神の力を受け継ぎし者 作者/粟生空

第9章 戦闘 少女の力と向けられる銃器
【扉】から真白い光が放たれた後に
俺は・・・どうなったんだっけ・・・・
(今度は大丈夫なんだろうな・・・・)
恐る恐る、震えながら眼を開けてみる・・・
(ほっ・・・大丈夫みたいだ・・・よな・・・)
身体中を手で触り、本当に大丈夫なのかを確認する
実に、まったく疑りの深い少女である。
『しっかし、ま――た似ったような感じの所だな』
レンガ造りの物件や、綺麗な建物が立ち並ぶ町だった
『何か【D.○ray-○an】の世界の町と
随分似てるっつーのは俺の気のせいだ・・・よな
あんな所行けたら、俺絶対死んじまうぞっ!
・・・でも【D.○】の世界に来れたんだから
死んだらありえん位めっちゃ勿体ねぇよなっ』
何を言っちゃってるんですか、アナタと言う人は。
丁度あんなこんな想像を膨らましていたときだった
『・・・キィィイィ・・・・』
奇妙な機会音が耳に入り、そこら一帯に響いた
『・・・っ何の音だってん・・・・・っ!』
『ドカンッ!・・・ガラガラガラ・・・・』
すぐ後ろのレンガの壁が、すの凄い破壊音と共に
粉々に粉砕され、そして崩れ去っていった
それと同時に【奇妙な化け物】が姿を現したのだ
体中に銃器らしき物がびっしり生えている化け物
『【D.G】の【アクマ】ってとこかっ!』
『カチッ』銃器が音と共に、こちらに向けられた
『っ!』
『ドドドドドドドドッ!!』
まったく容赦なく、大量の銃を打ち込んできた
周りの壁などは粉々に粉砕され
もはや原型が分からないという姿にされてしまった
『ったく・・・行き成り容赦無しかよ!』
素早く移動したものの、流石に怪我はしてしまった
少しだけだったが、傷口からは血が出ていた
服も所々破けてしまっていて、随分と汚れてしまった
『ちぇっ・・・お気に入りのヤツだったのによぉ』
こんないかにも危険で死にそうだという状況で
こんな発言サラッと言えるのは、この人だけだろう。
恐ろしい。怒らせると絶対怖いなこの人は。
『ちっ・・・普っ通の人間が戦えるかっつーの!』
・・・な――んて言っちゃって
思いっきり『戦う気オーラ』出てますよ、碧ヰさん。
『戦闘体制』までとっちゃってますよ。
しかも【イノセンス】あるの、忘れてません?
『そだった、俺って【イノセンス】あるんだったけ』
っぅ―――わ。めっさ忘れてましたよ、この人。
大丈夫なんでしょ――か、先行き超不安です。(汗)
『祝いすべき第1回目がこんなにも早いとはな!』
祝いしなくちゃいけないんですか、碧ヰさん。
しかも『戦う』って言うのに、嬉しそうですよ。
『夜眠れさせなくさせる人』絶対この人のことだ。
間違いない。間違いなくアナタのことですよ。
『カチッ』またもや、銃器が向けられる
『さ――って【パレード】を始めようじゃねぇか!』
――少女は力を試すべく そして壊すべくして――

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