二次創作小説(新・総合)
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- 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化
- 日時: 2018/11/11 12:09
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)
皆様はじめまして、ハルトマン社新人秘書のピコパです。今回は東方とカービィの小説を書かせていただきます。理由はどっちも好きであることと意外に共通点が多いことですね。
あらすじはこちら
ハルトマン社のマザーコンピューター『星の夢』の時空間転移プログラムをリニューアルし幻想郷のデータを獲得。魔法や神といった科学とはかけ離れた常識や豊富な資源を手にいれる為にハルトマン社は幻想郷キカイ化プロジェクトに乗り出した。科学と魔法、相反する2つの戦いが今始まろうとしていた。
この小説を読むにあたって
・この小説には作者による独自解釈や設定が含まれています。基礎情報は確認済みですがご了承下さい。
・とにかく話が広がり中々先に進まない場合があります。
・この小説オリジナルの技やキャラクターが出てくる場合があります。
・作者はあまり文才がありません、完全に行き当たりばったりで書いています。なので不備が生じることがありますのでその時は指摘をお願いします。
・この小説への荒らしや誹謗中傷のコメントはご遠慮下さい。
現在の物語
・デデデ編2
フェイズ0・幻想郷の存在
>>01 >>04 >>05
フェイズ1・幻想大侵攻
>>06 >>07 >>08 >>09 >>10 >>11 >>12 >>13 >>14 >>15 >>16 >>17 >>18 >>19 >>20 >>21 >>22
フェイズ2・幻想を越えた出会い
>>23 >>24 >>25 >>26 >>27 >>28 >>29 >>30 >>32 >>33 >>34 >>35 >>36 >>43 >>44 >>45 >>46 >>47 >>48 >>53 >>56 >>58 >>59 >>62 >>63 >>64 >>65 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>73 >>74 >>75 >>76 >>77 >>78
おまけ
>>31 >>37 >>49 >>50 >>60 >>61 >>62 >>71 >>72
レミリアの夏休み
>>38 >>39 >>40 >>41 >>42
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.66 )
- 日時: 2018/02/17 23:12
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>65
49・黄金と灼熱
古代の塔
古代文字に埋もれた空間を進む一行。魔理沙が壁にもたれかかると壁が少し崩れて灼熱機関に触れてしまった。
魔理沙「あっちぃ!」
ドロッチェ「気をつけてな、見たところ風化してるところも少なくない。」
魔理沙「ふーっ、ふーっ……危うく丸焦げ魔理沙になるところだったぜ。……ん?」
ふと魔理沙はぐるぐると周囲を見回す。
ドロッチェ「どうした?」
魔理沙「いや、誰かに見られてるような……」
ドロッチェ「……誰もいないぞ?」
魔理沙「んー?確かに視線を感じたんだけどなぁ……」
しばらく進んでいくと大砲が並ぶ小道を発見した。鉄の玉が飛び交っているので当たると相当痛いが脇に避けられる隙間がある。
魔理沙「いよいよ宝探しっぽくなってきたな。」
ドロッチェ「最初から宝探しなんだがな。よし、3発撃った後の隙をついて行くぞ。」
魔理沙「おっしゃー!」
攻略方法がわかれば後は進むだけ。ドロッチェと魔理沙は素早く隙間に入り込み奥へと進む。最奥の部屋には宝箱が鎮座しており開けると中には角が入っていた。
