神の力を受け継ぎし者 作者/粟生空

第4章 運命の選択 決めるのはこの手で
『――此処に来たからには 決めなくてはならない
後戻りは出来ない 選択肢は貴女にある―――』
『・・・選択肢・・・どういう選択肢だよ?』
『―――碧ヰ 前を見て―――』
彼女は、俺に人差し指をすっと向けた
『―――貴女はまだ 前を向いていない―――』
そう俺に言ったあと、彼女は俺に背を向けた
『―――運命の扉 我の詞聞き届けよ―――』
彼女が呪文か何か、言い終わると扉が現れた
とても大きく、真黒の鋼鉄で出来ていた扉
『――前を見て進めば 貴女は辿り着ける―――』
彼女は優しく愛らしい顔で微笑んでいたが
少し真剣に言っているような声で俺に言った
それはまるで、俺に警告しているかのように・・・
此処に入るのは、そんなに危険なことなのだろうか
『―――貴女はきっと大丈夫だよ―――』
『は?大丈夫って・・・此処、危険なのかよ?』
恐る恐る・・・危険だとか言わないでくれよっ!?
『―――人それぞれだよ―――』
(嘘やーん・・・何気にこの娘(子)怖いってっ!)
『ま【人生楽あり苦あり】死んでも行ってやる!』
俺は『扉』に近づいていく
1歩近づく度に、身体全身に圧迫感がかかってくる
彼女は俺が『扉』の前まで来ると、こう言った
『――前を向いて 前だけを見て 前に進んで――』
さっきからずっと言っているこの言葉・・・・
(いい加減耳にタコだぜ、番人サンよ)
『ギィイィィ・・・・バンッ!』
『扉』を自分の手で開けた
途端、黒い煙のようなモノが俺を包んでいった・・・
――――俺が選択した運命の 始まりだ――――

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