神の力を受け継ぎし者 作者/粟生空

第6章 闇を越えて霧 辿り着く場所は



『前』へ駆け出していった俺の視界には

もう、あの『黒の空間』は無くなっていた・・・

ゆっくり眼を開ける・・・気づいたら涙が流れていた

『絶対泣かねぇのにな・・・やっぱり・・・無理か』

身体を起こし、涙を服で何度も拭った(ぬぐった)

腕を退けた途端に、身体中に寒気がはしった

身体が『ビクンッ!』と撥ね(はね)返った

ふと気が付くと、周りが霧で包まれている

(今度は霧かよ・・・何も見えねぇじゃんか)

自分が立っている地面は、どうやらレンガのようだ

『何処にいるかってこと位知れたら・・・』

『・・・スゥウゥゥ・・・』

『・・・・ぁ・・・霧が晴れて・・・』

自分がどんな所にいるのかは分かってきた

レンガ造りの街角らしい、それ以上は分からない

『っだ――!さっさと晴れやがれ!ウ○コ―――!』

(御下品な言葉、スイマセン。これでも女の子です)

【史上最悪な女の子の叫び】がお天道様に通じたのか

(いやいや、有りえないから)霧がスッキリと晴れた

どんな所にいるのか知るために走って角を曲がった

『・・・・・次は・・・コンナ所っスか・・・・』

いかにも『ホラー映画に使用されそうな場所』だった

『【名探偵 コ○ン】の映画であったような・・・』

―――『碧』は道を辿り、運命に入り込んだ―――