ドロッチェ「この神秘的なオーラ……幻の一角獣ユニコーンの角か。」
魔理沙「へぇ、なんだか不思議な感じがするな。穏やかな心地になるぜ。」
ドロッチェ「しかし……これは帰りが辛くなるな。大砲の弾に追われて帰ることになりそうだ。」
魔理沙「そういや全然帰りのこと考えてなかったぜ……」
結局全力疾走で帰ることになり待っていたストロンとスピンは飛び出た2人にたいそう驚いていたという。
次に見つけたのはトゲだらけの道とひとつのカタパルトだった。
魔理沙「なんだこりゃ?ジェット機?」
ドロッチェ「こんなぺたんこなジェット機があるか。これはカタパルトだ。よし、乗り込むぞ魔理沙。しっかり捕まっておくんだ。」
魔理沙「え、いやこれどう見てもシートベルトとかないぜ?」
ドロッチェ「まぁ見てな、それっ!」
魔理沙「えっ、うわちょっ……うわああぁぁぁ!!」
ドロッチェは魔理沙を担ぎ上げるとカタパルトに乗り込む。するとカタパルトは凄い勢いでトゲの道を進んでいくがレールが途中しかないため慣性の法則で放り出された。ドロッチェは空中で魔理沙を抱えうまく着地したが魔理沙は放心状態だった。
魔理沙「ぁ……ぁぅ……」
ドロッチェ「……少し刺激が強すぎたかな?」
魔理沙「あんなに速く動くとは思わなかったぜ…」
ドロッチェ「それはすまないことをした。さて、宝箱を開けようじゃないか。」
ヘロヘロになった魔理沙が宝箱を開けると中に入っていたのは欠けたお茶碗だった。水玉模様がアクセントになっている。
魔理沙「だから割に合わないんだってば…」
ドロッチェ「なかなか粋な計らいじゃないか。」
魔理沙「お宝というカテゴリーには遠く及ばないんだぜ……」
少し休んでいると道を探していたチューリンからの報告があった。どうやらお宝を見つけたらしい。チューリンの道案内に従って進んでいくと上に長い空間に出た。どうやら縦横無尽に動くリフトを乗り継ぎながら動くらしい。剥き出しの灼熱機関やら落ちたら真っ逆さまな空間やら、ここにもアリスはいないんじゃないかと魔理沙は思った。
ドロッチェ「チューリンによると簡単な場所にあるらしいが……高いな。」
魔理沙「うひゃー……見上げるだけでゾクゾクするぜ。」
ドロッチェ「とにかく行こう。慎重にな。」
なるべく下を見ずにドロッチェと魔理沙は塔を登っていく。宝箱自体は簡単に手に入ったが何故かその宝箱は凄く重かった。
魔理沙「お、重い……なんでだ?見た目は普通の宝箱なのに。」
ドロッチェ「恐らく中のお宝がとても重いんだろうな。とりあえず開けてみようか。」
中に入っていたのは見たことのない金属で作られていた鎧だった。
魔理沙「これは……この光沢……光の反射率……ミスリルか?」
ドロッチェ「ミスリルとなるとそうとうな値打ちとなるが……とにかく重いな。」
魔理沙「素材としても高くつくからなぁ……いっそ砕くか?」
ドロッチェ「……ストロンに運ばせよう。」
魔理沙「お前…………」
魔理沙「かけたおちゃわんやらマネキンやら何だかよくわからない像やら……ここにお宝を置いたやつ絶対ゴミ置いてるだけだろ。」
ドロッチェ「覇王のマントやらツタンカームやら英雄王の剣やらちゃんとお宝らしいものもあるんだよなぁ…」
ストロン「ねぇそろそろ鎧持つの変わってくれるぅ?」
スピン「僕が持ったら潰れるよ……」
お宝を確認しながら進んでいく一行。ふと、小石が微かに何かに当たった音がする。やんややんやと大騒ぎする魔理沙達だったがドロッチェだけはそれを聞き逃さずにいた。
ドロッチェ「誰だ!」
ドロッチェがアイスレーザーで何も無い空間を狙った。すると突然それは現れた。どんな色にもすばやく変化することで驚異の擬態力を持ち、大きな目玉でさえも完璧に周りに擬態する大きなカメレオン、ガメレオアームだった。
魔理沙「ずっと感じてた視線の正体はコイツだったのか!」
ドロッチェ「来るぞ、構えろ!」
???「………………」
