■ strawberry ■ 作者/碧琶 ◆xfa1dsRBJk

◆strawberry11...大事に



「こんなのって酷すぎるよお・・・・・・」
私は、三波にこう嘆いた。

――由井三波。
私の一番の友達だ。
辛い時も、嬉しい時もずーっと一緒に過ごした親友。

「しょうがないんじゃない?まぁ、佐渡と夢原の他に準がいるしね。」

と、相変わらずのさっぱりとした返事を返してくる三波。
準君は・・・・・・三波と幼馴染で何度か話したことはあるけど――

夢原さんに虐められてた頃の怖さ、慧君と別れた時の寂しさが今も凄く心に溜まっているまま。
優斗と三波がいてくれればいい、そう思ってた。
だけど、頼ってばっかじゃいけないよね・・・

私は小さなため息をつきながら班の固まる場所へ向かった。
もう私以外の3人は既に集合していた。

「遅れてごめんなさい」

と小声で言い、ちらっと夢原さんを見た。

――良かった
夢原さんは、慧君に夢中って感じで一心不乱に話し掛けていた。
ズキン・・・・・・

あれ?
なんか胸の奥に鋭い痛みがはしった。
駄目じゃん私・・・

優斗がいるのに――
この時、私はそう思って心を落ち着かせることしか出来なかった。

優斗は、私を大事にしてくれる――・・・
慧君とは違うんだ――・・・



  無理やり自分を納得させようとしている私に、凄く嫌気がさした。