神の力を受け継ぎし者 作者/粟生空

第8章 神の力 少女が得た【力】



『―――【碧ヰ】がこれから辿る世界で必要となる

 【神の力】 【碧ヰ】が選択していいの―――』

『また【お選択】ですかぃ・・・』

【選択】って一体何回言ってんだ、番人さんよ・・・

『で?どんな【選択】だ?また【人それぞれ】か?』

『――【人それぞれ】と言っても可笑しくはないよ

 でも【碧ヰ】の【力】はもう決まっているの――』

(変な能力とか嫌だぞ、俺は・・・っ)

『でもさっき『碧ヰが選択する』っつってたじゃん』

『―――【道 運命】を【選択する】のは【碧ヰ】

 【決める】のは【神の力】が選択するの―――』

(ぐぁあぁあぁぁっ!ワっケ分かんねぇえぇぇっ!)

『――さあ 【碧ヰ】【道 運命】を選択して――』

(はいはい【お洗濯】すりゃあいいンだろ)(違う)

『・・・・・・ウン、で?その【力】とかは?』

(何つーか、呪文とかでくれたりしないワケ?)

俺がそう言うと、番人は少しの間、黙り込んだ

『―――碧ヰの【神の力】は それだよ―――』

そう言って、俺の左半身辺りを指差した

『はひ?』(情けない声出しちまったっ!)

自分の身体を見てみる・・・(ンごっ!)

自分の左腕上腕部に、変な形の物が付いていたのだ

(・・・ん?これ・・・な――んかどっ・・・)

『・・・・ぁ・・・っあ゛ぁ―――――!』

(【D.○ray-○an】に描いてあった・・・)

『・・・ぃ・・・・イノセンス・・・・か?』

『えウっソ!スゲェ!でも何で!?てかスゲェ!』

さっきまでいたって普通だった自分の身体に

変なモンがあれば、誰だって奇声は出すハズが

この子は全く逆に、大喜びしているではないか。

何がそんなに嬉しいのか、こちらは理解不能である。

『デ、どんな【力】が使えるんだよ?』

『――【防御空間 回復空間】を創り出すこと

 【攻撃系能力】【治療能力】も備わってるよ――』

『っへぇ――!随分と便利なんだな』

(あ・・・そーいえば・・・)

『なぁ、【D.○ray-○an】であった

 【シンクロ率】とかって分かんねぇのか?』

だって知っといたほうが、得するんじゃねぇかな

『―――そのような物は 私は知らないの―――』

(あらま・・・そ――なのね・・・)

『――さあ 碧ヰ 【本当の運命】を通って――』

『―――【運命の扉】よ

 我は神の下に選ばれし使徒を 送り届ける者なり

 我の声を聴けよ 今此処に使徒を届けだす―――』

番人がそう言い終わると、また【扉】が現われた

だが、さっきの【扉】とは全く違う【別の扉】だ

【扉】は、まっさらな綺麗な白い石に

何かの模様を、彫刻してあるものだった

『―――これで 碧ヰは【道】に進めるよ―――』

番人・・・いや、美しい少女は俺に微笑んでくれた

『そりゃあ・・・どーも』

【扉】が開き始める・・・俺は【前】を向いて進む

――少女は【神の力】を得た 【運命】の始まり――