ダークマター「まだ生きていたようだな……」
???「アイツはそう簡単に死ぬようなか弱い存在じゃないわ。」
ダークマター「……あの時に殺しておくべきだったか。」
???「それは契約違反よ。」
ダークマター「………ほぼ一方的に押しつけただけのような気がするが。」
???「まぁ見てなさい。すぐに来るわよ、この後の楽園に。」
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.67 )
- 日時: 2018/02/25 00:44
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: wXGYBxg0)
frontstory >>66
50・変幻自在の番人
ガメレオアームは姿を消してベロや足、玉を使って攻撃する。魔理沙やドロッチェは姿の見えない相手に苦労していた。普段視覚に頼って攻撃している2人にとって姿の見えない相手は十分な驚異である。ストロンとスピンも攻撃を当てられず困っていた。
魔理沙「河童の透明化の技術も凄いがそれを自分の体ひとつでやってのけるアイツもすごいな……」
ドロッチェ「技術……そうだ、ドク!お前の知恵を貸してくれ!」
ドク「やれやれ……年寄りをコキ使いおって……」
魔理沙の頭上を通り抜けUFOが現れた。そこに乗っていたのは年をとりすっかり縮こまったネズミだった。弱々しく見えてはいるが眼鏡の奥の知識は誰よりも深い。
ドク「ほほう……なるほど……簡単なことじゃ。」
魔理沙「爺さん、何かわかったのか?」
ドク「まぁの。まずは……」
ドクはガメレオアームの吐き出した玉を専用の機械で受け止める。そして何やら解析し終わった後にドクはUFOのアームを使って水鉄砲のようなものを取り出した。いかにも縄張り争いが起きそうな水鉄砲だ。
ドク「透明じゃからわからないんじゃよ。色をつければなんとかなるはずじゃ。ほれ、ワシの後ろにおらんと服が汚れるぞ。」
魔理沙「なぁドロッチェ、この爺さんなんなんだ?」
ドロッチェ「ドクという我が団のエンジニアだ。俺達が起点としている飛行船を作ったこともあるんだぞ。」
魔理沙「へぇ、凄いんだな爺さん!」
ドク「フン、若いもんにはまだ負けんわ!」
ドクは色水を周りに思いっきり塗りたくった。灼熱機関の赤と黄金の空間はどんどん色鮮やかになっていく。そして今まで透明になっていたガメレオアームの体にも色水が塗られていきとうとうその姿があらわになった。これにはガメレオアーム自信も驚いており頑張って透明になろうとするが、いくら環境に近づけても色水のせいでボロが出てしまう。
魔理沙「姿がわかればこっちのもんだな!」
ストロン「よーし、やっちゃうよぉー!」
スピン「チュー!」
姿が見えるようになってから対応が速くなった。伸ばしたベロや足をストロンががっしり掴み、ゴムパッチンの要領で攻撃する。スピンとドロッチェは素早い動きで玉の的を散らし、魔理沙が大きな一撃を叩き込む。気づいた時にはガメレオアームはヨレヨレのベロを引きずりながら尻尾を巻いて逃げていった。
魔理沙「よっしゃー!倒したぜー!」
ドロッチェ「ここを守っているガーディアンだったというわけか。」
ストロン「ベロ、すっごく長かったねぇ。」
スピン「どこにしまってるんだろうね、あのベロ。」
しかし、轟音と地震が突如としてやってきた。どうやら交戦の衝撃で塔が限界を迎えたらしい。風化により既にボロボロの状態となっていた塔は崩壊への道を歩んでいた。天井の黄金の板が音を立てて落ちていく。もはや崩壊は時間の問題となっていた。
ドロッチェ「まずい、崩れるぞ!」
魔理沙「逃げろー!」
必死に塔を降りる魔理沙達。しかし塔の崩壊は予想よりも速く、一行を包んでもろとも崩れ去った。
魔理沙「うわああぁぁぁ!!」
神秘の楽園
魔理沙「ん……ぅん……?ここは………!?」
