配線を取り替えるだけならよかったんだが、まさか配電盤全てを取り替えるハメになるとは……」
兵士2「そんなに酷いのか……これはとうぶんかかりそうだな。」



レミリア「どうやら作戦は成功したようね。んで、私達はどこに向かえばいいのかしら?」
メタナイト「ナズーリン、牢獄の探索はどうなった?」
ナズーリン「バッチリだよ。この先を進めば牢獄に出るはずだ。」
咲夜「けれどずいぶん大通りになっていますわね……さすがに突っ切るわけには参りませんね。」
ナズーリン「向こうも脱出してこちらに向かっているなら話が早いんだが……」



牢獄周辺

ナズーリンのネズミの助力によって抜け出せた一輪達もまた身を潜めながらナズーリンとの合流を果たそうとしていた。

村紗「ここってホントに妙蓮寺なの?」
一輪「ここまで変わっちゃうともうわからないわね。」
響子「幻想郷全体でこうなっているのでしょうか…」
星「なんにせよ、まずはナズーリンと合流しなくては。」
一輪「こんな奴ら、雲山でボコボコにできればなぁ………」
村紗「ダメだって。聖を追い詰めた連中なんだよ?私達だけで勝てるわけないじゃん……」
星「おっと、ここからは大通りのようですね。いよいよ先に進めなくなってしまいました……あ、あれは!?」

レミリア「ねぇナズーリン、あれ。」
ナズーリン「なんだい?って……あれは!?」
メタナイト「………どうやら無事に脱出できたようだな。」


大通りを挟んでレミリア達と一輪達はお互いを見つけることができた。しかし大通りは停電ではあるが兵士が行き交っており兵力の差もあって大乱闘するには圧倒的にこちらが不利である。
ふと、メタナイトが兵士達に見つからないように剣を抜き先を中心部のタワーに向けた。これからやろうとしていることをジェスチャーで表現しようとしているのだ。しかし異世界の存在の指示には簡単に従ってよいものなのか、一輪達は葛藤していた。

村紗「……なんなの?あの仮面の丸っこいの、あいつらの仲間?」
響子「ひ、人質になってしまったのでしょうか……」
一輪「なんてこと……どうするの、星?」
星「いえ……私はナズーリンが簡単に捕まるとは思えません、それに私達と敵対しているのであればわざわざ姿を隠さないでよいはずです。」
村紗「た、確かに………」
星「私はあの存在を信じてみようと思います。きっとナズーリンだけではここまでこれなかったのでしょうし。」
村紗「剣の先をあのタワーに向けてるってことは……そこで合流しようってことでいいのかな?」
一輪「この大通りでなくとも全ての道はあのタワーに通じているし、それがいいわ。」
星「では、行きましょうか。」

一同は互いの目を見て頷きあい、タワーを目指すことにした。

メタナイト「上手くいったようでよかった。」
ナズーリン「さぁ、あともうちょっとだ!」












セントラルタワー 入口周辺

星「ナズーリン!」
ナズーリン「ご主人!」

星とナズーリンは会うやいなや思いっきり飛びついた。警備網をかいくぐりなんとか合流することができたのである。

一輪「ナズーリンを助けてくれたのね、ありがとう。」
カービィ「ぽよぽよ!」
メタナイト「礼には及ばない、お互いに協力するべき時だからな。」
村紗「はるとまんわーくすかんぱにー……幻想郷とポップスターの侵略……わけがわからないことだらけだけど、あなた達と協力すれば聖を助けることができるのね!」
レミリア「これで役者は勢揃いしたってわけね。それじゃ、乗り込みに行くわよ!」







『敵地の前で決起集会とは、そちらさんはとてものんきな方のようで。』






突如として時空の裂け目が開き、そこからマルクが現れた。

咲夜「お嬢様、あれは!?」
レミリア「あいつは……あの時の!?」
メタナイト「マルク!?」
マルク「やぁやぁ覚えてもらえてボクは嬉しいのサ。フランボーグの扱いからキカイ化の魅力を知ったボクはもう虜になってしまったのサ。」
レミリア「黙りなさい!家族や仲間、紅魔館の借りは返してもらうわよ!」
マルク「まぁまぁ落ち着いて。さっきも言った通り、ボクはキカイ化の虜になってしまったわけで、いろんなものを作ったのサ。ここの奴らはポップスターのバカとは違っていい材料ばっかでホント最高なのサ!というわけで、厳選した素材で作ったおニューのサイボーグの起動式なのサ!」

マルクが時空の裂け目から呼び出したのは一人の少女だった。その少女は背中に6つの羽のようなものを宿していた。

一輪「あれってもしかして……」
村紗「ぬえ!?」
メタナイト「知っているのか?」
一輪「えぇ、妙蓮寺によく来る妖怪よ。最近めっきり来なくなったって聖が心配してたけど……よりによってあんな姿になるなんて……」
マルク「まぁコイツはなかなか厄介な相手だったのサ。いろんなものの正体を隠そうとした。しかし最新のテクノロジーには勝てなかったのサ。」

マルクは小さな機械を投げるとそこに写し出されたのは聖白蓮だった。映像なので物を投げれば通ってしまうが本物のような出来である。マルクはこれを使ってぬえにスキを作って拉致したのだ。

マルク「キミ達はギャラクテイックナイトに会おうとしてるんだろ?ダメダメ、行ったってどうせ剣の錆になるだけサ。せめてこの『機獣ヌエ』を倒していける程度の戦力が無いとね。さぁ行け!奴らの心をズタズタに惑わすのサ!」
機獣ヌエ『グ………グォォォ………』
レミリア「とことん最低な奴ね……さっさと片づけるわよ!」



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