■ strawberry ■ 作者/碧琶 ◆xfa1dsRBJk

◆strawberry4...愛してる



あの頃の自分は、苺を愛せてたっけ――・・・?
名だけの彼女と言っても不思議じゃなくて、一緒にいる時間も少なかった。


    〝人間は失ってから気付く〟

何処かでこんな台詞を聞いた事がある。
本当にその通りだなぁ――・・・って、今は凄く実感する。
実際の俺は、苺を手放して気がついたんだ。



     苺を本当に愛してる――・・・って。



俺たちの歩んだ道は、どれ位なんだろう。
とてつもなく、短いのだろうか?

苺は、俺の事愛してたのかな。
俺と別れて、どんな思いを心に描いたのかな。
俺といて楽しかった・・・・・・のか?


「佐渡くん?
    プリント・・・」

夢原唄か・・・・。
髪の毛を軽く巻いて、化粧をして――・・・

香水の匂いもかなりキツイ。
名前とは似合わない、変な奴。

俺はこいつが大嫌いだ。

俺は無言でプリントを渡す。
目も合わさないで。

「次の時間は、キャンプの班決めだって」

隣りの席の、高野が言う。

「ふーん」
教えてくれたのに、素っ気無い返事で返す俺。
こう言うところが優飛と矛盾している。


苺は、誰と班・・・一緒になりたいんだろう。
優飛は別のクラスだし。


俺は――・・・



      お前と一緒になりたい。