気がついた魔理沙は同時に驚愕した。洞窟の奥だというのにまるで外のように明るいのだ。周りには綺麗な建造物があり空には雲が漂っている。塔の崩壊に巻き込まれ天国に到達したのかと錯覚するほどにこの景色は驚きに満ちていた。自分の胸に手を当てる、心臓の鼓動を確かめる。
魔理沙「生きてる、よな……?」
ドロッチェ「無事だったか!」
ストロン「あービックリしたぁ。でも今もビックリしてるよぉ。」
スピン「ここはどこでチュ?どこなんでチュ?」
ドク「やれやれ、また死に損なんだか……」
???「あら魔理沙、こんな所で会うなんてね。」
魔理沙「んあ?誰だ……って!?お前……」
ドロッチェ「知っているのか?」
魔理沙「………アリスだ。ずいぶんメカメカしくなってはいるがな。」
魔理沙の目の前に立っていたのは人形使いのアリスだった。しかし、ハルトマン社にキカイ化されてしまいサイボーグとなってしまっている。暗黒のオーラを纏っているのはすぐそばに闇の勢力がいる故か。魔理沙が知っているアリスの面影はそこには存在しなかった。
アリスボーグ「私の犠牲を無駄にしたようね……ホント、馬鹿な魔理沙。」
魔理沙「状況が状況だったんだ!お前をほうってはおけないだろ…」
アリスボーグ「あの人も詰めが甘いわ……あの時にとどめを刺していればこんなことにはならなかったものを。」
魔理沙「なぁアリス、戻ってきてくれよ。」
アリスボーグ「それは無理よ、私はあなたの命と引き換えに私を売ったの。今の私はハルトマン社の所有物。休むことなく兵器の設計図を書くメンバーよ。」
魔理沙「そんな………」
アリスボーグ「下を向くなんてあなたらしくないわね。いつもみたいに力づくで取り返しにきたらいいのに。」
魔理沙「………ああ、そのつもりだぜ。お前も幻想郷も全部あいつらから取り戻す!」
アリスボーグ「そう、私もただではあげられないわ。頑張って探してちょうだい。ここがあなた達の墓場となるか楽園となるか、すべてはその時に……」
アリスボーグは暗黒のオーラに包まれて消えてしまった。
ドロッチェ「ほう、これは高価なお宝だ。」
魔理沙「ドロッチェ……」
ドロッチェ「俺の本業は盗賊だ。あの子を奪い取るのには適任だろう?」
魔理沙「ああ、たぶんこの上ない味方だ。」
ドロッチェ「光栄の至り。さて、それじゃあ始めるとしようか。」
こうして、魔理沙とドロッチェ団の最高難度の宝探しが始まった。目指すは奈落の先の傀儡の少女。
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.68 )
- 日時: 2018/03/12 14:08
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)
frontstory >>67
51・ここは地獄か楽園か
神秘の楽園
キカイ化されたアリスを助けるために神秘の楽園を探索する魔理沙一行。相変わらず洞窟の中とは思えないほどに明るく広々としていた。雲さえも存在する無限に近い空間の中での探索は至難を極める。理由はその広さだけではなく
魔理沙「うわぁ!またかよ!」
ドロッチェ「自律人形か、気をつけろ!」
アリスがそこかしこに設置した人形の罠もまた探索を難しくする要因だったのである。見えない糸が張り巡らされていたり武具を持った人形が襲いかかったりと危険な罠である。しかしドロッチェとスピンは何かと燃えているようで罠を全て回避していた。魔理沙も多少の罠にはかかってしまうが持ち前のパワーで強引に突破していく。
情報を集めていたチューリンが戻ってきた。どうやらこの先の神殿にお宝があるらしい。しかし恐ろしいほどに大きな人形が守っているのだそうだ。
魔理沙「ゴリアテまであんのかよ……」
ドロッチェ「ほう、ガーディアンの類か……これはまたおもしろい。」
チューリンの案内で神殿にやってきたが、大きなゴリアテ人形が宝箱の前に佇んでいる。ゴリアテ人形のソウルが宝箱とリンクしており完全に動きを止めなければ宝箱が開かないシステムとなっているらしい。
魔理沙「気をつけてくれ、体は大きいが動きが素早いからな。」
ドロッチェ「なるほど……よし、行くぞ。」
魔理沙一行はゴリアテ人形に戦いを挑んだ。ゴリアテ人形は剣を構えて臨戦態勢を取る。ドロッチェとスピンが撹乱しようとするがゴリアテ人形はまるで相手にしていない。むしろストロンと魔理沙しか眼中に無いような戦い方をしている。なぎ払いや叩きつけ、蹴りなどその立ち回りは大振りだが隙がない。数での不利を立ち回りで凌駕していた。
魔理沙「さすがゴリアテ人形だぜ……パワーをためる時間すらねぇ。いや、たまったところで通用するかどうか……」
ドロッチェ「しかし必ずどこかに隙があるはずだ。その隙を見せるまで決して気を抜くな!」
スピン「たぶん背中が弱点になるかもしれないっチュ。」
ストロン「んじゃあ僕達が囮になるから頑張ってねぇ。」
魔理沙とストロンがゴリアテ人形の注意を引き、ドロッチェとスピンが背中から一撃を叩き込むという作戦だ。しかし細かい攻撃しかしていないのに大きな一撃を叩き込めるのかどうか、魔理沙はそれを心配していた。
ドロッチェ「心配は無用だ、こいつの力を見せてやろう。3つ星を宿す杖、トリプルスターよ!完全なる力を宿し、我が元へ権限せよ!」
ドロッチェが不思議な杖をふりおろすと巨大な星のエネルギーが降り注ぎゴリアテ人形を直撃した。ゴリアテ人形も油断しきっていたようで体を崩し、ストロンの木槌、魔理沙の最低限までためたショートスパークを放ち、ゴリアテ人形は倒れふした。ソウルのリンクが断ち切られ、宝箱の鍵が開いた。
そこにあったのは黄金に輝く3つの三角形だった。その三角形はこれ以上ないほどの神々しさと厳かな雰囲気を纏っていた。
魔理沙「すげぇ宝だ……力と知恵と勇気が湧いてくる気がするぜ……」
ドロッチェ「これぞお宝だな!もしかしたらこのクラスのお宝がまだあるかもしれない。よし、探索を再開しよう。」
魔理沙「言っとくけどアリスの探索も忘れないでくれよ!」
ドロッチェ「もちろんだ。」
魔理沙達は雲をかき分け進んでいく。その雲に紛れこむように神殿が建っていた。中には星空が映っており奥に宝箱が置いてある。
魔理沙「なんだこりゃ?腕輪か?」
ドロッチェ「精神力に満ちた腕輪か……ん?」
宝箱をあけた途端、星が落ちブロックとなって道の一部を塞いでしまった。
ドロッチェ「生き埋めになるぞ!逃げろ!」
魔理沙「樽にタイヤに狸の置物………ここまでくるとガラクタでさえも意味のあるもののように見えてきた。」
ドロッチェ「アミュレットやオリハルコン……どれも高価なものばかりだ。」
魔理沙「で………残るはこの神殿だけか。いかにもアリスが好きそうな外装だぜ。」
ドロッチェ「実にいいセンスじゃないか。機会があれば飛行船の外装を頼みたいところだな。」
魔理沙「行くぜ……待ってろよアリス!!」
傀儡の墓場
神殿の中は鎧や剣などの武具でいっぱいだった。ところどころアリスの壊れた人形がある。外装とはうって変わって不気味な空間を進んでいく。
そして奥の部屋にたどり着くと白いテーブルと椅子に座りアリスボーグが紅茶を嗜んでいた。アリスボーグは来客に気づくと湯気の立つカップをテーブルに起き話しかける。
アリスボーグ「ようこそ魔理沙、やっと来たのね。」
魔理沙「アリス……ここはいったいなんなんだ?」
アリスボーグ「ゴミ捨て場よ。」
魔理沙「ゴミ捨て場?」
アリスボーグ「そう。ここを守って、使えなくなって、捨てられる道具が行き着くところ。」
魔理沙「そんなところにアリスを置いてはおけねえな。さぁ、帰ろうぜ。」
アリスボーグ「フフ……やっぱり魔理沙はそうでなくちゃ。でも、そう簡単には帰ってあげられないの。」
『やはり来たか、白黒の魔よ。』
突然アリスボーグの体からダークマターが現れた。
ダークマター「彼女はすでに我が手にある。今すぐ引き返すべきだ。」
魔理沙「お前はあのときの!もう簡単にはやられねえよ!」
ドロッチェ「ダークマター……まさか世界を同じとする者がいようとはな。」
ダークマター「誰が来ようと結果は変わらぬ。」
魔理沙「アリス!お前を絶対に連れて帰る!」
アリスボーグ「いいわね……ちょうど人間の人形を作ってみたかったの!」
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.69 )
- 日時: 2018/04/07 20:13
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)
frontstory >>68
52・闇まとう魔鉄の少女
傀儡の墓場
薄暗く人形や鎧の欠片が散らばる神殿では、友情を取り戻す戦いが続いていた。パワーのある魔法で攻撃する魔理沙、素早く攻撃するドロッチェ達に対し、アリスボーグは強化武装を施した人形を操って戦う。操作難易度は上がっているはずなのだがいとも容易く人形を操っている。ダークマターの支持やキカイ化による魔力の強化によってアリスボーグはこれまでにない強敵となっていた。
魔理沙「なかなかやるじゃねえか……」
アリスボーグ「まだ終わりじやないわよね?」
魔理沙「当然!」
ドロッチェ「ダークマターが魔力の壁を張っていてダメージが通っていないな。」
魔理沙「アリスの体だから手加減してたけど……こっからはフルパワーだぜ!」
アリスボーグ「フフフ……耐えられるかしら?ワルツオブアーミー!!」
アリスボーグは一斉に人形を操る。時には緩め、時には大胆に、まるで舞踏会がごとく人形達は躍り狂う。魔力で紡がれた糸は絡まることなく動かすことができ、大人数で激しく動いても支障はない。
魔理沙「うおっ!?人形の耐久力もすげぇが……まとめてぶっ潰してやる!パワー全開!マスタースパーク!!!」
暗い空間の中を極太の光が貫き、人形達が灰塵と化していく。ダークマターのバリアも少し削りアリスボーグにダメージを与えていく。パワーはすごいがそのぶん反動もすごく支えていた魔理沙にもかなりの衝撃がきていた。支えていた片腕を持ち、フラフラになっていた。
ドロッチェ「大丈夫か!?」
魔理沙「ああ……これくらいはな……あとは私とコイツがどれくらい持ってくれるか………」
アリスボーグ「あら、せっかくの服が汚れちゃったわ。せっかくのお気に入りだったのに。」
魔理沙「余裕ぶるのはよくないぜアリス!」
アリスボーグ「相変わらず小癪な子……たぁっ!」
人形を失ったアリスボーグは魔力球を生成し魔理沙に放つが、ドロッチェの対応により魔理沙に直撃するものはなかった。
ドロッチェ「楽しいパーティだ、俺も混ぜてくれ。」
アリスボーグ「服を食い荒らすネズミも私の楽しみを邪魔するネズミも嫌いよ!」
ドロッチェ「俺をそんじょそこらのネズミと一緒にしないでくれ。さあ、こい!」
ようやくドロッチェも敵とみなされたのか攻撃が分散する。人形が減り戦いやすくはなったが劣勢であることには変わりない。魔理沙は攻撃が分散した隙に箒に乗り、八卦炉を使い更に速度を増してアリスボーグに突撃する。
魔理沙「我慢してくれよ………ブレイジングスター !!」
アリスボーグ「うっ!?」
魔理沙とともにアリスボーグは壁に激突した。アリスボーグの機械部分が火花や煙を立てている。魔理沙はアリスボーグの体を見たが突如として不思議な能力で吹き飛ばされてしまった。アリスボーグのモーターが高速回転して青白く光っており更なる狂気を醸し出している。
アリスボーグ「これは効いたわ……さすがは魔理沙ね……私も少し動こうかしら……マターちゃん、よろしく。」
ダークマター「ああ……」
ダークマターが魔力を増幅させアリスボーグのオーラが更に強まる。アリスボーグは今度は人形や魔力球ではなく体術で魔理沙に襲いかかる。魔理沙とドロッチェは拳をガードするがあまりの強さに弾かれてしまう。
ドロッチェ「おかしいな、俺が知っている魔女は魔法や呪いを使うんだが……拳を振るう魔女もいるのか……」
魔理沙「魔女っつってもいろいろあるんだぜ。」
アリスボーグ「さあ…まずはあなたからよ!無鎧脚!」
アリスボーグはドロッチェに向かって踵を落とす。最初はステッキで防ぐも横からの肘打ちや回しげりに対応できず押されてしまう。瞬間移動にも追いつき更に連撃を加えようとする。
アリスボーグ「いくわよ、百連舞!」
ドロッチェ「させるものか!ラウンドフラッシュ!」
ドロッチェはステッキの先を強烈に光らせてアリスボーグの目を眩ませる。ダークマターは光に弱いのか魔力が少し和らいでいた。ドロッチェはその隙にステッキをアリスボーグの腹に突いた。アリスボーグは魔理沙のもとへ飛んでいき、魔理沙も八卦炉のついた箒で思いっきりアリスボーグを殴った。壁に当たった衝撃で壁が崩れ、壁の欠片がアリスボーグに直撃しアリスボーグは撃沈する。とてつもない一撃によりアリスボーグのエンジンは停止した。
魔理沙「アリス……」
ドロッチェ「まて、様子がおかしい!」
魔理沙「え、うわっ!?」
アリスの体に憑依していたダークマターがエンジンを始動。ダークマターが燃料となりアリスを動かした。溢れる闇の魔力は辺りを壊しながら暴発していき、人形や鎧、瓦礫をかき集め体にくっついていく。その体はどんどん武装されていき、アリスではない何か『魔鉄の少女』と化していく。瓦礫と人形でできた体は闇のオーラに包まれアリスの2倍近くは大きくなっていた。
ダークマター「もう少し動くかと思ったが……仕方がない。アリス、すまないが利用させてもらう。」
魔鉄の少女『ウゥゥ…………』
魔理沙「そんな……アリス、アリス!?』
ドロッチェ「これはとんだサプライズだ!」
魔理沙「このやろう……絶対許さねぇ!!」
ドロッチェ「レディにこんな無骨なドレスは似合わないからな。」
魔鉄の少女『マ………リ…………ガアアアァァァァ!!!』
魔鉄の少女の悲痛な叫びは動かない人形や瓦礫を動かし魔理沙に襲いかかる。その動きに正確性はなくただ無造作に操っているようだ。叫びによる念動は徐々に激しくなり魔理沙達を襲う。
魔理沙「アリス……絶対に助けてやる!!」
- Re: 東方×カービィ 幻想郷のキカイ化 ( No.70 )
- 日時: 2018/04/15 21:06
- 名前: ピコパ ◆aIf9C.jTkU (ID: aFJ0KTw3)
frontstory >>69
53・人形裁判
魔鉄の少女の攻撃は凄まじく、神殿を半壊状態にまで追い込んでいる。魔理沙とドロッチェ団は攻撃の隙をついて反撃に出るが、瓦礫の一部をそぎおとしただけで致命傷には至っていない。
ふと魔鉄の少女が右腕を上げると巨大な磁力の刃が発生した。瓦礫や鎧がくっつき磁力の刃は途端に大きな鈍器と化した。
魔鉄の少女『アァァ…………ガアァァァ!!』
魔理沙「おわぁっ!?」
ドロッチェ「ぬぉっ!?」
降り下ろした衝撃で瓦礫が飛び散り爆発する。直撃は避けたものの爆風のダメージは決して小さくは無かった。そして間髪いれずに魔鉄の少女は極太のビームで辺り一面を凪ぎ払う。大規模な爆発と衝撃で神殿は崩れ落ち、その瓦礫は念力で再度降りかかる。高い威力ながらも隙のない戦いに魔理沙達は疲弊していた。
ドロッチェ「まずいな……力の差がありすぎる。俺達の攻撃がまるで効いてないぞ。」
魔理沙「とにかくアリスを引きずり出してもっかいエンジンを止めたいんだが装甲が固くてな……」
ドロッチェ「ふむ………なるほどな……お?」
魔理沙「どうしたんだ?」
ドロッチェ「……ダイヤモンドを削る方法を知ってるか?」
魔理沙「どうしたんだいきなり?ダイヤモンドで削るんだろ?」
ドロッチェ「ああ……だから……」
魔鉄の少女は叫びの念力で瓦礫を固めてドロッチェに飛ばす。しかしドロッチェは気にもとめず寧ろ瓦礫の塊に立ち向かっていた。そしてステッキを使って塊を打ち返したのである。
魔鉄の少女『!!!???』
ドロッチェ「こうするのさ。」
魔理沙「すげえ!あ、アリス!」
完全に油断していた魔鉄の少女は塊のダメージをくらい上半身の装甲が大きく削がれた。少しではあるがアリスの体が見えている。その隙に魔理沙はアリスの体を掴み無理矢理引きずり出そうとするが、電気を操るビットが現れ魔理沙に高い電気を浴びせる。
魔理沙「ぐあああっ!?」
ドロッチェ「魔理沙!?」
魔理沙「なんの……これしき………アリスは………これ以上に痛い思いをしてんだ……ぐっ……」
魔理沙はアリスを掴んだ体を離さず、電気に耐えながらも踏ん張って引きずり出そうとする。邪魔な瓦礫ははたき落とし、砕けた鎧も削ぎ落とし、ただアリスを助け出す為に魔理沙は死にもの狂いでアリスを引っ張った。
そして意識が朦朧としたとき、その最後の瞬間にアリスの体を取り巻く邪魔な物が無くなった。魔理沙は渾身の力でアリスを引き抜き、助け出した。魔力の供給源が無くなった魔鉄の鎧は音を立てて崩れ落ちていく。
魔理沙「アリス!おい、しっかりしろ!」
ドロッチェ「ダークマター……これでどうだ!」
ドロッチェはアリスのエンジン部分に輝く石をかかげるとダークマターはそれを避けるようにアリスの体から抜け出た。
ダークマター「あの時、ちゃんととどめを刺していればな……」
魔理沙「アリスをこんなにしやがって……覚悟しろ!そう簡単には殺さねえぞ!」
ダークマター「……いいだろう、今度こそこの剣の錆にしてくれる!」
『駄目よマターちゃん、もう戻る時間よ。』
作られた闇の狭間から現れたのはレミリアのクローン、レプリカだった。
魔理沙「レミリア!?お前……」
レプリカ「私はレミリアであってレミリアでない…そう、私はそんな存在よ。」
ダークマター「……邪魔をする気か。」
レプリカ「まぁまぁいいじゃない。あの子を失うのは残念だけど、設計図さえ作れればあとはこっちのものでしょ?」
ダークマター「反逆の芽を摘まぬ気か。」
レプリカ「あれが完成すればここもあそこも消えるから大丈夫。まぁ見てなさいな。」
ダークマター「………ではしかと見させてもらおう。その先の世界を。」
ダークマターとレプリカは闇に包まれて姿を消した。アリスの体は機械を埋め込まれ痛々しいサイボーグと化してしまっているが、白磁の肌は辛うじてその生を示していた。しばらくするとエンジンの再稼働が始まり、青色の瞳が魔理沙を捉えた。
アリス「………魔理沙………?あなた、どうして……」
魔理沙「ったく、勝手にこんな体になりやがって。苦労したんだぜ?」
アリス「ありがとう………そこのおしゃれなネズミの紳士さんもね。」
ドロッチェ「そんなんじゃない、俺はしがない盗賊団の団長さ。」
アリス「ありがとう、もう大丈夫よ。にしてももう時間は無いわ。私があんなものを仕上げたばかりに……」
魔理沙「おい、何を書いたってんだ?」
アリス「……レライザ。」
魔理沙「レライザ?」
アリス「マザーコンピューターの補助的システムよ。」
ドロッチェ「それがどうして世界の危機なんだ?」
アリス「それは別の機械『デウス・エクス・アリス』…インベードアーマーに継ぐ戦闘用マシンよ。」
魔理沙「マジかよ……」
ドロッチェ「とにかく目的のものは見つかったんだ。早くここから出ようぜ。」
地上
アリス「あなたはこれからどうするの?」
魔理沙「それが、ここは幻想郷とは全く違う世界なんだ。途方に暮れてんだぜ……」
ドロッチェ「心配はいらない。幻想郷に帰れるまで俺の飛行船にいればいい。」
魔理沙「ひこうせん?」
ドロッチェ「まぁ、見ればわかるさ。」
ドロッチェが天を指差すと大きな飛行船が現れた。中に入ると居住スペースが広がっており生活にはあまり苦労しないようだ。
魔理沙「すっげー!こんなとこはじめて来たぜ!」
アリス「確かにここは別の世界らしいわね……」
ドロッチェ「君がここにきたように、帰れる方法がきっとあるはずだ。」
魔理沙「じゃあしばらく厄介になるぜ。」
アリス「ごめんなさいね。」
ドロッチェ「なに、構わないさ。華があるほうが旅は楽しい。」
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